学校生活

SCHOOL LIFE
 

 1年生の国語総合での取組として、11月11日(月)に特別指導「和歌を詠もう」を実施しました。講師に、冷泉家時雨亭文庫より清水大史先生をお迎えして「月(つき)」という兼題で作歌指導を受けました。

 前半の講義では、当時の様式を伝える冷泉家歌会の動画を鑑賞し、雅やかな世界をイメージした後、まず現代短歌が「私らしさ(自我)を強調する」のに対して、古典和歌は「私とあなたは同じ(いっしょ)」という型を作って和歌を詠むという基本を教わりました。次に「月」という言葉を和歌に詠み込むための型、さらに「三日月」「夕月」「居待月」「有明の月」など、月の種類とそこに込められた心情を、引用をまじえながら、分かりやすく解説していただきました。

 後半のワークショップでは、灯りのなかった平安王朝の「月」のある情景に思いを馳せながら、生徒達は実際に作歌をしました。なかなか和歌が作れない生徒も、清水先生の個別指導を受けながら和歌を詠み、完成させる喜びを味わうことができました。

 今日詠んだ和歌の中から、選ばれた5首が、来年の秋の歌会で、披講研究部の皆さんに披講されます。

【生徒の感想】

・現在でも、「月」は夜の象徴であり、「今日は満月だ」とか「今日の月は大きい」とか、何気なく会話として言うことも少なくないと思いますが、昔の人々は、それだけでなく、月で季節を感じ、月の形・出方に自分の心情を重ね、他人を思う歌や、風景への思いを歌にのせて表現していたのだと思いました。その他にも、現代の電気・灯りのかわりに、月の光を使っていて、より深く関わり接していたのだと思いました。

・私自身、和歌を作って、意味・思いに触れ合うことをしたことがありませんでした。そのため、「和歌を詠む」という行為を単なる「字を読む」ことにすぎないと思っていました。今回、講義やワークショップなどの貴重な体験を通して、私は、和歌は、情景や心情を淡々と描写し、送り合う素晴らしい手段であると思うようになりました。私のように、まだ和歌の良さを知らない人は、たとえ日本人であろうとも辛気くさいように遠ざける人は少なからずいると思います。確かに素晴らしく趣深い和歌は、読みとることも創作することも難しいです。しかし、1000年の歴史を隔ててもまだある和歌の価値は、はかりしれないものであり、すごいことなので、まず身近にいる家族に語ってみたいと思いました。

 
 
 
 
 
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