平成29年4月25日(火)7限、サイエンスリサーチ科の1年生を対象にサイエンスプログラムを行いました。
演題 「サイエンスリサーチ科に期待すること」
講師 京都大学 特任教授
けいはんな文化学術協会 理事長
高橋 克忠 氏
本校のサイエンス・アドバイザーでもある高橋先生からは、サイエンスリサーチ科の新入生に対し、科学(サイエンス)には自然科学、社会科学、人文科学の3種類があり、これらの分野はお互いに独立しているのではなく融合領域があるとの説明がありました。そして、この融合領域を学ぶことこそがこれからの世の中とても大切になるとのお話がありました。高橋先生からは、南陽高校にはそのような環境が育っており、高校3年間の中で多くを学び羽ばたいていってほしいと、エールが送られました。
平成29年4月22日(土) 関西文化学術研究都市にある「国立国会図書館関西館」において、本校サイエンスリサーチ科2年生が活用ガイダンス/資料探索実習に参加しました。
本校と国立国会図書館関西館との連携は3年前に始まり、関西館の文献提供課のみなさまのご協力を得て、図書部やサイエンスリサーチ科を中心としたガイダンスや実習が行われています。
今日は国立国会図書館関西館を活用するためのガイダンスに加え、「サイエンスⅡ」において探究活動を進めていくうえで重要となる「資料探索」について実習を行いました。
実習は、いくつかの例題について、実際に複数のデータベースを活用し必要な情報を集めるというものでした。
参加した生徒からは、複数人で使用できる研究室などもあることから、今後「サイエンスⅡ」のゼミ活動において、是非利用していきたいとの声が聞かれました。
平成29年4月18日(火) 7限、1年生サイエンスリサーチ科対象のオリエンテーションが実施されました。
「サイエンスⅠ」では、情報処理技術や各種実習などを通して、探究活動の基礎を学び、夏季には実習プログラムへ参加、ポスター作成・発表を実施していきます。
越野泰徳校長のプレゼンテーションでは、「普段の授業をピアノの練習曲であるとするならば、サイエンスでの取り組みは演奏曲である」として、ISEF の様子なども紹介しつつ、探究活動をのびのびと楽しく、取り組んでほしいとのメッセージが送られました。
奥西邦弘学科長からは、サイエンスリサーチ科の概要、サイエンスⅠ・Ⅱ・研究の流れやサイエンス講座、ポスターセッションの紹介等の説明がありました。
1年生は次週、本校サイエンスアドバイザーの先生の講演を聴く予定です。
4月12日(水)、3年生の分野別進路研究会が実施されました。
難関国公立大学、文系国公立大学、理系大学、文系私立、看護の5分野に分かれ、各講師の先生の御講演を聴きました。難関国公立大学の講座では、受験の詳細な概要だけでなく、日々の授業を大切にすることや規則正しい生活の重要性にも触れ、「受験生は最後の最後まで伸びる」「だから決して最後まで諦めるな」という強いメッセージが伝わる内容でした。
看護の講座では、看護師とはいっても病棟に限らずさまざまな部署に配属されること、あらゆる場面でコミュニケーション能力が大切であることなどが話され、生徒たちは非常に熱心に聴き入っていました。
今回の研究会で学んだことを活かし、自身が希望する進路や志望校をじっくりと検討してほしいと思います。
平成29年2月22日(水)、サイエンスリサーチ科2年生 マーケティングゼミで納屋町商店街について研究している4人が、伏見に拠点を置くまちづくり系ベンチャー企業の「ぴあぴあコミュニティサポート合同会社」を訪問しました。
まず4人は、1年間のゼミで実施した納屋町商店街の調査や研究から明らかになったことや課題について報告しました。
次に「ぴあぴあ」の代表社員である藤崎壮滋さんやマネージャーの方から、納屋町商店街の現状や「ぴあぴあ」の取り組みや納屋町商店街のゆるキャラである「なやまっち」に関するエピソードについて教えて頂くとともに、4人のゼミ生が考えた「自転車通行禁止啓発」や「着物レンタル」等の提案に関するアドバイスも頂きました。
また、当訪問の設定には、京都市まちづくりアドバイザーの亀村佳都さんに御協力頂きました。
来年度、サイエンス研究でのまとめに向けた有意義な訪問となりました。
