網野学舎

 5月31日から6月2日にかけて、たけびしスタジアム京都で開催された第77回京都府高等学校陸上競技対抗選手権大会(京都インターハイ)において、自己ベストの記録を達成して引退をする陸上競技部・短距離パートの3年生3名に、大会での自身の走りや3年間の部活動生活、後輩へのメッセージを話してもらいました。

【副部長】
嶋田樹梨菜さん(3年2組・網野中)
 4×100mRでは攻めるバトンパスを試みるも失敗し、敗退してしまいました。リレーでの借りはリレーで返すしかないと心を決め、自分自身の200m走を棄権して、4人でもう一度今度は4×400mRでバトンをつなぎきろうと思いを一つにしました。その結果、予想もしていなかった準決勝進出を決めることができ、みんなで喜び合いました。
 その後気持ちを100m走に切り替え、リレーでの勢いそのままに走り抜き、陸上競技人生の目標であった12秒台を最後の最後で出し、大きな喜びの中で終えることができました。
 これまで、短距離パートの私達同期3人だけで練習したりと苦しい時期もありました。しかし、励まし合い、支え合い、互いに高め合った仲間は私の大きな財産です。
 後輩の皆さん。陸上部でしかできない経験や感動をたくさん味わって、大きく飛躍していってください。これからも皆さんの成長を陰で見守っています。

【短距離パート長】
和田祐夏さん(3年1組・網野中)
 この大会はリレーのみの出場だったので、特にバトンパスの練習に力を入れました。リレーは一人では走れません。自分一人の気持ちでなく、メンバーみんなの心を1つにするため、「この4人で最後を悔いなく頑張ろう」と互いに声を掛け合って臨みました。残念ながら4×100mRではミスが出てしまい悔しい結果となりました。このままじゃ終われないと、この悔しい思いを4×400mRにみんなでぶつけ、準決勝進出という思いもしなかった結果を出して、私は高校三年間の陸上競技人生を最高の形で終えることができました。
 どんな辛い時でも傍で寄り添い、支えてくださった顧問の先生方や後輩の皆さんには本当に感謝しています。後輩の皆さん、たとえ辛い練習であっったとしても、それを乗り越えた先の達成感を思い浮かべながら、チームのみんなと切磋琢磨して頑張ってください。努力は必ず報われます。

大下宗悟さん(3年1組・丹後中)
 大会には4×400mRと4×100mRにエントリーをしました。私は元々400mが専門だったので、特に4×400mRに全力を注ぎました。試合は序盤からいい走りができ、後半もスピードに乗ることができました。こうして私はベストのラップタイムを更新して高校最後の走りを終えました。走り終えた後は嬉しかったと同時に、この瞬間6年間の陸上競技人生が終わることにさみしい気持ちもありました。それでも、最後はやり切ったという清々しい達成感に溢れていました。
 三年間を振り返ると、中学時代と比べて記録が伸びず、悔しい思いも味わいました。しかし、最後にベストが出て、顧問の先生に褒めていただき、続けて本当に良かったです。
 後輩の皆さん。何事も恐れずに、自分がやりたい練習、今やるべき練習をとことん追究して、「0.1秒」や「1mm」を追い求めていってください。応援しています。

...派手でなくても、自分史上過去最高のタイムでそれぞれの集大成を見事に飾った短距離パートの3年生は、思いの詰まったバトンを後輩に託し、次の進路へと駆け出しました。
              (取材・文 安達卓能)

 

 6月5日(水)の球技大会において、各競技で優勝をしたチームのキャプテンに喜びの声を聞きました。

【ソフトボール】 優勝 「スシ太郎」(3年1組)
中地洋介さん(網野中)
 昨年度の球技大会は優勝を逃したので、今年こそはという思いで臨みました。当日の試合は全員が声を出し合って、最後までいい雰囲気でプレーをすることができました。野球経験者が的確なアドバイスを送ってくれたことも全勝で優勝することができた勝因かもしれません。この球技大会をきっかけにクラスの雰囲気がさらに良くなったと思うので、これからの学校行事も一丸となって楽しく進めていきたいです。

【ドッジボール(男子)】 優勝 「虎ー's」(1年1組)
岩尾 和さん(久美浜中)
 はじめての球技大会でしたが、たとえ相手が上級生であっても「絶対勝つぞ!」とメンバー全員がやる気にあふれてすごく盛り上がっていました。試合ではどのチームも強くて簡単ではありませんでしたが、逃げるのではなく積極的にボールを受けとめる姿勢で臨み、ストレートで優勝をすることができました。この大会で強めることができたクラスの仲の良さ・団結力を、これからの行事や勉強にもつなげていきたいです。

【ドッチボール(女子)】 優勝 「チームサザエさん」(3年3組)
梅田恵来さん(弥栄中)
 球技大会説明会の日からすでに優勝を目指して、男女関係なく頑張ろうとみんな燃えていました。当日は昼休みの時点で私達は1回しか負けていなかったので、「次も頑張ろう!」と互いに励まし合って後半の戦いに臨みました。試合が終わった男子もコートに詰めかけて応援をしてくれました。優勝がわかった時にはクラスの喜びが爆発しました。3年3組の団結力を生かして、学校祭や検定試験、そして入試へとしっかりつなげていきます。

【バレーボール】 優勝 「ラプラス」(3年2組)
田中朱莉さん(網野中)
 昨年に続き今年も優勝をかけて大会に挑みました。練習では経験者が率先して初心者のメンバーをサポートし、みんなで優勝しようと心が一つになっていくのを感じました。試合では強敵チームにも練習の成果を発揮し、最後の球技大会を2連覇という最高の結果で終えることができました。1つのボールをつないでいくバレーで、クラスもさらに1つになることができたと思います。残り少なくなった学校行事も全力で楽しんでいきたいです。

...学校に「学校行事」がある理由。それは、行事を通して仲間と親睦を深め、仲間とつながり、仲間とともに何かを成し遂げるという経験を積むためにある、と私は思います。この球技大会から、最大の学校行事である9月の学校祭に向けて、いよいよ前進開始です。
              (取材・文 安達卓能)

 

