課題探究Ⅱアドバンスセミナー

 

10月17日・24日、そして11月7日の課題探究の授業時間に、大学教員・研究員・大学院生をお招きし、課題研究の中間発表である「アドバンスセミナー」を実施しました。発表の中には研究途上のものもありましたが、参加者から多くの質問や助言をいただき、生徒自身も質疑応答を通じて活発なディスカッションを行うことができ、今後の研究に大いに役立つ機会となりました。参加者からは、「生徒の皆さんの自由な発想による研究課題を見ることができ、とても興味深く楽しい時間を過ごせました」や、「参加したTAの学生にとっても、高校生から良い刺激を受けました。今後の研究活動に期待しています」といった感想が寄せられました。

 

高1文理コース 生命科学基礎「京都府立植物園フィールドワーク」

 

10月31日(金)、高1文理コースの約160人が京都府立植物園でフィールドワークを行いました。この日のために、班ごとに観察したいポイントを事前にまとめ、しっかりと準備をして臨みました。当日はあいにくの雨でしたが、職員の方々のご厚意で、普段は入ることのできないバックヤードも見学させていただき、貴重な体験をすることができました。傘を差し、寒さに耐えながらも熱心に観察を続ける生徒たちの姿がとても印象的でした。フィールドワークは天候に大きく左右されますが、今回の経験を通して、天候不良の中でもどのようにリカバーするかという点でも、多くを学ぶ機会となりました。植物の観察だけでなく、状況に応じた柔軟な対応力を養う貴重な一日となりました。

 

京都Scienceコミュニティ連携企画「パスタブリッジコンテスト」開催!

 

10月25日(土)に、京都Scienceコミュニティ連携企画のパスタブリッジコンテストを実施しました。全国のSSH校と京都府立高校間をオンラインでつなぎ、各校同時にパスタで橋をつくり、その出来を競うものです。去年よりも多い20校、64チームのエントリーがありました。当日は洛北高校・附属中学校含め熱い戦いが繰り広げられましたが、最終的に、22.1gのパスタで4000gの重量を支える橋を作った千葉県の市川学園のチームが優勝しました。また3位には本校のチームが入賞しています。来年も実施するのでぜひ参加しましょう!

 

高1サイエンス科 課題探究Ⅰ特別講義「データサイエンスのすすめ」

 

京都府知的好奇心をくすぐる体験授業の一環として、10月21日(火)、京都大学国際高等教育院附属データ科学イノベーション教育研究センターの原尚幸先生に、講義をしていただきました。講義では、AIの特徴や、最近の生成AIの発展についてお話しいただいた後、データサイエンスの例として、心理学における研究をご紹介いただきました。その中で、得られたデータから現象を正しく読み取るには、実験デザインから工夫することが大切だと強調されていました。生徒の感想の中には、「何を調べたいのか目的を理解して実験計画を立てたい」「1つの因果関係を見つけることの大変さに驚いた」などがありました。これから課題研究では自分で方法を考えるミニ課題研究が始まります。今回の講義で、交絡が起きないような実験計画を立てることは大変なことだとひしと感じたようですが、めげずに頑張ってほしいです。

 

高1 特別講義 「理系会社員の人生~私の進路選択~」

 

10月14日(火)、()カネカの渡邊 剛氏による特別講演が行われました。渡邊氏は大学院を休学し、青年海外協力隊員としてジンバブエで活動した後、タキイ種苗株式会社で9年間にわたりメロンブリーダーとして勤務。現在はベルギーにある株式会社カネカヨーロッパ支社でグローバル開発を統括されています。講演では、豊富な海外経験に加え、うまくいかなかった時にどのように行動するかを、青年海外協力隊での具体的な体験を交えて紹介し、「行動することの大切さ」を伝えてくれました。また、ご自身の進路選択や転職の経験を通して、「自分が大切にしている価値を実現するためなら、回り道をしてもよい」というメッセージも語られました。普段は聞くことのできない貴重な体験談や考え方に、多くの生徒が新たな価値観に触れ、感動している様子が見られました。

 

高2サイエンス科 生物学探究Ⅱ特別講義「世界市場に向けた野菜の品種改良」

 

10月9日(木)2限に、タキイインディア社長・田中氏による特別講演がZoomで行われました。講演では、世界各国で野菜の品種改良に携わった経験や、育成した品種が現地に導入されなかった失敗談など、実践的で興味深いお話がありました。研究職を志す人にとって参考になる内容であると同時に、失敗したときにどう前向きに取り組むかといった人生のヒントにもなるお話でした。また、生物学探究の授業で学んでいる遺伝子工学分野(DNA分析など)が実際に育種に活用されていることを知り、生徒たちは楽しそうに講義を聞いていました。講演後の質疑応答でも多くの生徒が積極的に質問し、活発な意見交換が行われました。