12月17日に中学2年生を対象にした学科説明会と合わせて、サイエンスリサーチ科の1・2年生が取り組んできた夏季実習プログラムやNGSゼミの公開発表を実施しました。本校の保護者の方を含めて、たくさんの外部の人にお越しいただき、ありがとうございました。
・外部の人に向けて発表することがなかったので最初は緊張したけれど、たくさんの中学生や保護者の方が来てくれたので、うれしくて、だんだん発表するのも楽しくなっていきました。普段交流していない人とも交流できたので、よい経験になりました。
・人前で発表するのは苦手ですが、今回の発表はとても楽しかったです。見ている人が笑顔、そして真剣に聞いてくれているのを見ると、発表している自分もうれしくなりました。
・「難しい言葉をどうやって説明しようか」「固い研究でも楽しさを伝えるにはどうしたらいいか」。そんなことをたくさん考えて準備してきました。聞いてくれる人がうなづいてくれたり、目があったりしたとき、一方的な発表ではなく、返ってきている様な気がしてすごくうれしかったです。このような場があって、本当に良かったと思いました。
・マーケティングの研究をしていて、接客の仕事をしている保護者の人などからいただいたアドバイスがすごくタメになりました。
・自分のポスターは文字が多くて少し見にくくなっていた。イラストや適度な色遣いができているポスターの方が興味を持ってもらえるので、ポスターを制作するときに工夫することが大切だと感じた。
・あまり専門知識のない一般の方々に発表することで、「どこが興味を集めやすい内容なのか」「どこがわかりにくい内容なのか」などを知ることができたので良かったです。これからの活動の参考にしたいです。
・それぞれのグループが専門的に調べて発表していて、とても楽しそうだと思いました。
・ポスターセッションでは、生徒の人がわかりやすく説明してくださり、研究してみたいと思いました。
・英語で話す姿がとてもかっこよく、自分もそうなりたいと思いました。
・ポスターセッションがとてもおもしろくて、自分もしてみたいなと思いました。
・いろいろな研究を見れておもしろかった。説明の仕方も、中学生にわかりやすいようにしてくれた良かった。
・説明会やポスターセッションがすごくわかりやすくて良かったです。南陽高校に入学してみたいと思いました。
・シールが足りないくらい、いい発表をたくさん見せてもらい、とても楽しかった。興味深かったです。ありがとうございました。
・ポスターセッションで、生徒さんのお話を聞く事ができてとても良かったです。
・1年後に子供がどのように成長しているのか楽しみになるようなポスターセッションでした。
・生徒さんによるプレゼンがとても楽しくて良かったです。様々なことをテーマに研究していることがわかり、感心しました。
・ポスターセッションでは想像以上に活気があり、分かりやすくて良かったです。
・生徒の皆さんが笑顔でとても感じがよく、感心しました。勉強だけでなく、活動にも熱心で、ぜひ息子に南陽高校生になってほしいと思いました。
実施日 | 内 容 | 連 携 先 等 | |
4月16日 | (土) | 国立国会図書館 関西館 訪問 (2年) | 国立国会図書館 関西館 |
4月19日 | (火) | 「サイエンスリサーチ科に期待すること」 (1年) |
大阪府立大学名誉教授 理事長 高橋克忠 氏 |
5月13日 | (金) | 留学経験とキャリア形成 &オーストラリア留学の魅力 (2年) |
在大阪オーストラリア総領事館 商務官(教育) 冨永さおり 氏 |
5月17日 5月20日 |
(火) (金) |
オーストラリア研修旅行事前学習発表会 (2年) | 南陽高校地歴公民科 教諭 |
5月31日 | (火) | 俳句の授業 ~五七五で開ける新しい扉~ (1年) |
京都教育大学 教授 植山俊宏 氏 (国語科) |
6月12日 | (日) | 第1回京都サイエンスフェスタ 【口頭発表の見学】 (1年) |
京都大学 |
6月12日 ~6月17日 |
(日) (金) |
オーストラリア研修旅行 (2年) ① ② ③ ④ ⑤ | ケアンズ方面 |
7月9日 | (土) | 【1年夏季実習プログラム】 事前講義・実習 (1年) ① ② ③ |
