5月7日(木)・8日(金)の2日間、自然科学科1年生を対象にスーパーサイエンスキャンプを実施しました。
初日の午前は、スーパーコンピュータ「富岳」を訪問しました。スーパーコンピュータを活用した研究や次世代機「富岳NEXT」について学び、生徒たちは予定時間を超えるほど活発に質問をしていました。
午後は、SPring-8を訪問し施設見学を行いました。当日はSPring-8とSACLAが停止期間中であったため、通常は入ることのできない場所も見学させていただき、大変貴重な経験となりました。また、研究員の方より、ご自身の研究内容やこれまでのキャリアについて講演していただきました。
夜は西はりま天文台を訪問し、元素の起源や星の一生について講演を聞きました。さらに、一般公開されている望遠鏡としては世界最大級を誇る「なゆた望遠鏡」を見学しました。当日は曇り予報でしたが、観望会の時間には雲が切れ、「なゆた望遠鏡」による天体観測を行うことができました。
2日目は、人と自然の博物館を訪問しました。生物の分類と系統樹について講演を聞き、分類を通して見えてくる生物の進化や、生物を分類することの面白さについて学びました。午後には展示見学も行い、生物学をはじめとした幅広い自然科学について理解を深めました。
今回のキャンプでは、高校生活最初の宿泊学習としてクラスの親睦を深めるとともに、研究者の講演や最先端の研究施設・観測設備に触れることで、教室だけでは得られない多くの学びを経験することができました。この2日間で得た興味や気づきを、今後の3年間の学びや探究活動につなげていってほしいと思います。
4月13日(月)、GS探究Ⅱ(2年生全員)のキックオフイベントを開催しました。
このイベントは、社会課題に向き合って活動されている講師の方々の講演から刺激を受け、生徒たちが探究活動に情熱を持って取り組んでほしいという思いから実施しています。今年度は、3名の講師の方々にご講演いただきました。
尾﨑 史明 様(百姓)
「生きることは、食べることやと思ってる」
百姓として、単なる農家ではなく、さまざまな仕事(百)をこなす中で感じていることや、生きることの魅力・豊かさについてお話しいただきました。また、担い手不足や農地が開発されていく現状への危惧についても語っていただきました。
「みんなにとって、生きるって何なん?」という問いかけは、生徒たちが「生きること」について改めて考えるきっかけになったと思います。
樋口 祥子 様(一般財団法人 立初教育財団 代表理事)
「熊野の地で、AI時代の道先案内人を育てたい」
海外での経験から感じたことや、学校で学んできたこととのギャップ、そこから見えてきた様々な課題についてお話しいただきました。
また、なぜ大学づくりに取り組もうと考えたのか、そのきっかけや仲間とのエピソードも大変印象的でした。
「日本にはどのような課題があるのか?」という問いを通して、生徒たちは自分たちが暮らしている日本について改めて考える機会となりました。
久保田 雅彦 様(キラメキノ未来株式会社 代表取締役)
「キラメキノトリをやっています、久保田です」
高校生や教員にも人気のラーメン店「キラメキノトリ」を経営されている久保田様から、夢を叶えるまでの様々な経験についてお話しいただきました。ここでしか聞くことのできない貴重なお話ばかりでした。
また、夢を叶えた現在の取り組みとして、ネパールやカンボジアでの学校設立や校舎の寄贈、向日市の放置竹林の保全を目的とした「京都産メンマプロジェクト」、八幡支援学校の生徒と協働したメンマづくりやラーメンの器づくりなど、多岐にわたる活動についてもご紹介いただきました。
「らーめん屋には夢がある」という言葉に、夢を"決断"することについて高校生なりに考える場となりました。
令和8年3月15日~17日、SSH台湾研修旅行として、生徒11名が国立台南第二高級中学を訪問しました。両校は昨年9月よりオンラインで交流を重ね、文化交流に加え、「水」をテーマに水質調査やその要因、水環境の改善について議論してきました。
訪問当日は、ウェルカムセレモニーの後に姉妹校提携を締結し、交流の継続・発展を約束しました。その後、キャンパスツアーや研究発表、ディスカッションを通して、乾季には水不足になりがちな台湾の水事情への理解を深め、自分たちにできることについて考えました。午後には水資源回収施設の見学や海岸でのごみ調査も行いました。
