サタデープロジェクトは土曜日を活用した希望者参加型の企画です。令和7年度からは年間5回にパワーアップ!10/12に開催された第3回の企画の中から理数系の取組(サイエンスチャレンジ)の様子をご紹介します。
光る酵母菌を作ろう
バイオテクノロジー実験講座、今回は「遺伝子組換え」です。山口大学大学院医学系研究科の赤田研究室で無償配布されている実験キットを用いて、緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子をパン酵母に導入し、「緑に光る酵母菌」を作製する実験を行いました。この手の実験は大腸菌を用いることが多いのですが、今回はパン酵母。ほんのりパンの香りがする中での実験になりました。
実際に行う操作は驚くほど単純なので、ちょっと拍子抜けしてしまったかも。それでも、よくわからなかった「遺伝子組換え」について、その安全性などを考えました。
草木染めを体験しよう!
ログウッドから抽出できる染料を使って草木染を行いました。はじめに、媒染液に含まれる金属イオンや液性を変えたり、絹やウール、綿など染める布の種類を変えたりすることで、発色が変わることを確かめました。その後、綿のハンカチやウールのコースターを染める活動を行いました。「空色」「灰色」「ピンク」など目標とする好きな色を班で話し合い、媒染液や染料の濃度を工夫して染色に挑戦しました。思い通りの色に染まらない班もありましたが、「自分達で方法を考え、染めるのは理解も深まり楽しかった」という前向きな感想が聞けました。草木染を通して、科学的に考え試行錯誤する楽しさを体験できたようです。
外来生物を知ろう
情報、経済、物流などにおけるグローバル化が叫ばれるようになって久しくなります。実はこれらの波は動物や植物の世界にも押し寄せています。気づけば私たちの周りは外来種でいっぱいです。今回は、植物を中心に、そんな外来種の定義や色々な分け方、種類などを教室で学習した後、フィールドへ出て実際の外来植物を採集し同定の後、原産地などを調べました。校内をぐるっと回り、校外は北泉通りまでの間で、あっという間に30種類以上の外来植物が集まりました。
実験結果から考察しよう
医師であり、京都大学理学研究科博士課程2年生でもある河村恒次氏を講師にお迎えして、「大学への生物 〜どう考え、どう覚えるか〜」をテーマに、実験考察を行いました。前半では、実験データをもとに複数の仮説を立て、それに基づいて次の実験を計画するトレーニングを体験しました。生徒たちは積極的に意見を交わし、仮説の立て方や検証方法について活発な議論が展開されました。後半では、理科の知識を「つなげて覚える」ことの重要性と、その具体的な実践方法について学びました。AI時代においても、深く考えるためには関連づけた記憶が不可欠であることを再認識する内容でした。生徒たちにとって、大学レベルの思考に触れる貴重な機会となり、学びへの意欲が一層高まった様子がうかがえました。
だれかのためのデザイン
連続講座の2回目である今回は、前回設定した「困りゴト」解決のためのデザインを開始しました。3D CADソフトの「Fusion」を使い、思い思いのデザインを行いました。一部のデザインは、その場で3Dプリントして、実際の形も確かめました。これからは、3D CAD→プリント・試行→アイデアだしの繰り返しでより良いデザインを行っていきます。最終的にどんな作品に仕上がるのか、楽しみです。
キッチンサイエンス
毎年「料理は原理を知るともっと楽しく上手に」をテーマに条件を変えながら、科学的に美味しく料理をつくる通年の企画です。パン教室を開いている小久保先生をお招きして、美味しい白パン&チーズパンを作りました。また、発酵、混ぜる順番、こね方、温度、材料などレシピにはそれぞれ科学的な意味があることも学んでもらいました。そこから、よりよいパンになるよう、材料や手順について科学的に考えながら、新しいアイデアをグループで考えてもらいました。次回は、立てた計画をもとにオリジナルのパンを作成してもらいます。