7月29日(水)は、京都大学の人間・環境学研究科を19名の生徒が訪問しました。この日は、京都大学の松原誠二郎教授のコーディネートにより、様々な所属・分野で研究に取り組んでおられる先生方4名に御講義いただき、普段聴くことのできない広汎な学問領域に視野を広げることができました。
竹邊日和先生は、学術情報メディアセンターに所属されており、研究者の実験に関する情報管理について研究されています。御講義では本校HPで公開されている「ラボ活動ハンドブック」を引用しながら研究プロセスについて説明され、紙のノートの大切さを伝えつつ、時代はデジタルノートに移行している変化について解説されました。
佐山葉先生は、大学院情報学研究科の博士後期課程に在籍しておられます。本校の卒業生でもあり、本校のラボやフィールド調査活動においてTAとしてもお世話になっています。佐山先生は福島における放射性Csに着目し、ミミズによる土壌攪乱ならびに深層土壌への移動について研究されている内容について御講義くださいました。
坂野慧悟先生は、大学院農学研究科の博士後期課程 に在籍しておられます。アリを専門に研究されており、マレーシア・サラワク州(ボルネオ島)の森林を研究フィールドとされており、貧栄養な熱帯林で生きる植物の戦略について御講義いただきました。
藤田健一先生は、人間・環境学研究科の教授で、環境調和型物質変換反応の開発に取り組んでおられます。この日は『「水素エネルギー」って何?―水素を使いこなすための研究―』というタイトルで御講義くださり、高校生へのメッセージもいただきました。
御講義後は、藤田先生の研究室を見学させていただき、実際の研究の最前線を実感することができました。非常に有意義な一日となりました!
8月4日(火)に高校生数学交流会及び全国高等学校数学教員コミュニティ第1回研修会を実施しました。
午前中は、本校のサイエンス部数学班の生徒たちが桃山高校、西京高校、堀川高校の生徒たちと数学の話題で交流を行いました。

探究で取り組んでいることだけでなく、最近知った面白いと感じたトピックや数学オリンピックの問題の紹介など、様々な内容の発表あり、みんなで一緒に同じ問題について考えるなどして盛り上がりました。
また、NTTコミュニケーション科学基礎研究所から2名の研究員の方々に来ていただき、ご講演とご助言をいただきました。ありがとうございました。

午後からは今年度から本校のSSHの取組の1つとして発足した「全国高校数学教員コミュニティ」の研修会を行いました。
まず、京都産業大学理学部数理科学科 長瀬 睦裕 准教授より「数学探究をどう指導するか 生徒が問いを生み出す授業づくり」についてご講演いただきました。数学の探究において最も難しい問題作成の手法についてお話しいただきました。

その後はグループに分かれて交流を行い、各校の課題や授業における工夫などについて話しました。それぞれ参考になる取組があり、よい研修になりました。
今回の研修会の内容はコミュニティ内で後日共有する予定です。今後はオンラインの研修も実施し、さらに交流を進めていきたいと考えています。
8月5日・6日に、表題の研究発表会が神戸国際展示場で開催されました。全国のSSH指定校および経験校 239 校の代表が一堂に会して、各校1件ずつのポスター発表が行われ、活発な質疑応答など交流を行いました。5日はポスター発表校から代表校12校が選ばれました。6日は代表校の口頭発表が行われ、審査を経て表彰が行われました。
本校からは今年度はスーパーサイエンスラボで生物分野のテーマ「上方からの光刺激がオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)の交替性転向反応に与える影響」について取り組んだ1名が代表として研究成果を発表しました(共同研究者1名は部活動と重なり参加できませんでした)。惜しくも表彰は逃しましたが、多数の高校生や先生方とディスカッションや交流ができた貴重な経験となりました。
また、本校1・2年生の希望者(両日併せて14名 延べ16名)が見学団として参加しました。全国から集まった多数の高校生と交流し、レベルの高い研究に大いに刺激を受けた2日間となりました。
