網野学舎

「世界3位」も、私にとっては「スタートライン」

 7月のインターハイで優勝、8月に開催されたU20世界選手権で堂々の世界3位に輝いたレスリング部の坂根さんに、喜びの声と今後の決意を聞きました。

 令和5年度全国高等学校総合体育大会レスリング競技(7月27~30日・北海道札幌市)
  個人対抗戦 女子レスリング50kg級 【優勝】

 2023U-20世界レスリング選手権大会(8月14~20日・ヨルダン)
  女子フリースタイル50kg級 【第3位】

坂根海琉子さん(3年1組・島根大学教育学部附属義務教育学校)
 3歳でレスリングを始めた私は小学生の頃に全国大会で優勝を経験したものの、中学では成績を残せず、さらにはコロナ禍で試合も中止になりもやもやしていました。一から鍛え直してもっと強くなりたいと思い、合宿で縁のあった丹後緑風高校に入学しました。
 今年4月に行われたU20のJOC杯では対戦相手の多くが大学生の中、厳しい戦いが続きましたが、優勝して世界選手権の出場権を得ることができました。
 この夏の戦いはインターハイから始まりました。昨年度は3位でしたが、今年は最高学年であることやJOC杯を制していたことから最低でも優勝という強い覚悟で臨みました。久しぶりの有観客試合で両親の前で優勝する姿を見せることができて嬉しかったです。
 世界選手権はその2週間後に中東のヨルダンで開催されました。絶対メダルを獲るとの思いで初の世界戦に臨みました。はじめは順調に勝ち上がりましたが、3回戦では私の仕掛けた攻撃を切られ、相手に後ろに回られポイントを奪われて逆転負けしました。それでも気持ちを切り替えて敗者復活戦と3位決定戦に回り、どうにか銅メダルを手にすることができました。表彰台の一番高いところに立った隣の選手に授与されたチャンピオンベルトの輝きは、悔しい気持ちとともに一生忘れることができません。
 私は卒業までに行われる試合を戦い切って大学に進学するつもりです。そして来年も世界選手権の舞台に戻って、今度はあのチャンピオンベルトを自分のものにしたいです。

...「世界3位」という輝かしい栄光さえも、彼女のレスリング人生にとってはまだ序章に過ぎないのかもしれません。ますます強くなって、黄金の自分史をこれからも刻みゆけ!
           

   (取材・文 安達卓能)

 

   「努力に勝る天才はなし」

 7月3日から3週間、教育実習で母校に帰ってきた高橋さんに、実習を終えた感想や生徒の皆さんへのメッセージなどを伺いました。

高橋夢大さん(日本体育大学体育学部体育学科4年生)
 私は小さい頃からレスリングで全国大会など大きな舞台を何度も経験し、試合直前の緊張感は数え切れないほど味わってきたつもりでした。しかし、教育実習に来て初めてのホームルームは、それとは全く違う初めて味わう緊張感でほとんど話せませんでした。それでもショートやロングホームルームで生徒の皆さんの元気な挨拶や笑顔に触れる度に、教室に行くことが毎日の楽しみになっていきました。ですから、実習を終えた今、もっと皆さんと一緒にいて話したかったと、少し寂しい気持ちになっています。
 私は元来寡黙な性格で、言葉よりも態度や行動、そして結果で示すタイプでした。ですから、生徒や先生とコミュニケーションを密に取って、授業や学級経営を円滑に進めていくことは私にとって簡単ではありませんでした。特に保健の授業は体育の授業以上に、自分自身の言葉で明確に伝え、生徒に理解してもらわなければならず苦労しました。それでも授業後に生徒から「ありがとう」とか「楽しかった」と感想をもらうようになると嬉しかったですし、明日への励みにもなりました。授業に臨むために何度も書き直したたくさんの指導案は、苦労した分だけ私の思い出であり宝となっています。
 私は今後もレスリングの道をさらに突き進んでいきます。小さい頃からの夢であるオリンピック出場とメダル獲得を賭けて、これからも戦い続けていきます。
 生徒の皆さん。毎日の勉強や部活、3年生は進路実現と、忙しく大変だと思いますが、皆さんの勝利と活躍を心から祈っています。3週間本当にありがとうございました。

...「努力に勝る天才はなし」。最後のホームルームでクラスにメッセージを送った高橋さんは、これからも夢に向かって努力を重ねていくことでしょう。頑張れ、高橋さん!
             

 (取材・文 安達卓能)


 

  力と粘りで掴め「世界一」

 7月末からトルコ共和国のイスタンブールで開催される「2023U-17世界選手権大会」において、男子グレコローマンスタイル65kg級の日本代表として戦う江口さんに大会前の意気込みを聞きました。

江口 翼さん(1年3組・東京都大田区立蓮沼中学校)
 レスリングをはじめたのは3歳でした。小学生まではなかなか結果が出ず、「このままではだめだ、やるからには真剣にやってやろう」と思い直し、中学生からは筋力トレーニングを増やしていき、3年生で全国大会2位とようやく結果を出すことができました。
 当時から丹後緑風高校にはクラブチームの合宿で何度か来たことがありました。たとえ練習がきつくても、より厳しい環境に身を置きたいと思い入学を決めました。
 高校から始まったグレコローマンスタイルは、私のレスリングスタイルに非常に合っていました。高校入学後すぐに開催された4月のJOC杯では、このグレコローマンスタイルで、私にとっては初めての全国大会優勝を果たし、同時に世界選手権出場の権利を手にすることが出来ました。
 海外の選手とはまだ対戦の経験がありませんが、日本の選手と違い、パワーで押し切ってくる印象が強く、難敵ばかりだと感じています。私自身技術はまだまだ未熟ですが、これまでのトレーニングで鍛えた力なら負けないつもりです。「ポイントを取られたくない」と怖じ気づいて腰が引けるよりは、攻められても攻め返す中で相手より多くポイントを奪いにいく自分のスタイルを貫いて、どこまでも「世界一」を狙って戦っていきます。

...大切にしている言葉は「感謝」だと教えてくれた江口さん。恐れるモノは何もない。支えてくれたすべての人への感謝の思いを胸に、得意の「巻き技」と持ち前の「粘り腰」で世界にその名を響かせろ!
            

