自然科学科1年生の宿泊研修として、12月9~10日にサイエンスイングリッシュキャンプをホテルルビノ京都堀川で実施しました。今年度も感染対策に十分留意して実施しました。
本取組は探究活動の基礎を学ぶ授業「GS探究Ⅰ」の成果発表会です。生徒たちはGS探究Ⅰの授業の中で理科・数学・情報・英語を融合的に学び、探究活動に必要な基礎を身に付けました。10月から生徒は班ごとに下記の課題から1つ選び、短期間のミニ課題研究を行いました。その後、研究結果について内容をまとめ、パワーポイントを用いたスライドをすべて英語で作成しました。迎えたサイエンスイングリッシュキャンプでは英会話学校のネイティブの先生方から発音やプレゼンテーション方法を指導していただきました。発表会は自然科学科全員が英語で発表し、ネイティブの先生からの鋭い質問にも英語で立派に応答しました。
英語漬けの宿泊研修で生徒は大変だったと思いますが、英語で話すことに対して大きな自信を得ることができました。GS探究Ⅰで学んだ内容を活かして、2年生のGS探究Ⅱで行う課題研究が素晴らしい内容になることを期待しています。
○課題一覧
【課題A】目的に応じた救命ボートを設計せよ。
自分たちで都市が水害に遭ったときに人命を救助する救命ボートを設計することになった。どのような場面で活躍するボートか、それに必要な機能や形状はどのようなものか決めていこう。具体的な数値で性能を示し、モデルを作成して検証してみよう。
【課題B】アイスクリーマーを設計せよ。
氷と塩で冷却してアイスクリームを作る装置「アイスクリーマー」を設計しよう。使う場面や用途を定め、それに適したアイスクリーマーを作成すること。具体的な数値で性能を示し、モデルを作成して検証してみよう。
【課題C】葉の変色メカニズムの利用方法を提案せよ。
植物の葉は、熱を加えるとその温度や時間によって変色のしかたが変わる。これには、葉の中に含まれる酵素の熱変性が関わっている。この性質を応用して生活に役立てる方法を提案してみよう。
【課題D】太陽光による温度上昇を制御せよ。
太陽光による水球の温度上昇にはどのような気象条件が関わっているだろうか。その要因の変化と温度上昇の関係を調べてみよう。場面や用途を定め、太陽光による温度上昇を制御する工夫を考え、その工夫の効果を数値的に検証してみよう。
○コンテスト結果
First Prize Chemistry D "We want to eat ice cream !! "
Second Prize Physics C "Let's make Lifeboats"
Third Prize Biology B "Changing leave's Color"
Third Prize Earth-Science A "Let's make the heated pool!!"
11 月20 日(土)に「卒業生による特別講演会」を京都府総合教育センターで実施しました。
講師は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 教授 田中 智 先生です。
田中先生は本校の卒業生であり、小惑星 「リュウグウ」への着陸およびサンプルリターンを行った「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーを務められました。
講演のタイトルは「「はやぶさ2」が観測した小惑星Ryugu の素顔と回収したサンプルにかける夢 ~搭載赤外カメラ(TIR)を中心として~」です。
講演には自然科学科1年生と希望生徒の約100人が参加しました。
「宇宙研究の実際」や「はやぶさ2プロジェクトの裏側」など、貴重なお話しをしていただき、生徒は大きな刺激を受けていました。また、桃山高校時代の思い出や仕事に対する思いについてもお話いただき、生徒は今後の進路について深く考えるきっかけになったと思います。約2時間の講演はあっという間に終わり、講演後も生徒との質疑応答で大いに盛り上がりました。
田中 智 先生 ありがとうございました。
6月18日より、京都府主催で、日本で気候変動に関する第一人者の方々の講演により、最先端の知見に触れる機会を提供する企画「高校生による気候変動学習プログラム」が行われてきました。
本校では、2年6組の松本 ゆりあさん、2年7組の長谷川 実紀さん、松本 えりあさんが本プログラムに参加し、3回のオンライン勉強会や、立命館宇治高等学校との協働で気候変動に関する英語スピーチ作成に取り組みました。
また、長谷川さんは、11月15日に行われた「京都環境文化学術フォーラム」国際シンポジウムにおいて、京都エコエネルギー学院学院長、株式会社システム技術研究所所長の槌屋 治紀 氏とのトークセッションに参加する5名の高校生の内の1人に選ばれました。
トークセッションで、長谷川さんは「気候変動はすぐそこに迫っている問題で、社会システムに大きな変化が必要だとわかりましたが、そのような変化がなかなか進まないように感じています。気候変動対策をすることによって何か政府や企業にデメリットがありますか?」という質問を槌屋氏に投げかけました。
この質問は参加した企業の方の話でも取り上げられるなど、参加者全員に大きな印象を残しました。
長谷川さんの発表の様子は、「KYOTO地球環境の殿堂」HPで見ることができます。