今年度入学した1年生の代表に毎月インタビューをしています。今回は丹後中学校出身の二人に取材をしました。

秋尾優也さん(1年1組・丹後中)
 私は小学1年生からバスケットボールをしてきました。高校は府大会にも出場している丹後緑風高校でさらに力を磨きたいと思い入学を決めました。
 1組は個性的なメンバーばかりですが、出身校に関係なくみんなで協力して学校生活を楽しく送っています。私達にしか出せない色で溢れている、そんな最高のクラスです。
 勉強は中学校と比べて難しくなったと感じています。それでも、先生や友達に聞いてわからないところをなくしていったり、勉強法を工夫したりして頑張っています。
 バスケットボール部は普段はとても仲がいいですが、時には激しいメニューに取り組んで互いに技術を高めあいながら毎日充実して練習をしています。先輩方や同級生の声掛けもあって、苦しい練習にもついていけるようになりました。先輩方のリーダーシップのある頼れる姿に、自分もそういう選手になりたいと思いました。
 私は部活動をさらに頑張っていき、自分の好きなこのバスケットボールをもっと上達させたいです。さらなる技術の向上はもちろんのこと、「楽しんでやる」というモットーを忘れずに、自分がやれる限り全力でプレーをしていきます。そして、私達の代でも府大会出場という目標を果たしていきたいです。
 将来の夢はまだ明確ではありませんが、部活動はもちろん、勉強もしっかり取り組んでいけば将来の道も広がると思うので、勉強と部活動の両立にも挑戦していきたいです。

大下真生さん(1年3組・丹後中)
 私は普通科では学べない商業科目という新しい分野に挑戦し、資格や検定をたくさん取ってみたいと思い企画経営科に入学しました。
 3組はとても明るいクラスです。人数が少ない分、クラスメイトとじっくり話す機会があり、気が付いたことがあればみんなで声を掛け合うところが3組の良さです。
 授業のペースは中学の時よりも早いと感じていますが、友達同士や先生に積極的に質問をして理解しようと努めています。また、授業内で発表する機会がたくさんあり、自分の考えを発信できるのはいいと思いました。テストの点数につながると自信にもなります。
 私は中学ではソフトボール部に所属していましたが、高校ではサッカー部のマネージャーになりました。先輩方は丁寧にわかりやすく仕事を教えてくださり、またたくさん話しかけてくださるので、とても嬉しく心強いです。中学時代はいろいろな人に支えられて競技を続けることができたので、今度は自分が選手を陰でサポートする側に回ろうと思いました。マネージャーの仕事は忙しいと感じる時もありますが、毎日充実しています。
 将来私がどんな進路に進んだとしても、高校生活で学んだことをフルに生かせるよう、今は一つ一つの勉強にしっかり取り組んで、「自分は頑張った」と胸を張って言える経験を積み重ねていきたいです。この高校時代にしかできないことや学べないことにしっかりと取り組んで、自分の夢の実現につなげていきたいです。

...入学して早2か月。今回取材をした二人はもちろん、1年生はすでに丹後緑風高校の中核として勉強に、部活動に、学校行事に真剣に励んでいます。頑張れ1年生!
              (取材・文 安達卓能)


 

5月18日(土)に各会場で開催された両丹高校総合体育大会において、大健闘の戦いを見せた3つの部活動のキャプテンに話を聞きました。

【サッカー部】 伊佐津川会場 準優勝
中地洋介さん(3年1組・網野中)
 私は幼稚園の頃から続けてきたサッカーを、高校ではよりレベルの高い環境でやりたいと思い、この丹後緑風高校に入学を決めました。
 今年度は新入生がたくさん入部してくれました。チームの力や士気を上げるために、練習の段階から実践の感覚でメンバーと声を掛け合い、コミュニケーションを密に取ることを意識しました。また、「ボールを止めて蹴る」という基本を部員と共有しました。
 初戦の相手は実力が拮抗していましたが、私自身ゴールを決めて勝つことができました。しかし、決勝戦は完敗で、相手のレベルの高さを痛感しました。今後は個人もチームもさらにレベルを上げて、強豪チームに対しても真っ向から勝負をしていきたいです。
 私たちの戦いは夏から冬にかけて行われる選手権大会まで続きます。昨年度の成績である府ベスト16を越えることを目標にこれからも頑張っていきます。
 高校卒業後、私は大学に進学してサッカーを続けていきたいです。そのために、今は基礎の土台をしっかり固めて、将来活躍をしていきたいです。

【卓球部】 第3位
梅田太一さん(3年2組・網野中)
 この両丹総体に向けて新しく入部したメンバーと一緒に、それぞれが自分の力を発揮できるように地道に練習に励みました。私が参加できない日も、後輩たちでしっかりと練習に取り組んでくれていました。試合が近づくにつれ、それぞれがレベルアップをしていく姿を見て、部長として頼もしく思いました。
 また、私たち三年生にとって、5人が揃う高校最初で最後の団体戦でもありました。惜しくも3回戦で敗退してしまいましたが、2回戦ではシングルスもダブルスも個人として勝つことができました。鍛えてきたスマッシュやサーブを決めることができ、練習の成果を出せて嬉しかったです。後輩たちも生き生きと輝いてプレーをしていました。全員が役割をきっちり全うすることができたと思います。後輩にはこれからも練習試合などの実践経験をたくさん積んで強くなっていってほしいです。
 私はこれで引退です。部員が少なく苦しい時期もありましたが、最後にこうして両丹総体を笑顔で終えることができ、これまで支えてくれたすべての人に感謝をしたいです。
 私の次の目標は大学進学です。ここまで部活動をやり抜いた経験を生かし、勉強を継続し、努力し、進路実現という夢を成就させたいです。

【バスケットボール部】 男子上級の部 第3位
松下南智さん(3年2組・網野中)
 今年度、新しく1年生が加わり、練習は毎日活気に溢れています。
 この両丹総体は3年生を中心とした上級の部と、下級生を中心とした下級の部に分かれて出場しました。私たち上級の部は普段通りの戦いができて勝ち上がり、最終的には準決勝まで進みました。最後の対戦相手は強豪で、勝つことは難しいとわかっていましたが、2年生の後輩が光るプレーを見せてくれたり、全員がやれることをやろうと必死で食らいつきました。下級の部も大健闘の戦いをしてくれたと聞いて、私が引退した後の新チームが今から楽しみです。
 入部当時は部員が少なく、顧問の先生も輪に入って一緒に練習に付き合ってくださり、とても感謝しています。また、徐々に部員も増え、はじめての経験で不安でいっぱいだった部長の私を支えてくれ、こうして最後の試合で嬉しい結果を掴ませてくれたメンバーにも感謝しています。
 私はこの先進学をしても、バスケットボールというチームスポーツで培った協調性やリーダーシップを、どんな集団の中であっても発揮していきたいです。

...かつては部の存続すら危ぶまれた苦しい時期を、一人のキャプテンが立ち上がり、それにメンバーが続き乗り越えた結果、たとえ小さくても、こうして立派な成績を掴むことができました。後輩の皆さん、先輩が拓いてくれた道を、今度はさらに踏み固めていってください。
              (取材・文 安達卓能)

 


 今年度入学した1年生の代表に毎月インタビューをしていきます。今回は網野中学校出身の二人に、入学した理由やクラスの雰囲気、頑張っていることやこれからの決意などを話してもらいました。