  (取材・文 安達卓能)


 

   先輩を手本に 後輩の手本に

 7月7日に行われた京都府高等学校生徒商業研究発表大会(生徒商研)において、企画経営科のメンバーが調査研究の部と体験発表の部のそれぞれで最優秀賞に輝きました。各部門の代表者に喜びの声を聞きました。

調査研究発表の部 【最優秀賞】 企画経営科3年生(6名)
 「京丹後市物語」~地域の魅力プラスワンの取組リピーター獲得へ~

中垣俊介さん(3年3組・網野中)
 課題研究の授業で「地域とつながるコミュニティ通貨」について研究をしていたことからメンバーに選ばれました。内容はこのコミュニティ通貨の説明から、これを使ってどんな地域貢献ができるかをテーマに発表しました。検定や試験が重なる日程の中で原稿を覚えたり、新たな試みである寸劇の練習をしたりと大変でしたが、本番の発表では堂々とやり切ることができました。近畿大会では数値化したデータを増やしてより説得力のある資料に仕上げ、発表の完成度をさらに上げて、全国大会出場を目指して頑張っていきます。

小森知己さん(3年3組・網野中)
 コミュニティ通貨を、夏休みに開催するお化け屋敷のイベントにどう活用するのかや、この活動をどうすれば広めていけるのかを発表しました。練習では原稿をただ覚えて喋るのではなく、審査員に語りかけるように発表しようと心掛けました。本番は台詞が飛ばないようにと慎重になり過ぎたところもありましたが、何とか無事に終えることができました。最優秀賞を励みにし、将来たくさんの人の前で堂々と自分の考えをプレゼンテーションできる社会人になれるよう、コミュニケーション能力をさらに磨いていきたいです。

体験発表の部 【最優秀賞】 企画経営科2年生(2名)
 「おいしくて米(まい)っちゃうクレープ開発秘話」~米粉を使った商品開発~

大同翔太さん(2年3組・大宮中)
 夢は経営者になることです。そのためにはプレゼンテーション能力が必要になると思って発表に挑戦しました。私達は先輩方の昨年度の地産地消の取組を引き継いで発表をしました。本番は独特の緊張感の中でトップバッターでしたが、練習通りみんな元気良く発表できました。勉強は得意ではありませんが、発表という分野でこのような最高の評価をしていただき本当に嬉しく、自信にもなりました。今年度の丹後万博は先輩方の姿を見習ってぜひ成功させたいですし、そんな私達の姿を見て後輩達も育ってくれたら嬉しいです。

荻野優陽さん(2年3組・弥栄中)
 経営実習部の活動中に顧問の先生から今回の発表を勧められました。大きな場での発表は経験がなかったのでやってみようと思いました。原稿を覚えた後、発表に強弱を付けたり手振りを交えて話すこと、そして協力者の言葉ではその人になったつもりで感情移入して話すことなどプレゼンスキルを磨いていきました。本番は練習通りの力を発揮することが出来ました。最優秀賞を一番に喜んでくれたのは誘ってくれた顧問の先生でした。堂々と発表を行った先輩方のかっこいい姿を手本に、来年度はさらにいい発表をしたいです。

...先輩の勇姿を見て後輩は憧れ、やがて次の後輩の模範となっていく。企画経営科はこれまでも、そしてこれからも、この「美しき正の伝統」を継承していくことでしょう。
              

(取材・文 安達卓能)

 

   安全と安心を地域に届ける存在に...

 防犯寸劇やナレーションなどこれまでの活動が認められ、6月26日に丹後緑風高校演劇部が京丹後警察署より感謝状を頂きました。早速受賞された3名のメンバーにインタビューをしました。

部長 小倉萌香奈さん(3年1組・網野中)
 代々演劇部は警察署から依頼を頂き、様々な犯罪に対する防犯寸劇やナレーションの収録などをしてきました。今回、こうしたこれまでの活動を評価していただき、さらに感謝状まで頂いて本当に嬉しかったです。今後は後輩達にも、私達が心掛けていた仲の良さを大切にしながら、これからも地域に貢献する活動を続けていってほしいです。

井上明日香さん(3年1組・網野中)
 せっかく頂いたお話だったので挑戦しようと思いました。私は今回水難事故の防止を呼びかけるナレーションを担当しました。初めての本格的な収録は緊張しましたが、完成版を聴くといい出来に仕上がっていました。こうして警察の方から感謝状を頂くなんてめったにないことなので、恥ずかしかったですが嬉しかったですし、いい経験になりました。

畑中佑太さん(2年3組・網野中)
 私は海辺で盗難に遭わないように海水浴客に注意を呼びかけるナレーションを担当しました。私にとっては昨年の、特殊詐欺の被害防止を呼びかけるCMに続く2回目となる収録でした。たいしたことをしたつもりはありませんが、これが人を助けることにつながるのなら嬉しいです。今後も機会があれば、今度は後輩と一緒に挑戦していきたいです。

...これからも丹後緑風高校演劇部は、地域に安全・安心を届ける「頼られる存在」であり続けてほしいと期待しています。
              

(取材・文 安達卓能)

 

   「得意だ」と胸を張って言えるもの

 6月17日(土)に開催された第39回全国高等学校簿記競技大会京都府大会に企画経営科6名が出場し、団体の部で優勝を、個人の部でも優勝を含め3名が表彰され、7月16日に行われる全国大会への出場権を手にしました。今回は企画経営科に入学した理由と学科で学ぶ簿記会計の魅力について語ってもらいました。