 

高3サイエンス科 化学探究Ⅱ特別講義「有機化学とAI」

 

京都府知的好奇心をくすぐる体験授業の一環として、9月22日に京都大学国際高等教育院の松原誠二郎教授、情報環境機構データ運用支援センターの竹邊準教授に講義をしていただきました。講義の中では、AIに有機合成の検討過程を学習させることで、AIの思考学習の充実を目指す研究について説明していただきました。AIが普及した現代での人間の役割についても考えさせられる講義で、生徒の感想には、「AIを活用した研究というのが新鮮で面白かった」「AIを活用することで専門の分野からさらに幅を広げることができるという話が印象に残った」というものがありました。講義の最後には、受験を控えた生徒への励ましの言葉もいただきました。現在受験勉強真っ最中の高校3年生ですが、大学での研究の魅力に触れ、大学進学へのモチベーションを高められたようです。

 

高2 文理コース理系 エネルギー科学特別講義 「数値シミュレーションってどうやってるの?」

 

10月20日(月)、子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業の一環として、京都工芸繊維大学機械工学系の福井智宏准教授にお越しいただき、数値シミュレーションの基礎10月20日(月)、子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業の一環として、京都工芸繊維大学機械工学系の福井智宏准教授にお越しいただき、数値シミュレーションの基礎について特別講義を実施しました。最初は高度な数学に見えたものが、実はシンプルな数値計算やExcelの演算によって表現されていることを知り、難しそうなものが知っている知識で紐解かれていく不思議に興味を深めることができました。高校で習わないけれど大学で必要なアプローチが、高校数学の延長線上にあることを実感できたと思います。について特別講義を実施しました。最初は高度な数学に見えたものが、実はシンプルな数値計算やExcelの演算によって表現されていることを知り、難しそうなものが知っている知識で紐解かれていく不思議に興味を深めることができました。高校で習わないけれど大学で必要なアプローチが、高校数学の延長線上にあることを実感できたと思います。

 

令和7年度 第3回サタデープロジェクト

 

 サタデープロジェクトは土曜日を活用した希望者参加型の企画です。令和7年度からは年間5回にパワーアップ!10/12に開催された第3回の企画の中から理数系の取組(サイエンスチャレンジ)の様子をご紹介します。

光る酵母菌を作ろう

 バイオテクノロジー実験講座、今回は「遺伝子組換え」です。山口大学大学院医学系研究科の赤田研究室で無償配布されている実験キットを用いて、緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子をパン酵母に導入し、「緑に光る酵母菌」を作製する実験を行いました。この手の実験は大腸菌を用いることが多いのですが、今回はパン酵母。ほんのりパンの香りがする中での実験になりました。 実際に行う操作は驚くほど単純なので、ちょっと拍子抜けしてしまったかも。それでも、よくわからなかった「遺伝子組換え」について、その安全性などを考えました。



草木染めを体験しよう!

 ログウッドから抽出できる染料を使って草木染を行いました。はじめに、媒染液に含まれる金属イオンや液性を変えたり、絹やウール、綿など染める布の種類を変えたりすることで、発色が変わることを確かめました。その後、綿のハンカチやウールのコースターを染める活動を行いました。「空色」「灰色」「ピンク」など目標とする好きな色を班で話し合い、媒染液や染料の濃度を工夫して染色に挑戦しました。思い通りの色に染まらない班もありましたが、「自分達で方法を考え、染めるのは理解も深まり楽しかった」という前向きな感想が聞けました。草木染を通して、科学的に考え試行錯誤する楽しさを体験できたようです。



外来生物を知ろう

 情報、経済、物流などにおけるグローバル化が叫ばれるようになって久しくなります。実はこれらの波は動物や植物の世界にも押し寄せています。気づけば私たちの周りは外来種でいっぱいです。今回は、植物を中心に、そんな外来種の定義や色々な分け方、種類などを教室で学習した後、フィールドへ出て実際の外来植物を採集し同定の後、原産地などを調べました。校内をぐるっと回り、校外は北泉通りまでの間で、あっという間に30種類以上の外来植物が集まりました。


実験結果から考察しよう

 医師であり、京都大学理学研究科博士課程2年生でもある河村恒次氏を講師にお迎えして、「大学への生物 〜どう考え、どう覚えるか〜」をテーマに、実験考察を行いました。前半では、実験データをもとに複数の仮説を立て、それに基づいて次の実験を計画するトレーニングを体験しました。生徒たちは積極的に意見を交わし、仮説の立て方や検証方法について活発な議論が展開されました。後半では、理科の知識を「つなげて覚える」ことの重要性と、その具体的な実践方法について学びました。AI時代においても、深く考えるためには関連づけた記憶が不可欠であることを再認識する内容でした。生徒たちにとって、大学レベルの思考に触れる貴重な機会となり、学びへの意欲が一層高まった様子がうかがえました。


