11/26(土)京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーへ本校自然科学科の1年生が訪問しました。
宇治川オープンラボラトリーは、さまざまな防災研究に関する実験装置を備えた、世界でも類を見ない大型実験研究施設です。ここでは、実際の災害で起こりうる場面を想定し、水害の恐ろしさを体験的に学習することができます。今回の訪問では最先端の防災研究について説明を受け、実際に災害時の状況を体験しました。30㎝ほど床上浸水するだけでドアが開けられなくなる体験や、氾濫水が流れ込む水流階段を上がることがとても大変であることを体験をしました。さらに、津波の実験装置を見学することで、災害の恐ろしさを肌で感じることができました。
11月4日(金)、自然科学科3年生を対象にSSH事業「植物の簡易組織培養」講座を実施しました。
胡蝶蘭やシンビジウムなどのランの仲間は種子から栽培することが難しく、組織培養の手法を用いて栽培されています。組織培養とは植物の組織や種をフラスコや試験管のような容器の中の寒天培地(MS培地等)で培養し、分化させて植物の苗を育てる手法です。この組織培養の一般的な手法は、オートクレーブで加熱滅菌し、クリーンベンチや無菌箱を用いて無菌操作を行わないと、細菌やカビにやられてしまいます。この手法は手間がかかり、しかもお金のかかる手法です。
京都教育大学 名誉教授 梁川正先生の「植物の簡易組織培養」では、市販の殺菌剤(キッチンハイター等)と市販の肥料(ハイポネックス等)を混ぜた寒天培地で滅菌や無菌操作を簡易におこなうことができる手法です。実際に生徒達が体験し、シンビジウム等の組織培養した物を持ち帰りました。
10月中旬から11月上旬にかけて、3年生普通科・自然科学科 物理選択者の6講座を対象に京都教育大学名誉教授の沖花先生にIH調理器のしくみを調べるための実験実習を実施していただきました。IH調理器にアルミホイルをドーナツ状にくり抜いたものを置き、スイッチを入れると、アルミホイルが浮き上がります。なぜ浮いたのかを考えることで、IH調理器の仕組みを予想します。また、鉄釘を磁化させ、ひもでつるすと3次元の方位磁針となり、これでIH調理器のプレート上の各部分の磁場を調べます。ストローにリード線を巻いた豆電球を使って明るくなる場所や向きを探索することによって磁場が変化していることを理解し、IH調理器の構造を考えます。生徒達はとても楽しそうに実験に取り組んでいました。
9月29日(木)に自然科学科2年生を対象に、総合地球環境学研究所 所長の山極壽一先生による講演会を実施しました。山極先生は第26代京都大学総長であり、人類学者、霊長類学者にして、ゴリラ研究の第一人者であると聞けばご存じの方も多いのではないでしょうか?
講演のタイトルは「コミュニケーションの進化と科学する心」です。山極先生の学生時代のエピソードや、ゴリラの研究を通して人類の進化を探る研究、山極先生の科学に対する思いなど、生徒の好奇心を多岐に渡って刺激するとても壮大な内容でした。90分の講演が終わると生徒から熱心な質問が相次ぎ、あっという間に質疑応答の時間は終了しました。山極先生は生徒の質問に丁寧に回答していただき、生徒はとても満足した様子でした。講演会終了後は全員で記念写真を撮影しました。撮影後も山極先生に必死で質問する生徒の姿も見られました。
生徒は現在、課題研究の真っ最中です。山極先生の講演を聴くことで、自分の研究を俯瞰して見つめ直す良い機会になったと思います。来年1月末に行われるSSH課題研究発表会に今回の講演会の成果が表れることを期待しています。
山極先生、ありがとうございました
9月11日(日)滋賀大学大津キャンパスの琵琶湖・瀬田川オブザベトリにおいてSSH事業「琵琶湖を探る」を実施しました。滋賀大学教育学部教授石川俊之先生の御指導の下、午前中は実習船の上で琵琶湖の南湖及び北湖の各地点で気象観測と水質測定をしました。また、プランクトンネットを使いプランクトンの採集や鉛直プロファイラーによる水質観測も各地点でTAや先生に教わりながら実習を行いました。午後は採集したプランクトンの観察と、琵琶湖の環境に関する講義を受けました。参加者全員熱心に作業や観察に取り組んでいました。生徒にとってフィールド調査をはじめ、五感で琵琶湖を感じるという貴重な体験ができました。石川先生、TAの皆様ありがとうございました。
8月26日(金)1限に高大連携講座として京都産業大学総合生命科学部生命システム学科授の横山 謙先生に講演をしていただきました。
テーマは「タンパク質のおもしろさ」です。
対象生徒は2年生自然科学科と2年生普通科理系の生物選択生82名です。会場は本校視聴覚室です。
横山先生にタンパク質が担う様々な生命現象を紹介、そのおもしろさや、それらのタンパク質の知識の研究・応用について語っていただきました。
現在世界的問題となっている新型コロナウィルスの感染に関係するスパイクタンパク質やそれに対してつくられたRNAワクチンのお話もありました。
生体で働くタンパク質は立体的な形が大切。これを研究するためにクライオ電子顕微鏡やAIを用いていることなど最先端のタンパク質研究についてもお話しいただきました。
生徒達は大学の先生のお話に熱心に聞き入っていました。