7月31日(金)、京都大学大学院農学研究科の土壌学分野研究室を訪問しました。こちらの研究室では、持続的な土地管理法の確立/多様な生態系における土壌の特徴と物質動態の解明/人間と土壌・自然・農業の関わり を主なテーマとして研究しておられます。
まず、渡邉哲弘先生から窒素がどのように循環していくかについて御講義いただきました。植物には窒素化合物が不可欠です。空気中の窒素は窒素原子が共有結合で強固に結びついており、そのままでは不活性ですが、マメ科植物の根粒菌などの細菌によるアンモニア合成(生物学的窒素固定)や、稲妻の放電による窒素酸化物合成などを経て土壌に取り込まれ、植物に吸収されていく過程を学びました。
その後、理学研究科植物園と、農学部の畑それぞれで土を採取し、水抽出して濾過後、濾液中のアンモニウムイオンと硝酸イオンの含有量の違いをパックテスト®により評価し、森の土はアンモニウムイオンが多く、畑の土は硝酸イオンが多いことを確認しました。さほど離れていない2カ所の土壌を比較しても、窒素の存在状態が大きく異なることを実感することができました。なお、実験のTAとして、本校のOGもご指導くださいました。
実習終了後に研究室を見学させていただきました。我々が生活している身近な土を研究するためには、高度な科学的原理に基づく様々な装置が必要であり、いずれも高価で、研究には資金も大切であることを感じることができました。
全体実習終了後、「ジャパンフィールドリサーチ(JFR)」で土壌調査研究に取り組んでいる5名は、研究室に移動して渡邉先生に加えて真常仁志先生とディスカッションし、取り組もうとしている研究テーマに関する貴重なアドバイスをいただくことができました。大変有意義な半日間となりました。
7月30日(木)大阪大学吹田キャンパスを生徒36名が訪問し、午前中は核物理に関する御講義を聴講し、午後は核物理研究センターで御講義を聴講後、加速器実験施設を見学しました。
午前は大阪大学大学院理学研究科の川畑貴裕教授から御講義をいただきました。理学研究科は豊中キャンパスにあるのですが、川畑先生は吹田キャンパスまで来て下さり、感染症総合教育研究拠点(略称 CiDER)で御講義下さいました。
御講義タイトルは「原子核と元素合成の秘密~フェムトワールドの探検」。宇宙の始まりとともに水素やヘリウムなどの軽い元素から重い元素が合成されていく過程で、金やプラチナなどの重い元素が如何にして生成したのかは未だ謎を秘めており、川畑先生はご自身の研究成果も交えながら、現在考えられている仮説について、壮大な御講義をしてくださいました。また、勉強とは、知識を得るだけでなく、得た知識を元に自分で考え判断するために重要であることもお伝えくださいました。終了後は、質疑応答の時間では足りず、移動前のわずかな時間も使って質問をしている生徒の姿が見られました。
学生食堂で昼食後は、核物理研究センターを訪問しました。加速器は原子核などの荷電粒子を加速させて原子核の核変換や発生する放射線について研究する施設で、ここには光速の70%まで陽子を加速することができるリングサイクロトロン、その入射器としても使われているAVFサイクロトロン、さらに世界でもトップクラスの運動量分解能を誇るグランドライデン・スペクトログラフを有しています。
まず、松田洋平先生から「サイクロトロン加速器に潜むアインシュタインとピカチュウ」というタイトルで御講義をいただきました。ピカチュウなみの高電圧で荷電粒子を加速する基本原理、アインシュタインの特殊相対性原理により粒子が光の速さに近づくにつれて加速しにくくなること、その課題を解決するための特別な技術は高校と大学で物理学を学ぶことにより理解できるようになることを御講義いただきました。核物理研究センターの加速器が宇宙の始まりや原子核研究に重要な実験設備であることはもちろん、ガンの治療など医療分野への応用にも取り組んでいることも御講義いただきました。
その後、2グループに分かれて加速器施設の見学を行いました。松田先生と、午前にお世話になった川畑先生が案内してくださいました。加速器は1つの部屋に収まるようなものではなく、粒子を加速・誘導したり分析したりする設備が広大な敷地の部屋にわたって設置されており、巨大なリングサイクロトロンをはじめ、そのスケールに圧倒されました。
物理学の最先端に触れた有意義な一日となりました!
