網野学舎

努力した分しか「経験値」は上がらない

 7月10日(土)、福知山公立大学にて開催された第21回京都府高等学校生徒商業研究発表大会において、本校生徒が各部門で優秀な成績を収めました!

★体験発表の部 最優秀賞 丹後緑風高校2年3組(7名)
人羅海留さん(2年3組・大宮中)
 私は海岸清掃ボランティアに興味がありました。何故海洋ゴミが発生するのか、どうすれば削減できるのだろうかと前々から疑問を持っていました。それを調べて発表したらどうかと勧められ、7名のメンバーで取り組みました。
 本番は、初っぱなで私自身が間違えるという失敗からのスタートでした。それでもその後は皆練習通りにいき、無事にやりきることができました。終えた後、客席にいた担任の先生が「よくやったぞ」という合図を私たちに送ってくれ、心が救われました。私たちは賞にすら引っかかることもないだろうと思っていたので、「最優秀賞」だと聞いた時には本当にうれしかったです。
 私の将来の夢はゲームクリエイターになることです。自分の「経験値」を挙げていくためにも、今後もこのような大会に積極的に参加していきたいです。

★体験発表の部 優秀賞
尾瀨空さん(3年3組・丹後中)
 私は体験発表の部に個人で出場しました。テーマは、この網高で学び、体験した三年間を振り返り、今後どう活動していこうかという将来の展望について発表をしました。個人での出場のため、資料の作成や操作、原稿覚えや練習はすべて一人で行いました。本番の発表では、審査員長の方と何度も目があってしまい大変緊張しました。それでも目をそらすことなく自分の思いを伝えるんだ、と一歩も退かず発表をやりきりました。
 優秀賞の発表で自分の名前が挙がった時は、素直に嬉しかったですし、今回こうして挑戦して本当にいい経験が出来て良かったと思いました。
 私は国公立大学に進学し、将来の夢である投資家を目指して、情報分野でプログラミングを本格的に学んでいきたいです。

★調査研究の部 優秀賞 網野高校3年3組(6名)
嶋津舞さん(3年3組・峰山中)
 私達は課題研究の授業で取組んでいたテーマを発表しました。キズものや規格外のため商品にできない農作物を、加工して新たな付加価値をつけて商品化して販売し、売上利益を生産者に還元するという、生産者と企業と消費者をつなげる輪を網高が作るというものです。
 発表では抑揚をつけて話す技術を試みましたが、習得するのは簡単ではありませんでした。しかしたくさん練習をしたおかげで、本番は緊張することもなく、いつも以上にいい出来でした。優秀賞に選ばれ、私は6月にあった簿記競技大会と合わせてダブルで賞を頂くことになり、とても嬉しかったです。さらに私達は、8月27日に近畿大会に出場することも決まりました。進路に向けて取組む時期と重なるので大変ですが、しっかり準備をして臨んでいきたいです。

谷岡京香さん(3年3組・網野中)
 かねてから、このような大会に出場したいと思っていましたが、これまでチャンスやタイミングを逃してきました。高校生活も残り半年、悔いは残したくないと思い、今回積極的に手を挙げました。この大会は事前に提出する企画書の内容も評価の対象でした。作成に当たっては、どうすれば私達の企画の魅力を伝えることができるのかにも心を砕きました。
 本番では言葉に詰まってしまう場面があり、採点にどこまで影響するのだろうかと不安いっぱいで審査を待ちました。優秀賞と聞いてほっとしたものの、最高の企画だったと自負していただけに、最優秀賞ではなかったので少し悔しいです。次の近畿大会では、発表するテーマをもう一つ増やす予定です。さらに企画を練って発表練習を重ねて、近畿大会を突破し全国大会に進めるように頑張っていきます。


...費やした努力は、賞となり経験値となり、やがて夢を実現する力となっていくはずです。
(取材・文 安達卓能)

 
士気を高めていざ全国へ!

 6月17日(木)から20日(日)まで和歌山県にて開催された、第57回近畿高等学校レスリング選手権大会で、レスリング部は学校対抗戦でベスト8、個人対抗戦で4名が優勝を果たしました。今回はその個人戦で優勝を飾った4名にインタビューをしました。

細川周さん(2年1組・網野中)
【個人対抗戦 男子フリースタイル65kg級 優勝】
 私はキャプテンとして、近畿大会では団体戦優勝しか考えていませんでした。ですから、個人戦では優勝しても団体戦の悔しい結果に、キャプテンとしてもっとできたことはあったのに、と悔やむばかりでした。来たるインターハイでは、全国から強豪が集う中、団体戦で表彰台に立つことを目標に、チームの士気をさらに高めて毎日の練習に臨んでいきます。もちろん私個人としては優勝しか狙っていません。私が目指すのは、積極的に前に出てタックルを取りにいく「攻める」選手です。将来は大学、全日本、そして世界で活躍するレスラーになります。

松田來大さん(2年3組・網野中)
【個人対抗戦 男子フリースタイル60kg級 優勝】
 コロナ禍でいつ大会が延期や中止になるかわからない中、貴重なチャンスで優勝したいという思いで、近畿大会までの練習に取り組みました。近畿大会の団体戦では全国大会でのシード権を得るために戦いましたが、結果はベスト8でした。チーム勝利のために私自身もっと貢献できたのではと反省しています。インターハイでは個人戦優勝を目標に頑張ります。そのために、近畿大会で見つかったタックルの課題をしっかり修正していきます。将来は大学に進学し、アジア、そして世界へと、一つでも上のステージを目指して力をつけていきたいです。

伊藤大輝さん(2年1組・網野中)
【個人対抗戦 男子フリースタイル92kg級 優勝】
 個人戦の結果次第で次の国体予選の階級が決まるため、私自身が優勝して出場枠を守るとの思いで、インターハイ予選後は団体戦に向けて「増量」をしながら自分の技を磨いていきました。今回私が出場したのは、ベスト体重よりも10kg以上重い階級で、相手は私よりも一回りも大きな選手ばかりでした。不安もありましたが、相手の隙を見てせめてポイントを重ねていき、私にとって初めての優勝を手にすることが出来ました。インターハイはさらに強い相手と当たるので、厳しい戦いになると思います。今よりももう一回り体を大きくし、パワーをつけて臨んでいきます。

坂根海琉子さん(1年1組・島根大学教育学部附属義務教育学校)
【個人対抗戦 女子フリースタイル53kg級 優勝】
 女子にとっては、この近畿大会がインターハイ予選でした。4月に開催されたクイーンズカップでは2位に終わってしまったので、この大会に向けて、課題である「タックル後の次の動き」を修正しようと練習に励みました。今回の優勝は素直に嬉しかったです。しかし新たな課題も見つかりました。一ヶ月後のインターハイまでに課題を克服し、全国優勝を目指して頑張ります。私は将来、網野高校の諸先輩方のように、アジア大会、そして世界大会へと、自分で限界を決めずに行けるところまで挑戦をし続けていきたいです。

...「悔しさ」があるから、人は「強く」なれるのです。レスリング部の皆さん、士気を高めてさらに上のステージへ上りゆけ!

 
表彰以上の価値ある時間

 6月19日(日)に開催された「第37回全国高等学校簿記競技大会京都府大会」において、網野高校は団体競技の部で準優勝に輝きました。そこで、健闘した4名の企画経営科3年3組のメンバーに話を伺いました。

嶋津舞さん(峰山中)
 大会に向けての勉強では、本番さながらボールペンを使って過去問演習にたくさん取り組みました。難しくて覚えることが大変でしたが、この4人で一緒に勉強できてとても楽しかったです。大会本番では、第一部は順調でしたが、第二部は例年と比べて出題内容がバラバラで作戦通りにいかず、終わった後は「失敗した」と少し落胆してしまいました。結果発表で私達が呼ばれたときには、嬉しい気持ちよりも、信じられない気持ちが強かったです。私は高校を卒業したらサービス業に従事したいと考えています。この大会での経験を生かして、接客だけでなく事務処理もできる、会社にとってなくてはならない人材になっていきたいです。

瀬﨑萌さん(網野中)
 大会前の追い込みの時期に、私は勉強と他のこととの両立に悩むことがあり、みんなの足を引っ張っているのでは、と自分を情けなく思うこともありました。しかし最後は、私が出来る分野だけでもみんなに貢献しようと気持ちを切り替えました。本番の目標は、「解くべき問題をしっかりと解くこと」でした。正解だと確信があった解答もあり落ち着くことが出来ました。準優勝の発表を聞いたときには、他のメンバーの力が結果に出たと思い素直にすごいと思ったと同時に、無事に終わったことにホッとしました。私の将来の夢は、食品メーカーで商品企画をすることです。様々なことを両立し、挑戦していける人間に成長していきたいです。