団体の部 【優 勝】 京都府立丹後緑風高等学校網野学舎

個人の部
【優 勝】 本井晴大さん(網野中)
 在学中にたくさんの資格取得に挑戦できて、将来進学や就職に強いと考えたので私は企画経営科に進学しました。
 簿記は得意なのですが、本番の問題は想定より難易度が高く出題傾向が変わっていた箇所もあり、終わった瞬間はまったく自信がありませんでした。結果発表で団体で優勝と知ったときには本当に驚きましたが、逆にその瞬間に個人の優勝を確信しました。
 次は7月の全国大会です。各地の精鋭が集うので入賞すら厳しいかもしれませんが、しっかり対策をして全力でぶつかっていきます。
 将来の夢は公認会計士になることです。得意の簿記に磨きを掛けて、夢に向かって突き進んでいきます。

【第3位】 廣瀬久瑠実さん(網野中)
 卒業生である姉から企画経営科の様々な取組や良さを聞き、とても興味が湧いたことが入学のきっかけでした。
 この競技会に向けて私はとにかく過去問を解きまくりました。しかし本番の試験問題を目にした瞬間、出題形式が傾向と違い焦ってしまいました。それでもとにかく答を埋めようと必死で解いていきました。結果発表で団体と個人で名前が呼ばれたときは状況を理解できず、一人だけ時が止まったようでした。表彰されたときは、これまで自分が努力してきたことが報われたと実感し、必死で涙をこらえていました。
 これまで支えてくれた方々のおかげで掴んだ全国大会というチャンスを精一杯楽しんできます。

【優良賞】 安田和奏さん(丹後中)
 挑戦すればたくさん資格が取れて将来の仕事の幅が広がるし、地域活性化に真剣に取り組んでいる企画経営科で学びたいと思い入学しました。
 これまでも様々な競技会やコンクールに出場しましたが、簿記競技会は初めてでした。試験は着実に解いていくことを心掛けました。高校から始めた簿記で結果を残すことができて本当に嬉しいです。
 全国大会までは期末試験や検定、イベント準備がたくさんあり、勉強時間を確保するのは難しいですが、隙間を見つけてコツコツと進めていきたいです。
 私はこれからも資格にたくさん挑戦し、大学で学び、将来は大好きな丹後に戻って故郷の発展のために働きたいです。

...最後に3人に「あなたにとって"簿記"とは何か」と尋ねたところ、「『得意だ』と胸を張って言えるもの」だと気持ちよく答えてくれました。
              

(取材・文 安達卓能)

 

   挫折は「栄光」の母である

 6月6日から15日に中央アジア・キルギス共和国において開催された2023 U17アジアレスリング選手権大会に、フリースタイル男子80kg級の日本代表として出場し、堂々の5位に入賞をした水崎さんにインタビューをしました。

水崎竣介さん(2年1組・静岡市立城内中)
 私は地元静岡で4歳からレスリングを始めました。小中学校時代においても全国大会で結果を残してきましたが、もっと強くなりたいという思いから丹後緑風高校への進学を決めました。
 4月に行われたJOC杯で2位に入ったことから、今回のアジア選手権に出場することが決まりました。1位で世界選手権出場とはいかなかったので少し悔しかったですが、初めての海外遠征だったので嬉しかったです。選手権に向けては増量と筋トレを中心に体を鍛えました。対戦相手の情報もないので、相手に合わせずに自分のペースで攻めようと決め、メダル獲得を目標に開催地に乗り込みました。
 大会では1回戦を勝ち、手応えを掴むことが出来ました。しかし2回戦では序盤はリードしたものの、私にとっては初めてとなる大技を食らってしまい、動揺して自分の闘いに持ち込めず逆転されて負けてしまいました。3位決定戦も、大きくリードを奪い、勝利まであと一歩のところで相手に乗られてしまい、そこからずるずるとポイントを奪われて、最後はほんの僅かの差で大逆転負けを喫してしまいました。この時ばかりは悔しくて悔しくて涙が止まりませんでした。
 次の目標は8月に行われるインターハイです。個人戦では決勝進出を、団体ではベスト8を賭けて練習に励んでいきます。そして、今年2位だった来年のJOC杯では絶対に優勝し、今度は世界選手権の舞台で戦うことを目標にさらに強くなっていきたいです。

...敗北も挫折も流した涙も、すべては歓喜と栄光と大勝利の「母」であると私は思います。この悔しさをバネに、さらなる高みを目指して登りゆけ!
           

   (取材・文 安達卓能)

 

「バトン」は私達がしっかり引き継ぎます。

 6月2日(金)に令和5年度京都府高等学体操競技・新体操春季選手権大会が開催されました。男子個人戦で優勝した本校3年生の谷口央弥さん(網野中)に続き堂々の4位入賞を果たした2年生の今森さんと、女子個人戦で健闘し、高校最後の試合を終えた3年生の滝上さんと池田さんに今回インタビューをしました。ちなみに男子は個人戦と団体戦で6月の近畿高校選手権、7月の近畿ブロック大会に出場することが決定しました。

【男子個人戦総合4位・男子団体戦総合優勝】
今森 駿さん(2年2組・丹後中)
 入学すぐの部活動体験で男子の先輩方の演技を観て「かっこいい」と思い、未経験でしたが体操をやろうと決めて入部しました。技がはじめてできて仲間から「すごいね!」と声を掛けられた時が体操をやってて良かったと思う瞬間です。府大会は、個人戦では昨年以上の演技ができて、自分でも納得の得点でした。団体戦は、大会がはじめてとなる1年生も堂々としたいい演技ができたと思います。次は一箇月後の近畿ブロック大会に個人戦と団体戦の両方に出場します。チームはまだまだ伸びしろがあると思うので、一日一日の練習を大切にして、府大会のときよりも成長したいい演技ができるように頑張ります。