野村謙心さん(1年2組・網野中)
 私は幼稚園の頃から始めた大好きなサッカーを、高校でも高いレベルで続けていきたいと思っていました。小中の時代からクラブチームで一緒だった昨年度の先輩方の活躍を知り、網野学舎でプレーしたいと強い憧れをずっと持っていました。
 私のいる2組はとても明るく、出身中学校の違いに関係なく休み時間は楽しく盛り上がっています。それでも、授業になるとクラス全員が集中して受けているので、メリハリのきいたとてもいいクラスだと感じています。助け合うところもこのクラスの良さです。
 勉強については、中学校の時に比べて進むスピードが速く、はじめは慣れるのに必死でした。網野学舎は各教科、個性的な先生方がたくさんいて、毎日授業を楽しく受けています。もうすぐ中間テストですので、それに向けて頑張っていきます。
 大好きな部活には毎日充実して臨んでいます。体力的に厳しい練習もありますが、マネージャーを含めた17名で、リーグ残留と府ベスト16という目標に向けて頑張っています。
 私は将来どんな進路に進んだとしても、ずっとサッカーを続けていきたいです。そのために、高校ではより高いレベルを目指して1日1日の練習を大切にしていきます。そして、頑張る姿を見せることで、周りを勇気づけ、やる気を引き出す人になっていきたいです。

嶋田愛華さん(1年3組・網野中)
 私は中学時代、体育祭や合唱祭などの行事で積極的に前に出て、メンバーを引っ張ってきました。地域の方々や企業の方々など多くの方と交流する機会がたくさんあるこの企画経営科で、自分の強みをさらに伸ばしたいと思い、入学を決めました。
 私達3組は少人数ですが、みんな気さくでにぎやかなので、学校生活が毎日楽しいです。これから難しい課題や悩みにぶつかったとしても、三年間クラスが変わらないという強い結束力で、「このクラスならやれる」と強く信じて頑張っていきます。
 企画経営科では、簿記や情報処理などの商業科目が登場してきました。新しい世界に毎日触れることができ、いつもわくわくしながら新鮮な気持ちで授業に臨んでいます。
 私は新たな挑戦として書道部に入部しました。これから、様々な書体でいろいろな作品に挑戦し、笑顔溢れる最高に楽しい部員の皆さんとたくさんの思い出を作りたいです。
 数年後、社会に出たら様々な人と出会います。それを当然のことだと捉えるのではなく、一つ一つの出会いを真剣に、そして大切にしていきたいと思っています。入学して間もないですが、自分自身の将来の夢を早く見つけ、それを実現し、企画経営科での学びや経験を通して身につけた力を社会で活用し、社会に貢献していきたいです。

...二人とも学校生活の様子や将来の目標を生き生きと語ってくれました。これからもこの丹後緑風網野学舎の一員としてますます活躍していってください。

(取材・文 安達卓能)

 

次こそは、今の自分を超えてゆけ

 4月13日に京都すばる高校において全国高等学校ワープロ競技大会京都府予選(兼近畿地区高等学校ワープロ競技大会予選)が開催され、本校企画経営科3年生が団体競技の部で3位に入賞し、近畿大会への切符を手にしました。それぞれに近畿大会への意気込みを聞きました。

上羽柚夕さん(丹後中)
 私は2年生だった昨年度も出場しましたが、その時にはなかなか力になれず、当時の先輩方には申し訳ない気持ちでいました。ここ数年、網野学舎は近畿大会に連続出場をしていたので、ここで途切れさせたくないとプレッシャーを感じながら大会に臨みました。当日はコンディションも調子も良く、思っていた以上の力を発揮することができました。結果発表で近畿出場の3位にはいり、さらに個人で「佳良賞」も頂くことができ、本当に嬉しかったです。近畿大会では全員が自己ベストを目標にして、悔いなく戦っていきます。

梅田恵来さん(弥栄中)
 メンバーに選ばれてからは毎日時間を見つけてタイピングの練習をしました。私にとっては2回目の競技会でしたが、それでも本番前は緊張でいっぱいでした。しかしメンバーの一人がみんなの緊張をほぐしてくれ、自分のベストを出すだけだと気持ちを切り替えて臨みました。本番は周りのスピードに圧倒されながらも、何とかやりきることができました。団体で3位に入賞できてほっとしました。5月の近畿大会では、会場がどんな雰囲気であれ、緊張しても大丈夫だというほど練習を重ねて、自己ベストの更新を目指します。

荻野優陽さん(弥栄中)
 私はタイピングに自信がありました。緊張しているメンバーに対しては場を和ませたり、リーダーとしてみんなに声を掛けたりと心遣いも見せる余裕がありました。しかし、試験も順調に終わってふと自分の答案を見返したとき、取り返しのつかないミスをしていることに気がつきました。終了後、みんなと顔を合わせたときには、自分が情けなく、責任を感じていたたまれない気持ちになりました。3位入賞と知ったときには本当に救われました。次の近畿大会が最後となるので、この失敗を絶対に取り返してみせます。

...全国大会出場は叶いませんでしたが、近畿大会出場も立派な結果。次こそは、今の自分を超えてゆけ!
              (取材・文 安達卓能)

 

   異体でも 同心なれば 万事を乗ず

 3月27日~29日に新潟市で開催された風間杯第69回全国高校選抜レスリング大会において、レスリング部は学校対抗戦で3位に入り、2年振り3回目の表彰台に登りました。個人対抗戦51kg級でも2位に入ったキャプテンの北島さんと、レスリング歴一年ながら団体戦メンバーとして奮闘した濱田さんにインタビューをしました。

北島 魂さん(3年1組・三重県四日市市立内部中)
 私は5歳からレスリングを始め、中学までは合宿で網野学舎によく来ていました。高校でレスリングを続けるなら、3年間を中途半端ではなく、厳しい環境に自ら身を置きたいと思い、丹後緑風高校に入学を決めました。
 今年は、キャプテンとして結果を出すと決意し、この全国選抜大会に向けては、団体戦も個人戦もどちらも表彰台に登ることを目標に、練習の強度を上げて臨みました。
 大会では、団体戦で出場した試合では全勝をすることができ、目標としていた3位に入ることができました。しかし個人戦では、高校では初めてとなる決勝戦に進むことができたものの、緊張からか少し舞い上がってしまい、自分らしい動きができず、最後は守りに入ったところで攻め込まれてしまい、あと一歩優勝に届きませんでした。どんな状況でも自分の動きが出せるように、これからしっかり練習をして課題を修正していきます。
 今後の1番の目標は高校生最後の夏のインターハイです。メンバーそれぞれがさらにレベルアップを図り、目標をさらに一段上げて、団体戦は決勝進出を、個人戦は優勝を目指して最後まで頑張っていきます。