7月29日(水)の午後は、学食で昼食後、大阪大学大学院工学研究科の物理学系専攻 応用物理学講座を訪問し、御講義聴講や研究室見学・実習指導をしていただきました。こちらの研究室では、自然界に存在しないナノ物質の創製と、それらナノ物質で発現する新奇物理現象の解明、さらにナノ物質を用いたデバイス創出への応用研究を展開しておられます。
坂本一之先生からは、量子力学が見せる不思議な世界について、「シュレディンガーの猫」など有名なエピソードを交えて簡単に御説明いただき、量子力学の特徴が顕在化するナノの世界、特に表面原子の割合が高い原子層物質が見せる特異な物理的性質について研究されていることを御講義いただきました。
ひきつづき寺川先生からは、本日の実習内容について御講義・御説明をいただきました。ちなみに寺川先生は本校の卒業生です。
実習・見学内容は、「光の回折実験」、「シリコンウェハーの劈開(へきかい)実験」、「光電子分光・電子回折実験」でした。光の回折は光の波動性を示す現象で、微細構造を解析するための基礎となる実験です。シリコンウェハーは、原子層物質を作製する基板となりますが、「劈開面」が直線となる事を確認することで、シリコンが結晶構造を持つことを体感できます。「電子回折」装置は、電子の波動性を利用して結晶構造を、「光電子分光」装置は、物質に光を照射して飛び出す光電子のエネルギーと放出角度を同時に測定し、原子層物質の電子状態を調べる装置です。
午前中の応用化学系と併せて、「材料科学」の面白さを知ることができた、貴重な一日となりました!
7月29日(水)に、大阪大学吹田キャンパスを20名の生徒が訪問し、工学研究科の研究室で御講義・見学・実習をさせていただきました。午前の部は応用化学分野で研究をされている二人の先生とTAの学生の方々にご指導いただきました。
星本陽一先生は高反応性分子の精密設計と反応性制御に基づく革新的な水素活用技術の開発研究に取り組んでおられます。今回の御講義では、研究内容の他、アンモニア合成が世界に与えた影響を例に「化学がなぜ重要なのか?」について、また、人々がチョコレートに魅了される理由を分子構造と作用から考察することで、化学の奥深さと「分子レベルで物質を組み立てる唯一の技術者」であることのやりがいについて御講義くださいました。
仲本正彦先生は高分子システムズケミストリーに関する研究に取り組んでおられます。タイトルは「高分子化学で生命をコントロールする!」。例として、がん細胞によるアミノ酸取り込みと細胞内酵素活性を利用し、細胞内で蛍光性高分子を合成することでがん細胞をイメージングする研究について説明いただき、ライフサイエンスへ応用する意義と面白さを御講義いただきました。
御講義後は、実際に実験室を見学させていただくとともに、液体窒素による凍結、グローブボックスを用いた実験操作、液性変化と紫外線照射による蛍光実験なども体験させていただきました。なお、グローブボックスを指導してくださったのは、本校を卒業した先輩の大学院生です!
非常に有意義な一日でした。生徒は学食で食事後、引き続き応用物理系の研究室を訪問しました(PartⅡへ続く)。
7月29~30日にサマーセミナー「東京・つくばサイエンスツアー」を実施しました。
このセミナーは、国立科学博物館・東京大学先端科学技術研究センター・地質標本館・JAXA筑波宇宙センター・国土地理院 地図と測量の科学館を見学するもので、2年生理系生徒10名が参加しました。

東京大学先端科学技術研究センターでは、光量子イメージング分野の白崎准教授と車助教より研究内容について御講義いただき、研究室の中も見せていただきました。

宿泊先のホテルでは卒業生2名から、それぞれの研究内容についてお話をうかがいました。
東京理科大学創域理工学部電気電子情報工学科の大矢根助教からは「電気自動車のワイヤレス給電」について、東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻博士後期課程2年の坂本さんからは「自然言語での質問に対するロボットの応答」について紹介いただき、いずれも今後の社会を変革するであろう研究内容で、大変興味深いものでした。