給田江里菜さん(丹後中)
 大会は、緊張と周りの気迫に押されそうで、これまでやってきたことが十分に発揮できるか不安でした。また、想定通りに行かず焦ってしまう場面もありましたが、それでも精一杯の力を出すことができたと感じました。授賞式で名前があがった時は喜びの前に驚きすぎて声も出ませんでした。個人総合4位で自分の名前があがったときも同じでした。私は7月18日の全国大会にも出場することが決まったので、全力でぶつかってきます。私の夢は栄養士になって将来企業に勤務することです。今回の大会で、努力をすればその分しっかり結果が返ってくると実感することができました。これからも何事にもあきらめずに最後まで努力を貫いて頑張っていきます。

谷岡京香さん(網野中)
 勉強は過去問を中心に取り組みましたが、毎年出題傾向がバラバラで、対策を立てることが難しく、とても苦労しました。試験会場に入ると、他校の生徒がみんな賢く見えて初めから自信をなくしてしまいました。競技が始まっても、聞こえてくる電卓やペンの音に飲まれ、私は最後まで気後れしっぱなしでした。団体準優勝の結果を聞いた時にはすべてが報われたと思い嬉しかったです。両親も「頑張った甲斐があったね」と喜んでくれました。私は専門学科推薦を利用して国公立大学に進学し経営や経済を深く学びたいと考えています。将来は企業に入り商品の企画や開発に携わるような仕事に就けるよう、これからも努力していきます。

...勉強期間、オンラインを通してサポートをしてくださった前教諭の岩堀先生に対し、4人は皆感謝をしていました。苦楽を分かち合ったかけがえのない仲間との時間には、きっと「準優勝」以上の価値があるのかもしれません。
(取材・文 安達卓能)

 
「思い」を背負って完全燃焼だ!

 6年振りの京都府予選優勝に続き、6月12日(土)・13日(日)に和歌山県立体育館で行われた第75回近畿高等学校新体操選手権大会で準優勝に輝いた体操部男子Aチームの二人に、8月の全国新体操選手権大会(北信越インターハイ)に向けた意気込みなどを聞きました!

★キャプテン 森勇太さん(3年2組・網野中)
 私は高校入学を機に新しいことに挑戦しようと、未経験ながら新体操を始めました。今年度はコロナ禍で制限もあった中、『全員で勝とう』とメンバーと絶えず確認しあって内容の濃い練習を重ねていきました。ところが、京都府予選では何とか優勝をしたものの、近畿大会ではミスが多く不完全燃焼の演技となってしまいました。全国大会に向けて、もう一度初心に返ってコツコツ練習に励んでいきます。そしてこれまで支えてくださった方々と、大会を開催してくださった方々への感謝の思いを忘れずに、高校最後の大会で完全燃焼します。私は大学で理系分野に進むため現在部活と勉強の両立に挑戦しています。この3年間で学ばせて頂いた、たくさんの経験を武器にこれからも頑張っていきます。

★副キャプテン 山副太智さん(3年1組・網野中)
 私達はインターハイ出場を最終目標に掲げ、府予選も近畿大会もどちらも1位突破を目指して日ごとに熱量を上げながら、短くても充実した練習を重ねていきました。しかし、京都も近畿も本番の演技は課題の残る内容でした。さらに真剣に練習をして、全国大会までにそれらの課題を一つ一つなくしていきます。また、京都府の代表として出場するからには、戦ったチームの思いも背負って悔いのない演技を見せたいです。こうして大舞台に立てるのは、両親や顧問の先生などたくさんの方々が支えてくれたおかげです。感謝の思いを忘れずに、自分達の全力を最後まで出し切っていきたいです。私の将来の夢は理学療法士です。今度は私が患者さんの社会復帰のためにお手伝いをし、心の支えになれるような立派な人間になっていきたいです。

...新体操部の「長くて暑い夏」は完全に燃え尽きるまで続いていきます!
取材・文 安達卓能

 

聖火の如く闘志を燃やせ!

 昨年度のソーシャルディスタンシングリポートから再びタイトル名を戻し、初心に帰って新たな気持ちで生徒の心に「突撃」してまいります!
 さて、通算で64回目となる今回は、5月16日(日)に東京2020オリンピック聖火リレーのランナーとして地元島根を走った1年生の坂根さんにインタビューをしました。

     

坂根海琉子さん(1年1組・島根大学教育学部附属義務教育学校)
 私は3歳の頃からレスリングを始め、小学生では全国大会で優勝をしました。ところが中学ではなかなか結果が出ず、悔しい思いをしていました。そんな時に聖火ランナー募集の話を聞きました。自分自身何かを変えたいという思いと家族の後押しもあって、私はその思いを作文にして応募し、採用されて今回走ることになりました。
 私が走った区間は200mほど。ちょうど小雨も止み、私は聖火をトーチで引き継ぎました。これまでたくさんの人が思いをつないできた聖火の灯ったトーチには、重量以上の重みがあり、私は緊張しながら走り抜きました。あっという間の時間でしたが、私の人生にとって大きな経験になりました。
 私はこの丹後緑風高校レスリング部でたくさん練習をし、全国や世界の強豪を相手に戦える実力をつけるために3年間頑張っていきます。

...聖火の如く赤々と燃える闘志を胸に、全国、そして世界を目指して強くなれ!

(取材・文 安達卓能)

 

企画経営科から国公立大学に3名が合格!

 吉報です!今年度、企画経営科から国公立大学に3名の生徒が合格を勝ち取りました!見事合格を果たした3年4組の原田さん、木本さん、安田さんに、企画経営科を選んだ理由や3年間の高校生活、受験勉強と合格を知った時の喜び、将来の夢、そして受験を考えている中学生の皆さんへのメッセージをそれぞれ伺いました!

原田優奈さん(網野中)【山口大学経済学部 合格
 網高企画経営科出身の姉の影響や、私自身簿記や情報処理などの商業科目を学びたいという思いから、網高に入学を決めました。
 入学すると、企画経営科は学問としての商業だけでなく、プレゼンテーションや実習などの『生きた商業』を多く学ぶことができました。その中で、私はリーダーとして、様々な取組に積極的に参加するようになっていました。それは、人前に出ることさえ苦手だった中学時代の私からは想像もつかないほどの成長でした。
 大学は専門学科推薦入試で受験をしました。小論文の勉強では、私は一日一つの課題を企画経営科の先生からいただき、それを書いて毎日添削をしていただきました。ときには厳しい評価をもらい、何度も挫折しそうになりました。それでも先生達は、私達に最後までつきっきりで指導してくださいました。おかげで本番の試験では、練習通りに書けば大丈夫だと安心して臨むことができました。
 合格は、先生達が見守る中、実習室のパソコンから大学のホームページを閲覧して自ら確認しました。受験番号を見つけた瞬間、喜びと安堵、そして親や先生方に対する感謝の思いが涙になって溢れてきました。皆が自分のことのように喜んでくれたのを見て、私はたくさんの人に支えられていたんだ、と強く実感しました。
 私は将来、高校で商業科の教員になりたいと考えています。なぜなら、高校での商業が、私に学ぶことの楽しさを教えてくれたからです。今度は逆に、私が生徒達に勉強の楽しさを教え、『地域と子供達をつないでいく』温かく優しい教員になっていけるよう、大学でもたくさんのことを学んでいきたいです。
 中学生の皆さん、企画経営科には、商業科目を学ぶことができるという強みはもちろん、『自分を大きく成長させてくれる』今までにはない様々な取組がたくさんあります。自分を変えたいと思う人は、企画経営科で学んでみませんか?