濱田柚里さん(2年1組・網野中)
 それまで卓球しか経験していなかった私は、入学当初の体験入部期間に友達に誘われ、生まれてはじめてレスリングに挑戦しました。勇気はいりましたが、初心者の私を周りが優しく教えてくれ、私はここでやりたいと思いました。親は驚いていましたが、好きなことをやればいいと、最後は快く背中を押してくれ、私はレスリング部に入部しました。数少ないビギナーとして、経験者の多い中で彼らと同じような練習についていくことは大変ですが、毎日学ぶことが多く、日々充実して練習に励んでいます。
 入部して一年。個人戦にエントリーできる実力はまだまだありませんが、団体戦メンバー7人の中の「最後の砦」として、自覚を持って日々備えています。団体戦は一人一人の一勝がチームの勝利に直結するため、絶対に勝ってやると強い思いで常に臨んでいます。
 大会では不戦勝以外、私の戦いは全敗でした。試合開始直後は良くても、後半からは追い上げられ、実力不足を痛感しました。ウエイトトレーニングを含め、これからさらに練習を重ねていき、相手に負けないフィジカルやメンタルの強さを身につけてもっと強くなっていきたいです。まずは初勝利をし、「濱田だから勝てない」じゃなくて、「濱田だからやってくれる」と言われる、そんな頼られる選手に将来なっていきたいです。

 出身も経歴も階級も戦術も「十人十色」。でも、「みんなで勝つぞ」と心を一つに合わせて「一枚岩」になって進んでいけば、その先にある大きな目標だって必ず成し遂げることができるはずです。丹後緑風レスリング部の皆さん、今年度も頑張ってください!

(取材・文 安達卓能)


 

   丹後は掘れば掘るほど宝の出る町

 令和3年度より3年間、京丹後市の地域コーディネーターとしてお世話になった李さんに、本校での思い出や将来の抱負、そしてお別れの挨拶の言葉を頂きました。

李 瓊瑞(リ・ケイズイ)さん
 私は中国の青海省で生まれました。日本のアニメが大好きで、中学生の頃から独学で日本語を学びました。大学時代に交換留学生として来日し、そのまま京都の大学院に進学し、土地利用、農村開発や観光、地域創生などについて学びました。仕事をするならこれまで学んできたことを生かしたいと思い、3年前に縁あって京丹後市に移り、地域コーディネーターの仕事を頂いて丹後緑風高校に着任しました。
 網野学舎の生徒は礼儀正しく、控え目で、いい子達ばかりだというのが第一印象でした。少しずつ互いを知るにつれ、一人一人素晴らしい個性を持ち、学業も部活動もすべて最後までやり抜こうとする信念と根性の強さがあると知り、とても感動しました。
 私はこれまで、企画経営科の課題研究や普通科の総合的な探究の授業などに携わらせていただきました。思い出はたくさんあって尽きないのですが、生徒の皆さんと共に学び、時には一緒に悩み、時には一緒にはしゃいだ中で、どんどん成長をしていく皆さんの姿を目の当たりにし、改めて「教育」の素晴らしさを実感することができました。
 元々砂漠地帯の近くに住んでいたこともあり、日本はとても緑が豊かで、特に丹後は海の幸も山の幸も豊富にある素晴らしい町だと思いました。また、街並みも家もコンパクトであるものの、その分人と人の距離が近く、みんな温かく優しい人達ばかりだと感じました。3年間、様々なプロジェクトを通して人と人をつなぐ仕事をしてきた中で、私自身なかなかできない貴重な体験をたくさんさせていただきました。丹後はまさに「掘れば掘るほど宝が出てくる」、そんな魅力いっぱいの町だと感じています。
 私はこの4月から引き続き日本で、今度は教育の側ではなく企業の側から、主に農業を中心にした地域創生の仕事に従事する予定です。この丹後で学んだ知識や経験を生かし、さらなるキャリアアップを目指し、将来は日本に永住したいと考えています。
 生徒の皆さん、自分の興味や関心のある分野からでいいので、高校生のうちから地方創生に積極的に携わってほしいです。これからはZ世代である皆さんが、地方を、そして日本を担っていきます。これまで皆さんの成長を支え、日本をリードしてくれた年配の方々に恩返しをするつもりで、自分の持っている才能を最大限に発揮しながら、地方やこの日本を大きく盛り上げていってください。期待しています。
 私は丹後が大好きです。丹後に来て本当に良かったです。この3年間は私にとって一生の思い出です。本当にありがとうございました。

...私達以上に日本や丹後を愛し、日本人の心の持ち主であると、私は李さんを取材して強く感じました。次なる使命の場所でさらに活躍されることを心より祈っています。李さん、これからも頑張ってください!また会う日まで、再見(ザァイ・ジェン)!
              

(取材・文 安達卓能)

 

   人材はいつもここから旅立っていく

 全国商業高等学校協会が実施する各種検定において、3種目以上1級合格者が本校で8名表彰されました。代表の2名の生徒に高校生活を振り返ってもらいました。

【五冠】 ビジネス計算実務・簿記実務・ビジネス文書実務・情報処理・商業経済
安田和奏さん(3年3組・丹後中)
 様々な資格が取得でき、興味があった地域活性化のための取組ができる点に魅力を感じ、私は早いうちから企画経営科に入学したいと考えていました。
 この3年間はまさに「挑戦」の連続でした。発表が苦手だった私は、高校で自分を変えたいと思い、さらには先生方も背中を押してくださり、イベントでの販売実習やプレゼン発表などに多く挑戦をしました。おかげで発表スキルが大きく上達したと感じています。
 私はこれまで、地域活性化における改善や発展の案を行動に結びつけるという「企画実践力」を培ってきました。将来は、人と地域をつなぐコーディネーターとして、地元丹後に戻って地域貢献に携わっていきたいです。そのためにも、大学で地域社会についてさらに深く学んでいきたいです。
 後輩の皆さん、ビジネスの仕組みや経済について学ぶことができ、普通ではなかなかできない様々な経験や体験ができるのが企画経営科です。自分の中の「好奇心」を大切に、これからも思いっきり勉学に励み、自分自身をさらに鍛えていってください。

【四冠】 ビジネス計算実務・簿記実務・情報処理・商業経済
前川凌万さん(3年3組・網野中)
 私は中学生の頃から起業家になりたいという夢がありました。そのために商業のことを早くから学んでおきたいと思い、企画経営科に進学をしました。
 企画経営科では、取組によっては地域の大人の方にこちらからお願いに行くことも多く、元々は人見知りの性格だった私も、この3年間で説明力や交渉力を鍛えることができました。普段からビジネスマナーなど応対の仕方も学んでいたので、それも生かすことができたのだと思います。
 私は卒業後に短大に進学してより深く経済や経営について学びます。さらに将来は地元京丹後に帰り、伝統産業を活かした会社を起業したいと考えています。
 後輩の皆さん、同世代に限らず、大人の方々に対しても、自分を出して積極的に当たっていきましょう。勇気も要るし失敗することがあるかもしれませんが、それは立派な「経験」です。それを重ねていけば学校生活が充実し、チャンスだって掴むことができ、自分に自信がついていきます。頑張ってください。

...こんな風に苦手や弱点、不得意を抱えていた生徒達が、3年間で見違えるほどに成長し、求められる人材として各分野へ今年も数多く旅立っていきました。頑張れ緑風卒業生!
           

