優勝は、まさか、まさか、まさかの連続
2年生ビブリオバトルのチャンピオンに輝いた森さんにインタビューをしました。
森結菜さん(2年1組・網野中) 紹介した本「コンビニ人間」(文藝春秋)村田沙耶香 著
この本とは夏休みに出会いました。表紙絵とタイトル、帯の添え書き、そして芥川賞受賞作であることに一瞬でひきつけられた私は、一日で一気に読み切ってしまいました。聞く人の「印象に残る発表をしたい」と思い、原稿を練って何度も練習をしました。ところが何故か、予選から手足が震え、手に汗をかき、喉はカラカラという、演劇部での演技よりも大きな緊張感を覚えながら、それでも精一杯のプレゼンをしました。
勝ち進んだ決勝ではこの緊張感に加えて、忘れ物を急いで教室に取りに戻ったり、息が切れたままくじを引いたら1番を当ててしまったりと、予想もしていなかったハプニングにも見舞われました。トップバッターで舞台に立ったときには、自分の心臓の音が聞こえるくらい緊張は最高潮でした。しかし、本番のスタートの合図で、私は一気に演劇部の顔になりました。この本のテーマである「普通とは何か?」を問うために、あえて普通ではない行動や言動を見せて、戸惑う観客を一気にこちらの世界に引き込むという手法から紹介をしていきました。すべての発表、そして投票が終わり、いよいよ優勝者が発表されました。私の名前が呼ばれたときには予想外過ぎて、にわかに信じられませんでした。拍手の中、祝福の言葉と共に賞状を受け取ったときには本当に嬉しかったです。
私にとってこのビブリオバトルは「まさか、まさか、まさかの連続」でした。この大会で本の魅力と同時に、「私」という人間をみんなに知ってもらうことができたなら嬉しいです。これからもいろんなチャンスをものにして、強い自分を作っていきたいです。
...演劇部部長として、また個人として学校内外でまさに大車輪の活躍を見せている森さん。今度は「ビブリオバトルチャンピオン」という新たな金字塔をまた一つ打ち立てました。
(取材・文 安達卓能)