木本結菜さん(網野中)【公立鳥取環境大学経営学部 合格
 母が網高商業科出身だったのと、以前から会計の仕事に興味があったので、私は高校で商業を学びたいと思い企画経営科に進学しました。
 実際この3年間、商業を学ぶことはもちろん、京丹後市の総合計画審議会への参加や、「恐丹後お化け屋敷」を企画し実施するなど、『地域』の皆様と触れあう機会が企画経営科にはたくさんありました。その度に皆で役割を分担しながら協力し合って、地域に貢献する取組を進めることができたのではと思っています。
 大学入試については、原田さんと同様、専門学科推薦で挑戦しました。彼女とともに企画経営科の先生に毎日小論文指導をしていただくために通いました。ときには、同じテーマで書いた互いの小論文を読み合い、互いの良いところや改善点を見つけ合って、教え合いながら技術を磨いていきました。また面接試験では、厳しくも温かく指導をしてくださった担任の先生との面接練習の甲斐もあって、自分が高校でしてきたこと、これから大学でしていきたいことを、自信を持って面接官に伝えることができました。
 合格は家族からの連絡で知りました。一緒にいた友達が喜んでくれたのですが、もし違ってたらどうしようと不安になり、大学のホームページを調べて自分の目で何度も確かめました。
 私は今も、会計の仕事に興味があり、同時に地域活性化のために将来働きたいと考えて大学を選びました。最終的には、私の生まれ育ったふるさと京丹後市に帰り、『地域発展のために貢献できる人材』を目指したいです。
 中学生の皆さん、企画経営科は『就職一本しか道がない』というのはもう昔の話です。商業も学ぶことができ、さらに様々な取組が自身のキャリアになって、専門学科推薦で国公立大学にも進学できるということを、私達は示しました。自分が心から学びたいと思うことに正直になって志望校を選び、合格を目指してぜひ頑張ってください!

安田篤史さん(丹後中)【福知山公立大学情報学部 合格
 かつて商業を学んでいた母から勧められたのと、中学3年生の時に参加した体験学習会でプログラミングの授業を体験して、企画経営科の授業に魅力を感じ、進学を決意しました。
 この高校3年間を振り返ると、部活動である経営実習部での活動を含めて、私は企画経営科ならではの取組をたくさん経験することができました。例えば、みんなで企画したクレープの販売実習や、課題研究でのプロジェクションマッピングなどです。プロジェクションマッピングでは、パソコンを使って動画編集やCG編集を初めて体験しました。メンバーと協力して学び合い、一つの作品を作り上げることができたことは、私にとって大きな『財産』です。
 大学は地域枠選考で出願しました。小論文については、担任の先生が課してくれたテーマについて書き、それを添削してもらう、という実践の繰り返しで体にたたき込みました。事前に提出する自己アピール書の作成にあたっては、企画経営科で経験した様々な資格や検定、取組などをたくさん書いて、強いアピール材料にすることができました。
 合格発表は週末に自宅でパソコンの前に座り、掲載の瞬間を待ちました。ホームページを更新してもなかなか発表結果が掲載されず落ち着きませんでした。気を紛らわそうと他の用事をしていたときに、担任の先生から電話で『サイトに合格と出ているぞ』と教えていただきました。私は嬉しくて、電話口で何度も『ありがとうございました』と感謝の思いを伝えました。
 4月から進む大学は、網高のように地域のつながりを大切にしていると伺っています。大学でたくさんのスキルを身につけて、将来、情報の分野で地域に、そして多くの人に貢献をしていきたいです。
 中学生の皆さん、商業だけでなく、私のように情報処理の技術を学びたいと考えている人であっても、夢を実現することができます。実際に私はこうして情報分野の大学に進学することができました。コンピューターに興味がある、そんな人にもぜひ網野学舎企画経営科をお薦めします。皆さん、受験勉強頑張ってください!

...「地域」に生まれ、「地域」に学び、そして「地域」のために使命を果たしていく企画経営科3年生。彼らそれぞれの「自分史」のドラマは、いよいよ第二幕へと突入していきます!

(取材・文 安達卓能)

 

自身の「最大値」をさらに引き上げる滑りを!

 1月4日(月)から6日(水)まで、野沢温泉スキー場において実施された、京都府スキー選手権及びスキーインターハイ京都府予選で見事な成績を収めたスキー同好会のお二人に喜びと今後の決意を聞きました!

髙屋量太さん(3年3組・網野中)
 私は物心がついたときにはもうスキーを滑っていました。競技スキーは小学1年生から始め、全国大会には小学6年生からこれまで毎年出場してきました。競技としてのスキーは勝負が分かれるので、ときには辛く感じることもありますが、スキー自体はとても楽しいです。
 私はこの大会のために、大会の2週間前から現地に入って合宿に参加して滑り込みました。現地には日本各地からスキーヤーが集うのですが、例年と違うこのコロナ禍の中では、大会側も、そして私自身も感染症対策を万全にして練習や試合に臨みました。
 大会1日目は中学生から社会人まで出場する京都府の選手権で、2日目と3日目がインターハイ出場を賭けた高校生だけの京都府予選でした。私はスラロームを得意としています。スラロームは、アルペン競技の中ではスピードはそこまで出ませんが、最もターンが細かく、より高い技術力が求められるところに魅力を感じています。結果、スラロームは1日目と3日目の両方で優勝することができました。自分の滑りにはまだまだ納得はしていませんが、これが現時点での自分の『最大値』だったのだと捉えています。
 来たる2月のインターハイ本番では、この最大値をもっともっと引き上げていけるように技術をさらに磨いていきます。
 【第63回京都府スキー選手権大会】
  男子スラローム 優勝
 【第73回京都府高等学校スキー大会兼第70回全国高等学校スキー大会京都府予選会】
  男子スラローム 優勝 ・ ジャイアントスラローム 5位

松尾希里さん(1年2組・網野中)
 私も小さい頃からスキー板をはいてゲレンデに出ていました。競技スキーはうまくいかないと悔しくて辛くなることもありますが、エンジョイスキーは大好きです。
 今大会は私にとって高校初めての大会でした。高校生になるとスキー板の規格が変わるなど、これまでよりも条件が難しくなった上に、私は本番前に実質2日しか練習することができず、ぶっつけ本番のような形で試合に臨むという状況でした。とにかく短い練習期間、まずは板に慣れることに必死でした。
 大会は2日目の、どちらかというとまだ自信があったジャイアントスラロームから参戦しました。2本滑って合計タイムで競うのですが、1本目で失敗すると2本目に進めないという緊張感から、私は最後まで大胆に攻める滑りができず、結果6位に終わってしまいました。それでも経験の少ない3日目のスラロームでは、ポールを倒しながら攻める滑りに挑戦し、5位で完走することができました。
 次のインターハイがどうなるのかはまだわかりませんが、もし出場できるとなれば、会場でポール練習をたくさん重ねて、試合では少しでも上位に食い込んでいけるような滑りを見せたいです。
 【第73回京都府高等学校スキー大会兼第70回全国高等学校スキー大会京都府予選会】
  女子スラローム 5位 ・ ジャイアントスラローム 6位

...これからも「攻めの滑り」で、次なる自身の「最大値」を目指すスキー同好会の二人でした。

(文 安達卓能)

 

みんなの心が「一つ」になれる学校を目指して...


 12月22日(火)の終業式において、令和3年度生徒会役員承認式が行われました。新たな生徒会執行部を代表して、生徒会長と副会長のお二人にそれぞれ抱負を聞きました。

生徒会長 奥野颯さん(2年2組・網野中)
 丹後緑風高校網野学舎が併設された今、私達2年生が『最後の網野高校生』となりました。歴史が変わるこの時に、何かできることはないだろうかと思い、私は生徒会長に立候補しました。
 制服が違い、校名も違いますが、全校生徒は同じ一つの学び舎で共に学ぶ仲間です。だからこそ、私達執行部は、『みんなの心が一つになれる』ような生徒会運営をしていきたいと考えています。具体的には、例えば目安箱を設置するなどして生徒の意見を広く聞き、執行部でそれを検討した後、全校生徒に提案し、了承を得て実施に移していく、などの取組を考えています。
 また、生徒会長としての自覚を持って、私自身が自分の明るさを前面に出していき、周りをどんどん明るくしていきたいです。挨拶や声かけも積極的にしていきます。
 私の将来の夢は、航空自衛隊でエンジニアとして、人の命を預かり守る任務に携わることです。そのために、生徒会活動を通して、信頼され、安心を与えられる人間に成長していきたいです。
 皆さん、未熟な私達ですが、楽しい学校生活を実現するために全力で頑張りますので、どうかよろしくお願いします!