2日間の研修を終えた生徒たちは「より一層科学技術に関する研究への関心が高まった。」「科学に対する感動ももっと多くの人に伝えたいと思った。」「人類の科学技術の歴史を学び、そこに様々な分野の多くの人々が関わってきたことにあらためて感動した。」など、サイエンスに対するさらなる興味の高まりや将来に向けての学びのモチベーションの向上を口にしていました。
7月28日(火)にサマーセミナー「大阪大学 産業科学研究所 フィールドワーク」を実施しました。
このセミナーは大阪大学 産業科学研究所 複合知能メディア研究部門 中島研究室を訪問するフィールドワークで、1・2年生の希望者38名が参加しました。

中島教授からはAIの仕組みについて御講義いただき、人とAIの違いやこれから先の社会について考える機会になりました。
本校卒業生で博士後期課程3年の河内さんには質問に丁寧に答えていただき、AIのことだけでなく、大学生活についても教えていただきました。
参加生徒の感想をいくつか紹介します。
「AIの画像識別の技術やこれからのAIの進歩について学ぶことができた。AIは私たちが知らない裏側で膨大なデータセットやDNNによって画像の特徴を識別し、見分けるという作業を一度にやっているということがわかった。また、ただ与えられた情報を識別するだけに限らず、統計確率的に考えてコンテクストから文脈上の言葉の意味を判断するなど、ある意味人間に近いことをAIは行っていることがわかった。」
「人間が作ったはずの仕組みであるのに何が起こっているのかわからない、ブラックボックス状態なのは驚いた。様々なものが人間以外のもので代替される中、人間だからできることを考える必要があると思う。」
「情報系の学部学科に行きたいという気持ちが強くなり、興味のある研究をしている大学を中心に進路を考えるようにしたいと思いました。」
7月28日(火)武田薬品工業株式会社さんの「京都薬用植物園」を訪れ、見学させていただきました。
薬用植物園の施設の概要や、薬用植物園設立の経緯や沿革などの説明を受けました。栽培されている植物種数など、日本一の規模を誇る薬用植物園だそうです。研究員さんに案内していただき、園内を見学しました。
薬用植物の臭いを嗅いでいます。左は漢方薬で有名な「トウキ」です。
上左は「ウコン」、 上右は風邪薬等に使われている「麻黄」、 下左はダイエット甘味料「ステビア」の原料植物です。
薬用植物を手に取って見せていただいています。左は松の根に寄生する菌の塊で、漢方薬の材料になるそうです。右はウコンの根で、目にも鮮やかな黄色が印象的でした。
見るだけでなく、触れたり、臭いを嗅いだり、時には口に含んで味を確認したり(研究員さんの指示のもと行っていますのでもちろん安全です)貴重な体験ができました。また、植物の成分が創薬に生かされているということをあらためて実感しました。
7月25日(土)に大津市で実施された「第66回日本先天異常学会学術集会 高校生研究発表会」に3年生1名、2年生2名が参加し、ラボでの研究内容について発表しました。


2年生2名は初めての研究発表でしたが、発表だけでなく質疑応答でも堂々と話すことができ、自信につながったようです。
7月18日(土)~20日(月)に、標記のプログラムに校有林調査ラボ、サイエンス部の生徒14名が参加しました。このプログラムは、スーパーサイエンスハイスクール事業の一環として、京都府立丹後海と星の見える丘公園(以下、うみほし公園)をフィールドに実施しています。今年度で6回目の取組です。
研究テーマや調査研究の手法について理解を深めること、そして研究結果を各種学術学会で報告することを目標に据え、生徒が主体的に森林環境調査を実施します。
【1日目】
うみほし公園に到着後、開講式が開かれました。まず調査を行う上での注意事項を確認し、調査に向けた気持ちを高めました。全員で機材の搬入や1日目の作業内容の確認も行いました。はじめて参加する生徒はやや緊張感のある面持ちでしたが、昨年の経験者が作業分担を主導し、その内容を分かりやすく伝えてくれました。
調査の一環として、測線引き、穴掘り、下見を3つの班に分かれて行いました。
測線引きチームは、調査地域をぐるっと囲むように目盛りの入ったロープや巻き尺を設置していきます。これは、調査対象地域を計量的に把握したり、土壌や樹木、昆虫などの採集場所を定義したりする上で必要な作業です。2年生で経験のある生徒が先導してくれました。