夏季実習連携の研究機関および校内において |
7月22日 8月5日 |
(金) (金) |
【1年夏季実習プログラム】 超伝導実習 (1年) |
京都大学大学院理学研究科 助教 米澤進吾 氏 |
8月6日 |
(土) |
【1年夏季実習プログラム】 植物園実習 (1年) |
京都大学大学院理学研究科 助教 布施静香 氏 |
8月1日 ~8月3日 |
(月) (水) |
【1年夏季実習プログラム】 舞鶴臨海実習 (1年) |
京都大学フィールド科学教育センター 舞鶴水産実験所 助教 甲斐嘉晃 氏 |
8月1日 ~8月3日 |
(月) (水) |
【1年夏季実習プログラム】 遺伝子解析実習 (1年) |
京都府農林水産技術センター 生物資源研究センター 京都府立大学大学院生命環境科学研究科 |
7月28日 8月1日 8月2日 |
(木) (月) (火) |
【1年夏季実習プログラム】 グローバルコミュニケーション実習 (1年) |
同志社大学グローバル・コミュニケーション学部 独立行政法人国際協力機構関西国際センター(JICA関西) せいかグローバルネット日本語教室 |
7月28日 |
(木) |
【1年夏季実習プログラム】 社会実習 (1年) |
Code for 山城/立命館大学大学院公務研究科 講師 青木和人 氏 国立国会図書館関西館 精華町ふるさと案内人 |
9月23日 | (金) |
「マイ・チャレンジ ~研究と出会い、学んだこと~」 (1年) |
南陽高校理科 教諭 秋田 薫 氏 (平成28年度スペシャリスト特別選考にて採用) |
9月27日 10月4日 |
(火) (火) |
1年夏季実習のまとめ 校内発表会 【グループ別ポスター発表】(各グループ代表) |
南陽高等学校内 |
10月21日 |
(金) |
2年NGSゼミの中間発表会 (1年参観(見学)) | 南陽高等学校内 |
10月16日 | (日) | 阪大ホタライト実習 (1年希望者) | 大阪大学大学院理学研究科 招へい研究員 吉本和夫 氏 |
11月1日 | (火) | 「グループワークの大切さ」 (1年) | 京都大学フィールド科学教育研究センター 特定研究員 木村里子 氏 |
11月12日 | (土) | 第2回京都サイエンスフェスタ 【ポ゚スターセッション】 (1・2年) |
京都工芸繊維大学において |
11月12日 | (土) | まほろば・けいはんな SSHサイエンスフェスティバル 【ポスターセッション】 (自然科学同好会) |
けいはんなプラザにおいて |
11月22日 | (火) | 数学と自然科学について 【外部講師の講演・実習】 (1年) |
京都教育大学 教授 深尾武史 氏 (数学科) |
12月10日 | (土) | 京大サイエンス講座 (1年希望者) | 京都大学大学院生命科学研究科 教授 米原 伸 氏 京都大学フィールド科学教育研究センター 農学研究科海洋生物環境学分野研究室 教授 荒井修亮 氏 |
12月17日 | (土) | 南陽フォーラム(1・2年) | 南陽高等学校内 |
1月21日 | (土) | 【土曜サイエンス講座】 「下水道と地球温暖化」 (1年希望者) |
木津川上流浄化センター |
2月4日 | (土) |
【土曜サイエンス講座】 「音と声の謎に挑む」 (1・2年希望者) |
情報通信研究機構 主任研究員 加藤宏明 氏 |
通年 |
NGSゼミ活動 (2年) |
南陽高等学校内 |
サイエンスリサーチ科の2年生が、半年間サイエンスⅡの授業の中で取り組んできたNGSゼミ(南陽グローバルサイエンスゼミ)の校内ポスター発表を実施しました。サイエンスリサーチ科の2年生どうし、また、1年生が2年生の発表を聴くことで、お互いに良い刺激を受けることができました。
これらの発表は、今後、11月12日(土)に実施される「京都サイエンスフェスタ」(主催:京都府教育委員会等)や、12月17日(土)に実施する「南陽フォーラム」(主催:南陽高校)で、外部に向けて発表します。
・他のグループの発表が聞けたので、どんなことを調べているのか、実験しているのかがわかった。他のグループのポスターの作り方や発表の仕方で良いなと思ったところを参考にしたいと思いました。
