第4回 サタデープロジェクト

 

心臓のつくりを観察しよう

 情熱はハートに宿っているそうですが、実際の心臓はどのような形をしていて、どのように血液を循環させているのでしょうか?この講座では、食用として入手できるブタの心臓(ハツ)を観察して、その謎に迫りました。ブタの心臓はヒトのそれとほぼ同じ大きさとされていますが、思ったよりも小さいと感じた生徒が多かったようです。ふつうはあまり触ったりすることのない実物に戸惑いながらも、心臓の動きを解説した動画などを参考に、どこから血液が入って、どのように送り出されているのかなどを、グループで話し合いながら観察しました。

草木染

 ログウッドという染料を用いて草木染を行いました。ログウッドは、別名アカミノキとも呼ばれる染料で、媒染液に含まれる金属イオンにより発色が異なることが特徴です。今回は6班に分かれて、pHや金属イオンの種類による絹の染まり方の違いを確かめたあと、綿のハンカチやポーチを、媒染液の種類や濃度、手順を工夫して、好きな色に染める活動を行いました。絞り染めの方法を調べて実践した班もあり、その創造性には驚かされました。「思った色に染まらなかった」という班もありましたが、それも草木染の魅力の1つです。探究心がくすぐられた人もいたようで、「別の染料でもやってみたい」「2時間では物足りない内容だった」という感想が見られました。

Geogebra

 関数のグラフや図形を自由に作って動かすことができるソフト『Geogebra』を使って、実際に出題されている数学の問題などを、グラフや図形を動かして考えました。『Geogebra』での関数の扱い方や図形の書き方を説明し、実際にある数学の問題を参考に、それぞれ工夫をして教材を作りました。数学の問題を「数式で解く」だけでなく、実際に図形などを動かして理解をすることで、数学に対する考え方が深まったように感じました。

京都でブラタモリ

 蹴上駅→ねじりまんぽ→南禅寺→哲学の道→銀閣という東山をメインとしたフィールドワークを行いました。

 小雨の降る寒い一日でしたが、終わりかけの紅葉を楽しみつつ、地図を片手に1時間近く歩きました。ねじりまんぽや南禅寺では蹴上インクラインや琵琶湖疎水の役割を確認し、哲学の道では、右手の断層によってできた崖を感じながら歩きました。銀閣では、「庭に使われている石や砂が何でできているのか」ということについて地図を用いて考え、東山の微地形の成り立ちを理解し、足利義政がなぜこの地に銀閣を建てたのか仮説を立てました。

 

京都Scienceチャレンジ「ペーパーローラーコースターコンテスト」を実施しました

 

 10月26日(土)にペーパーローラーコースターコンテスト(PRCC)を実施しました。このコンテストは京都Scienceコミュニティに登録している高校間をオンラインでつなぎ、同時に科学競技を行うものです。今年度は京都府立高校だけでなく、全国のSSH校にも参加いただき、最終的に8道府県、16校、52チームのエントリーがありました。

 当日は洛北高校・附属中学校含め熱い戦いが繰り広げられましたが、最終的に、124.9ptを獲得した宮崎県立都城泉丘高校のチームが優勝しました。

 洛北高校は第5期SSH指定校として全国に成果を普及していく役割を担っており、この企画もその一つです。引き続き、京都Scienceコミュニティ登録校および全国の高等学校とオンラインでつないだ科学競技企画を実施していきたいと思います。

 

第3回 サタデープロジェクト

 

ZUMBAを踊ろう。

 10月19日(土)、サタデープロジェクトとしては初めて、ダンスエクセサイズであるZUMBAイベントを行いました。講師の松井信太郎氏は京都大学大学院を卒業した後、某企業で植物の研究に従事。9年務めた企業を辞めズンバインストラクターになった異色の経歴の持ち主です。前半はお互いを知ることから始まり、将来の進路についてリラックスした雰囲気の中で講演していただきました。後半は待ちに待ったズンバです。ほとんどの人が初めてでしたが、みんな楽しく汗を流していました。「ダンスは苦手だったけど、今回は下手でも楽しむことができた。」「またZUMBA踊りたいです。体育の授業の一環としてやってほしいです。」など多くの前向きな意見を頂けました。運動の秋、みなさんもズンバを踊ってはいかがですか?