穴掘りは、土壌断面の確認やその記載・分析に向けた基礎的な作業です。木々の間から日差しが照り付ける中でしたが、チームで相互に声を掛け合い、適宜休憩をとりながら作業を進めました。
下見チームはさらに二手に分かれました。そのうちのひとつでは、ティーチングアシスタント(TA)として参加してくれた本校卒業生が今回初めて参加する1年生を案内してくれました。また、校有林調査ラボですでに個人テーマを設定したメンバーも翌日の調査に向けて下準備を進めました。
その他
うみほし公園内の宿泊棟からみえる栗田(くんだ)半島の北端には、典型的な「溺れ谷」の地形があります。夜には天橋立付近で打ち上げられる花火をみて、さらに望遠鏡を使って夏の星座を観察することもできました。その名の通り、「うみ」と「ほし」で1日目の調査の疲れを癒やすことができました。
【2日目・3日目】
熊の目撃情報があったため、森林での調査は断念することとなりました。
秋以降の外部での研究発表にむけてポスターの案を構想したり、採集した昆虫の標本作成に向けた下準備をしたり、プログラムに参加できなかった生徒の研究材料になる「青い松ぼっくり」を採集したり...その場その場で「今何ができるか」を主体的に考え、有効に時間を使いました。
地理や地学、物理に関する学習もできました。これまで校有林調査ラボが行ってきた研究や、丹後地域の人口構造やうみほし公園周辺の地形、苦手意識を持ちやすい分野における物理の勉強方法についてなど、教員・TAによる講義が行われました。参加生徒は熱心に耳を傾けていました。学校とは異なる場所・状況での講義を新鮮に感じたようです。
【最後に】
プログラム前の調査立案・機材準備から現地での活動まで、参加生徒は主体的に、自ら行動してくれました。調査研究にむけたスキルをさらに高めることができたのではないかと思います。
校有林調査ラボ、サイエンス部での活動は今後も続きます。希望生徒は9月19日(土)~9月21日(月)に熊本県玉名郡で行われる「JFR in 熊本」にも参加します。今回のプログラムで得た経験を活かして、さらに研究・探究を深めていくことを期待しています。
6月24日(水)、2年7・8組の生徒がSE(サイエンスイングリッシュ)の授業内で、考古学者のDr. Noxonを招き考古学とAR・VR技術についての特別講義を受けました。 参加クラスの国際交流委員がその様子をまとめてくれました。
![]()
『考古学とAR・VRなどの最新技術について学びました。縄文時代の遺跡や土器を題材に、出土品を3Dスキャンしてデータ化し、3Dプリンターで精巧に再現する技術について知りました。昔のものを最新技術で調査・保存するという発想がとても新鮮で、考古学のような分野でもコンピュータ技術が重要な役割を果たしていることに驚きました。新しい技術を活用することで、過去の歴史をより深く解明できる可能性を感じました。』
『講義では、3Dプリンターで再現された縄文土器に触れたり、iPadを使ってARで遺物をさまざまな角度から観察したりする体験もしました。本物と見間違えるほど精巧な模型や、目の前に遺物があるように見える技術はとても印象的でした。今回の講義を通して、ARやVRは考古学だけでなく、歴史や人権学習などさまざまな授業にも活用できる可能性があると感じました。また、将来どの分野に進んでも、さまざまな知識や技術がつながって役立つことを学ぶことができました。』
午前中に発表を行った3年生と、今年の4月から探究活動を本格化させた2年生が座談会形式で意見交換を行いました。
3年生は5・6限の時間に後輩たちへのアドバイスのため、自分の探究活動を振り返り、自分たちの経験をどう言語化して伝えるか真剣に考えていました。7限の合同ラボの時間では、まとめてきた考えや経験を先輩から後輩へ伝え、和気あいあいとした雰囲気がありながらも、後輩たちはメモを取って真剣に聞き入っており、貴重な時間となったようです。
毎年恒例となっている表題の実験教室を実施しました。今年は常磐野小学校の4~6年生29名が来校し、実験や実習を通じて科学の面白さを体験しました。TAはサイエンス部と有志からなる生徒11名が務めました。
本校はプラネタリウムドームと専用投影装置を保有しており、小学生全員がプラネタリウムを見学しました。専用ソフトウェアにより、宇宙を自由自在に旅して様々な天体の観察と講義を楽しみました。