・質問や感想をもらうと、自分たちだけでは思い浮かばなかったアイデアや客観的な目線からの意見がたくさん聞けて、今後の活動の参考になりました。
・自分たちが研究したことを堂々と発表しているみんなの姿がとてもかっこよく見えました。全体的に去年の発表よりも内容が濃いものになっていた。今回のポスターセッションは、とても良い経験になりました。
・発表するとき、黙々と話すだけではなく、例を入れて問いかけたり、相手の目を見たり手振りを付けながら説明することで、難しい内容でもわかりやすく発表できると感じた。
・文系、理系のどちらにおいても、レベルの高いテーマで発表できていたと思う。それぞれ今後も活動が続くと思うけれど、最終目標をしっかり決めて頑張っていきたい。
・文系のグループでも、グラフなどを用いて論理的な説明までしっかりしていたので、私たちのグループも、次回までにきっちりとした状態で発表に臨みたい。
・1年生からの質問では、自分たちは「分かってもらえるだろう」という前提でちゃんと説明していなかった部分を突かれて、直すべきところがわかった。たくさん聞きに来てもらえたので、その都度、変更や修正を加えながらよりよい発表にしていけたと思う。
・2年生の発表を聴いて、みんなとても面白そうなことを研究して発表していた。質疑応答もすぐに応えてくれたので、僕たちが発表する時もきちんと研究テーマについて調べておきたいと思った。
・初めて2年生の発表を聴いて、こんなにわかりやすくてすごいのだなと思いました。1年生の発表とはクオリティーが違うなと感じました。発表の工夫など、今回学んだことを自分の発表に生かしたいです。
・いろいろなテーマの研究を見ることができてとても楽しかったです。ユニークな実験から、少し難しいものまで幅広くあって、見ていてとても勉強になりました。自分の興味のある分野を広げることができたので、よかったです。
10月16日(土)に、大阪大学理学部生物科学科の研究室で、「高校生のためのタンパク質科学実習-ホタライトを用いた科学的キャリア教育-」に、本校の1年生11名が参加しました。
ホタルの光は、ルシフェラーゼとよばれる酵素の反応によって光ります。この反応は、試験管の中でも起こるため、酵素反応の条件を変えることで酵素の性質を学習できます。初めの実験では、グループに分かれて先生の指示に従い、温度やpHを変えて反応の様子を確認しました。すると「酵素が最もよくはたらく温度は何℃なのか?」「温度とpHを同時に変えると、どのような挙動を示すのか?」など、新たな疑問が生じ、大阪大学の大学生の方々がTAとして加わっていただき、各自がそれぞれ予想を立ててからその検証実験を行い、自分たちの研究成果を発表しました。
普段の学校の授業ではできない、自分たちで考察し実験を重ねていくという方法に、生徒たちは科学を追求していくことのおもしろさを感じ、思考すること、学ぶことの楽しさをかみしめたようでした。
10月26日(水)6時間目に、2年生を対象とした分野別進路研究会が実施されました。
分野別研究会は、さまざまな大学から専門分野に長けた先生方をお迎えし、大学での講義を体験する行事です。
生命環境や化学、教育学、情報学、看護学、心理学など13の分野に分かれて受講しました。
自分が志望する分野で行われている研究や、高校とは違う深い学びに触れ、
今まで以上に進路について考えるきっかけになったことと思います。
また、たとえ今日の講義が自分の希望進路に直接関わる内容ではなかったとしても、
大学における学問について知り、理解を深める良い機会になりました。
以下、生徒の感想をいくつか抜粋し掲載します。
「看護の仕事について詳しく知ることができました。医師と看護師の「みる」の違いや、仕事の特徴など聞けて良かったです。」(看護学選択者)
「正岡子規の人となりやユーモアを、漱石とのかかわりなどを通して知ることができておもしろかったです。」(人文学選択者)
「自分が思っていたよりもずっと身近に医科学に関係することが多いことを知って驚きました。大学では高度な実験をしていることを知って楽しそうだと感じました。」(生命医科学選択者)
「ネットワークは人間関係と同じで、中心になる核がなくなると困ることがわかった。」(情報学選択者)
