網野学舎

   丹後は掘れば掘るほど宝の出る町

 令和3年度より3年間、京丹後市の地域コーディネーターとしてお世話になった李さんに、本校での思い出や将来の抱負、そしてお別れの挨拶の言葉を頂きました。

李 瓊瑞(リ・ケイズイ)さん
 私は中国の青海省で生まれました。日本のアニメが大好きで、中学生の頃から独学で日本語を学びました。大学時代に交換留学生として来日し、そのまま京都の大学院に進学し、土地利用、農村開発や観光、地域創生などについて学びました。仕事をするならこれまで学んできたことを生かしたいと思い、3年前に縁あって京丹後市に移り、地域コーディネーターの仕事を頂いて丹後緑風高校に着任しました。
 網野学舎の生徒は礼儀正しく、控え目で、いい子達ばかりだというのが第一印象でした。少しずつ互いを知るにつれ、一人一人素晴らしい個性を持ち、学業も部活動もすべて最後までやり抜こうとする信念と根性の強さがあると知り、とても感動しました。
 私はこれまで、企画経営科の課題研究や普通科の総合的な探究の授業などに携わらせていただきました。思い出はたくさんあって尽きないのですが、生徒の皆さんと共に学び、時には一緒に悩み、時には一緒にはしゃいだ中で、どんどん成長をしていく皆さんの姿を目の当たりにし、改めて「教育」の素晴らしさを実感することができました。
 元々砂漠地帯の近くに住んでいたこともあり、日本はとても緑が豊かで、特に丹後は海の幸も山の幸も豊富にある素晴らしい町だと思いました。また、街並みも家もコンパクトであるものの、その分人と人の距離が近く、みんな温かく優しい人達ばかりだと感じました。3年間、様々なプロジェクトを通して人と人をつなぐ仕事をしてきた中で、私自身なかなかできない貴重な体験をたくさんさせていただきました。丹後はまさに「掘れば掘るほど宝が出てくる」、そんな魅力いっぱいの町だと感じています。
 私はこの4月から引き続き日本で、今度は教育の側ではなく企業の側から、主に農業を中心にした地域創生の仕事に従事する予定です。この丹後で学んだ知識や経験を生かし、さらなるキャリアアップを目指し、将来は日本に永住したいと考えています。
 生徒の皆さん、自分の興味や関心のある分野からでいいので、高校生のうちから地方創生に積極的に携わってほしいです。これからはZ世代である皆さんが、地方を、そして日本を担っていきます。これまで皆さんの成長を支え、日本をリードしてくれた年配の方々に恩返しをするつもりで、自分の持っている才能を最大限に発揮しながら、地方やこの日本を大きく盛り上げていってください。期待しています。
 私は丹後が大好きです。丹後に来て本当に良かったです。この3年間は私にとって一生の思い出です。本当にありがとうございました。

...私達以上に日本や丹後を愛し、日本人の心の持ち主であると、私は李さんを取材して強く感じました。次なる使命の場所でさらに活躍されることを心より祈っています。李さん、これからも頑張ってください!また会う日まで、再見(ザァイ・ジェン)!
              

(取材・文 安達卓能)

 
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