5・6年生は「化学の力で秘密文字」というタイトルの実験に挑戦しました。まず、ヨウ化カリウム溶液で布に文字や絵を描くのですが、そのままでは見えません。ここに霧吹きで薄い過酸化水素水を吹きかけると、あら不思議!文字が浮き出します。さらにビタミンC(L-アスコルビン酸)の水溶液を吹きかけると、今度は文字が消失します!これは酸化還元反応を利用した実験です。本校生徒が、できるだけ小学生にも興味を持ってもらえる様に解説を試みました。
4年生は「チリメンモンスターを探せ!」に取り組みました。ちりめんじゃこを丹念に観察すると、実は様々な生き物が混じっています。小学生は本校生徒TAに説明を受け、ときには顕微スコープで観察しながら分類して、生き物の多様性を実感しました。
最後は化石のお土産も持って帰ってもらいました。小学生も本校生徒も充実の半日を過ごすことができました。
4月29日(水・祝)、地理・地図ラボ、地学ラボ、サイエンス部、校有林調査ラボの希望者を対象に、令和8年度地理地学丹後巡検を実施しました。教科・ラボを越えて、今後本格化する課題研究に向けた視点や知識を得ることを目的に、2年ぶりに実施しました。以下では主な巡検箇所と学習内容を紹介します。
⓪バス車内
丹後地域に向かうバスの車内では、亀岡以北の地域の地学的・地理的知見について、オンラインミーティングで資料を提示しながら、教員が講義を行いました。これがこの巡検の特色のひとつです。例えば、
「〇〇〇、△△△の道も遠ければ、まだふみもみず□□□」
この和歌から読み取れる丹後・中丹地域の位置や、亀岡の気象、保津峡の地形、城下町・宮津の空間構造、市町村合併や市庁舎の立地をめぐる行政の地理など、多様な視点から地域・空間を捉えるポイントを紹介しました。参加生徒はバスの車窓を観て、メモをとりながら、理解を深めました。
後述の「京都府立 丹後海と星の見える丘公園」に行く前には、嵯峨野高校がこれまで現地にて行ってきた調査について、校有林調査ラボ、サイエンス部の2年生がわかりやすく説明してくれました。
①天橋立
「三人寄れば文殊の知恵」で知られる知恩寺・文殊堂(南側)から、古代に丹後国の国府が設けられた府中側(北側)に向けて、松並木を歩きました。
松並木の入り口近くには廻旋橋があります。観光船やニューカレドニアからのニッケルを運ぶ艀(はしけ)船を通すため、一時的に歩行者などの通行を止めて、橋を廻旋させて航路を作る必要があります。
しばらく歩くと「磯清水」と呼ばれる真水が湧き出るポイントがあります。生徒は、「海水に挟まれた天橋立の砂州内で、なぜ青々とクロマツが生育するのか」について考えました。この仕組みは真水の地下水がレンズ状に砂州下に存在する「ガイベン・ヘルツベルクのレンズ」という現象で説明できます。参加生徒のレポートからは、この現象に特に興味をもったことがうかがえました。
②京都府立 丹後海と星の見える丘公園
宮津市里波見(さとはみ)に位置する、海と山に囲まれた自然豊かな公園施設です。嵯峨野高校では約10年に渡り、森林や土壌の調査地として訪問しています。ここでは、課題探究に向けたサンプリングを行ったり、山地での調査に向けた教員の講義を聴いたりしました。
ここでは昼食もとりました。参加生徒は天橋立を渡り切ったあとにある地元スーパーで購入したお弁当などを食べました。地域ならではの食を楽しんだ生徒もいたようです。
③伊根の舟屋
漁村として初めて重伝建(重要伝統的建造物群保全地区)に指定された「伊根の舟屋」を道の駅から見学しました。1階が船のガレージ、2階が居室になっている舟屋ですが、なぜこのような形態がみられるのか。主な理由として、伊根湾が日本海側に対して南を向いているため波が比較的穏やかであり、また、湾口に位置する青島が天然の防波堤として役割を果たしているため、このような空間利用が可能であったと考えられます。
伊根地域では伝統的に鰤(ぶり)漁が行われてきました。1階部分のガレージは主に鰤漁に出るための船を停留させておくために設けられました。現在は、農林水産業をめぐる変化や造船技術の進歩などを背景に、1階部分のコンクリートによる埋め立てや宿泊施設としての利用もみられます。社会環境の変化と景観の変化の関連について、学びを深めました。