「心理学について今まで知らなかった部分まで色々と詳しく知ることができてためになった。研究対象にも興味をひかれることが多く、自分でも少しずつ調べてみようと思った。」(心理学選択者)
平成28年8月1日~3日、南陽高校サイエンスリサーチ科1年生19名が京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所を訪れ、2泊3日の臨海実習に取り組みました。
初日は、京都大学舞鶴水産実験所の船に乗り、海水の塩分濃度や水温などを測定すると同時に、底引き網で海底に生息する生物を採集しました。今年は、由良川河口沖の水深10m、20m、40m、60mの4地点で調査しました。 2日目は、測定したデータの解析や、採集した生物の同定作業を行いました。また、魚の内臓を取り出し、胃の中の内容物から何を食べているのかということも調べました。その後、海洋環境と生物の多様性および個体数との関係について考察したことをまとめ、最終日に班ごとに発表しました。
また、30万点以上におよぶ生物の標本など実験所の施設見学や、実験所におられる南陽高校の卒業生から大学院でどのような研究をされているのかなどのお話を直接きく事が出来ました。
10月6日(木)に保護者進路説明会を実施致します。
下記PDFに詳細がございますので、御確認ください。また、出欠票を期日までにクラス担任へ御提出ください。
なお、前日に1年生の保護者を対象とした進路説明会がございますので、お間違えのないように御注意ください。
10月5日(水)に保護者進路説明会を実施致します。
下記PDFに詳細がございますので、御確認ください。また、出欠票を期日までにクラス担任へ御提出ください。
なお、翌日には2年生の保護者を対象とした進路説明会がございますので、お間違えのないように御注意ください。
8月6日(土曜日)に、サイエンスリサーチ科の生徒を対象にした夏のサイエンスプログラム「植物園実習」を実施しました。受講生は京都大学大学院理学研究科 生物科学専攻 植物学教室 植物系統分類学研究室の布施静香 助教の指導を受けました。
まず午前の部では、布施先生とともに、京都大学理学部植物園を訪問しました。園内には様々な植物が生育しており、これらの植物を直接見て、触れることを通して、その多様性や生育環境を肌で感じることができました。午後の部では、植物園にて採取した植物を用いて、押し葉標本の作成にチャレンジしました。また、多様な植物を整理、分類する手法として利用されている検索表の作成にも取り組みました。
今年度の夏季サイエンスプログラム社会実習は、学校の近隣をフィールドワークし、地域の魅力や見どころをWikipediaを使って世界に発信する「ウィキペディア・タウン」という内容の実習を実施しました。
今回は、先日7月9日(土)に国立国会図書館関西館にて行われた事前実習をふまえた、本実習です。
7月28日(木)朝8時半。強い日差しが照りつける中、いよいよフィールドワークのスタートです。南陽高校から国立国会図書館までの道のりを、「乾谷コース」、「柘榴コース」の2グループに分かれて調査します。NPO法人「精華町ふるさと案内人の会」の皆さま、国立国会図書館の文献提供課の方々にも同行していただき、大勢でにぎやかに出発しました。
乾谷コースのメンバーは、山田川沿いの大阪から伊賀に抜ける旧街道を歩き、乾谷集落へと進みました。
かの徳川家康が通ったといわれる、大阪街道。南陽高校のすぐそばは、近世の幹線道路となっていたのですね。
旧山田荘小学校跡地。明治からの長い歴史をもつ南陽近隣の小学校は、1986年までこの地にありました。
弘法大師にまつわるといわれる、大師堂。中に小さな像があり、皆で覗いています。
ニュータウンの町並みとは全く異なる雰囲気の、ゆったりとした時間の流れる乾谷集落をウォーキングし、国会図書館に到着しました。
柘榴コースのメンバーは、山田川上流側沿いから、柘榴集落を抜けて光台へ向かうルートを歩きました。
南陽高校周辺には、かつて平城京に瓦を供給していた「瓦窯」が多くありました。今は何も残っていませんが、このあたりは古代も現代も最先端の技術研究が行われている地なのです。
「柘榴」の名前の由来となった石がある日出神社。この神社や石にはさまざまな伝説があって...?