滝上 妃さん(3年2組・峰山中)
 体操は小学1年生から続けていたので、自然と網野学舎の体操部に入部すると決めていました。高校の3年間はなかなか伸びずに苦しい時期があり、やりたくないこともありましたが、いつも一緒に練習してくれる仲間がいてくれたおかげでこうして最後まで続けることができました。引退試合となった府大会は「絶対にこれだけは決めたい」という技を2種目それぞれで成功させることができ、私にとっての有終の美を飾ることができたと思います。みんなで助け合い支え合って、時には上手に息抜きをして最後まで何とか来ることができました。キャプテンとして、メンバーみんなに感謝したいです。

池田さやかさん(3年1組・網野中)
 小学生の時に観た網高体操部のお姉さん達の演技に憧れて私も入部しました。この3年間はメンバーと意見が衝突することもあったり、部活動に足が向かない日もありましたが、みんなで励まし合って最後まで続けることができました。高校最後の試合は私にとって初めての府大会でした。1種目目のボールでの失敗を切り替えて次のクラブは技を決めることができ、本当に楽しく最後の演技を終えることができました。メンバーはみんな仲が良く、辛い練習も楽しく乗り越えることができました。2年生の皆さん、新チームを引っ張ってこれからも仲の良い部を作っていってください。ありがとうございました。

...男子の戦いはまだまだ続きますが、この府大会は体操部にとって先輩からのバトンを後輩が引き継ぐ大会となりました。先輩の皆さん、今後も後輩の活躍を見守っていてください。
             

 (取材・文 安達卓能)

 

「忘れもの」を取り戻した球技大会

 6月7日(水)に開催された全校球技大会において、各種目で優勝したチームのキャプテンに話を聞きました。

ソフトボールの部 優勝 「マンチェ・ス・丹後シティ」(3年2組)
桑原京志朗さん(峰山中)
 試合では互いに大きな声で励ましを送りながら、一つ一つのプレーに全力を尽くして戦いを進めていきました。優勝の瞬間は、応援にきてくれた仲間と一緒にハイタッチを交わしたり、思いっきり声を出して喜び合ったりと、コロナ禍では考えられなかった久しぶりの感触をみんなで味わいました。この球技大会を機に、もうすぐ本格的に始まる進路決定に向けて、クラスで一丸となって頑張っていきます。

バレーボールの部 優勝 「ラプラス」(2年2組)
田中朱莉さん(網野中)
 私達は、試合中メンバーと声を掛けあってボールを落とさないようにと一人一人が必死でボールに食らいついていきました。ポイントを取る度にみんなで心の底から喜び合いました。きっと私達のチームがどのチームよりも盛り上がっていたのではないでしょうか。全校での球技大会はチームや学年を超えて互いに応援し合うことが出来ました。この球技大会で深めた仲の良さで、次の大きな行事である文化祭を大成功させたいです。

ドッジボールの部(男子) 優勝 「ルロイ」(3年1組)
畑中伯斗さん(丹後中)
 同じクラスの別チームには惜しくも負けてしまいましたが、リーグ1位で優勝決定戦へ進むことが出来ました。ドッジボールの決勝はすべての競技が終わり、残っていた全校生徒が見守る中で行われました。たくさんの声援に押されて優勝が決まったときは、大きな歓喜の渦が起きました。全校一斉の球技大会は初めての経験だったので良い思い出になりました。この熱い思いを文化祭、体育祭とつなげ、進路決定につなげていきたいです。

ドッジボールの部(女子) 優勝 「Love & piece」(3年2組)
野村未果さん(網野中)
 私達はポジションや作戦を練ったりと、勝利への執念を燃やして戦いを進めていきました。全競技の最後となった決勝も勝って、私達は完全優勝することが出来ました。コロナ禍では見られなかったみんなで喜び合う姿を見て、この3年生で球技大会が全校でようやく実施できて本当に良かったと思いました。より一層深まったクラスの絆や団結力を、最後の大きな行事である文化祭・体育祭に思う存分ぶつけていきたいです。

...声出し応援、ハイタッチ、そしてマスクなしのとびっきりの笑顔...。3年振りとなった全校球技大会は、生徒達にに「忘れたもの」をようやく取り戻させてくれたようです。
             

 (取材・文 安達卓能)


 

「最大限を尽くして挑む姿」ほど美しいものはない

 5月20日(土)に令和5年度両丹高等学校総体が各会場で開催されました。その中で大健闘の戦いをした2つのクラブの部長に話を聞きました。

ソフトテニス部女子 団体戦準優勝
女子キャプテン 田村 彩さん(3年1組・峰山中)
 私にとってこの両丹総体は高校最後の大会でした。ペアを組んできた後輩は息もぴったりで、互いを尊重し合い、苦しいときも励ましあってこれまで一緒に戦ってきました。今回の大会も試合中に何度もコミュニケーションをとり、相手に負けない大きな声を出して全力プレーで戦い、勝ち上がっていきました。
 私の高校最後の試合は強豪校との、しかも私にとっても「初の決勝戦」でした。結果は完敗でした。それでも二人で粘ってポイントをもぎ取った場面では、チームのみんなが一つになって喜んでくれました。私はその姿にチームの絆の強さを感じました。
 この3年間は、思うように部がまとまらず苦しいと思ったときもありました。しかし、メンバーは部活動はもちろん、地域の社会人との練習会を含め、いつも私と一緒に汗を流してくれました。メンバーとともに過ごした時間は私の大切な思い出です。3年間本当にありがとうございました。

