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『クスノキの番人』東野圭吾 実業之日本社

 

 面白かった。

 とある神社にある大きなクスノキ。その木に祈れば、願いが叶うという----刑務所送りを免れるため「クスノキの番人」になった玲斗(れいと)は、祈念に来る人やその周囲の人々、そして過去の記録から、だんだんと「祈念」の真実に近づいてゆく。

 

 最初はホラーかファンタジーか(帯に「誰かの死を願うこともできる」なんて書いてあるし)、だったら、女の子は実は××で、主人公がピンチに...なんて予想しながら読みすすめたら、全然違う展開に。ネタバレになるのであとは読んでみてくださいね。ホラーじゃなくて、読後感の良い小説でした。

 自分勝手でいいかげんだった玲斗が、どんどん頭の良い好青年になっていくのは、少々都合がよすぎると思いますが、ジャニーズ系の主演で映画化されそう。

 

                オススメビト:図書館司書

 

『朝が来る』 辻村深月

 

 自分たちの子を産めない夫婦は特別養子縁組を選び、若い少女の息子、朝斗を引き取る。

 夫婦は朝斗に愛情を注ぎ、幸せな日々を送る。ところがある日、夫婦の前に女が現れ「私の息子を返してほしい」と言う。夫婦も読者も「何をいまさら」という気持ちになるが、若くして朝斗を産んだ母には、息子を手放さざるを得ない壮絶な人生があった・・・。

 

 少女が悪いことをしたわけではないのに、数々の苦難を強いられる様子は読んでいて胸が詰まります。救いのない彼女の人生ですが、息子の朝斗は彼女の闇に一筋の光を射してくれます。重たい話ですが、最後に号泣したい人は是非。

 

              オススメビト:生徒部教員W

 
 
 
 
 
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