海綿動物

 カイメン(海綿)は、現存する多細胞動物の中で最も進化的に古い動物門とされており、進化発生学的に非常に重要な生き物です。そのため、多細胞生物特有のさまざまな仕組みの起源をカイメンから探ることができます。

 また、人間との関わりについて言えば、カイメンは沐浴などのスポンジとして用いられ(カイメンは英語で "sponge" といいます)、水中の浮遊生物をろ過して摂取することで、水中の有機物を除去する役割も果たします。アニメキャラクター「スポンジ・ボブ」をご存知でしょうか。実は彼、カイメン動物なんです。

 本実習では、カワカイメンの幼若個体を用いて、個体形成過程を観察し、スケッチを行いました。カワカイメンは、1つの受精卵からの個体形成だけでなく、数千個の幹細胞集団からの無性生殖による個体形成が可能であり、非常に優れた能力を持っています。形成されたカワカイメンの個体観察を通じて、幹細胞集団からどのように組織や骨格が構築されるのかを考えました。

 透明な体にキラキラと光る骨片と、繊細な煙突のような突起を持つ美しい生き物に、生徒たちは興味津々。実体顕微鏡で生物を観察しながら、体を切断したり細胞を解離したりするなどの初めての体験でしたが、生徒たちは一生懸命に取り組んでいる様子が見られました。

 実験中には、「え!これ本当に動物なの!?」という驚きの声が多数上がりました。

そうです、これでも立派な動物なんです!

 本実習では、京都大学理学部生物科学専攻分子発生学研究室の船山典子准教授にご指導いただき、カワカイメンの芽球も提供していただきました。

【カワカイメンの研究について詳しく知りたい方は以下のURLをご参照ください】

・京都大学船山研究グループHP  //sponge.sci.kyoto-u.ac.jp/

・カイメン体内で微細な建築資材(ガラス質の骨片)を細胞が運び、立て、組み上げる全く新しい骨格形成機構を発見

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2015-09-24-0

 ・カイメンが明らかにした幹細胞の起源的な分子基盤

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2016-01-15-0

 ・工務店細胞が「建設」する深海のスカイツリー

//sponge.sci.kyoto-u.ac.jp/kairoudouketsu-2.html

水の中でおこる不思議な化学の世界を見てみよう

ケミカルガーデンやカラフルカプセルの作成および試験管内で雪を降らそう、という3つの実験を行い、水の中でおこるカラフルな化学現象を体験しました。16名の参加者からは「すごくきれい」、「授業で扱った試薬からこんな変化が見られて興味深かった」などの感想が寄せられ、実験の様子を写真や動画に残していました。

https://www.kyoto-be.ne.jp/rakuhoku-hs/mt/education/assets_c/2024/11/2af18cddd60b7ab3ebdd179abbc742d6660eea18-thumb-200x267-271514.jpeg

キッチンサイエンス第3回~フォカッチャのひみつ~

3回目となるキッチンサイエンスでは、SDGsとサイエンスを意識して、食品ロス削減を目標にした「家にあるものでフォカッチャ」、糖尿病の人も食べられる「りんごのフォカッチャ」、お年寄りや小さい子供も食べやすい「みんなで作れて食べられるパン」、小麦アレルギーの人も食べられる「グルテンフリーフォカッチャ」など、グループで設定したテーマを検証するための実験を行いました。完成したフォカッチャは、硬さや内部の気泡の様子、色、食べたときの味や舌ざわりなど様々な要素に注目しながら評価をしました。次回は、それぞれの結果や考察を発表する予定です。











京都府立図書館館内見学ツアー&利用体験

「府立図書館を知ってほしい、利用してほしい」という思いから企画した講座。最初の館内見学では、普段立ち 入ることができない「自動化書庫」や「集密書庫」も見せていただきました。続いて司書の方から、「京都府立図書 館の利用法と資料の探し方について」「京都府立図書館のデータベース利用について」ガイダンスいただきました。 今回の講座をきっかけに、探究活動や普段の読書・学習に対して、大いに京都府立図書館を利用してほしいと願っ ています。

(生徒の感想より)

今日、初めて府立図書館に来てみて、一つの図書館を完成させるためには、たくさんの設備や人が必要なのだ なあと思いました。特に自動化書庫が凄かったです。また来て、利用したいと思います。

 

サタデープロジェクト 第2回 9月7日

 

構造主義的に読んでみるZ-「島ひきおに」と「神様」-

 構造主義の果たした役割の一つに、「関係は実体(主体)に先立つ」という論点を示してくれたことがあります。この考え方に基づいて、創作民話の山下明生「島ひきおに」と小説の川上弘美「神様」をテキストとして、集った皆が小グループに分かれて構造分析し、解釈の交流を行いました。