生徒会副会長 稲岡桃花さん(2年2組・網野中)
 私は中学生の頃から、生徒の先頭に立ってみんなを引っ張っていく生徒会役員に挑戦したいと思っていました。当選が決まってからは、学校の顔になることを自覚し、これまで以上にしっかりしなければならないと決意しています。
 生徒会執行部の一員として私がやりたいことは、生徒同士、あるいは生徒と先生の間のコミュニケーションをさらに活発にし、何でも相談し提案できる仲の良い関係を築き、『学校全体をさらに明るくしていくこと』です。そのために、私自身が積極的に生徒の皆さんの中に飛び込み、思いや意見、要望を拾い上げて、生徒会活動に取り入れていきたいです。私はこれまでも野球部でマネージャーを務め、部員への気配りや目配りの大切さを学びました。今度はそれを全校生徒に広く向けていこうと思っています。
 私は将来、個性を生かし、自分のアイデアやデザインを形にする商品開発の仕事に就きたいと思っています。生徒会活動を通して、自分の意見をしっかりと相手に伝える能力や、様々な意見を集約して調整する能力などを身に付けて、将来に生かしていきたいです。
生徒の皆さん、たまにおかしなことを言うことがあるかもしれません。でも、学校を楽しくすることに対しては全力で頑張っていくつもりです。私も、そして皆さんも生き生きと輝いていける学校を目指していきますので、御協力をよろしくお願いします!

...「心が一つになれる」、「一人一人が輝ける」、そんな学校を目指して、新たな生徒会執行部は今ここに始動しました!

(文 安達卓能)

 

「結果を残すこと」が最高の「恩返し」


 12月17日(木)から20日(日)まで、東京の駒沢体育館において、「天皇杯令和2年度全日本レスリング選手権大会」が行われ、3年生の伊藤海さんが女子50kg級で準優勝を果たしました。大会での様子やレスリングにかけた高校3年間を振り返っていただきました。

伊藤海さん(3年1組,関西大学中等部出身)
 昨年度の天皇杯では、オリンピックメダリストなどの強豪選手がひしめく中で、私はまったく歯が立たず5位に終わってしまいました。今年度は、昨年度を上回る3位以上を目標に、高校生活最後の大会であるこの天皇杯に臨みました。
 試合は1回戦から先に相手にポイントを先取される苦しい展開でした。気を取り直して臨んだ準決勝は落ち着きを取り戻して勝つことができたものの、決勝では勇気が出ずに慎重になりすぎてしまい、最後まで自分らしい攻めのレスリングができずに敗退してしまいました。負けた後、悔しくて泣いてしまった高校最後の試合でした。
 私は小学校に入る前からレスリングを始め、高校入学までは全国レベルで結果を順調に出してきました。ところが、インターハイ3連覇を目標に掲げて、いざ高校に進んだものの、思っていた以上に全国、そして世界の『壁』は厚く、なかなか破ることが難しいことを肌で感じた毎日でした。私は体が小さい上にパワーもなかったので、強くなるために高校ではウエイトトレーニングに力を入れました。筋力や体力はこの3年間で大きく成長することができたと思います。そのおかげで、インターハイ2連覇、社会人も出場するこの天皇杯にも2度出場することができました。精神面ではまだまだ弱いと感じるところがあるので、将来はそこも強くしていきたいです。
 私は高校卒業後、4月から早稲田大学に進み、次の目標である『2024パリオリンピック』を目指し、さらにレスリングを極めていきます。網高を卒業してからも結果を残して、これまで指導してくださった顧問の先生に、そして私を大きく育ててくれた網野高校に、最高の『恩返し』ができるよう、これからも頑張っていきます。本当にありがとうございました。

...「結果を残すことが最高の恩返し」、と語っていたのがとても印象的でした。伊藤さん、そしてレスリング部3年生の皆さん、これからもますます強くなっていってください!

(文 安達卓能)

 
左2番目から、難波歩未さん、三浦哲史さん、濱本日和さん、髙尾望心さん

私達は決して「無力」じゃない


令和2年度「税に関する高校生の作文」で、入選を果たした4名に喜びの声を聞きました。

【京都府租税教育推進連絡協議会賞】
難波歩未さん(3年1組・丹後中)
題名『シークレット・ドクターと私の歩み』
 コロナ禍の医療現場の話を耳にするたび、看護師を志している私にとって、今は何もできない自分に無力感を感じていました。しかし、例え間接的であったとしても、私達が税金を納めることが、大変な人や困っている人を救うことにつながるということを知り、この作文を書きました。将来、看護師として医療の最前線で頑張ると同時に、『誰かのために』との思いで、納税という国民の義務をしっかりと果たしていきたいです。

【京丹後地区租税教育推進協議会長賞】
三浦哲史さん(3年1組・網野中)
題名『いろいろな見え方』
 私は、レスリングの国際大会で海外に行くと、日本の税率との違いにいつも驚かされていました。しかし、税の使われ方や目的などを深く知る中で、少しずつですが税について興味を持つようになりました。今回レスリング以外の、しかも税の作文で賞を獲ったことに自分が一番驚いています。将来、国民の義務である『納税』という当たり前のことを、当たり前にできる一人前の社会人になっていきたいです。

【峰山税務署長賞】
濱本日和さん(1年1組・網野中)
題名『これからの日本』
 私は、世界と日本の消費税などの税率の違いから税の使われ方の違いについて、細かく比較する内容で書きました。文章をまとめていく中で、それぞれの長所や短所を知ることができ、税への関心を高めていくことができました。さらに、私の中では書き上げた達成感で終わっていたのですが、このような賞まで頂いて本当に驚き、そして嬉しかったです。今回の受賞を自信にして、これからも勉強を頑張っていきます。

【峰山納税協会長賞】
髙尾望心さん(1年3組・久美浜中)
題名『自分がよく訪れる場所』
 私はこの作文を、大好きな本にまつわるテーマで書こうと思いました。学校や公立の図書館の本は、一体どこから来ているのか、という素朴な疑問について、図書館司書を目指している姉にも聞きながら自分でも調べ、これらの本が税金で買われていることを知りました。受賞については私も、そして姉も驚いていました。この受賞を励みに、これからもたくさん本を読み、いろいろな作文に挑戦していきたいです。

...受賞した皆さん、本当におめでとう!

(文 安達卓能)

 

「困難」だったからこそ「感謝」しかない。


 12月2日(水)から5日(土)の3泊4日の行程で、2年生は全員元気に関西を巡る修学旅行に行きました。早速、修学旅行実行委員の正副委員長の2人にインタビューをしました。

修学旅行実行委員 委員長 井上晶葉さん(2年1組・網野中)
 私は以前から修学旅行実行委員をやってみたいと思っていました。やるからには先頭に立ってみんなを引っ張っていきたいと思い、最終的に実行委員長にも立候補しました。
 このコロナ禍で、直前になって行き先が幾度となく変更になり、修学旅行自体、本当に実施できるのか最後まで不安でした。ですが、最終的に実施されると決まり、行き先はどこであれ、みんなと修学旅行に行けるということだけで私はとても嬉しかったです。
 今回の旅行は、すべての行程がどれも印象深く心に刻まれました。私は特に、宿泊したホテルがどこも素晴らしくてとても感動しました。3日目に泊まったホテルでは、フランス料理のフルコースを食べながらテーブルマナーを教わるという、なかなか味わうことのできない体験や社会勉強をすることができました。
 私は今回、委員長であると同時に、班長も兼務していたので、常に周りに気を配りながら行動することを心掛けました。皆が5分前、10分前行動を意識することが、スムーズな団体行動につながるということを再確認することができました。また、普段あまり話すことがなかった人とも今回たくさん話すことができました。この旅行を通して、クラスや学年の雰囲気もこれまで以上に良くなったと感じました。
 『ウィズ・コロナ』の生活様式の中で、こうして無事に修学旅行を大成功で終わらせることができたのは、マナーやルールを守り、感染対策の徹底に協力してくれた学年の皆さんのおかげです。そして、私達のために最後までご尽力してくださった学年団の先生方や旅行会社の方々に本当に感謝しています。ありがとうございました。

修学旅行実行委員 副委員長 瀬﨑萌さん(2年3組・網野中)
 私は高校入学以来、大きな役や仕事に携わることがありませんでした。そこで、きっと自分の自信につながるし、その経験が将来の自分の糧にもなるのではと思い、修学旅行実行委員、そして副委員長にと手を挙げました。
 私も井上さんと同様、全国的に感染がなかなか収まらない状況の中、修学旅行がなくなることも覚悟していました。ですから、行き先が変更になりましたが、旅行に行けることを知ってとても嬉しかったです。
 私が今回一番の思い出に残ったのは、よしもと祇園花月での漫才ワークショップでした。漫才の先生が書いた脚本をもとに、先生の指導の下、クラスの仲間同士でペアになって、アレンジを加えながら実際の漫才を体験しました。私達ペアは披露する機会はありませんでしたが、自分や他のクラスの人達の漫才を見て、意外だったり、新しい一面を知ることができ、とても楽しかったです。その後、プロの漫才や新喜劇を生で鑑賞させていただいて、私達は最後まで興奮しっぱなしでした。
 この旅行で学んだことは、公共でのマナーはもちろん、人とのつながりの大切さ、そして『感謝の思い』を決して忘れてはいけない、ということでした。友達と一緒に過ごしたこの4日間は、私にとって忘れられない思い出になりました。そして、コロナ禍の困難の中、ギリギリまで素晴らしい旅行を計画してくださった先生方には感謝の思いしかありません。皆さん、本当にありがとうございました。

...困難な状況の中、皆の知恵と協力と熱い思いで、2年生は「新しい形の修学旅行」を大成功で終えることができました!