サッカー部 伊佐津川会場 準優勝
キャプテン 渡利素晴さん(3年3組・峰山中)
 サッカー部は先輩後輩の垣根を越えて仲の良い雰囲気で練習をしています。時には熱くなって言い合いになることもありますが、そこはキャプテンとしてまとめ、みんなが気持ちよく練習に臨めるようにと普段から心掛けています。
 両丹総体の初戦は試合を終始優位に進めることができ、さらに自分自身も得点に絡むことができて快勝しました。そして決勝戦は実力のある格上のチームとの対戦となりました。試合では攻撃面・守備面ともに練習でやってきたことがある程度でき、相手ゴールに迫るシーンもありましたがあと一歩届かず、実力の差、練習量の差が出て惜敗し、準優勝に終わりました。
 今回の大会では反省点も見えました。これを高校最後の大会である秋の選手権大会予選に向けて修正し、部のみんなで掲げた目標の「府ベスト16」を賭けて最後まで頑張っていきます。

...今の自分が持てる最大限の力を出し切って戦おうと挑む姿や情熱ほど、貴く美しいものはない、と私は二人を取材して強く感じました。
              

(取材・文 安達卓能)

 

最高に「幸せ」な学校生活

 高校に入学してから早一箇月。1年生の3名に、自身が網野学舎を選んだ理由やクラスの雰囲気、高校で頑張りたいことなどを伺いました。

吉岡琴音さん(1年1組・弥栄中)
 中学3年の夏に行われた体験セミナーに参加したとき、学校の雰囲気がとても明るくて楽しそうだと感じ、私も網野学舎で学びたいと思いました。入学して一箇月ですが、1組はすでに賑やかで明るい、とても仲の良いクラスです。高校の授業は内容も難しくスピードも速いので、聞き逃さないようにいつも集中して臨んでいます。私は陸上競技部に入り、現在は短距離を専門に取り組んでいます。先輩方はとても面白いし、私達にとても優しく接してくださるので、私は毎日楽しく走ることができています。高校では基礎をしっかり固めていく中で、どんなことにも積極的に挑戦をしていきたいです。

田中菜々美さん(1年2組・網野中)
 海や山、自然に囲まれた大好きな地元である網野で、学習や部活動に思いっきり励みたいと思い入学しました。授業では男女や出身中学校の違いに関係なく、みんな積極的に発言したり、活発にグループワークをして楽しく交流しながら学んでいます。部活動は、将来海外で仕事をしたいという私の夢からESSに決めました。仲間と協力して英文を訳しながらゲームを解いていくイースターイベントはとても楽しかったです。高校生活は大変だと思うこともありますが、それでも毎日友達とワイワイ話し、帰りに元気よくバイバイと挨拶する、そんなごく当たり前の日常が、今私にとって最高に幸せな時間です。

岸田槙さん(1年3組・峰山中)
 網野学舎を選んだ理由は勉強に集中して臨める環境が整っているところ、先生が一人一人に寄り添って教えてくれるところ、そして海が近いところでした。3組はとても賑やかですが、切り替えがとても速く、行動も速いところがいいところだと感じています。私は野球部に入部しました。高校からは軟式から硬式に変わり、中学時代よりも練習時間も増えましたが、大好きな野球が長くできて本当に幸せです。クラスの目標は私達のクラスがこれまでの企画経営科の中で一番だと言ってもらえることです。そのためにも様々な場面で挨拶や礼儀、マナーを体で学び、社会で必要とされる人材に成長していきたいです。

...学校生活は最高に楽しいと、3人は異口同音に話してくれました。彼らの充実した笑顔に接し、取材したこちらも何だかハッピーな気持ちになりました。
              

(取材・文 安達卓能)

 

礎究めて夢掴め

 4月15日のワープロ競技会京都予選を勝ち上がり、来たる5月13日・14日に行われる近畿大会への出場が決定した企画経営科3年生の3名にインタビューをしました。

亀井萌さん(大宮中)
 メンバーに選ばれてからは予選に向けてひたすらタイピングの練習をしました。本番は緊張の中、集中して試験に臨むことができました。ミスもほとんどなく、終わってみれば過去最高の得点を出すことができ、達成感でいっぱいでした。団体で、そして個人の部で8位で名前が呼ばれたときはとても嬉しく、今まで頑張ってきて本当に良かったと思いました。次の近畿大会までに自分の力を最大限に引き出せるようにさらに特訓し、個人の目標であるトップ10に入れるよう頑張っていきたいです。企画経営科で学んだ知識や技術を生かし、将来は市民を守り、市民に信頼される立派な警察官になりたいです。

中垣俊介さん(網野中)
 メンバーに選ばれたものの自分が本当に務まるのか不安で自信もなかったので、私も家でタイピング練習に励みました。これまでこのような大会に出場した経験がなく緊張しましたが、本番では練習の時よりも少ないミスで多くの文字を打つことができ、終わった後はとてもいい感触でした。団体で近畿大会に出場できると決まって嬉しかった反面、個人ではもっと上位に食い込みたかったので少し悔しい気持ちでした。近畿大会では自己ベストを大きく上回ることができるように毎日練習を続けていきます。タイピング技術をさらに磨いて、将来は夢であるプログラマーになって活躍していきたいです。

安田和奏さん(丹後中)
 私のタイピングのスピードはそこまで速い方ではなかったので、他のメンバーに迷惑を掛けないようにととにかく自分の全力を尽くすことを心掛けました。私は昨年度もこの大会に出場しました。その時と同じように緊張しましたが、昨年を上回りたいと集中して臨んだ結果、昨年より100字も多く打つことができました。それでも終わった後はもっと打ちたかったと悔やみ、実力不足を痛感しました。近畿大会に出場できると知ってほっとしたと同時に、次はより速く、より正確に打てるように頑張りたいです。今後は商業検定1級などの資格をたくさん取って、商業の分野を広く深くさらに究めていきたいです。

...すべての礎となる「タイピング技術」をさらに究めて、その先にある自身の夢に向かって突き進んでいってください。


(取材・文 安達卓能)

 

 磨き上げた「金の冠」を手に!