 非日常世界の「鬼」が人間世界に侵入する恐れを語る民話に対して、「島ひきおに」は同じ構造を持ちながら「おに」の側に視点を移して非日常とされた側の悲しみを描きます。そして、川上弘美氏のデビュー作の「神様」では、体の大きな雄の「くま」と人間の「わたし」が、3室隔てたアパートの隣人となって、冒頭からハイキングに出かけていきます。日常の中に既に日常の外側が溶けいっています。自己と他者を包む円の伸び縮みが見え始めました。

 「二つの作品を通して、他者と自分の関わりについてよりくわしく考えることができました。特に、実体の前に関係があるという話が面白かったです。とても楽しくおもしろい講座でした。」「物語の骨となる構造を読み取ろうとすることで、登場人物をメタファー的な視点で解釈することができた。他の人の意見も興味深く、自分とは違う視点が存在することを感じられて楽しかった。」......いい交流の機会となりました。

図書館課外講座「ようこそ、ラテン語の世界へ」

 本年『世界はラテン語でできている』(ラテン語さ著、SBクリエイティブ)が刊行され、本校図書館でも貸出が付くことも多い。現在に流布するラテン語由来の言葉を解説した大変にユニークな一書だが、仲村志穂先生(地歴公民科)の講義は、この本を上回る幅広い内容だった。

 先の書と同じくラテン語由来の言葉については勿論、ラテン語の歴史、ラテン語の現代世界での位置付け、文法・発音・翻訳まで、図書館的に言えば「分類0類から9類まで」のすべてを含む内容だった。「ラテン語を知ると、欧米の言語や文化・歴史が重層的に見えてきます」と結ばれたが、まさしく言語や文化の多様性に目を開かされるひとときとなった。

(生徒の感想より)  外国の文化や言語を学ぶのが好きで、大学ではフランス語を専攻したいと思っています。ラテン語はヨーロッパの言語とさまざまなつながりがあると仰っていたので、今日の講義を機に、世界史の授業や日常生活で、ラテン語を探しながら勉強したいです。

キッチンサイエンス第2回~フォカッチャのひみつ~

 「料理は原理を知るともっと楽しく上手に」をテーマに条件を変えながら、科学的に美味しく料理をつくる通年の企画です。2回目となる今回は、探究の計画立案です。「食の安全」や「エコ・クッキング」などの視点を取り入れて、フォカッチャをもっと美味しく科学的に作ることができないか、グループで計画を立て、発表をしました。

 また、その後滋賀大学加納研究室の学生2名によるお茶のワークショップ」を体験。お茶を煎れる温度を100℃と60℃に変えることで、味だけでなく、色や香りが変化することを体感し、違いが起こる理由等について考えました。これまでお家でお茶を急須で入れたことがない、という人も多かったですが、今回の方法でぜひ家族に美味しいお茶を入れてあげてくださいね!

「野菜をもっと知ろうパート2」

 普段、何気なく食べている野菜。そんな野菜にスポットライトを当ててみると知らないことが沢山あります。今回は、世界中で栽培され消費されているが、少しマニアックなタマネギとトウガラシに焦点を当てて、深掘りしていきました。栽培環境と食文化について発問し、それを生徒が考える形で進めました。「サラダ用のタマネギと調理用のタマネギは何が違うのか?」については、タマネギの成長速度と水分含量について考えていきました。参加した生徒からは「色々な観点から世界の食文化に結び付けることができたし、自分の野菜に対する見方が変わったと思う。」「こらからスーパーに行ったときには、今までとはまったく違った見方ができると思うので楽しみです。」など前向きな言葉が聞けました。

センサープロジェクト ~明るさセンサーをつくろう!~

 ブレッドボードと素子をつかって「暗くなるとLEDが光る」センサーを作成しました。ブレッドボードと低抵抗を使用して、電圧が分配される仕組みを理解したあとに、センサーの基本回路を作成しました。センター回路の基本的な構造は実にシンプルです。ブレッドボードを使うと、簡単にさまざまな回路を作ることができます。初めて使った器具でしたが、みんな上手に回路を作ることができていました。CdS(硫化カドミウム)でできた光依存性抵抗(フォトレジスタ)は明るさが変わると抵抗値が変化する特徴があります。これを利用して、暗くなったときにLEDが光る回路を作りました。さらにトランジスタを使うことで感度を良くする方法や、温度によって抵抗値が変わる温度依存性抵抗を使ったセンサー作りなども紹介しました。みなさんとても一生懸命に取り組んでくれていたのですが、担当者不手際で写真なしです。申し訳ありません。とても楽しんでもらえました!!

