網野学舎

   演劇とは「主体的で対話的な深い学び」

 9月6日の文化祭1日目で演劇を行った2年生各クラスの代表にインタビューをしました。

和田祐夏さん(2年1組・網野中)
 私は実行委員として、どうすればみんながやる気を保って取組に臨めるかがポイントだと考えていました。時にはグループに分かれて練習し、休憩を取る間も次の打ち合わせをするなど、すべての取組の時間をしっかり工夫して過ごすことを意識しました。
 順番は私達が学年発表のトップバッターだったのでみんな本当に緊張していましたが、開演前に円陣を組んで頑張ろうと掛け声をあげて心を一つにして臨みました。途中で台詞が少し飛んでしまっても、みんなでカバーし合って乗り切ることが出来ました。最後まで緊張に負けずにみんな落ち着いて演じることができたと思います。
 終了後はクラスのみんながやり切ったという笑顔になっていました。私を含めみんな大きな達成感を得ることができたので、実行委員として本当に嬉しかったです。惜しくも最優秀賞を逃しましたが、クラスから最優秀主演賞が出たのでみんなで喜び合いました。
 この文化祭では短期間でも演劇を仕上げるんだという「諦めない心」と、そのためにみんなで励まし合い協力し合う「助け合うことの大切さ」の2つを学びました。今後このクラスが変わることはないので、卒業までの行事や取組、来年にある進路決定まで今回で学んだことをみんなで生かして進んでいきたいです。

山内朱音さん(2年2組・網野中)
 私は今回の演劇で音響と黒子を担当しましたが、同時にそれぞれの役割に対して助言や援助をするサポーターという役目を頂き、裏方で劇を支えることに努めました。
 原作は世界的に有名なCGアニメですが、短い取組期間の中、そのCGの世界観を少しでもリアルに再現したいと様々な工夫や演出を試みました。しかし、日が近くなっても演技の質は完成には程遠く、また欲しいものと作っているものが違っていたりと、全体的にちぐはぐな状態に陥っていました。そこでみんな集まってもう一度しっかりと話し合い、向かうべき方向をみんなで確認し合いました。
 それでも前日リハーサルになってもまだ完成しておらず、また突然の台詞の変更などもあって、まさに劇は本番一発勝負という不安いっぱいの状態でした。ところが予想を超えてみんな最高のパフォーマンスをしてくれて、最後の本番が今までで一番いい舞台になりました。もちろん私も本番は音響と黒子と忙しく立ち回りました。
 結果は最優秀賞と最優秀舞台装置賞を頂きました。本当に嬉しかったですし、クラスのみんなには感謝しかありません。
 演劇は演者、衣装、照明、音響など複数の要素が合わさって一つの作品になります。サポーターの仕事を通して、すべての人とコミュニケーションを取ることが大切だと気付きました。これを機に普段から積極的にコミュニケーションを心掛けていこうと思います。

上羽柚夕さん(2年3組・丹後中)
 私達は今回国民的アニメを題材に演劇をし、性格が似ているところもあってか、私は天真爛漫な主人公の役に挑戦しました。
 取組では少ない人数の中みんなで役割を分担してそれぞれで仕事を進めました。私は演者だけでなく動画の撮影にも回りました。私達のクラスは昨年の文化祭以降距離がぐっと近くなり、みんな協力的で、いざとなったら積極的に手伝ってくれましたし、みんなそれぞれ使命感を持って自分の仕事に当たってくれました。
 私達の演劇はお笑いの要素をふんだんに入れたものでした。途中で演者の何人かがアドリブを入れてくるし、私は最初から最後までハラハラドキドキしながら演じました。観客もとても楽しんでくれましたし、クラスのみんなも楽しく笑顔で演じきることができ、終わってみれば内容も出来も最高の舞台だったと達成感でいっぱいでした。残念ながら賞は取れませんでしたが、次の体育祭を、そして来年のダンスをすでに見据えています。
 私はこの文化祭を通してメリハリを持つことの大切さを学びました。クラスの仲が良い反面、誰かに甘えたり誰かの言動に流されてしまうことがありました。やるときはやる、休むときはしっかり休むとスイッチを切り替えて、これからも企画経営科の取組や検定試験・資格取得の勉強に臨んでいきたいです。

...経験も手本もほとんどない中、2年生は主体的に考え、仲間と対話を重ねて4年ぶりの演劇を見事に復活させました。手にしたのは達成感だけでなく「人間的成長」もあったのではないでしょうか。
              

(取材・文 安達卓能)

 
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