5月7日(木)

 

 5月7日(木)6限に京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻数学系 森本真弘氏による特別講義「最短ネットワーク問題」を実施しました。
森本先生の講義では、まず4つの家が正方形の各頂点上にあるとし、これらを結ぶ最短の道路の形は何か、という問題を考えました。生徒が実際に図を描き、試行錯誤しながら最短となる形を求めた後、それが最短であることの幾何学的証明を、より簡単な場合を例にとって説明していただきました。
その後、石鹸水を用いた実験を行い、先程得られた最短経路の形が、石鹸膜によって瞬時に構成される様子を見せていただきました。結果は一目瞭然で、数学と自然現象との不思議な関わりを知ることができました。最後に、石鹸膜の性質を数学的に証明した論文を見せていただき、実験で得られる結果を厳密に証明することの難しさを実感しました。

 5月7日(木)7限に京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻数理解析系 荒武永史氏による特別講義「ゲーデルの不完全性定理と数学」を実施しました。
荒武先生の講義は、ゲーデルの不完全性定理という有名な定理について、「定理の内容を正しく理解する」ことをひとつの目標としました。数学そのものを対象として扱う数学、いわゆる「メタ数学」という分野のさわりとして項・論理式・証明図・述語論理などのさまざまな用語について解説をいただき、その用語を使って第一不完全性定理と第二不完全性定理の内容、また第二不完全性定理の帰結として得られる数学の体系の"強さ"の概念に触れました。さらに不完全性定理が現代の数学に与えた影響についても教えていただきました。
ゲーデルの不完全性定理は内容の誤解をしやすく、よく誤った使い方をされる定理です。講義では、なぜ誤解されやすいのか、どんな誤った使い方をされているのかも説明をいただきました。

 
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