(文 安達卓能)

 

"丹後緑風高校網野学舎1年次生"が頑張っています!


 今回は、1年次生3名に、自身が丹後緑風高校網野学舎を選んだ理由や頑張っていること、そして丹後緑風高校網野学舎の受検を考えている中学生に向けてのメッセージを伺いました。

1組 井上日都南さん(書道部・網野中)
 私が丹後緑風高校網野学舎を選んだきっかけは、姉達から学校祭などの学校行事がとても楽しいと聞いていましたし、またボランティア活動も伝統的に盛んで、地域とのつながりも大切にしていると知って魅力を感じたからでした。
 私は現在勉強と部活動の両方に力を入れています。勉強については、毎日の授業内容の復習や課題にしっかり取り組むことはもちろん、毎回の小テストで満点を取るようにコツコツと勉強を頑張っています。例えば英語では、中学時代に比べて学習量が増え、進むスピードも速くなったので、分からない箇所は復習して、その日のうちにクリアにしてから翌日の授業に臨んでいます。また、部活動は書道部に所属しています。高校で初めて書道を本格的に始めたのですが、みんな仲も良く顧問の先生も面白いので、毎日楽しく活動をしています。今は、出品締切間近の作品の完成に向けて取り組んでいます。網野学舎生の良いところは、勉強だけでなく部活動も頑張っている生徒が多く、それぞれが刺激を受けながら互いに高め合って頑張っているところだと思います。
 中学生の皆さん、高校では中学時代よりも勉強内容も難しく、様々なことに主体的に挑戦をしていかなければならず大変だと思うこともあるかもしれませんが、それ以上にたくさんの『楽しいこと』が待っています。どんな『楽しいこと』なのかを、丹後緑風高校網野学舎に入って、ぜひ私達と一緒に見つけていきましょう!

2組 藤山祐輝さん(陸上競技部・峰山中)
 高校受検の時に、丹後緑風高校網野学舎が部活動に力を入れていることを知り、私もその中で自分をもっと磨いていきたいと思い進路を決めました。
 私も『文武両道』に努めています。現在、陸上競技部の中距離選手として毎日走り込んで自分を鍛えています。トラックシーズンが終わりこれから冬場に入りますが、春から始まる大会を目指して、今から高い目標を持って日々の練習に励んでいます。また勉強面では、わからないところを友達や先生に聞いて理解し、『自分のモノ』にするために何度も自分でやり直しをしています。毎日大変ですが、とても『充実』しています。
 入学して感じたことは、思っていた通り、網野学舎はどの部活動も自分達の目標に向かって一生懸命に頑張っていました。自分の選んだ部で、活動にしっかりと取り組むことができる環境が、ここにはしっかりと備わっていると思います。
 丹後緑風高校網野学舎は、生徒と先生の『心の距離』がとても近いです。困ったことやわからないこと、悩んだことがあっても、先生方は本当に親身になって相談に乗ってくれますし、先輩方も本当に優しく接してくださいます。中学生の皆さん、きっと充実した高校生活を送ることのできる網野学舎にぜひ来てください。待っています!

3組 堀慎恭さん(ソフトテニス部・網野中)
 私が丹後緑風高校網野学舎企画経営科で学びたいと思った理由は、今よりももっと自分を磨いて、将来起業して社会の役に立ちたいと考えたからです。
 入学して7ヶ月が経った今、高校生として自分自身が学業に励むことはもちろん、ソフトテニス部での活動や様々な学校行事、ボランティア活動など、個人を越えて仲間とともに活動することに力を入れて取り組んでいます。例えば、企画経営科には、各種検定や資格取得のための試験が多くあります。学校での授業内容がそのまま資格や検定の勉強につながっているので、常にモチベーションを保って試験に向かうことができます。
 また、私が一番印象に残った行事は体育祭でした。中学校の頃とはまた違った雰囲気で、クラスのみんなで協力し合って取り組み、心から楽しむことができました。
 中学生の皆さん、自分が『何のため』に高校に行きたいのかを、もう一度じっくりと考えてみてください。そして、今は目先の受検のことで頭がいっぱいかもしれませんが、それと同じように『今しかできない大切なこと』もたくさんあるはずです。勉強とのバランスをしっかりと取りながら、残り少ない中学校生活を悔いなく楽しく過ごしてください!

...中学生の皆さん!"最高に充実した高校生活"を、丹後緑風高校網野学舎で私達と共に送ってみませんか?
(文 安達卓能)

 

今「走れる」という喜び


 10月24日(土)、府立海洋高等学校にて「令和2年度両丹高等学校駅伝競走大会」が行われ、陸上競技部が男子・女子ともに3位に入りました。健闘の走りを見せた二人に話を聞きました。

岡田大典さん(3年2組・網野中)
 「私は小学4年生の頃に地元の陸上クラブに入り、それ以来ずっと陸上競技を続けています。陸上競技部に入ったきっかけは、毎年のように近畿駅伝大会に出場している強いチームで自分の力をさらに伸ばしたいと思ったからです。
 両丹、京都、そして近畿と大会が続く駅伝シーズンを前に、私達3年生はミーティングをしました。さらにレベルを上げていこうと皆が一致団結し、まずは両丹駅伝優勝を目標に、より強度の強い練習メニューを加えていきました。新型コロナの影響で、私達3年生にとっての最後のインターハイはなくなってしまいましたが、その悔しさを『今こうして走れるんだ』という喜びに変えて練習を重ね、大会当日を迎えました。
 大会は中盤まで、想定よりも苦しいレース運びになってしまいました。それでも、後半の6区の私と7区のアンカーとで前との距離を絶対に縮めようと話していたので、私は必死で前を追いかけました。結果、私は区間賞で一つ順位を上げることができました。しかし、目標タイムより10秒も遅かったので、そこが悔やまれるところでした。最終順位は3位で、チームの目標であった優勝には残念ながら届きませんでした。
 次の京都駅伝が2週間後に迫ってきました。改めてミーティングをし、メンバーそれぞれが決意を新たにしました。京都6位以内を達成し、さらに次の近畿駅伝出場を目指してチーム一丸で頑張っていきます。
 私は大学に進学しても陸上長距離を続けていきます。将来はもっと強くなって、たくさんの人から応援をしてもらい、たくさんの人に知ってもらえる、そんな選手になっていきたいです。」

奥田陽菜さん(2年2組・弥栄中)
「陸上競技を始めたのは中学校からでした。元々特に強い意志があった訳ではありませんが、気がつけば高校でも長距離を走っていました。
 新型コロナによる休業期間中は、顧問の先生と定期的に連絡を取り合い、ときには部の仲間と一緒に走ったりしました。今年は両丹総体もインターハイもなくなり悔しい思いをしましたが、いつ休業が明けてもすぐに走れるようにと準備をしていました。
 学校が再開した現在、私は多いときは朝だけで7.5km、一日15kmを走っています。ただ走るのではなく、ペース走やポイント練習、フリージョグなど様々なメニューを取り入れて、両丹3位以内を目標に厳しい練習を重ねてきました。
 両丹駅伝では私は2区を走りました。3位でタスキを受け取り、順位を落とさずに次の走者に引き継ぐという最低限の仕事はできたものの、目標タイムに及ばず、私にとっては納得いかない走りとなってしまいました。それでも目標の3位でフィニッシュできたことはチームとして良かったと思います。
 次の京都駅伝は、網高としてではなく、他の高校との混成チームで臨むことになります。両丹駅伝に出場したメンバーが全員で走ることができる訳ではないので、まずは私自身が選抜されるように頑張っていきたいです。そしてもし走ることが決まったら、両丹駅伝での悔しさを絶対に晴らしたいです。
 私は理学療法士の資格を取って、将来スポーツトレーナーのような仕事に就きたいと考えています。私自身も経験しましたが、ケガや故障で苦しんでいるその人が早く復帰し、競技に専念できるよう、医学的な立場からサポートをしていきたいです。」

...味わった「悔しさ」を、走る喜びや勝利への原動力に変えて、男女陸上競技部はリベンジを賭けて「京都駅伝」を全力で走りきります!