(内容はウィキペディア柘榴のページで!)
柘榴の集会所では、自治会長さんから集落の現状についてのお話を伺うことができました。
山中にひっそりと存在する、「西国三十三所石仏」。精華町にいながら西国三十三所めぐりができてしまう!?
里山の美しい棚田の風景を見たあと、山を抜けるとぱっと目の前に広がるのは光台の新興住宅地。
「現実に帰ってきた~」と言いながら、国会図書館へと向かいました。
昼食は国会図書館4階のカフェテリアを利用させていただき、午後からはいよいよ、ウィキペディアで地域の情報を発信へ!
まずは前回のおさらいを、事前実習に続いて青木和人先生から講義いただきました。
編集作業開始。
最初は午前中のフィールドワークの疲れが見える場面もありましたが、次第に生徒たちの活動が熱を帯びていきます。
各班のなかで上手く役割分担・連携を取りながら進めていくことができました。
中には、調査によって得た情報を裏付ける資料を、膨大な巻数の中から発見し、歓声があがるシーンも。
途中、国会図書館文献提供課の職員さまが生徒の希望に応えてくださり、書庫に資料を探しに行く体験をさせていただきました。
「図書館戦争の世界だ!」と目を輝かせて書庫で本を探す生徒たちの姿。
文献研究の入口に立ってみて欲しいという今回の企画に対して、生徒たち自らが積極的に行動を起こした場面となり、職員の方は大変感激しておられました。
編集作業はラストスパートへ。
実習の終了時間が迫る中、驚異的な集中力を見せた生徒たちは、無事、すべての班がWikipediaへのアップロード作業を終えることができました。
自分たちの記事がネット上にアップロードされると、自然と拍手が沸き起こりました。
最後に、各班の成果と、自分たちが編集時に頑張った点を発表し、実習を終えました。
生徒たちが立ち上げ、編集を行ったWikipediaのページは下記から。
今後、多くのウィキペディアンの方々がさらに加筆を加えていってくださり、より充実したページとなることを願ってやみません。
以下、生徒からの感想の抜粋です。
◆簡単に編集・アップロードができる分、文献で裏付けを取らないといけないという点で、情報の責任を感じました。
◆ウィキペディアが個人で編集できるサイトであったことに驚いたし、自分たちが編集した後にすぐに別の人が編集作業を行っていて、世界の人々から見られていることが実感できたのでとても達成感があって良かった。
◆情報の正確さを証明するために、どれだけの時間と労力が使われているのかが分かった。自分たちが使っている教科書や歴史の本は、自分たちが読むまでにたくさんの人が関わって作られているとわかった。
◆昔の歴史が感じられ、徳川家康がこのあたりに関係していることを知ったときは驚きと感動を感じることができました。また、それをウィキペディアに載せるときは、裏を取った情報しか用いることができないので、資料を探したりするのがとても大変でしたが、見つかったときはとてもうれしくて、楽しい実習になりました。
◆世間には、まだまだすごいのに知られていない場所がたくさんあるんだと思いました。本やインターネットに載っていなかったり、あまり有名でないところに関してはまだまだ情報不足なんだろうなと思います。だからこそ、その地域の人や詳しい人が発信していかなければならないのかもしれないと思います。
◆この実習で自分たちで正確かつ客観的な情報を発信することの大切さや重みを感じ取ることができました。このことをポスター発表に出して"伝えて"いきたいです。
今回の実習は、地域の多くの方々のご協力と連携があって成立したものでした。
本当にありがとうございました。
今後も、地域のさまざまな団体さまと、高校生が一緒になり、新しい活動を生み出していく取り組みに、積極的に挑戦していければと思います。
次は10月・12月に今回学んだことをポスターの形で発表します。生徒のポスターの出来上がりに、是非、ご期待ください。