交流の最後には、いつまでも別れを惜しむ様子が見られ、オンラインだけでなく直接会ったことで、深い関係が築かれたことがうかがえました。文化や生活の違いを感じると同時に、共通の興味・関心や悩みを持つ同世代の高校生であることを実感する貴重な機会となりました。
今回の学びを今後の行動や進路選択に生かしていくことを期待しています。なお、本交流の成果は6月に報告会で発表する予定です。
自然科学科1年生は、2月19日・27日に、京都教育大学教授 谷口和成先生を講師としてお招きし、「科学的に考える」とは?と題した高大連携講座を実施しました。
1年生ではこれまでに、ミニ課題研究として仮説を立て、実験・考察を行い、発表するという探究の流れを体験しました。2年生では、1年間をかけて自ら設定したテーマについて本格的な探究を行います。本講座は、そのスタートを前に、あらためて「科学的に考える」とは何かを見つめ直す機会として行われました。
講座では、実習やグループワーク、発表活動を通して、自分たちが行っていることや考え方を振り返りました。理解しているつもりでも十分に実践できていなかった点に気づくなど、多くの学びがありました。
今回の講座で得た気づきを2年の探究活動に生かし、より論理的で深まりのある研究へと発展させていくことを期待しています。
令和8年2月10日(火)、普通科2年生は、令和7年度SSH課題研究発表会としてポスター発表を行いました。
GS探究Ⅱでは、「1年間の探究活動を通して自らのキャリアへの理解を深める」ことを目的に、社会課題と自身の興味・関心を結び付けながら探究活動を進めてきました。
発表会では、全64班が大学の先生方をはじめとする来賓の方々、普通科1年生、保護者の皆様など多くの来場者に向けてポスター発表を行い、活発な質疑応答が展開されました。発表内容からは、高校生ならではの視点や試行錯誤の過程がうかがえ、企業など外部機関と連携した取り組みも見られるなど、多様で意欲的な研究成果が発表されました。
3年次には、この探究活動を踏まえ、自分と社会との関わりを改めて見つめ直す機会を設けています。この探究および発表会で得た学びと経験を糧に、将来、社会の課題に主体的に向き合い、自らの力で行動できる人へと成長していくことを期待しています。
令和8年1月31日(土)、自然科学科2年生が、GS探究Ⅱの授業で1年間取り組んできた探究活動の成果を、京都府総合教育センターにて発表しました。
生徒たちは自ら設定した研究テーマのもと、試行錯誤を重ねながら探究を深めてきました。今年度は、研究内容と社会とのつながりを意識したテーマも多く見られ、一人ひとりが探究の意義を考えながら研究に取り組んできたことがうかがえました。
発表会当日は、お招きした大学の先生をはじめ、自然科学科1年生、保護者の皆様、一般の方々など、多くの来場者に向けて発表を行いました。発表後には多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が展開されました。また、来賓の先生から講評をいただき、そのうち5つの班には奨励賞が授与されました。
2年生は今後、研究内容を論文としてまとめ、3年次には英語ポスターによる発表にも挑戦します。1年生にとっても今回の発表会は大きな刺激となり、自らの探究活動をより充実させていく契機となりました。
<発表タイトル一覧>
1 温室効果ガスとしてのCO2吸着に適した多孔質材料の研究【奨励賞】
2 玉入れにおける戦略 ― 勝敗を分ける個数
3 環境変化に応じたアリの地震予知
4 学習環境の色彩が集中力に及ぼす影響【奨励賞】
5 植物の耳はどこにある〜音が植物に与える影響〜【奨励賞】
6 自然素材で挑む音の制御 〜遮音・吸音の新展開〜
7 京都伏見の恵みからスキンケアを作る-地元発・自然素材パックの開発-
8 日本の川魚における色覚と餌に関連付けた学習
9 液状化に強い新素材"タフソイル"の開発【奨励賞】
10 数学で未来予知~最小二乗法・改~
11 柔軟性と強度を持った繊維の合成に挑む【奨励賞】
12 振り子運動が津波に与える効果を探る!