   (取材・文 安達卓能)


 

琴線に「びんびん」触れた今年の美書展

 2月17日・18日に開催された第51回美術書道作品展において、芸術の各授業で取り組んだ作品を出品・披露した3名の代表に話を聞きました。

吉岡莉緒さん(2年1組・峰山中)
 書道の授業で、私は木に留まっている烏の水墨画を描きました。墨を水で薄めて黒や灰色の濃淡で立体感を出し、小筆の先や腹を使い、滲ませ方も工夫しながら描きました。完成した作品を書道の先生が褒めてくれたときには嬉しかったです。書道については小学生から習っていましたが、水墨画ははじめての挑戦でした。それでも、いろいろな人からたくさん好評を頂き、大きな自信になりました。書道はとても好きなので、自分が納得し、たくさんの人に認められる作品をこれからも書き続けていきたいです。

伊達宗茂さん(1年2組・大宮中)
 イタリア歌曲の「カーロ・ミオ・ベン」を独唱しました。文化祭でも歌いましたが、周りからリクエストがあったのと、私もせっかくならもう一度挑戦しようと思って歌いました。前回とは違い、今回はマイクなしの発声で歌わなければならず、愛する人を想う切ない思いをどうやって観衆に響かせるかが特に難しかったです。歌い終わった後で「良かったよ」と、友人だけでなく見ず知らずの方からも声を掛けて頂き、本当に嬉しかったです。この経験を通して、これからも様々なことに勇気を持って挑戦していきたいです。

今井大聖さん(3年1組・丹後中)
 私は初めてのスプレー・アートで太陽系の8つの惑星をそれぞれ作成しました。惑星ごとの特徴を調べ、参考動画を観ながら6色のスプレー缶を駆使して作っていきました。吹きかける順番に気をつけたり力加減を変えながら、時には削ったり伸ばしたりしてそれぞれの星を表現していきました。先生や両親は私の作品を観て感動してくれました。最後の卒業制作の作品をこんな風に高く評価をしてくれて、とても嬉しかったです。美術の授業で磨いた発想力や表現力を、大学進学後や将来の進路でぜひ生かしていきたいです。

...物事に感動する心を琴の弦に例えて、良いものや素晴らしいモノに触れて感銘を受けることを「心の琴線に触れる」と言います。今年も多くの来場者の心の琴線に「びんびん」と触れた最高の美書展となりました。
              

(取材・文 安達卓能)

 

   表彰は「頑張った後についてきたもの」

 教育長表彰の受賞者が確定し、本校企画経営科からは過去最高の17名が選ばれました。代表の2人に喜びの声を聞くと同時に、3年間の高校生活を振り返ってもらいました。

本井晴大さん(3年3組・網野中)
 受賞のラインには早い段階から達していましたが、取るならもっと高いレベルで受賞したいと思いひたすら勉強に励みました。私は得意の簿記だけで全ポイントの半分を獲得することができました。特に難関の日商簿記2級試験に関しては、試験の3箇月以上前から取り組み、いつ試験があっても合格できるというところまで仕上げて臨みました。
 私は中学校までは勉強に対してそこまで意欲的ではありませんでした。しかし、企画経営科に入学後、簿記など熱中できる専門科目に出会えて、そこから他の教科に対しても挑戦してやろうと力を入れるようになり、勉強に対する意識や姿勢が大きく変わりました。今後は簿記をさらに究め、日商簿記1級を獲り、将来は公認会計士を目指すつもりです。
 先生方は私に様々な挑戦を促し、私に進むべき将来の道を示してくださいました。本当に感謝しています。
 私は常に、高校では「一番になるんだ」という思いで勉強をしてきました。この思いはこれからも絶やさず、自分の夢に向かって勉強にさらに熱を入れていきます。

小森知己さん(3年3組・網野中)
 私は受賞そのものよりも、目の前の一つ一つの検定やプレゼンテーションにこれまで真剣に取り組んできた努力の結果が評価されたことが嬉しかったです。
 私は陸上競技部の活動や練習を3年間最後までやり抜きました。時にはいったん練習を切り上げて検定の勉強をし、終わってからまた部活動に戻ることもありました。苦しいこともありましたが、最後まで勉強と部活の両立に挑戦をしました。
 企画経営科では授業や実習を通して、社会に役立つ様々なことを学びました。そして「情報処理」という私の得意な分野を見つけることができました。卒業後は進学をして、プログラミングを含めた様々な専門的な資格をたくさん獲り、将来はIT関係の仕事に就き、システムエンジニアとして活躍したいです。
 これまで支えてくれた先生方や両親はもちろん、共に競い合い、時には楽しく教えあったクラスの仲間には本当に感謝しています。将来挫折しそうになっても、高校時代にこうして乗り越えてきたことを思い出し、自分ならできると信じて頑張っていきます。

...本井さんについては、文部科学省後援秘書技能検定2級試験において成績上位わずか0.3%に入り、「日本秘書クラブ会長賞」に輝くという本校初の快挙も達成しました。
 この教育長表彰は、「一番を目指そう」、「文武両道を貫こう」という彼らの強い信念とこの3年間の「頑張り」の証しに他なりません。皆さん、本当におめでとう。
            

 (取材・文 安達卓能)


 

例えばこんな「サクセス・ストーリー」

 第1回全国商業高校 Web アプリコンテストにおいて見事グランプリ(最優秀賞)に輝いた企画経営科3年3組の代表3名に喜びの声を聞きました。

 【グランプリ】
 「恐丹後お化けマップ」 恐丹後お化けマップ制作チーム

中垣俊介さん(3年3組・網野中)
 私はプログラミングとアプリ紹介動画の撮影を担当しました。プログラミングでは1文字ずつ確認しながらバグの原因を探すところが大変でした。また、どうすれば使いやすいアプリにできるかというところにこだわりました。私は卒業後、プログラミングを本格的に学びます。先生方が私の将来の夢を後押ししてくれ、私にプログラミングをする機会を多く与えてくださり、こうして成長することができました。本当に感謝しています。

入江 蓮さん(3年3組・網野中)
 私は撮影した動画を加工したり、音声や文字を動画に載せるなどの編集を担当しました。見やすくなるようにみんなで連携しながら作業を進めていきました。グランプリを頂いたと聞いてとてもびっくりしました。高校入学前は人前で話すことがとても苦手でしたが、企画経営科では全国高等学校生徒商業研究発表大会など人前で話す機会を多く頂き、大きく成長をすることができました。建築の道に進学しますが、ここで得た経験を誇りに、さらに頑張っていきます。