11月13日(土)に令和3年度みやびサイエンスフェスタがホテルルビノ京都堀川で、京都マスガーデンが西陣織会館で開催されました。本取組はスーパーサイエンスネットワーク京都校に指定された京都府立高校の生徒が集結して行われる大規模な取組です。例年は、生徒が取り組んできた課題研究の成果をポスターセッション形式で発表していましたが、今年度はコロナ禍の状況を踏まえ、事前にオンライン上で視聴した発表について質疑応答を行う形で実施しました。
桃山高校は自然科学科2年生の全生徒による合計16班のポスターを展示しました。他校の発表者から直接発表を聞くことはできませんでしたが、質疑応答を通して交流を深め、課題研究を進める上で大いに参考になったと思います。
令和4年2月5日(土)には桃山高校 自然科学科SSH課題研究発表会が開催されます。本番に向けてたくさんの知見を得ることができ、充実したイベントになりました。
10月20日(水)から10月22日(金)の3日間、自然科学科3年生の生物選択者を対象に、長浜バイオ大学・黒田智先生による高大連携授業「手動PCRでブタの品種を鑑定しよう」の講座がありました。
マイクロピペットの使い方に始まり、手動PCR、電気泳動を通して、遺伝子実験における基本操作や概念を学びました。生徒たちは、興味をもって熱心に取組み、最終日に各自の鑑定資料が「大ヨークシャ種(白豚)」か「デゥロック種(茶豚)」か「バークシャ種(黒豚)」のどの品種だったか鑑定結果を発表しました。鑑定結果は全員正解でした。生徒にとっては大変貴重な経験となりました。
黒田先生には3日間お世話になりました。ありがとうございました。
今年度も3年生普通科・自然科学科 物理選択者の5講座を対象に 10月中旬から下旬にかけて、京都教育大学名誉教授の沖花先生にIH調理器のしくみを調べるための実験実習を実施していただきました。プレート上にアルミホイルをドーナツ状にくり抜いたものを置き、スイッチを入れると、アルミホイルが浮きます。なぜ浮いたのかを考えることで、IH調理器の仕組みを予想します。また、鉄釘を磁化させ、ひもでつるすと3次元方位磁針となり、これでIH調理器のプレート上の各部分の磁場を調べます。ストローにリード線を巻いた豆電球を使って明るくなる場所や向きを探索することによって磁場が変化していることを理解し、IH調理器の構造を考えます。生徒達はとても楽しそうに実験に取り組んでいました。
10月9日(土)に近隣の小学生を対象にした「令和3年度おもしろ理科実験教室」を開催しました。例年は夏休みに実施していましたが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響のため、10月に延期して行いました。
今年は例年よりも参加者数を制限し、感染対策を十分に行った上で実施しました。「おもしろ理科実験教室」の講師は学校教員が務めますが、小学生のサポートはグローバルサイエンス部の部員が務めます。部員は一生懸命に小学生をサポートし、小学生にとって頼もしいお兄さんお姉さんであったと思います。
今年も実験講座は2つ実施しました。「浮き沈みの科学」ではペットボトルとしょうゆ差しを使って浮沈子をつくりました。ペットボトル容器を押したり離したりすることで、中にあるしょうゆ差しが浮いたり沈んだりするのを観察し、浮くと沈むのちがいについてみんなで考えました。また、野菜を使って大きさと重さによって「浮く」と「沈む」が変化するのかを確認する実験もしました。「鉱物万華鏡きららちゃん」では、うすい板状にした白雲母を偏光板にはさみ、光を通すことで、あざやかな色が見えることを体験しました。この性質を利用してみんなで万華鏡を作成しました。作った万華鏡はとても綺麗で小学生は大喜びでした。
理科実験の不思議さと楽しさを体験した子供たちが、少しでも理科好きになってくれることを願っています。
この夏、SSHの全国大会にあたる「令和3年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」が開かれました。予選にあたる第1部は、8月4日(水)~5日(木)の2日間にわたり、神戸国際展示場において開かれました。桃山高校は校内審査で選ばれたグローバルサイエンス部3年生の高田夏千、山本菜央、藤村快吏による「プラナリアの多眼形成について」を発表しました。
発表はポスター発表形式で行い、発表ブースに来られた方に興味深く発表を聞いていただき、質疑応答もとても楽しそうでした。その結果、生物(植物・農学系)部門で優秀であったとして、ポスター発表賞を受賞しました。ポスター発表賞は全218校の発表の中から、第2部に進む優秀発表6校と、奨励賞6校に続く、22校が受賞しました。
また、第1部の各部門で最も優秀な発表による決勝の第2部は、8月20日(金)にオンラインで開催されました。残念ながら緊急事態宣言発令のため、生徒は自宅からの視聴となりましたが、優秀発表を見ることで大きな刺激を受けていました。
今年は対面とオンラインのハイブリッド開催となり、様々な点で困惑する場面もありましたが、とても充実した発表会になりました。
以下に、文部科学省の報道発表と発表ポスターを掲載します。
令和3年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会表彰校の決定について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2021/0820ssh.htm