5月14日(木)

 

物理・化学分野

 5月14日(木)の6限に、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科の今野勉教授による特別講義を実施しました。テーマは「有機フッ素化合物の特徴とその利用例」について。フッ素というと、フライパンの表面に施されたテフロン加工や、歯磨き粉の歯質強化・再石灰化促進剤として身近になっています。他にも、医薬品や工業製品の表面加工など、その用途は多岐に渡ります。その有機フッ素化合物は、全てが人工物と言ってもよく、原子半径は水素原子と近いものの、有機分子に取り込むのは意外に難しいとのことです。では、どのような手法で有益な有機フッ素化合物を作り出すのか。あるいは、まだ見ぬ新たな可能性を秘めた分子を生み出すにはどうすればよいのか。夏の研究室訪問では、このような課題に取り組む予定です。

 5月14日(木)の7限には、京都大学化学研究所附属元素科学国際研究センターの島川祐一教授に、「無機機能性材料の合成と評価」という題目で特別講義をしていただきました。鉱石や宝石は、多彩な特性を持つ結晶であり、この特性をうまく利用すれば社会の利便性を高める機能性材料として役立つそうです。その鉱石や宝石を、用途に応じて自由に、かつ安価に人工物として作成する研究は、急速に発展するIT社会を支える基盤技術となります。研究室訪問に先立ち、ルビーやスピネルという結晶はどういう材料なのか、また、どのようにして結晶であることを確認できるかという課題もいただきました。夏には、人工宝石の合成を皮切りに、今まで誰もやったことのない、できるかできないか分からないことにチャレンジします。


生物・化学分野

 5月14日(木)6限に京都府立大学 織田昌幸准教授による特別講義「10万分の1mm程度の蛋白質分子の形や働きを見る」を実施しました。まず、オリガミでDNA模型を作製することから始まり、タンパク質などの「かたち」を知ることが、生命現象を理解する上で欠かせないことなどを教えていただきました。加えて、「今の子どもたちは映像を見せるだけでは驚いてくれない」と、3Dプリンタで作られたシリコン製のタンパク質模型も登場し、全員の驚きを誘ってくれました。夏の研修では、小さなタンパク質の「かたち」や「はたらき」をどのようにして調べるのか、その方法を体験します。

 5月14日(木)7限に京都府立大学 武田征士助教による特別講義「花から学ぶ遺伝子とDNA」を実施しました。武田先生の専門は「植物のかたち」。庭園や花屋の店先を飾る様々な「花のかたち」がどのように作られるのか、そのしくみについて研究しておられます。講義では、花の形を決める遺伝子のはたらきが解明されてきた過程を、変異体の映像を示しながら、詳しく説明していただきました。さらには、花の形態を自分の都合で変えてしまう「ファイトプラズマ」や、それが園芸品種として、人間によって利用されていることなど、大変興味深いお話を伺うことができました。研究室では、遺伝子DNAのたった一箇所の違いで、「異常な花」ができるしくみについて、形態の観察とDNAの解析から学んでいきます。

 
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