サイエンスFactoryツアー「大阪公立大学植物工場研究センター・資生堂大阪茨木工場」

 

8月21日()に、「Factoryツアー」と題して、高校生の希望者25名で大阪公立大学植物工場研究センターと資生堂大阪茨木工場へ行きました。植物工場研究センターは、人工光による植物栽培に特化した研究施設で、水耕栽培と魚の養殖を組み合わせたアクアポニックスの様子や、LEDや自動搬送ロボットを用いたレタスの生産工場を見学しました。質疑応答の時間では、露地栽培と比較したメリットや、利益率を考慮した管理体制のこと、水耕栽培に適した魚などについてお答えいただき、理解を深めることができました。資生堂大阪茨木工場では、化粧品の製造の様子を見学したあと、オリジナルのルームフレグランスを充填する体験や、匂いや手触りなどを評価する官能検査の体験をして、1つの製品をよりよく正確につくるための工夫を学ぶことができました。1時間半の体験時間では足りないくらい見所がたくさん!「また来たい」という声も多く聞こえてきました。普段何気なく目にしている製品が人々の知恵と努力の結晶であることを学び、有意義な1日となりました。

 

サイエンスチャレンジ「分光学入門~溶液の色をどのようにして分析するか~」

 

8月1日()に「分光学入門~溶液の色をどのようにして分析するか~」を実施しました。簡易分光器を使った観察をとおして、「色が見える」とはどういうことかを理解した後、分光器による溶液の測定を行いました。測定結果によるスペクトルデータを見ながら、見える色と透過光、吸光度の関係性を学びました。さらに、ランベルトベールの法則を確認するために、溶液の濃度を薄めて吸光度を測定し、吸光度と濃度の関係性について理解してもらいました。吸光度に関する問題は、大学入学共通テストや、化学グランプリでも出題されており、講座を受けたことで、「実際に体験することができてよかった」や「発展的な内容でとても興味深かった」という感想がありました。

 

2024 SHOOT Lab(研究室体験研修)を実施

 

本校のSSHの取組の中でも重点事業となるSHOOT Labが希望者28名(サイエンス科1年生14名・2年生1名、文理コース1年生5名・2年生8名)の参加のもと始まりました。この取組は、大学での最先端の研究現場を体験して科学の方法を学んだあと、自ら課題を設定して課題研究に取り組むプログラムです。6月から研究テーマにあわせた事前学習を本校指導教員のもとで行い、夏休み3日間の大学での研修を迎えました。大学研究室では、高校では見られない測定機器や分析装置を扱い、大量のデータを解析し考察する実習も行いました。ひと足早く大学生になった気分で、難しい計算や分析、考察なども班のメンバーで協力し、積極的に取り組めていました。この大学での研修をもとに、各班で課題を設定して事後学習を行い、年度末にポスター発表を行います。また、SHOOT Labは研究成果を校内にとどまらず、学会やコンテストなど外部で発表することも目標としています。昨年度も学会での発表を行いました。今年度も研究成果を幅広くアピールできる活動を期待します。

 

京都府立医科大学連携 共同教室「薬の開発に関わる基礎実験」

 

7月29~31日の3日間、京都府立医科大学薬理学教室の楳村敦詩先生の研究室で「薬の開発に関わる基礎実験」のプログラムに高校2年生の生徒が4名参加しました。医学における薬理学の役割や、遺伝子組換え動物の役割、取り扱いについて講義いただき、高校の生物の授業で行うことができない、遺伝子改変マウスを使ったDNA抽出→PCR→電気泳動の実験を行いました。

また、仮説をたてて結果から考察するという時間も設けていただき、ただ実験を体験するだけでなく、データから何がいえるのか主体的に考えることができました。完成したレポートを楳村先生にチェックしていただく時には皆とても緊張していましたが、とても充実した時間を過ごすことができたようです。

 

サイエンスチャレンジ Dr.Christian Werner Becker Asano氏 特別講演会

 

6月26日()に本校の視聴覚教室において、ドイツのStuggart Media Universityの教授であり、AIやロボティックスの分野で世界的に高名な研究者であるDr. Becker-Asano氏による特別講演会が開催されました。氏の娘の浅野葉月さんが現在1年生の文理コースに聴講生として在籍しているご縁で、今回この講演会が実施されました。アンドロイドに感情を与えるためのプログラム設計や臨床実験、「不気味の谷」を越えるアンドロイドを創造するために求められる事、機械学習(ML)の原理等、多岐に渡るトピックについて今まさに現在進行形で進んでいる研究や実験結果を交えつつ、大変わかりやすくお話いただきました。講演は氏が英語で話された内容を、葉月さんが日本語に翻訳して説明する形式で行われました。考査直前にもかかわらず50名を超える参加者があり、講演後も30分以上質疑応答が続く程、皆熱心に聞き入っており、本テーマについて関心・理解を深める素晴らしい機会となりました。

 

令和6年度 サタデープロジェクト第1回

 

 今年度もサタデープロジェクトが始まりました。土曜日を活用した希望者参加型の企画です。6/1に開催された企画の中から理数系の取組(サイエンスチャレンジ)の様子をご紹介します。

虚数単位iを考える

 「虚数単位iはi2=-1を満たすもの」と教科書には簡単に書いてありますが、そんなものは本当にあるのかという疑問から出発しました。行列という新しい数の体系を用意し、行列の計算を考えていく中で、2乗して-1になるものを無数に作り出しました。何個もあったんですね。複素数平面と行列の掛け算の対応を考える中で、iと呼ぶのにふさわしい行列を特定しました。また、「そもそも1とは何か」という問いについても考えました。単純な計算の中に隠れている奥深さや、試行錯誤の楽しさを感じる時間になりました。