ボードゲームで数学を学ぼう

 「コンプレット」「ゲシェンク」「キャントストップ」という3種類のボードゲームで確率の計算を行いました。

 ふつうゲームをするときは行わない長考や電卓を使った計算などを今回はむしろ推奨して、どんな計算をすれば有利になるのか考えながらプレイしました。期待値や条件付き確率といった数学Aの内容を復習するだけでなく、すべての要素を計算することは不可能なので「モデル化」という作業を通じて計算できる問題にするなど、新しい内容も学べました。

 ゲーム自体も面白く、大変もりあがりました。

 

サタデープロジェクト『ヒストリーツアーあをによし編』 2024年6月1日

 

 毎年、大好評で満員御礼のヒストリーツアー。本年度第1回目(通算4回目)の舞台は、「奈良」。興福寺や東大寺を訪れて、「なぜ奈良には鹿がいるのか?」など様々な歴史の不思議を考察しました。京都と並ぶ歴史都市して世界中に知られた奈良。古い歴史を持ち、数多くの国宝と文化財を誇っています。そんな奈良の都になぜ鹿がいるのか?それは日本最強のファミリーである藤原氏と大きな関係があります。そんな話をしながら,実際のものに触れていくと生徒たちは「歴史を探究していく面白さが理解できました」「仏像や寺院を細かく見て,当時の人の技術の高さに驚かされました。」との感想を寄せてくれました。現在、世界は大きな転換期を迎え、歴史を学ぶ意義も高まっています。これからも楽しく歴史を学んでいきましょう。

 

R6 サタデープロジェクト 第1回

 

プラズマ発生実験

 聞いたことはあるけど、『プラズマ』って何なのかよく分からない。誰しもがそんな状態からスタートし、レクチャーとトライ&エラーを繰り返すうち、徐々に自分の手で超高温プラズマを作り出せるようになっていきました。時には1万度を超えたと思われるプラズマも! 最後には応用編として、人工サファイアの合成にも挑戦。昨年度のルビーほどきれいに発色しませんでしたが、何人も黒紫色のサファイアの合成に成功しました。超満員で大興奮の講座となりました。




謎のシステム「ブルーボトル」

 『ブルーボトル』は3つの試薬を混合することによってできるシステムです。振り混ぜると青く変色し、静置すると、無色に戻ります。この不思議なシステムについて、観察→仮説設定→実験検証→新たな仮説設定を繰り返すことで、メカニズムを解明する活動を行いました。こんなに試験管とピペットを使った経験はなかったはず。実験の基礎技術も身に付いたし、とってもきれいな銀鏡反応も観察できました。「難しかった」という声もあったけれど、できたこともたくさんあって、参加した皆さんには手ごたえとやりごたえを感じてもらうことができました。 


英語学習の肝を考えよう

 京都大学で英語教育・語彙指導を専門に研究されている笹尾洋介先生にお越しいただきました。勉強に対するやる気を高め、維持するための方法、これから必要とされる英語力など、心理学や言語学、社会学など様々な研究分野の視点から英語学習について考え、学ぶことができました。参加者のみなさんからは、「英語圏内外問わず、様々な人とつながるための道具として英語を使えるようになりたい」、「英語は試験に必要だから学ぶものだという考えから、英語を使って○○をするという新しい視点で英語を捉えることができるようになった」など、今回の講義を受けて英語学習に対する見方や考え方が変わったという感想が多く見受けられました。


虚数単位iを考える

 「虚数単位iはi²=-1を満たすもの」と教科書には簡単に書いてありますが、そんなものは本当にあるのかという疑問から出発しました。行列という新しい数の体系を用意し、行列の計算を考えていく中で、2乗して-1になるものを無数に作り出しました。何個もあったんですね。複素数平面と行列の掛け算の対応を考える中で、iと呼ぶのにふさわしい行列を特定しました。また、「そもそも1とは何か」という問いについても考えました。

 単純な計算の中に隠れている奥深さや、試行錯誤の楽しさを感じる時間になりました。

キッチンサイエンス~フォカッチャのひみつ

 毎年滋賀大学の加納圭先生の研究室とコラボしながら、「料理は原理を知るともっと楽しく上手に」をテーマに条件を変えながら、科学的に美味しく料理をつくる通年の企画です。1回目となる今回は、パン教室を開いている小久保先生をお招きして、手軽に、美味しく、さらにエコに作れるフォカッチャ(イタリア発祥のパン)の作り方を学びました。

 材料を混ぜる順番や、こね方、温度などレシピにはそれぞれ科学的な意味があることを知ったことで、新しいアイデアや疑問がたくさん見つかった様子でした。次回からは、アイデアを基にもっと美味しくSDGsの視点も取り入れたオリジナルのフォカッチャ作成を目指して実験の計画を立てていきます。

 
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