 高校三年間で全商検定一級に五種目合格した3年生の二人に話を聞きました。

■全商協会五種目1級合格(五冠)【簿記・ビジネス文書・ビジネス計算・情報処理・商業経済】

福尾楓雅さん(網野中)
 私はいくつかの一級試験で一回ずつ不合格という悔しい結果を味わいました。それでも二回目の試験は、大学受験という進路がかかった時期でもあったので、それまで以上に勉強に対する意識ややる気を強く持って臨みました。特に簿記の原価計算は、私が授業で選択していなかった科目でしたが、担任の先生が一対一でつきっきりで教えてくださったおかげで合格することが出来ました。こうして企画経営科で学んで検定合格や資格取得ができたからこそ、希望通り大学の経営学部に進学することができたのだと思います。これからも、将来の夢である公認会計士を目指してさらに勉強に励んでいきます。

山中莉彩さん(丹後中)
 検定試験の勉強では、買った問題集や過去問をすべてやった上で、間違えたところを何度も解き直し、それでもわからないところは先生に質問するという、自発的な勉強スタイルを貫いていき、一級試験をすべて一回目で合格することができました。企画経営科ではみんなで教え合いながら勉強したり、全国や近畿大会に数多く出場させていただいたことが一番の思い出です。私は卒業後、地元企業の事務職に従事します。これからも自分自身のスキルアップを目指して、働きながらたくさんの資格を取得し、多くの人から必要とされる「頼られる事務員」になって、将来両親に恩返ししていきたいです。

...仲間や恩師、そして家族の支えや励ましによって、人は力強く成長し輝きを増していくものです。卒業する3年生の皆さん。高校時代に自身が大切に磨き上げた「金剛不壊の冠」を携えて、次なる舞台でもさらに活躍されることを祈っています。

(取材・文 安達卓能)

 

高校最後のプレゼンテーション

 1月13日(金)に開催された丹後活性化プレゼンテーション大会において、高校最後のプレゼンを行った企画経営科3年生の4名にインタビューをしました。

lucerna班 「障がい者と作るエコキャンドル作り」
髙尾望心さん・髙尾望月さん(久美浜中)
 私達姉妹は障害者施設の認知度の向上と雇用問題の解決をテーマに研究をしました。障害があっても地域に貢献し活躍できることがあるのではと考え、近隣の障害者施設で利用者の方々と廃油を使ったエコキャンドルを作って販売するイベントを開催し、その成果を発表しました。これからも企画経営科で学んだ簿記やパソコンスキル、接客マナーやプレゼン力をしっかり発揮できるよう頑張っていきたいです。

海洋ゴミを減らし隊班 「30年後の未来は俺たちが創る」
堀慎恭さん(網野中)
 私達は地元企業様の協力を頂いて、海洋プラスチックごみを再利用した商品を開発・提案・販売し、その利益を海洋ゴミ削減の啓発活動の資金に充てる取組を行い、成果を発表しました。私は卒業後就職をします。企画経営科では社会人として通用する知識や技術、礼儀をたくさん学ぶことができました。これまで私のためにいつも真剣に向き合ってくださった先生方、そしてたくさんの思い出をくれた同級生みんなに感謝しています。

動画撮影班 『企画経営科とは何ぞや!?』 ~全国から地元へ~
川崎珀杜さん(網野中)
 私達は当初の研究テーマを途中で変更し、網野学舎企画経営科のPR動画の作成に取り組み、それを高校最後のプレゼンとして発表しました。私は専門学校に進学します。企画経営科で培ったコミュニケーション力やビジネスの基礎を武器に、将来就職しても、地域の方々とのつながりを大切にする、頼られる大人になっていきたいです。クラスメイトや先生方への感謝はもちろん、ここまで育ててくれた両親に将来恩返ししたいです。

...継続的な業務改善の方法に「PDCAサイクル」という商業理論があります。卒業しても、それぞれの分野で人間力をますます「スパイラルアップ」させていってください。

(取材・文 安達卓能)


 

 「縦にも横にも強くつながる」楽しい学校に

 承認式を経て、新たに着任した新生徒会役員を代表して、緒方生徒会長と葉賀副会長に、新任の抱負と全校生徒へのメッセージを聞きました。

【生徒会長】
緒方厚太さん(2年3組・網野中)
 一生徒としてだけでなく、自らが積極的に学校行事や運営に携わって、全校生徒のため、学校のために貢献したいと思い生徒会長に立候補しました。今日の承認式で生徒会長を名実ともに引き継ぐことになり、この学校を引っ張っていこうと決意を新たにすることができました。コロナがまだまだ収まらない中、なかなか大きく動くことは難しい状況かもしれませんが、来年度はクラスや学年を「横断する取組」や環境を作り、みんなが「明日も学校へ行きたい」と強く思ってもらえる楽しい学校を作っていきたいです。
 生徒の皆さん、これからは私達生徒会執行部が率先して学校生活を盛り上げていきますので、ぜひご協力をお願いします。

【生徒会副会長】
葉賀康輔さん(2年2組・網野中)
 これまで学校生活を送ってきた中で、コロナ禍でやむを得ない面もありますが、他クラスや他学年との交流がもっとあってもいいのではと感じていました。そういう現状を破るためにも、私自身が中心となって取組を考えたり、運営に携わって、「縦のつながり」の強い賑やかな学校を作っていきたいと思いました。本日私達は正式に生徒会役員として承認をしていただきました。皆さんの期待に応え、リーダーらしく行動し、目の前の仕事に全力で取り組んでいこうと決意をしています。
 生徒の皆さん、楽しむところは全力で楽しみ、やるときは全力でやるという、メリハリを大切にして、活気ある学校をともに築いていきましょう。

...新執行部の舵取りのもと、「絆」という、縦にも横にも大きく広がる帆を張った「丹後緑風網野号」が、次なるステージを目指して今ここに出航しました!