(文 安達卓能)

 

「さぁ、今年もやってまいりましたビブリオバトル!」


 10月19日(月)、『2年生ビブリオバトル2020決勝大会』が行われ、各クラス代表の3名がそれぞれのおすすめ本を個性豊かに紹介しました。今回は優勝者の奥野さんに話を聞きました。

奥野颯さん(2年2組・網野中) 優勝
 「読書については毎日コツコツ読み進めるのではなく、ふと思い立ったときに一気に読み切るタイプです。演劇部にも所属していて、ビブリオバトル、すなわちプレゼンテーションについてはまさに演劇部の腕の見せ所。いかに私の推す本をみんなに興味を持ってもらえるかと、時間を計って何度も練習を重ねて本番に臨む気合いの入れ様でした。
 1年生のときのビブリオバトルは、新型コロナの影響で学校が途中で休業になってしまい、1回戦で勝ったものの、その後のバトルは中止。先が見えない中、このまま次の年もなくなってしまうのではと、少し落胆してしまいました。ところが、2年生になって学校が本格的に再開し、改めてビブリオバトルも行われると知ってホッとしました。私は満場一致でクラスの代表に選出され、念願であった決勝の舞台に立つことになりました。
 今回私が紹介したおすすめ本は、ウェルザードの『ねがい』でした。正真正銘の『ホラー小説』です。学校が舞台である怪談話で、『変わり果てた姿』となった友人を助けるために主人公が立ち上がるというストーリーです。ただ怖いだけではなく、人間の内面にズームしたり、また恋愛の要素も入っているとても面白い本です。
 決勝は、通販番組のデモンストレーター、あるいはラジオDJや講談師のような語り口調で本の紹介をしました。制限時間5分の中で、聴衆の『怖いもの見たさ』の心をいかに引き出すか、時には笑いを誘いながら、私自身楽しく一気にプレゼンをしました。
 他のクラスの代表の発表も拝見しました。私とはまったく違う切り口や手法で紹介をしていたので、私にとってはとてもいい勉強になりました。これからも、まだ読まずに取っておいている本が何冊か自宅に眠っているので、時間ができたらまた一気に読んでいこうと思います。」

...将来の夢は「世界中の人に笑顔になってもらうこと」だと話してくれた奥野さん。取材をして、私も読んでみたくなりました。んー、でも少し勇気が要るかも...。

(文 安達卓能)

 

強い意志と主体性でさらなる「高み」へ!


 10月9日(金)から11日(日)、新潟市において2020 風間杯第63回全国高等学校選抜レスリング大会が開催されました。レスリング部の三浦哲史さんが125kg級で優勝、小石原央義さんが60kg級で第3位にそれぞれ輝きました。

三浦哲史さん(3年1組・網野中) 個人対抗戦125kg級 優勝
 「私がレスリングを始めたのは4歳のとき。恥ずかしながら、きっかけは『ダイエット』のためでした。そこから小・中・高と続け、気がつけばレスリング歴は14年になります。
 今年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、普段のような実戦形式の練習やウエイトトレーニングができず、休業中はひたすら走り込んだり、鉄棒を使って懸垂をするしかありませんでした。しかし、そのようないつもと違う練習の中にも、自分なりの『楽しみ』を見つけながら、今夏に予定されていたインターハイ中止の悔しさをバネにして、来たるべき全国大会に向けて腐ることなく基礎練習に打ち込みました。
 そして今回、待ちに待った1年ぶりの全国大会が行われました。勝ち進んだ2日目の対戦相手は国体で成績上位の強豪揃いでしたが、最後まで自分の『形』で試合を進めることができ、優勝を手にすることができました。
 表彰式では、一番最後に名前を呼ばれ、一番高い位置に登るという久々の感覚を味わいました。誰よりも高いところから望む景色は、まさに『最高』そのものでした。
 本来は優勝者だけが進むことができる次の大会も、この状況では実施されるか、あるいは出場できるかどうか現時点ではわかりませんが、あると信じてそこに照準を合わせてさらに練習を頑張っていきます。
 私はレスリングのおかげで、いま自分は何を求められているのか、いま自分は何をしなければならないのかを考えながら行動できる人間に成長することができました。これはきっと社会に出ても必要な資質だと思います。これからも周りに流されず、強い意志を持って『オリンピック出場』という大きな目標に一歩でも近づいていきたいです。」

小石原央義さん(3年4組・網野中) 個人対抗戦60kg級 第3位
 「私は網高レスリング部出身の両親の影響で小学1年生からレスリングを始めました。4年生の頃には楽しくて、土日も積極的に練習に参加するようになりました。網高には中学と高校の6年間もの間お世話になっています。
 昨年まではほぼ1ヶ月に1回試合に出場していました。私は軽量級であるため、減量を中心とした体重管理が特に重要なのですが、目標とするはずの試合が開催される目途がなかなか立たないため、体重の維持管理にとても苦労しました。しかし、これからも続くレスリング人生を見据え、焦らずに気持ちを切らさないよう体重調整を続けました。
 今回の大会は、3月に中止となった選抜大会の代替試合として無観客で開催されました。インターハイもなくなった私達選手にとっては約1年ぶりとなる全国大会だったので、私は大きな緊張の中で試合に臨みました。2回戦以降は実力者ばかりが相手で、私は試合感を取り戻そうと焦り、少し気負ってしまいました。結局自分の戦い方に持ち込めず、ミスが出てしまった準決勝で敗れてしまいました。
 振り返ると、ポイントを取った後の心の油断だとか、技を決めきることができなかった詰めの甘さが優勝に至らなかった敗因だったと感じました。私にとってはとても悔しい表彰式でした。両親はオンライン中継で試合を見てくれていたのですが、優勝した姿を見せることができずとても残念でした。
 私の高校生としての試合はこの大会ですべて終わりましたが、大学に進学してもレスリングを続けていきます。今後はこれまでのように顧問の先生や周りに頼るのではなく、『主体性』をしっかりと持って自分自身をさらに強くしていきます。そして大学でも、全国大会優勝を再び目指して頑張っていきます。」

...二人は競い合うようにさらなる「高み」を目指して、それぞれ次のステージへと雄々しく駆け登っていきました。

(文 安達卓能)

 

その場所になくてはならない「必要とされる人材」に


 9月30日(水)に体育祭が実施されました。様々な困難を乗り越えて、体育祭を成功に導いた体育委員長の小森咲希さん(3年3組・網野中)に話しを聞きました。

「私は昔から体を動かすことが好きな方でした。そこで、きっと自分が心から楽しんでできると感じた体育委員長に挑戦しようと思いました。
 しかし、新型コロナウィルスの影響で、6月の球技大会が学年別という形で実施されることになり、体育委員長としての仕事が1つ減ってしまいました。それでも、大会自体は実施できたので『思い出』がなくならずにホッとしました。ですから、文化祭や体育祭が新しい生活様式の下で実施されると決定したときには、私は飛び上がりそうなほど嬉しかったです。体育祭を行うにあたって、委員会を数回にわたって開きました。出来上がった体育祭プログラムを手にしたときは『いよいよ始まるんだ!』と心がウキウキするのを感じました。
 体育祭では、委員長としてAMIKO体操を全校生徒に向かって壇上で左右逆の振り付けで行う『鏡バージョン』に挑戦しました。これが意外と難しく、練習でも苦労しましたし、本番の緊張はなかったものの狭い壇上で行うので失敗しないかと少し不安でした。それでも体操部で鍛えたバランス感覚で本番はしっかりと踊りきることができました。競技については、例年とは違う種目やプログラムで行われ、また時折雨も降ってきましたが、例年以上に生徒や保護者の熱が入った応援が見られました。きっと、みんな体育祭が無事に実施できて、心の底から嬉しかったんだと思います。
 私は卒業後、ホテル業務全般を学ぶ専門学校に進学する予定です。現在は、新型コロナウィルスの影響やAI技術の進歩で業界全体が厳しい状況にあるかもしれません。しかし、高校時代に得た経験を生かして、コミュニケーション能力やとっさの対応力、そして語学力をさらに磨いて、その場所になくてはならない『必要とされる人材』となって、ホテル業界で活躍していきたいです。」

...「船」は「強風」であればあるほど、大きく帆を張ることで力強く進みます。試練や困難だって、立ち向かうことでその人のエネルギーや経験値に生まれ変わります。3年生の皆さん、いよいよ進路実現に向かって前進、前進!