河井天真さん(3年3組・網野中)
 私はイラストをデザインしたり、紹介動画に出演してアプリの説明をしました。高校最後で、丹後緑風高校が初代グランプリという栄誉に輝き本当に良かったです。私は中学までは勉強が苦手でしたが、高校に入って簿記などの専門科目に出会い、自分の得意を見つけることができました。将来は税理士を目指してさらに勉強を頑張っていきます。迷惑ばかりかけてきましたが、ここまで成長することができたのも先生方のおかげです。本当にありがとうございました。

...入学前は勉強が苦手だった生徒達が、この3年で成長をし、最後は日本一を掴んだというサクセス・ストーリー。企画経営科にはこんな物語がまだまだたくさんあります。
             

 (取材・文 安達卓能)

 

  「行きたい」と心から思える学校に

 承認式を経て、新たな生徒会役員が任命を受けました。新生徒会長・副会長の二人にそれぞれ抱負を語ってもらいました。

【生徒会長】 中山惠太さん(2年1組・峰山中)
 一人の生徒としてだけでなく生徒会役員の一員として、生徒のため、学校のために何か貢献したい、さらにはその活動の中で自分自身がもっと成長していきたいと強く思い、生徒会長に立候補しました。
 昨年はコロナによる規制が緩和され、コロナ前に近い学校行事を開催することができた一方、他学年との直接の交流が少なかったと感じました。そういう課題を含めて生徒会執行部のメンバーとも相談しながら、これまでとは違う「変化」を起こして、生徒みんなが心から「学校に行きたい」と思ってもらえるような取組を提案し実現させたいです。
 私は執行部のメンバーはもちろん、生徒の皆さんや先生方と積極的に話したり、交流を深めていきたいと考えています。互いをよく知り良好な関係を築いていく中で、新しいアイデアが生まれたり、進むべき方向が見えてくるものだと思っています。
 生徒の皆さん、生徒会長は初めての経験であり、私自身非力ではありますが、託された任務は必ず全うします。新しい生徒会役員で学校生活をよりよいものにしていきますので、皆さんの御協力をお願いします。

【副会長】 上羽柚夕さん(2年3組・丹後中)
 私はこれまで、学校生活が今よりもっと楽しいものだったらいいなと思っていました。それを実現するためには自分自身が生徒会役員になって、私達自身が中心となって変えていくのが一番の近道だと思い、副会長に手を挙げました。
 私は年間の全校行事を、クラス単位だけでなく、学年を超えたいくつかの連合チームを組んで競い合うやり方があってもいいと思っています。例えば、連合ごとにTシャツやはちまき、旗などのカラーを統一して作成し、「縦のつながり」をこれまで以上に強く築いていくことで、上下の交流が増えて学校がもっと明るくなるのではと考えています。もちろん、網高からの良き伝統もしっかりと引き継いでいくつもりです。
 私はこれまで人を引っ張ったり、人をつなぐ役割を率先して行動してきました。それをこの生徒会活動にさらに生かしていきたいと考えています。また、生徒会執行部だけが一人歩きをするのではなく、全校生徒や先生方とコミュニケーションを活発にとって意見を出し合ってさらにいい学校を作っていきたいです。皆さんが楽しく学校生活を送ることができるように私達も頑張りますので、これからも一緒に盛り上げていきましょう。

...いつの日も学校の「主役」は生徒の皆さんです。生徒会新執行部とともに、皆さん自身の手で新しい網野学舎の1ページを綴ってください。
             

 (取材・文 安達卓能)


 

   知識を得、さらに深めた修学旅行

 12月5日から8日にかけて、2年生が九州を縦断する修学旅行に行きました。代表して2組の実行委員の内海さんに、旅行を終えた感想を聞きました。

内海美鈴さん(2年2組・久美浜中)
 私は、高校生活の一大イベントである修学旅行を楽しいものにするために積極的に携わりたいと思い、実行委員に手を挙げました。私は「楽しみ半分」、一方ではトラブルが起きないかと「不安半分」という気持ちで当日を迎えました。
 実行委員としては、一日目の鹿児島・知覧特攻平和会館で講話をされた語り部の方に対し、生徒の代表として謝辞を述べました。普通に生活している中ではなかなか知ることができない「特攻」に関する貴重な講話を聞くことができたと同時に、戦争を体験していない私達でも、この悲惨な記憶を風化させないように行動し、伝えていくことが大切なんだと学びました。感謝の思いと決意を込めてお礼の挨拶をしました。
 すべての行程で初めての体験や新たな知識を得ることができ、また、クラスメイトとより一層交流を深めることができました。私にとっては最高の四日間となりました。
 私の夢は高校教師になることです。この修学旅行では様々な体験の中でこれまでの知識をより深めることができただけでなく、新たな知識も得ることができました。今後も様々な学びから知識を積極的に吸収し、将来の夢につなげていきたいです。

...普段の学校生活ではなかなか味わえない体験や経験ができ、生徒達にとっては大満足の修学旅行になったようです。
             

(取材・文 安達卓能)

 

「一番」になるために自ら選んだ「孤高の道」

 今夏のインターハイで見事優勝し、卒業後同志社大学に進学することが決まった体操部のエース谷口さんに、高校三年間の体操生活を振り返ってもらいました。

◆令和5年度全国高等学校総合体育大会新体操大会(8月13~14日・北海道札幌市)
  個人競技選手権 【総合優勝】

谷口央弥さん(3年2組・網野中)
 私は小学5年生の冬にジュニアの体操クラブに体験入部をし、そこで新体操の楽しさを知りました。以来、中学校では器械体操を、ジュニアクラブでは新体操を続け、その頃から高校、そして大学と新体操に専念することを決めました。
 新体操は記録を競ったり相手と対戦する他の競技とは違い、人による評価で決まります。どうしたら評価されるか、どんな演技をすれば勝てるか、正解のない答えを常に探して孤独に自分と向き合って技術を究めていく特殊なスポーツです。もちろん友達と楽しく過ごす時間も大切ですが、いざマットの上に上ると練習も競技も自己管理も、すべて一人で行っていくため、私にとって孤独は大切な時間です。
 高校に入学してからは2年後の高3の夏のインターハイで優勝することを目指して、すべてを逆算して進めていきました。高1の冬、私は全国選抜大会で初めて入賞することができました。それまでまったく無名だった私の演技を、大きな舞台で多くの人に見ていただき、評価をしていただいたことは私にとって大きな自信になりました。
 そして目標にしていた今年の夏のインターハイ。夏休みに入ってからは生活のすべてを体操に注ぎました。常に最高の演技をしている自分をイメージし、顧問の先生にも協力してもらって時間の管理、食事の管理など、すべてを万全の状態で臨めるように自分自身を追い込んでいきました。現地に入ってからも自分が一番だと信じて、それ以外は何も考えずに直前練習に臨みました。
 そして本番は優勝するために選んだ難しい演技と構成で臨みました。いつも一緒に戦ってきたライバル達の目の前で、練習以上の最高の演技を披露することができました。得点が出た後の顧問の先生方の歓喜の表情、観に来てくれた両親の涙、そして夢にまで見た表彰台の一番高いところからの景色は一生忘れることはありません。
 その後、全日本選手権大会に選出されたものの、日程が大学入試と重なってしまいました。入試に専念するために大会を欠場をする選択肢もありましたが、高校最後の試合であること、選ばれた者しか出場できない大会であること、来年以降の飛躍を決意する意味を込めて2日間のうちの初日だけ出場し、翌日の試合は辞退をして入試に向かいました。入試では自分自身がこれまでやってきたことや思いを全力でぶつけました。合格が決まった時は嬉しかったですしほっとしましたが、すぐに「いよいよこれからだ」と気を引き締めました。
 将来は新体操で多くの人に応援される選手、人の心を動かす演技で記憶に残る選手になりたいです。さらに引退後は、まだまだマイナースポーツであるこの新体操という競技を、様々な形で世の中に普及させる活動に携わっていきたいと考えています。そのためにもまずは来年度の全日本選手権に再び出場し、今度は決勝の上位8位以内に入ることを目指します。これからも頑張っていきますので、皆さん応援をよろしくお願いします。