13 電気制御による液体の形状変化
14 酸性雨が植物の部位ごとに与える影響
15 運転手も乗客も得するバスダイヤ改正
16 耐薬品性プラスチックの耐性低減によるケミカルリサイクルの開発
17 災害時におけるダンボールの有用性 ~低コストでの防音性能の最大化~
18 ジャイロ効果と磁界の理解による物体の浮遊の実現
令和8年1月30日(金)、環太平洋大学次世代教育学部 教授 川村康文先生をお招きし、エネルギーと発電技術について、サボニウス型風力発電機の製作を通して学びました。
授業では、現在利用されているさまざまなエネルギーのメリット・デメリットについて、生徒との対話を交えながら考察し、現代のエネルギー問題を多角的に捉える視点を示していただきました。さらに、サボニウス型風力発電装置の仕組みや特長についてご説明いただいた後、実習を行いました。
実習では、生徒たちが自作したサボニウス型風力発電装置を用いて、ダイオードを点灯させたり、ブザーを鳴らしたりすることに挑戦しました。最終目標のみが提示され、具体的な製作方法は各自で工夫する形式であったため、生徒たちは試行錯誤を重ねながら自分たちのアイデアを形にしていきました。完成後の発表では歓声が上がる場面もあり、大いに盛り上がりました。
今回の講義と実習を通して、エネルギー問題を自分事として捉えるとともに、科学的な原理を実体験と結び付けて理解する貴重な機会となりました。
普通科・自然科学科1年生は、令和8年1月19日(月)に、大阪公立大学教授・大西利和氏を講師としてお招きし、「電波観測で探る星の誕生と銀河の形成」と題した講演会を実施しました。
1年生は「GS自然科学」の授業で宇宙分野を学習していますが、今回の講演を通して、教科書に掲載されているさまざまな現象が、どのような観測や研究の積み重ねによって明らかになってきたのかを理解することができました。また、私たちが目で見ることのできる可視光だけでなく、赤外線などの電磁波を用いて宇宙を観測することで、可視光では捉えられなかった情報が得られることも学びました。
これまで宇宙の写真を見て、色や明るさに注目することが多かった生徒たちも、講演後には、そこから星の誕生や進化、終焉といった宇宙の営みを想像できるようになりました。今後の学習においても、教科書の内容がどのようにして解明されてきたのか、そしてその先にどのような最先端の研究が広がっているのかを意識しながら、主体的に学びを深めていくことを期待しています。
自然科学科1年生は、2月7日(土)に京都大学防災研究所 宇治川オープンラボラトリーを訪問しました。
はじめに、過去の水害事例をもとに、都市部で水害が多発する理由や、河川が決壊した際に生じる被害、浸水のシミュレーションを用いた研究について説明を受けました。その後、大型の実験装置を見学し、災害発生時を想定したさまざまな体験活動を行いました。約30cmの床上浸水でもドアが開けられなくなることや、氾濫水が流れ込む階段を上ることの困難さを、実体験を通して学びました。さらに、津波発生の実験装置では、その音やエネルギーの大きさを体感し、砂防ダムの実験では、土石流を防ぐために多様な工夫や方法があることを学びました。
今回の見学・体験を通して、防災・減災研究の重要性を実感するとともに、自然災害を「自分事」として捉え、今後の学びや探究活動につなげていく貴重な機会となりました。