 (取材・文 安達卓能)

 

 知りたいし知ってもらいたい「税」のこと

 「税に関する高校生の作文」で各賞に入選した1年生の4名に話を聞きました。

【京都府租税教育推進連絡協議会賞】
大野イチカさん(1年2組・網野中) 「税を知ること」
 私はこの作文を書くまで、税を身近に感じる出来事はそこまで多くありませんでした。そこで私を含め、私と同じように感じている人達にも税のことをもっと知ってほしいという思いで自分なりに調べて書きました。今回の作文を通して、将来大人になったら税をただ「受動的に支払う」のではなく、税のことをよく知った上できちんと納めていきたいです。

【峰山税務署長賞】
福尾美空さん(1年2組・網野中) 「税のある世界」
 そもそもなぜ私達は税を納めなければならないのかという疑問から「税のない世界」をイメージするところから始めました。みんなで税を納めなければ、私達の暮らしそのものが不自由になってしまうことに気づき、税の大切さを改めて知ることができました。今は消費税しか納税の実感はありませんが、これからもっと広く税のことを知っていきたいです。

【公益社団法人峰山納税協会長賞】
竹元紫凛さん(1年1組・広島市立翠町中) 「高校生になって考えたこと」
 私は税に対する小さい頃にあったイメージと、高校生になった今の向き合い方の違いを比べて書きました。税を「払わなければならない」のではなくて「自ら納めていく」という意識が大切なんだと気付きました。いまはまだそこまで税は身近なものではありませんが、将来納める税の種類も増えると思うので、今後も税のことをもっと学んでいきたいです。

【京丹後地区租税教育推進協議会長賞】
松浦侑愛さん(1年2組・網野中) 「税金の未来」
 私は「税金の未来」というタイトルで、福祉と負担の関係を視点に作文を書きました。どちらかに偏ってしまうと様々な問題が起きることを知り、バランスの取れた「中福祉・中負担」が理想であると気付きました。将来自分で働いて、住民税や所得税を自分で納めていかなければならないので、これからもっと積極的に税のことを知っていきたいと思いました。

...今はまだ実感が薄くても、将来より身近になるであろう「税」のことを調べ、真剣に考える良い機会になったようです。

(取材・文 安達卓能)


 

 不撓不屈の心で前人未踏の新たな歴史を

 宮津天橋高校と丹後緑風高校の野球部連合チームが、2023年春の第95回記念選抜高等学校野球大会の21世紀枠で府推薦校に選ばれ、11月14日に表彰を受けました。そこで、本校野球部で主将を務める井藤さんに喜びの声と今後への抱負を聞きました。

井藤己純さん(2年3組・大宮中)
 連合チームを組むとはじめて聞いたときには不安や戸惑いもありました。しかし、連合だから力が劣ると言われたくない、どうせやるなら本気でやろうと覚悟を決めて臨みました。秋季大会では守備から流れを作り、攻撃ではパワーがなくても単打で後ろにつなぐ意識をみんなで持って強豪校に必死に食らいついていきました。連合という互いに難しい状況の中、ベスト8に食い込めたことは本当に誇りに思います。この度、21世紀枠の京都府推薦校に選んでいただきました。丹後緑風の主将として身が引き締まる思いでいっぱいです。これまで支えてくださった方々に恩返しができるよう、勉強も部活動も今まで以上に頑張って、部員全員で模範となる姿や行動を示して参ります。

...連合チームの皆さん。たとえ環境や状況が困難であったとしても、「不撓不屈」の心をますます燃やして、「前人未踏」の新たな歴史を、力を合わせて創っていってください!

(取材・文 安達卓能)

 

 「地元」のために私達ができること

 10月22日・23日に石川県で開催された第12回ジオパーク全国大会白山手取川大会に参加した企画経営科2年生の4名から代表の2人に、大会に向けた取組や大会の感想、今後に向けての決意を伺いました。

河井天真さん(2年3組・網野中)
 リフレッシュリサーチという商業科目の授業で、私達のグループは地元の山陰海岸ジオパークについて9月頃から本格的に調べていきました。地元小学生と一緒に海岸清掃を兼ねて漂着物調査をした「ICCキャンペーン」では、プラスチックごみの多さに環境問題への意識を強くしました。また、海洋プラスチックごみを再利用する「プレシャスプラスチック」の地元再処理工場に視察に行かせていただいたときには、ゴミを資源にしてそれを商品化するという企業の発想や取組に感銘を受けました。これらの調査研究の結果を元にポスターを作り、それを全国大会で展示し説明をさせていただきました。大会では、一生懸命に地元ジオパークの魅力をアピールする他校の生徒の発表を見て、私自身大きな刺激を受けました。これからもジオパークの保全活動や有効活用のために地域の魅力を発信し、地元活性化のために貢献していきたいです。

服部汐里さん(2年3組・大宮中)
 私達の住む山陰海岸はジオパークには認定されているものの、有効活用ができなければ認定を取り消されてしまうと知り、観光需要の取り込みや地域活性化のためにも、ジオパークの維持に危機感を持って取り組まなければいけないと感じました。自然観光名所の紹介はもちろん、プレシャスプラスチックやジオガイドの取組、食品ロスを減らすために規格外の地元食材を利用して商品化した缶詰の紹介、アンケートから見えた現状と課題、それを踏まえた打開策の提案や将来への展望など、グループ4人で分担してA0サイズのポスターにめいっぱいの内容を盛り込んでいきました。大会では日本各地のジオパークに住む高校生が集い、会場周辺の地域を一緒に回ったり、それぞれのプレゼンを見学して質問や説明を受けるなどして交流をしました。来年度はこの取組をさらに進化させ、丹後に訪れる観光客に魅力を案内するジオツアーの取組につなげていき、ジオパークの保全活動や活用のアイデアを私達高校生が先頭になって提案していきたいです。

...企画経営科には問題意識を持たせ、それらの課題を解決するための能力を育む「実践的な学び」が無数にあります。一人一人は微力でも、知恵と力が合わされば、地元地域を、そして日本を元気にする「大きなうねり」を巻き起こす...、そんな可能性を感じました。
              

(取材・文 安達卓能)

 

 先輩よ、心も体もますます強くあれ!