...新体操という「一剣」を磨き抜いてきた谷口さんの言葉は、高校生にして、すでにプロアスリートの資質をたたえていました。これからも活躍を大いに期待しています。
             

 (取材・文 安達卓能)

 

未来へ伝えよう 丹後の魅力を

 11月9日に開催した第17回丹後活性化プレゼンテーション大会において、丹後活性化案を発表した企画経営科3年生の代表2名にインタビューをしました。

「未来へ伝える丹後の魅力」
森真帆呂さん(3年3組・網野中)
 私達は京丹後市の魅力を同世代の若者にたくさん知ってもらい、それを伝え、将来的には観光客誘致と少子高齢化の抑制につなげるという活動をテーマに研究をしました。
 夏には実際に京都市内の大学生に対してガイドツアーを行いました。初めての経験で不安や緊張もありましたが、何度も練習をしてガイドに臨みました。その結果、大学生の方々からは「また来てみたい」、「丹後に将来住んでみたい」と嬉しい評価をいただき、私達も最後まで楽しくガイドをすることができました。
 今年度のプレゼン大会は完全な形での開催としては4年ぶりでした。また、活性化案発表のトップバッターでもあったので、前例を知らない私達は不安と緊張の中、準備した研究成果を発表しました。途中、ミスも少し出てしまいましたが、終始落ち着いて話すことができましたし、何より自分達らしい雰囲気で「聴衆を巻き込んだプレゼンテーション」をすることができ、終わった後は達成感でいっぱいでした。様々な方にたくさん支えられてこのような貴重な経験をさせていただき、本当に感謝しています。
 私は4月から大学へ進学し語学を学び、将来は観光業界で活躍したいと考えています。これまで企画経営科で身につけたコミュニケーション能力や課題解決力を武器に、さらには大学で語学力も身につけて、ますますキャリアアップを図っていきたいです。

「PPで地域活性化」
嶋津渚さん(3年3組・峰山中)
 私達のグループは、昨年度の先輩方が研究されたプレシャス・プラスチック(PP)という海洋プラスチックゴミの再利用をテーマに引き続き研究しました。
 私達は地元企業様の協力の下、キーホルダーを商品開発しました。作ったのは京丹後市公認のゆるキャラ「コッペちゃん」と、浦島伝説から発想を得たカメの絵が入ったキーホルダーでした。自分でカスタマイズできるという工夫も取り入れました。
 商品は実際に10月末の丹後万博で販売をしました。年齢問わず多くのお客様に手に取っていただきました。これらがペットボトルのキャップを粉砕してできたものだと説明すると、みんな関心を持って聞いてくださり、反応も売れ行きもとても好調でした。
 プレゼン大会ではこれらの経験を発表しました。緊張しましたが、後半につれてそれもなくなり、最後はみんな堂々と発表することができたと思います。終わった後は自分達が一年間研究してきた成果を思う存分発表できて大きな達成感がありましたし、協力しながら一緒にやってきたグループのメンバーに対して感謝の思いがこみ上げてきました。
 私は卒業後短大に進学し、経済を中心に学びます。これまで学んできた商業科目の内容を深めていくことはもちろん、培ってきたプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を短大でさらに磨き、将来は金融関係の仕事に就きたいです。

...本大会は企画経営科3年生にとって「高校三年間の集大成」を披露する最高の舞台であり、「人材」はここから羽ばたきます。企画経営科の皆さん、これからも丹後の魅力を未来へ伝え続けていってください。
             

 (取材・文 安達卓能)


 

   「幸せ」を願うなら「困難」に立ち向かおう

 10月10日から3週間、母校での教育実習を終えた堀江健太さんに、教員を目指そうと思ったきっかけや実習で感じたこと、生徒の皆さんへのメッセージを聞きました。

堀江健太さん(関西大学政策創造学部出身)


私は9年前に網野高校を卒業し、大学を出た後は社会人として民間企業に勤務しました。しかし、「自分にとって『本当の幸せ』とは何か。」と考えるようになり、「多くの人によい影響をもたらす人間になること」が自分にとって幸せなことだと気づき、仕事をしながら教師になるための勉強を開始しました。
 初日のホームルームは緊張しました。しかし、自分の夢見ていた光景がすぐ目の前にあり、また、勉強した成果がようやく出せると思い、緊張よりも「教壇に立てる喜び」の方が勝っていました。同時に、生徒が進路を考える上でも、私のような異色の経歴であっても、いま教員に挑戦している姿を見て何かを感じてもらえたら嬉しいと思いました。
 実習では指導教官の先生を始め、国語科の先生方から教科指導のあり方や指導の方法などを一から学ばせていただきました。また、学級運営や部活動指導などについても多くの先生方からたくさんのことを教えていただきました。今回の教育実習で学んだすべてのことを自分の財産にして、少し遠回りをしたからこそ、「楽しくて、自由で、人間的な魅力を兼ね備えた唯一無二の教師」になっていきたいですし、そうなることがお世話になった先生方への「恩返し」だと思っています。
 生徒の皆さん。今より「もっと高校生活を楽しくしたい」、「もっと幸せになりたい」と願うのであれば、勉強でも部活動でも、いま自分にとってしんどいことや面倒なことに果敢に挑戦してみてください。乗り越えた先には、願っていた楽しい未来や幸せな人生がきっと待っているはずです。私も頑張りますので、皆さんも頑張ってください。
 3週間、本当にありがとうございました。

...座右の銘は「二兎追う者だけが二兎を得る」。無限の可能性を秘めているからこそ、勉強も部活動も趣味も恋愛も「全力でやってやろう」と貪欲であってほしいと、最後に生徒の皆さんにメッセージをもらいました。堀江さん、これからも頑張ってください!
         

