高校物理・化学・生物・地学を紐解く微分方程式の世界
微分方程式は高校の授業ではあまり扱われませんが、サタデープロジェクトだからこそ、普段は学ばない高度な内容を勉強しました。Zoomでの参加者もあり、学校と自宅をつないでの実施となりました。
まず初めに、物理で登場する運動方程式は微分方程式であることから始め、様々な物理現象が数式で記述できることを学びました。さらに、放射性同位体が崩壊する過程を微分方程式で記述し、化石の年代をどのように測定するのか学びました。また、生物の増減についても、微分方程式を立て、個体数の増減に制約をかけない場合とかけた場合(ロジスティック式)について議論しました。得られた式は、アメリカの人口増加をうまく説明することも学びました。
参加者からは「人間活動や環境という不確定要素が多いものについても、微分方程式を立てて、その解を求めると、数式で表すことができると知り、とても驚きました。」という感想がありました。
「遺伝子鑑定」入門 ~「PCR」ってどんな技術?~
生物学実験室では、新型コロナウィルスの検査で注目されている「PCR」について学ぶ実験講座が行われました。
ここでは、PCRを用いた犯罪捜査を行うという設定で、犯行現場から採取したDNAと4名の容疑者のDNAとをPCRで増幅・比較して、容疑者を絞り込むことを目指しました。
参加した生徒たちは、慣れない器具の扱いに苦戦しながらも、バイオテクノロジーの発展に大きく寄与している技術を体験し、この分野への関心をさらに深めてくれました。
ガラス細工体験+ファラデーのろうそくの科学
ガラス細工体験では、ガラス管を「切る」、「曲げる」、「封じる」体験をしました。ガラス細工はもちろん、ガスバーナーの炎を強熱仕様にするのも初めての経験でしたから、新鮮な驚きと戸惑いがありました。ガラスが柔らかくなるまで加熱する作業は根気との勝負になり、体力をかなり使った実験になりました。最後にはオリジナルのマドラーを作成し、お土産に持ち帰りました。苦労して作ったこともあって、好評でした。
後半は巨大ろうそくを使って、実験を通してろうそくの燃焼の仕組みに迫りました。ガスバーナーの炎は明るくないのに、どうしてろうそくの炎は明るいのか。ろうそくの炎の中では何が起こっているのか。実験結果からじっくりと考え、理解することができました。