(文 安達卓能)

 

「無限の可能性」を引き出す「信頼と魅力」ある教師を目指して


 9月14日(月)から10月2日(金)まで、教育実習で帰ってきた卒業生の二人に、実習での様子や生徒へのメッセージを聞きました。

道仲祐夏さん (平成28年度卒業生・大谷大学・国語科・2年2組担当)
 「高2のときに古典の授業で和歌に触れる機会があったのですが、そのとき私は、他の生徒はどういう気持ちでこの和歌を捉えたのだろう、ととても知りたくなりました。そして、生徒から感想や意見を様々な形で聞くことができる『先生』はなんてやりがいのある仕事なのか、と思ったことが教師になりたいと思ったきっかけでした。
 教育実習の初日、初めて会う生徒に対し、どんな風に飛び込んでいけばいいのか不安な気持ちで迎えました。ところが、網高の生徒は、こちらが気持ちよくなるほど積極的に挨拶をしてくれて本当に嬉しかったし救われました。同時に、私達の高校時代から受け継がれてきた網高の伝統である『元気な挨拶』が、こういう形で自分に返ってきたことに大きな感動を覚えました。実習中、私はどうしたら生徒が興味を持って自分の話を聞いてくれるのだろうかと常に考えて授業づくりに臨みました。まだまだ模索中ですが、教壇に立つことの楽しさが少しわかったような気がします。
 私はこの実習を通して、どんな答えでも生徒の答えを尊重し、うまく拾って返してあげられるような教師になりたいと思いました。その答えがこちらの想定外であっても、その奥には生徒の本当の考えや無限の可能性があることを感じることができたからです。
 皆さん、古典の面白さを、1つでもいいので見つけてみてください。きっと楽しいと思える瞬間が出てくるはずです。短い間でしたが本当にありがとうございました。」

小坂綾彌さん (平成28年度卒業生・関西大学・地歴公民科・2年1組担当)
 「私は高校時代、生徒のために必死になって指導をしてくれた先生の姿に触れ、教師に憧れを持つようになりました。大学では地域社会学を学んでいますが、将来は地元丹後に帰り、教育という立場で地域活性化に貢献したいと思って教職課程を取りました。
 高校生の頃は当たり前のように授業を受けていましたが、いざその授業をするとなると、先生方はたった1回のためにどれだけの時間と情熱で教材研究や資料準備に当たっていたのかを、この実習で思い知ることができました。当然、決められた時間で決められた範囲を終わらせなければならず、その中で発問の工夫や効果的なアクティブ・ラーニングを考えることは大変苦労しました。
 研究授業では課題も見つかりました。生徒を飽きさせない魅力ある授業ができるように、そして生徒から信頼される教師になれるように、これからも指導力と人間性をますます磨いていきます。
 私は実習中に迎えた誕生日に、担当している2年1組の皆さんから思いがけない『サプライズ』をいただきました。嬉しくて涙が出そうになりましたし、数々のいい思い出を作ることができました。生徒の皆さん、そして私達を温かく迎え、御指導くださいました先生方、本当にありがとうございました。」

...二人とも、夢に向かって頑張ってください!

(文 安達卓能)

 

最高の演技、最高の時間、最高の仲間


 9月13日(日)、本校小体育館において「男子新体操オンライン選手権2020」があり、東京の本部と中継をつないで実施されました。体操部男子3年生にとっては最後の大会で、堂々の全国14位の成績を収めました。出場した3年生の3名にインタビューをしました。

今井慶士郎さん(3年2組・弥栄中)
 「今回の演技構成を考え始めたのは2月からで、順調なら6月に完成する予定でした。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月から臨時休業期間となり、学校で集まることができなくなりました。それでも、各自家庭で練習をしてようやく完成させました。困難の中作り上げた演技構成だっただけに、私自身思い入れが深かったです。
 キャプテンとしてはインターハイ出場が目標でした。このような代替大会を設けていただいたことと、このチームで戦うのが最後だったため、私は感謝の思いを胸に、勝利を目指して全力で演技に臨みました。最終順位は14位でしたが、あとから動画で確認すると、予選よりもいい出来映えだったので悔いはありません。
 私は高校入学時、体操初心者でした。上手な先輩方に憧れを抱いた一方、初めは側転さえ危うく、とにかく必死でついていくだけでした。それでも先輩方は初心者の私達にも体操を一から教えてくれました。自分も後輩ができたら同じ様に優しく接していこうと、先輩方の後ろ姿を見て学びました。仲間や後輩に恵まれ、私にとってこの3年間の部活動は最高に楽しい時間でした。高校で培った体操の技術や精神を、将来大学でさらに磨いていきたいです。」

田辺潤平さん(3年4組・弥栄中)
 「私は今夏に予定されていたインターハイが中止になったことを、臨時休業期間に家で報道を見て知りました。3年間ここを目指して頑張ってきたのに、突然目標を失ってしまいとてもショックでした。しかし、オンライン選手権が実施されると聞き、早速仲間とSNSを使って練習や連携を取り合いました。
 8月に提出した動画予選は無事に13位で通過し、オンライン選手権決勝への出場が決まりました。観客はおらず、撮影隊のみの本番という異例の状況での演技でしたが、3年間慣れ親しんだマットの臭いと感触が、私の心を落ち着かせてくれました。高校生活最後の3分間の演技は、個人としてもチームとしても、これまでで最高の出来映えだったと思います。
 私も高校から体操を始めたのですが、お手本となる先輩がたくさんいましたし、辛いときも苦しいときも支えてくれる仲間がいつも傍にいたので、この3年間は最高に幸せな体操人生でした。現在大学に進学するために勉強を頑張っています。将来どんな形でも新体操に携わっていけたらいいなと思っています。」

真杉拓人さん(3年1組・網野中)
 「決勝は網野高校小体育館と東京を中継でつないで行われました。予選では何度も撮影をし直し、一番いい映像を提出すれば良かったのですが、決勝は一発勝負でしたし、カメラの向こうでたくさんの人が観ていると思うと、いくらホームグランドでできたとはいえ、いつもの競技会では味わったことのない緊張感が体を走りました。その緊張感からか、小さなミスをしてしまいました。それでも、3年生は最後の集大成として最高の演技を見せることができたと思います。終わった瞬間は『新体操をやってて良かった!』と心から思いました。
 私は二人と同じく、高校から体操を始めた初心者でした。1年生の頃はメンタル面が弱く、技を失敗するとすぐに練習をやめたくなるほど落ち込むこともありました。しかし、仲間と励まし合い、切磋琢磨するなかで必死に練習を重ね、A団体の椅子を勝ち取ることができました。同期のメンバーは1年生からずっと一緒なので、友達というよりもファミリーだと思っています。時にはケンカや言い合いになったこともありましたが、次の日には仲直り。またすぐにみんなで1つの同じ目標に向かって練習し合った最高の仲間でした。
 私は高校卒業後、作業療法士になりたいと考えています。医療や介護の現場は想像以上に大変だと聞いていますが、持ち前の負けん気と培った精神力で困難を乗り越え、たくさんの人に感謝されるような人へと成長していきたいです。」


...新体操を通じて、彼らは本当にたくさんの「最高」に出会うことができました。

 