 9月12日から30日までの3週間、教育実習で母校に帰ってきた元レスリング部の二人に、実習を終えた感想や将来の目標などを伺いました。

清水美海さん(日本大学文理学部体育学科4年生)
 レスリングを始めて以来、指導者の方から様々なことを学んできました。もし指導する立場になったらしっかりと教えられるようになりたいと思い教職課程を取りました。
 科目は保健と体育でしたが、特に保健では、必死に伝えたいと思うあまり、自分ばかり喋ってしまい、理想にしていた「生徒と一緒に作り上げていく授業」がなかなかできずに苦労しました。他の先生方の授業を見学し、発問の仕方や工夫を含め、自分に足りないところを発見し、多くのことを学ぶことができました。学級経営についても、生徒とのコミュニケーションの取り方や距離の取り方も担任の先生の姿から学ぶことができました。
 生徒の皆さんからは、私の高校時代以上の元気な挨拶でこちらも元気をもらいました。一方、授業は本当に落ち着いた環境でできているなと感心しました。
 まだ将来の進路は決まっていませんが、私はレスリングに作ってもらったと言っても過言ではありませんので、これからも人のために何かできる強い自分でありたいです。
 未熟で不慣れな私でしたが、皆さんが私の授業をしっかり聞いてくれて本当に嬉しかったです。皆さん、何事も他の誰かがいることでできていることなので、周りへの感謝を忘れずに、これからも毎日を悔いなく送ってください。頑張ってください。

田村生吹さん(日本体育大学体育学部体育学科4年生)
 私もレスリングを通して、恩師である顧問の先生方の姿を間近で見てかっこいいなと憧れを抱いていたこともあり、大学では教職課程を取りました。
 教育実習では、生徒だった時とは違い、生徒を指導する立場や目線で先生方の仕事の姿を見ることができました。教科指導でも学級経営でも、生徒に何を気付かせ何を考えさせたいか、その「引き出し」を先生方はいくつももっていることに驚きました。私も知識や経験をたくさん積んで、多くの引き出しを持つ人間になりたいと思いました。
 現役生は、私達の高校時代に比べてとても素直で笑顔がカワイイと感じました。授業ではこちらを向いて話を聞き、しっかりと応えてくれるのでとてもやりやすかったです。
 私は今後もレスリングを続けていきます。辛いことも多いですが、それ以上に楽しいし大好きです。続けていく限り、目標はもちろん「オリンピック出場」です。
 実習中はうまくいかないこともたくさんありましたが、先生方に支えていただき、何より生徒の皆さんの「わかった!」や「できた!」の喜ぶ笑顔に、たくさん助けられました。私も自分の笑顔で周りの人を笑顔にする、そんな人間に成長していきたいです。3週間の短い間でしたが、本当にありがとうございました。

...二人はそれぞれの夢に向かってここからまた新たな歩みを開始しました。清水さん、田村さん。全校生徒、そして教職員一同、お二人の前途をこれからも応援しています!

(取材・文 安達卓能)

 

純粋にこの本を読んでもらいたい一心

 9月から10月にかけて行われた1・2年生各学年のビブリオバトルで、優勝をした二人にそれぞれインタビューをしました。

1年生の部 優勝 大垣柚斗さん(1年3組・弥栄中)
「キャラクター」 長崎尚志 著
 ある漫画家と殺人鬼の物語を描いたこの本は、面白いだけでなく、いろいろと考えさせられる内容だったので、みんなにもぜひ読んでもらいたいと思い選びました。決勝戦での発表は、ほとんどの人が初めての経験だったビブリオバトルにも関わらず、どれもレベルが高く、私はプレッシャーを感じながら見ていました。私は、喋りたい内容をすべて言い切ること、観ている人に伝わりやすいようにゆっくり明確に伝えることを意識してプレゼンをしました。アクションや手振りは、どうすれば観ている人の心を引きつけられるかという思いから本番で自然に出たものでした。優勝者に選ばれて最高に嬉しかったです。私はこのビブリオバトルがあったおかげで本を読み、その面白さを知ることができました。これからも本から知識をたくさん得て、企画経営科生として必要なプレゼン力を磨いていきたいです。

2年生の部 優勝 井上明日香さん(2年1組・網野中)
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」 汐見夏衛 著
 私は表紙にあったタイトル文字の色使いと帯の添え書きにひきつけられて、この本を読もうと決めました。読み進めていくと「戦争」という重い内容だったので、ビブリオバトルにふさわしいのかどうか少し悩むところもありましたが、最後まで読んだ後は、純粋にこの本をたくさんの人に読んでほしいという思いに変わっていました。決勝での発表順は最後でした。他のプレゼンは本のジャンルも発表の仕方も私と全く違って面白いものばかりだったので、私は自分の発表を忘れてしまうほど引き込まれてしまいました。私の番が来たときには緊張のあまり、自分でもわかるくらい手が震えていました。ですがいざ始まると自分の伝えたかった思いを一気に最後まで発表することが出来ました。淡々と喋ってしまった予選の反省を踏まえ、決勝では私が本の中で一番印象に残った部分である、出征を前にした男の、愛する人への本心を記した手紙の一文を最後に抜粋して読みました。優勝で名前が呼ばれると、たくさんの拍手の中、友達や担任の先生が祝福してくれて本当に嬉しかったです。これを機に、自分から進んで本を読むことで多くの知識や考え方を吸収して、たくさんの選択肢や引き出しを私の中でどんどん増やしていきたいです。

...読書は人を「深く」してくれます。多くの人に深みを与えるきっかけを作ってくれたビブリオバトル出場者全員に、大きな拍手を送りましょう。

              (取材・文 安達卓能)

 
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