グローバル探究プログラム⑥<最終発表:ビジネスモデル>(11月20日)

 

 11月20日(土)に第6回研修「最終発表:ビジネスモデル」を実施しました。最初に講師の木本様からプレゼンテーションの留意点について説明を受けました。目的を明確にし、聴衆を意識し、必要な情報を交え、分かりやすい話し方を心掛け、時間制限を守ること、そしてあくまでスライドは「補助」、原稿は「お守り」であり、自分の言葉で話すことが大切だとの助言がありました。そしていよいよ各会社のソーシャルビジネスについての発表が始まりました。スライドを投影しながら、事業を発想した社会的背景を統計グラフで示したり、人々が直面している問題を写真やイラストを交えて説明したり、問題の解決策としてのビジネスモデルを分かりやすく図解したり、今後の展望や課題を箇条書きで提示したりしました。いずれの会社も①個人や社会の課題を発見し、②AI(人工知能)、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)といった先端技術も活用しながら、問題の解決策を提案し、③寄付に頼らなくても自主運営できるだけの売上や利潤、投資を確保するという条件を満たしながら、様々な分野において斬新なビジネスモデルを展開しました。

 講評者の木本様、ISA副社長の倉橋様、ISAグローバル探究担当の柏原様からは、鋭い質問やコメントがあり、特に「中核事業を絞り込む」、「顧客ターゲットを明確にする」、「合理的な課金のタイミングを検討する」、「サービスを提供する最も効果的な媒体を選択する」、「既存の類似製品・サービスとの差別化を図る」、「既存の類似製品・サービスとの比較を基に価格を設定する」といった指摘がなされました。全体としては「スライドや発表に工夫がされ、聞いていて純粋に楽しませてもらいました」、「発想や着眼点がよく、今すぐ実際のビジネスにできそうなアイデアもあり、是非これで終わらずに発展させてください」との感想をいただきました。受講者も「これからも活かせる様々な概念や枠組みを学ぶことができてよかった」、「諸条件を検討し、ビジネスを具体化するのは難しかったが、最終的に形にすることができ、他ではできない貴重な経験ができた」との声が聞かれました。研修は今回で最後となりますが、今後も受講者がプログラムで学んだ知識・技能を活用したり、考案したビジネスモデルを基に外部コンテストに応募したり、更に発展させて実現可能性を探究したりしていってくれることを期待しています。

 

グローバル探究プログラム⑤<ビジネスモデル化、中間発表>(10月30日)

 

 1030日(土)に第5回研修「ビジネスモデル化、中間発表」を実施しました。最初に講師の木本様からビジネスモデルの立案に必要な項目を記入するLean Canvasワークシートの紹介を受けました。「顧客」、「課題」、「提供価値」、「解決策」、「販路」、「収益」、「目標指標」、「コスト」、「優位性」といった項目について、自分たちのビジネスモデルを検討し、整理しました。次に効果的なプレゼンテーションの技法として、「囲み枠」、「矢印」、「人形(ひとがた)」を用いてビジネスモデルを図解する方法について学びました。ウーバーイーツの例を参考にしながら、どのような主体がどのような関係にあるのかを一目で分かるように図示しました。後半は受講者が立ち上げた13の会社グループが、学んだ形式や技法を用いながら、それぞれのビジネスモデルの中間発表を行いました。ゴミ環境からアプリ、ロボット、人や技能のマッチング、ジェンダー、留学生適応支援、趣味支援に至るまで、様々なビジネスアイデアが出ました。最後には木本様からプレゼンテーションのスライド資料の作成方法について説明がありました。次第に受講者が起業家らしい生き生きとした顔つきになっていく様子に、次回1120日(土)実施の最終プレゼンテーションへの期待が大きく膨らみました。

 

グローバル探究プログラム④<社会的課題、ビジネスアイデア>(10月9日)

 