「涙」と「笑顔」の最後の文化祭


 ダンスパフォーマンスでは3年生が華麗な舞いを披露し、文化祭を最高潮へと導きました。今回は1位の2組と2位の3組のクラスリーダーに話しを伺いました。

小林渡夢さん(2組・弥栄中)
 「元々ダンスの振り付けに興味を持っていて、クラスメイトからの推薦もあってリーダーを引き受けました。振り付けは、みんなの力を借りながら考えました。時にはせっかくみんなに踊りを覚えてもらったのに、自分が作った振りに納得がいかず、途中で変更をお願いしたこともありました。本番前日に変更をお願いしたときには、本当に申し訳なかったです。それでも練習中は嫌な顔一つせず、みんなやる気に満ちて取り組んでくれました。
 当日は3番目の出演でした。他のクラスの演技を初めて目にして、統一感や躍動感に圧倒されました。そして私達の番。前日の変更点を確認できないまま、ぶっつけ本番で臨みました。案の定、ミスは出てしまいましたが、それでも元気よくみんな踊りきりました。本番直後には担任の先生から『みんないい表情だったよ』と労いの言葉をかけていただきました。すべてをやり切り、みんな最高の気分でした。
 審査発表は、1位だという自信半分、一番ミスをしていたのではという不安半分で迎えました。1位だと知った瞬間は泣きそうなくらい嬉しかったです。最後に担任の先生に促されてクラスメイトの前で感謝の挨拶をしたときには、ほっとした安堵感と、共に戦ったみんなの笑顔が見え、私はこらえきれずに涙がぽろぽろ溢れてしまいました。
 2組のダンスのテーマは『Be as CRAZY』(ひとつになって最高のパフォーマンスをしよう)というものでした。今回私達は『1つ』になることができました。これからそれぞれ希望進路に向かって挑戦していきますが、最後までみんな1つになって、最高の形で全員で進路実現を果たしていきたいです。ありがとうございました。」

岩佐颯さん(3組・弥栄中)
「振り付けなどの技術面は体操部などのメンバーと協力して、私はみんなをまとめるクラスリーダーを担いました。夏休みに振り付けを考え、2学期が始まってから本格的に練習が始動しました。一部の振り付けにも携わったのですが、一つのものを作り上げることがこんなに難しいのかと教えられました。決めた振り付けに対し、納得できていないメンバーもいたかもしれませんが、大きく意見が割れることもなく全体的に円滑に進めることができました。終盤は完成度も上がり、クラスの雰囲気も良くなっていきました。
 当日の出番は4番目でした。直前の2組の出来が本当に素晴らしかったので、プレッシャーが掛かりました。しかし、演技が始まると一気に集中することができました。後半で曲調が替わり、笑顔で踊る場面を特に意識して踊りました。みんなもその場面が一番楽しそうな表情でした。ミスもありましたが、何より楽しく踊ることができて、終わった後の達成感はとても大きかったです。
 結果は残念ながら2位でしたが、私達は納得の思いで、優勝した隣りの2組に惜しみない拍手を送りました。最後に、私を含めた代表3名がクラスメイトに挨拶をしました。私は『結果は2位でも、ここまでみんなと楽しくやり切ることができたことを誇りに思っているので悔いはありません。ここからは最後の山である受験に向けてクラス一丸となって頑張りましょう。』と笑顔で挨拶をしました。
 今回の経験を通して、私は残りの高校生活でクラスの仲間を大切にして、お互い高め合っていける関係を築いていけるよう、クラスの一員として精一杯できることをこれからも頑張っていきます。」


...涙と笑顔、そして思い出いっぱいの3年生の文化祭は今ここに終わりました。いよいよ高校生活最後の総仕上げ「希望進路の実現」という目標に向かって、3年生は力強く最終コーナーを駆け抜けていきました。

 
1年1組
1年2組
1年3組

次なるステップへの「スイッチ」

 文化祭よさこい部門では、1年3組が1位に輝きました。1年生にとっては初めての文化祭でしたが、どのクラスも最高のパフォーマンスを見せてくれました。そこで、今回は各クラスの学校祭実行委員の代表に、感想や今後の決意などを伺いました。

小塚凌雅さん(2組・網野中)
 「僕は、高校に入ったら何かやりがいのあることを、責任感を持ってやってみたいと思い、学校祭実行委員という初めての経験に挑戦しました。ところが演目がよさこいに変更になり、僕らは本当に踊りを覚えられるのかと、出だしから不安いっぱいのスタートでした。思った通り、男子はなかなか踊りが覚えられず、女子に迷惑をかけてしまっていました。でも、練習を重ねていくうちに、みんなの目の色が変わっていき、終盤はみんなで協力し合って練習に打ち込みました。変わっていくみんなの姿を目の前にして、僕は結果はどうであれ、クラスにとって最高の終わり方で文化祭を終わらせたいと思いました。
 本番は2組からのスタートで、みんなめちゃくちゃ緊張していました。でもここで陽気な男子の笑顔が、強ばっていたクラスの空気を変えてくれました。『一瞬も一生も美しく』のテーマの通り、僕らは美を意識して最後まで踊り切りました。
 結果は残念ながら1位ではありませんでした。僕自身も悔しかったし、クラスの中にはショックだった人もいると思います。それでもみんな優勝した3組を讃える温かい拍手を贈っていました。今回は負けましたが、体育祭では必ず勝つ、と決意を新たにしました。
 将来は、進学しても社会に出ても協調性が求められると思います。この文化祭でみんなで協力し合ってやり遂げたという経験を今後に生かしていきたいです。」

長濱初音さん(1組・網野中)
 「『学校祭実行委員』という言葉の響きに何だかワクワクして、友達と二人で立候補しました。ところが練習に入ると、本番まで1週間を切っても、皆なかなか踊りを覚えることができてなくて、リーダーとクラスのメンバーの間に温度差を感じてしまうこともありました。でも終盤になるにつれて、リーダー達の熱い姿にメンバーもつられていくように、最後はみんな本気になり、いい雰囲気に変わっていきました。
 本番は、最後の出番でした。前の2クラスの演技に圧倒され、これで負けても悔いなし、と私達は余計な緊張はせずに練習通りに演技をすることができました。1組のタイトルは『YOSAKOI~花びらのように舞う僕ら』でした。1年の中でも人数が一番多かったので『統一感』を意識して踊りました。また、『花』と書いたクラス全員の手形を入れた旗を振り、その元で私達は一人一人が花びらとなって1つの花となることを表現しました。曲が終わった瞬間は『やっと終わったんだ』とほっとした気持ちでした。
 優勝は私達ではありませんでした。ちょっぴり悔しかったけど、結果だけがすべてじゃないと、皆が納得した思いで優勝の3組を拍手で称えました。
 私は中学のときに体育祭で実行委員をしました。その時も大変でしたが、その経験があったからこそ、苦しい受検を乗り越えて今があるのだと思います。だからこの文化祭での経験も、次へのステップにつなげていきたいです。今回1組は1つになれたかどうかはわかりませんが、協力し合えたことは事実です。ここからもう一回、みんなでスイッチを入れて頑張っていけたらいいなと思います。ありがとうございました。」

平岡宏征さん(3組・大宮中)
 「学校祭実行委員をやろうと思ったのは、リーダーシップを磨きたいと思ったのと、クラスのために動きたいと思ったからでした。僕達のクラスも、本番一週間前までほとんど踊りを覚えていないという危機的な状況でした。これはまずいと焦り、終盤にグループ練習を増やしていくことで何とか踊れるようになっていきました。技術面に関しては、振り付けを早く覚えた女子に手伝ってもらい、僕はクラスのみんなに発破をかけながら、メンバーが楽しく取り組めるようにと、精神面で心を砕きました。踊りのテーマは『意気衝天』でした。3組は少数精鋭で躍動感や元気をアピールしました。途中ミスもちらほら出ていましたが、最後は楽しかったと心の底から感じることができました。
 審査発表では、まさか僕達が優勝するとは思ってもいませんでした。ですから発表を聞いた瞬間は、喜びと言うより驚きの方が大きかったです。これで3組は、入学してから球技大会、文化祭と立て続けに優勝を手にしたことになります。ここまで来たら次の体育祭でも優勝し、『三冠』を絶対に獲りに行きます。
 文化祭では、みんなで協力して教え合っていくことで技術を上達させることができたと実感しました。この経験を勉強にも活かしていき、これからやってくる検定試験や資格の取得につなげていきたいです。」

...「ゴール」とは、そこで一切が終わることではありません。次なる飛躍への「ステップ」だと捉えて、前を向いて歩みを踏み出す、そのこと自体が「本当の勝利」なんだと、私は感じました。1年生の皆さん、「スイッチ」を入れ直してさらに突き進もう!

(文 安達卓能)

 
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