     (取材・文 安達卓能)


 

   「再挑戦」で掴んだ「初の日本一」

 10月14日・15日に、静岡県にて開催された「全日本女子オープン」U17の部において、全国の舞台で自身初の優勝を手にしたレスリング部の竹元さんにインタビューをしました。

フォーデイズ杯 令和5年度第16回全日本女子オープン U17の部 61kg級
【優勝】 竹元紫凛さん(2年1組・広島市立翠町中)
 私はもともとラグビーや陸上など運動がとても好きです。レスリングは小学2年生から始め、中学3年の全国中学選抜大会と今年のインターハイで準優勝をしたのがこれまでの最高成績でした。
 これまでレスリングの合宿で網野に何度も来ていた私は、「自分が強くなるにはここしかない」と思い、丹後緑風高校に入学しました。
 この夏のインターハイは準優勝でした。強いと有名な選手を相手に決勝で互角に戦うことができて自信が付いた反面、僅か1点差で負けてしまいとても悔しかったです。
 だからこそ今大会は、決勝で同じ相手に絶対再挑戦したいと心を燃やして臨み、どこまでも「挑戦者」だという気持ちを忘れずに戦いきりました。激闘の末、同点でしたがラストポイントを奪った私が、今度は僅かの差で優勝を勝ち取ることができました。私にとっては生まれて初めての「日本一」だったのでとても嬉しかったです。
 大学生とも当たる来年4月のクイーンズカップ、そして最高学年で迎える8月のインターハイを見据えて、この冬は今以上に力も技術もスピードも鍛えていきたいです。

...インターハイでの借りを、今大会で見事に返してみせた竹元さん。初の日本一という栄光にも驕ることなく、どこまでも「挑戦者」としての気概でさらなる前進を!
            

 (取材・文 安達卓能)


 

   「書」や「絵」や「所作」で「心」を表現

 9月30日・10月1日に網野体育センターで開催された丹後文化祭典に出品をした文化系部活動の代表の3名に話を聞きました。

書道部 中江恋歌さん(1年2組・丹後中)
 私は中国の書家・張瑞図の書を2×8のサイズに臨書しました。はじめての古典の草書作品だったので、書の特徴をしっかり真似て書くことを意識しました。特に、字の大小や墨の濃淡、流れや勢いをつけるところに苦労をしましたが、練習を重ねていくうちに表現の幅を広げることができました。当日はたくさんの方々に私達の作品を見ていただきました。批評会では先生方から良かったところや今後改善を加えた方がいい点、例えば一番目立つ中央の箇所は鋭く書くなど「見せ場」をつくるとさらに良いと助言をいただきました。次に控える京都総合文化祭典ではさらに改善を加えてもう一度同じ書で出品を目指します。

茶道部 松田百花さん(2年1組・峰山中)
 茶道部は呈茶でおもてなしをしました。今回私は水屋と半東というお点前をサポートする役割に回りました。水屋としてはお茶を点てるときに立つ泡をいかに美味しく見せるかに心を砕き、半東としては台詞を予め覚えてお客様にお茶やお菓子、生け花などの説明をしました。私以外の立礼(りゅうれい)の点前に当たった部員は作法を何度も練習して覚えてこの日を迎えました。当日は本当に多くの方にお茶とお菓子を召し上がっていただきました。来てくれた友達が「美味しかったよ」と声を掛けてくれて本当に嬉しかったです。これからも、来ていただいた方にくつろぎと憩いの時間を過ごしていただける呈茶を目指します。

美術部 中山優輝さん(3年2組・峰山中)
 美術部は油絵とアクリル画映像作品を出展しました。今回の私の油絵作品のコンセプトは「中途半端」でした。気持ちを受験に切り替えていかなければならない憂鬱感や、部活動引退を前にした悲しみで何もかもなかなか手に付かない心の「負」の部分を表現しました。他校の生徒の作品などと比べて、私はもう少し細かいところも丁寧に描かなければいけなかったなと最後に反省しました。しかし、先生方の講評を真剣にメモを取って聞いている後輩達の頼もしい姿を見て、私は彼女たちに安心して部を任せられると心から感じました。

...「書」や「絵」や「所作」を通して自分の「心」を表現するのが芸術です。文化系部活動の皆さん、技術と心をますます磨いて、これからも素晴らしい作品を生み出していってください。
            

  (取材・文 安達卓能)


 

「挑戦」に「得手不得手」は関係ない

 9月30日(土)に龍谷大学深草キャンパスにて開催された「2023年度全国高等学校ビブリオバトル京都府大会」に出場した2年生の二人に話を聞きました。

【準優勝】 
大垣柚斗さん(2年3組・弥栄中)
~背筋 著 「近畿地方のある場所について」
 紹介したのは、「友人が行方不明になったので、情報をお持ちの方は連絡ください。」という出だしで始まるホラーミステリーでした。ホラー好きな私でさえもこの作品は最高に怖かったですし、怖いもの見たさで皆さんにも興味を持ってもらえると思い選びました。
 校内でのビブリオバトルは昨年に続き二年連続で優勝をすることができました。もっと自分の力を試したいと思い、私は京都府大会にエントリーをしました。
 大会ではグループ予選を勝ち抜いたものの、決勝戦は想像以上にレベルが高く、まるで演劇を観ているのかと思うほど圧倒されました。最後の番だった私は少し焦りが出てしまい、結果は準優勝でした。嬉しかったですし自信が付いたと思う反面、優勝を逃してやはり悔しかったです。この経験を、今後の企画経営科の様々なプレゼンテーションに生かしていきたいです。

田茂井伶奈さん(2年1組・網野中)
~佐野徹夜 著 「君は月夜に光り輝く」
 紹介したのは切ない恋愛小説でした。素敵な表紙と内容の良さに惹かれ、みんなにもぜひ読んでもらいたいと思って選びました。
 私は人前で話すことは得意な方ではありません。ですからクラス予選や学年の決勝戦に向けては、予め書いた原稿を何度も練習をして発表に臨みました。決勝の後、先生から発表を褒めていただき、京都府大会への挑戦を勧められました。一度はためらいましたが、「こんなチャンスはなかなかないしチャレンジしてみては。」、と母に背中を押され、私は勇気を出して出場を決めました。
 残念ながら大会では緊張のあまり力を十分に出せず悔しさが残りました。それでも、多くの大人の方の前で自分なりに一生懸命発表をしたという経験は初めてでしたし、挑戦をしたことに悔いはありません。またこういう機会があれば、今度は自信を持って発表できるように頑張りたいです。

...「得手不得手」や「出来不出来」は関係ありません。自己を磨こうと果敢に「挑戦」しようとする人こそが、すでに人生における「勝者」なのではないでしょうか。
              

(取材・文 安達卓能)

 
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