図書館課外講座 ラテン語で読む『ハリー・ポッターと賢者の石』

 

 昨年度の「ようこそ、ラテン語の世界へ」に続く、地歴公民科・仲村志穂教諭によるラテン語シリーズ第二弾です。

 講座では最初に、ラテン語は古代ローマ帝国の公用語であり、現在口語としてラテン語を用いている国・地域は存在しないが、欧州連合(EU)の標語が、「In varietate concordia」(多様性における統一)とラテン語で表される通り、ラテン語が今なおヨーロッパの人々の共通言語として機能していることを説明されました。また、現在の日本においても、「AQUARIUS(アクエリアス)」などラテン語に由来するネーミングの商品が数多くあることを紹介され、生徒たちは「あまり関係のない言語かなと思っていたが、日常の近くで関りがあり驚いた」(感想より)ようです。

 続いて、『ハリー・ポッター』シリーズに登場するラテン語由来の呪文や、ラテン語版『ハリー・ポッターと賢者の石』の抜粋を、仲村教諭のレクチャーにより実際に読み解いてみました。その中で、ラテン語は一つの単語についても、性(男性・女性・中性)、単数複数、人称、格によって何通りも変化する言語であるいうこと学びました。また、ラテン語版と英語版との比較対照の中で、ラテン語は英語に比べて時制などに厳格で、非常に厳密な言語であることが感じられました。現在も学術用語など公式用語としてラテン語が用いられる理由が理解できます。その一方、ラテン語には語順がないことなど、フレキシブルな一面がある言語であることもわかりました。

 参加生徒の感想には、「単語や文法が何もかも違って面白かった」「ラテン語の特徴を知ることが出来て面白いと思った。他の言語についても学びたい」とあり、今回の講座を通してそれぞれの言語や文化の違いを興味深く実感することができたことがうかがえます。今後の学習や進路選択を考えるきっかけとなれば嬉しい限りです。何より生徒たちが熱心に楽しそうにラテン語版『ハリー・ポッターと賢者の石』の訳に取り組んでいた姿が印象的でした。

 
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