第1回サタデープロジェクト(6月3日)

 

構造主義的に読んでみる ―「あとかくしの雪」と「赤い繭」―

 構造主義の果たした役割の一つに、「関係は実体(主体)に先立つ」という論点を示してくれたことがあります。この考え方に基づいて、伝承民話「あとかくしの雪」と安部公房の「赤い繭」をテキストとして、集った皆が小グループに分かれて構造分析し、解釈の交流を行いました。
「日が暮れかかる。人はねぐらに急ぐときだが、おれには帰る家がない。」で始まる「赤い繭」の主人公「おれ」は、道をさまよった末、自らを赤い繭へと変えてしまい、最終的には「彼」によって彼の息子のおもちゃ箱に放り込まれてしまいます。なかなかつかみどころがない小説です。
では、「時」と「場」をつかみどころにしてしまえと、「夕方(日暮れ)」と「道」の共通性を手がかりにしながら、人物との関係を整理し行動を意味づけていきました。構造に着目しての読みは、参加者には新鮮だったようで、皆が興味を持って行動していました。「グループワークをすることでさらに意見が広がっていき、とても楽しかったです。」との感想もあり、いい時間が共有できたと思っています。

 

ヒストリーツアー ~大阪夏の陣~

毎年、大好評で満員御礼のヒストリーツアー。本年度第1回目(通算3回目)の舞台は、「大阪」。シンボルである大阪城を訪れて,「なぜ秀吉は大阪に城を構えたのか?」を考察しました。現在では東京と並ぶ大都市して世界中に知られた都、大阪。古くは天智天皇が宮を構え、そこから長い間をかけ港町として発展していきましたが、やはり秀吉による大坂城築城以降,商都「大阪」は出来上がっていったと考えられます。そんな大阪をなぜ秀吉は選んだのか,そして大阪人はなぜ秀吉を愛するのか,いくつかの不思議について探究しました。生徒たちは「本物をみることの大切さを知る機会になりました。
「今、日本史で習っていることが次から次に出てきて、とてもおもしろかったです。」との感想を寄せてくれました。次回は秋に開催予定です。ぜひ参加してくださいね。

 

エッシャーの絵を描こう!

 いわゆる「テセレーション」と呼ばれるジャンルの作品を制作しました。これは数学的には正則分割と呼ばれる平面充填を用いたもので、同じ図形をコピーして並べることで作れます。作品の制作の他にも、数学的な裏付けや発展的な作品を作る方法(の数学的な理論)についても話しました。 作業→講義→作業→講義→・・・の順に進行したことで、自分がやっている作業の理論的な裏付けがだんだん理解できてくるのが好評でした。また講義の内容に難しさを感じた人も作業には取り組むことができたので、最終的にはたくさんの人が自分の作品を作ることができました。

 

偏光板で見る物性とテクノロジ-

 偏光板1枚を使って様々な実験を行いました。目の中にはブルーライトを吸収する黄斑色素が規則正しく配列しています。これが80代くらいになると、加齢黄斑変性の原因になるとも言われているのですが、この色素を使うと、鳥と同じように人間もハイディンガーのブラシと呼ばれる偏光を見ることができます。次に、液晶ディスプレイに偏光板が用いられていることを利用して、セロハンテープやプラスチック容器などの偏光特性を見ました。ナノレベルで不規則に並んでいるガラスと異なり、プラスチックの場合には結晶に規則性があるため、偏光特性が現れます。日頃使っている「スマホ・タブレット」と偏光板を結晶分析装置として氷などの結晶の偏光特性を観察しました。

 

マジックケミストリー~タイムマジック~

 反応液を混合させたあと、時間差で溶液が呈色する反応を時計反応といいます。この時計反応を用いて、濃度と反応速度の関係を調べたあと、30秒ぴったりで呈色する条件を考えました。はじめて聞く化合物や用語に戸惑いながらも、すべての班が30秒~1分の間で呈色する条件を見つけることができました。講義の最後には振動反応の観察をしました。色がでたり消えたりする様子は不思議で、好奇心をくすぐられました。「自分達で反応をデザインすることが楽しかった。もっと上手くできる条件を見つけたい」「反応の仕組みを理解することは難しかったけど、色がくるくる変わって面白かった」という感想が見られました。

 

キッチンサイエンス~シフォンケーキのひみつ

「科学の知識や考え方を使って、料理をもっと楽しく上手に作れるようになりたい!」をテーマに、1年間を通して探究活動を行う講座です。今年のテーマはシフォンケーキ!1回目となる今回は、プロのパティシエをお招きして、シフォンケーキの材料やレシピ、上手につくるコツをお伺いしました。そのあと、実際にシフォンケーキを食べながら、「ふわふわ」「しっとり」「すっきりした甘さ」などケーキの美味しさのどこに注目するかを考え、2回目のサタデープロジェクトにむけて研究のテーマ設定およびチーム作成をしました。 「油と水を上手に乳化させるには?」「しっかりしたメレンゲを作る条件は?」「砂糖の種類を変えるとどんな変化がおこる?」の3つのテーマで今後研究を行っていく予定です。

 
 
教育内容 洛北高校
カテゴリ・リスト
クリックで子カテゴリが表示されます。
COPYRIGHT (C) 京都府立洛北高等学校・洛北高等学校附属中学校