 10月9日(土)に第4回研修「社会的課題、ビジネスアイデア」を実施しました。最初は前回の課題の「新規開店する飲食店を繁盛させるビジネスアイデア」を、グループ毎にポスターを用いながら発表しました。「待ち時間が長くなると飲食代の割引が受けられる」、「自分が注文した料理の厨房での様子をモニターで見ることができる」、「ロボットが料理を運んでくれる」、「テーブルのゴミを素早く片付けられる隠れたゴミ処理装置を取り付ける」、「割り勘が簡単にできるキャッシュレス決済システムを導入する」など、あれば便利な様々なサービスやシステムの案が出ました。次に講師の木本様から、今後のビジネスを考える上でのキーワードについて、「社会」、「テクノロジー」、「経済・市場」、「政策」の4つの分野から御講義いただきました。「少子高齢化」、「都市集中・地方過疎化」、「地球環境問題」、「カーボンニュートラル」、「SDGs」、「ESG投資」、「新型コロナウイルス流行」、「5G・6G」、「拡張現実(AR)」、「仮想現実(VR)」、「顔認証システム」、「キャッシュレス化」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、「6次産業化」、「Z世代」、「多様性」など、よく耳にするものから聞きなれないものまで知ることができました。最後にはいよいよ各自が考えてきたビジネスの種を交流して会社の立ち上げ(グループ分け)を行い、11の会社が起業されました。今後は、次回研修で具体的なビジネスプランを立案し、最終回研修でプレゼンテーションを行う予定です。

 

グローバル探究プログラム 研修③<オンライン・ワークショップ>(9月18日)

 

 9月18日(土)に第3回研修「オンライン・ワークショップ」を実施しました。前半はアメリカとのオンライン・セッションで、講師のサミュエル・イー氏から「ビジュアル思考戦略」について講義を受け、4人の米国学生リーダーの下でディスカッションを行いました。絵画や写真を見てその背景にある現象や問題を見抜くトレーニングで、同じものでも見る角度を変えることで新しい発見があることを学びました。後半は講師の木本様から「デザイン思考」について対面講義を受けました。左脳的な「論理的思考」だけでなく、右脳的な「発想・想像力」を重視する技法で、その出発点にあるのは他者への「共感力」とのことでした。そこから「問題の本質の特定」、「問題の解決策の提案」、「解決策の実行と試行錯誤」へと発展させます。また「誰が」、「どこで」、「いつ、どのように」過ごしているのかという3条件を意識的に書き出して考えることで、問題・課題発見が容易になることを学びました。最後に今日学習したことを活用して、「新たに飲食店をオープンする社長」という設定で、経営するお店を繁盛させるためのアイデアを出し合うグループワークを行いました。いよいよ自分たちでビジネスプランを考える実践的段階に入り、参加者も生き生きとした様子で活動に取り組んでいました。

 

グローバル探究プログラム 研修②<オンライン・サンプルレクチャー/ディスカッション>(8月21日)

 

 8月21日(土)に第2回研修「オンライン・サンプルレクチャー/ディスカッション」を実施しました。模擬講義はハーバード大学の宗教学の教員の方から、「Liminality(過渡的段階、移行段階)についての講義を受けました。宗教的なものに限らず、何かの儀式や出来事の「前」と「最中」と「後」の変化についての考察でした。また宗教学故に「生」と「死」を取り巻く状況についても言及があり、昔は公の中で看取られる死であったのが、今では病室で隔離された中でのものとなり、特にコロナ禍では家族にも会えないという事態が起こっているということを改めて認識しました。次に講師の木本様から、英語によって世界のより多くの人々と繋がることがもたらす可能性と意義、単なる営利目的だけではない、これからのビジネスを支えるESGEnvironment, Society, Governance)投資、人間活動がもたらした環境変化に起因する感染症や災害に対応できる社会、といった今後のビジネスを考える上で配慮すべき基本条件について講義を受けました。最後は民族集団役と専門家チーム役に分かれて「異文化コミュニケーション体験ゲーム」を行い、異文化の尊重と自己の先入観への注意が必要であることを学びました。今回も様々な事実や知見、枠組を知ることができ、参加者も視野が広がったようです。

 

グローバル探究プログラム 研修①<キックオフ・意見方程式>(7月17日)

 

 7月17日(土)に第1回研修「キックオフ・意見方程式」を実施しました。最初に本校の卒業生で現在ミネルバ大学で学んでいる梅澤凌我さんから、「常識にとらわれず、今やるべきこと、やりたいことを懸命にやるべき」とのメッセージがあり、各自がこれからの時代に必要とされる力や能力について考えました。次に「事実」、「問題」、「自分」、「提案」という4つの要素から成る意見方程式を学び、それを基に京都を活性化するための意見をグループでまとめて発表しました。最後には「好きなこと」、「得意なこと」、「大事なこと」で導かれる自分のやりたいこと方程式について学びました。受講生は新しい思考枠組みに触れ、大いに刺激を受けた様子でした。次回は8月21日(土)に米国とのオンライン・レクチャー/ディスカッションが実施されます。

 
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