だれかのためのデザイン

 連続講座の2回目である今回は、前回設定した「困りゴト」解決のためのデザインを開始しました。3D CADソフトの「Fusion」を使い、思い思いのデザインを行いました。一部のデザインは、その場で3Dプリントして、実際の形も確かめました。これからは、3D CAD→プリント・試行→アイデアだしの繰り返しでより良いデザインを行っていきます。最終的にどんな作品に仕上がるのか、楽しみです。


キッチンサイエンス

 毎年「料理は原理を知るともっと楽しく上手に」をテーマに条件を変えながら、科学的に美味しく料理をつくる通年の企画です。パン教室を開いている小久保先生をお招きして、美味しい白パン&チーズパンを作りました。また、発酵、混ぜる順番、こね方、温度、材料などレシピにはそれぞれ科学的な意味があることも学んでもらいました。そこから、よりよいパンになるよう、材料や手順について科学的に考えながら、新しいアイデアをグループで考えてもらいました。次回は、立てた計画をもとにオリジナルのパンを作成してもらいます。


 

令和7年度 第2回サタデープロジェクト

 

 サタデープロジェクトは土曜日を活用した希望者参加型の企画です。令和7年度からは年間5回にパワーアップ!9/13に開催された第2回の企画の中から理数系の取組(サイエンスチャレンジ)の様子をご紹介します。

水の中で起こる不思議な化学の世界を見てみよう!

 「水の中で起こる不思議な化学の世界を見てみよう」では、ケミカルガーデンやカラフルカプセルの作成および試験管内で雪を降らそう、という3つの実験を行い、水の中でおこるカラフルな化学現象を体験しました。18名の参加者からは、「ゆったりと長い時間の観察で変化していく様子を楽しめた」、「化学を身近に感じて楽しく学ぶことができた」などの感想が寄せられ、各自実験の様子を写真や動画に残していました。



廃材から色が生まれる?科学とアートの実験室

 京都の老舗画材店「画箋堂」との特別コラボレーション企画に約30名の生徒が参加しました。普段はそのまま捨ててしまう、コーヒーかすや野菜の皮など、身近な素材を事前に天日干しして持ってきてもらい、自由に絵を描き最後に発表を行う内容でした。そもそも絵具の中には何が入っているのかを考えたり、持ってきた材料を乳鉢やハサミを使ってなるべく細かくしたり、ミルで粉砕したり、茶色のサツマイモの皮をメディウム(顔料と混ぜる溶剤)で混ぜたらなぜか青色になったり。楽しみながら、色々な気づきや驚きがたくさん得られたワークショップになりました。



必勝法

 探究活動を全面に出して「100マスゲーム」「三山くずし」「サイコロの和を13にしよう」の3つのゲームを提示して、2人ないし3人でグループになり実際に戦ってもらうなかで必勝法を考えてもらいました。考えがまとまったグループは前に出て先生と戦います。そこでヒントを得たりしながら、教室は結構白熱した雰囲気になりました。感想でも「ゲームという身近な題材の中にも数学があることが分かっておもしろかった。」「友人と実際に対戦していくうちに必勝法が見えてきて楽しかった。」「この問題だけでなく、いろんなところで、与えられた課題に答えを見いだしていくにはどうすればいいかが分かり、ためになった」など、概ね好評でした。


キャベツのクローンを作る~植物組織培養

 キャベツを培養してクローンを作る実験を行いました。クローンを作るには、材料の調整から殺菌、培養まで多くの工程があり、特に注意しないといけないのはカビや細菌による汚染(コンタミネーション)です。コンタミを防ぐために手や器具をその都度しっかりと殺菌しながら、作業を進めました。初めてクリーンベンチを使う人が多く、戸惑いも見られましたが、その中でも楽しみながら取り組む様子がうかがえました。うまくいけば、1-2週間したら培養した脇芽が動き出してきます。コンタミが出ないことを祈るばかりです。


だれかのためのデザイン

 だれかのためのデザインは、Kyoto Makers Garageの平野氏を講師としてお招きしたデジタルを活用したモノづくりの連続講座です。この講座では、身の回りの「困りゴト」を解決するデザインを考え、形にしていきます。第1回目の今回は、「困りゴト」をみんなで共有したあと、「困りゴト」の問題点抽出、解決するためのアイデア出し、試作品作りの過程を個人・グループで行いました。今回の試作はペーパークラフトで行い、発表で互いの作品を共有しました。次回は、3D CADを中心に設計を行っていきます。それぞれの作品が形になっていくのが楽しみです。


 
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