プラズマ発生実験

 聞いたことはあるけど、『プラズマ』って何なのかよく分からない。誰しもがそんな状態からスタートし、レクチャーとトライ&エラーを繰り返すうち、徐々に自分の手で超高温プラズマを作り出せるようになっていきました。時には1万度を超えたと思われるプラズマも!最後には応用編として、人工サファイアの合成にも挑戦。昨年度のルビーほどきれいに発色しませんでしたが、何人も黒紫色のサファイアの合成に成功しました。超満員で大興奮の講座となりました。


謎のシステム『ブルーボトル』

 『ブルーボトル』は3つの試薬を混合することによってできるシステムです。振り混ぜると青く変色し、静置すると、無色に戻ります。この不思議なシステムについて、観察→仮説設定→実験検証→新たな仮説設定を繰り返すことで、メカニズムを解明する活動を行いました。こんなに試験管とピペットを使った経験はなかったはず。実験の基礎技術も身に付いたし、とってもきれいな銀鏡反応も観察できました。「難しかった」という声もあったけれど、できたこともたくさんあって、参加した皆さんには手ごたえとやりごたえを感じてもらうことができました。


キッチンサイエンス~フォカッチャのひみつ~

毎年滋賀大学の加納圭先生の研究室とコラボしながら、「料理は原理を知るともっと楽しく上手に」をテーマに条件を変えながら、科学的に美味しく料理をつくる通年の企画です。1回目となる今回は、パン教室を開いている小久保先生をお招きして、手軽に、美味しく、さらにエコに作れるフォカッチャ(イタリア発祥のパン)の作り方を学びました。 材料を混ぜる順番や、こね方、温度などレシピにはそれぞれ科学的な意味があることを知ったことで、新しいアイデアや疑問がたくさん見つかった様子でした。次回からは、アイデアを基にもっと美味しくSDGsの視点も取り入れたオリジナルのフォカッチャ作成を目指して実験の計画を立てていきます。


 

村田学術振興・教育財団 教育助成B・C助成に採択

 

 本校で今年度実施する「SDGs × キッチンサイエンス~食と料理を通したSTEAM教育の実践~(サタデープロジェクトでの実施)」および、「探究活動指導者のためのワークショップ開発と実施」の取組が村田学術振興・教育財団の実施する教育助成事業のそれぞれB助成・C助成に採択され、助成贈呈式が行われました。生徒が自ら課題を見つけ総合的な視点で解決を目指すSTEAM教育の発展に貢献できるよう、助成金を活用しながら実践研究を進めていきます!

 

SHOOT Lab(高校1・2年研究室体験研修&課題研究)募集開始!

 

SHOOT Labは、Science(科学)、Hypothesis(仮説)、Observation (観察)、Operation(操作)、Theorization(理論化)、Laboratory(研究室)の略で、大学の研究室体験だけでなく、事前学習・事後の追加実験(考察)・成果物のまとめ(ポスター発表)を体験できる洛北SSHイチオシのスペシャル企画です。今年度は、夏休みに京都工芸繊維大学、京都府立大学の研究室(5研究室)を3日間訪問して「最先端の研究」を体験し、その研修をもとに課題研究をすすめます。

 

サイエンスチャレンジ 科学オリンピック対策講座開催

 

化学グランプリの問題に挑戦!

 5月8日(水)の放課後に対策講座として、2022年度の過去問題の第2問(銀塩カメラを題材とした問題)を解きました。苦戦しながらも、なんとか解ききることができました。化学グランプリと聞くと、「習ったことがない難しい問題」というイメージがあるかもしれませんが、高校で習う化学の知識とリード文の内容を組み合わせて解くことができる問題も多くあります。皆さんの知識を試しながら、化学の面白さに触れる絶好のチャンスです。

生物学オリンピックに挑戦しよう!

 日本生物学オリンピックは、国際生物学オリンピックの日本代表選考を兼ねて行われている大会ですが、本校からはこれまでに、日本代表1名(国際生物学オリンピック2020リモート大会 銀メダル)をはじめ、日本代表候補1名、金賞受賞者も多数輩出しています。あなたの生物学の知識を試す絶好の機会です。既にエントリーが始まっていますが、サイエンスチャレンジ「生物学オリンピックに挑戦しよう!」では、参加のための手続きとともに、過去問題の演習や勉強の仕方、参考図書などについて解説していきます。皆さんも、本選が行われる熊本、そして、来年度第36回国際生物学オリンピックが開催されるフィリピンを目指して、ぜひ、挑戦してください。

物理チャレンジにチャレンジしよう!

 今年度も10名近くの生徒が物理チャレンジに挑戦しています。今回のレポート課題は「身のまわりの運動を調べてみよう」という課題で、多重振り子などさまざまな運動を創意工夫しながら調べています。本格的なレポートを書くのが初めての人も多く、大変な課題だと思いますが、楽しみながら頑張ってほしいです。

 

サイエンスチャレンジ 熱流体研究室

 

流体(液体&気体)と熱エネルギーの関係性を理解し、その利活用を図ることを目的に、9年目の現在は水泳部との共同研究に取り組んでいます。太陽光の熱エネルギーを効率よく水に取り込ませることで、電力を必要としない『ランニングコストゼロの温水プール』の実現を目指して研究を進めています。プールサイドに置いた異なる条件設定の水槽で、休み時間の度に水温の変化を測定しグラフにまとめて分析しています。効率のよい手法が確立されれば、春にはプール自体をビニールハウスで覆って、大型化した実験をしたいと考えています。身近なテーマに科学の手法で取り組むのは、(お勉強より?)面白いものですよ。

 
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