④山陰海岸ジオパーク
日本で11か所指定されているユネスコ世界ジオパークのひとつです。ここでは、丹後半島海岸部の地形の多様性について確認しました。
丹後半島最北端の経ヶ岬灯台付近にみられる断崖絶壁。この一帯では海食崖という地形が見られます。西に進むと、この海食崖から一転、海岸段丘と呼ばれる、段々状になった海岸地形がみられる地域へと移り変わります。マグマが貫入した岩脈のひとつである「屏風岩」も車窓から確認しました。
さらに西に進んで旧網野町地域の「琴引浜」を訪問しました。海沿いの砂浜で砂を集め、両手でそれを擦るような動きをすると、「キュッキュッ」と音が鳴ります。鳴き砂です。このような体験ができる場所は国内でも限られています。丸く研磨された石英粒などの構成比率が大きいこと、冬の比較的大きな波によって砂が十分に洗浄されること、そして、砂浜が人為的に汚れないように保全や啓発活動を進めることなど、さまざまな条件が必要です。ガイドの方の説明に耳を傾けながら、体験的に自然を捉えることができました。
⑤郷村断層(小池地区)
最後に、京丹後市網野町郷(ごう)にある断層について学習しました。写真からは1927年北丹後地震の際にずれ動いたことがわかります。撮影者からみて奥側が左にずれていることから、左横ずれ型の地震に分類されます。
よく耳にする「活断層」という語句は、この北丹後地震とこの郷村断層(地震断層のひとつ)を背景に使用されるようになったとされています。教科書で出てくる語句の起源が、実は京都の地形にあるのです。参加生徒は、京都という地域について新たな視点を得ることができたようです。
さいごに
「地形・水・地質といった自然条件が人間の生活や社会制度、防災に大きく関わっていることを実感した。今後は、単に地形を知識として覚えるだけでなく、それが人間活動にどのような影響を及ぼすのかという視点を持って学習を深めていきたい。」
ある生徒が提出したレポートの一部です。
参加生徒は、地理や地学をはじめ、複数のレンズを使って事象を捉える重要性を感じてくれたようです。
今後本格化する課題探究にむけて、自ら現地を訪れ、様々な視点で物事を追究する、そしてその営みを楽しむという「ほんまもんの学び」を大事にしてほしいと思います。
3月30,31日の2日間に渡り、本校生物実験室にて、バイオテクノロジー実験教員研修会を実施しました。
本研修は、東京大学ABE(Amgen Biotech Experience)が実施しているプログラムであり、東京大学から先生方に来ていただき、1日目はマイクロピペットの操作(Lab1)、プラスミド作成(Lab2・3)、電気泳動(Lab4)、形質転換(Lab5)。プレートを一晩培養して、翌日の午前に、プレートの確認とタンパク質の精製(Lab6)を行いました。京都府内では初の開催となりました。
ABEのフェイスブックページはこちら
京都府内から21名、兵庫県から3名、島根県から1名の計25名の先生方に参加いただき、公立・私立の枠を越えて日頃、情報交換をすることの少ない先生方と交流することができ、充実した2日間となりました。
東京大学ABEのスタッフのみなさん、参加された先生方ありがとうございました。
3月15日(日)、京都国際会館で実施されました、第73回日本生態学会ジュニアポスター発表に本校生徒8名が4つの演題でポスター発表を行いました。
演題は以下の通りです。
「クサグモ及びコクサグモのデュビアに対する反応について」
「ハエトリグサ(Dionaea muscipula)の捕虫葉の開閉を人工的に調整する方法について」
「京都府南丹地域における在来および外来ドジョウ属の生息状況」
「共生菌がグリーンヒドラ(Hydra viridissima)の再生能に与える影響」
生き物が大好きなことをきっかけに研究を始めた生徒も多く所属する生物ラボ。会場内どこに行っても、楽しそうに生き物の話をする大学生や研究者の皆さんの姿を見て、生徒達は目を輝かせていました。
そして「共生菌がグリーンヒドラ(Hydra viridissima)の再生能に与える影響」がジュニアポスター発表最優秀賞を受賞しました。
本研究は、本校の卒業生で京都大学大学院博士後期課程の稲田圭さんにも多くのアドバイスを頂いた研究です。卒業してからも力を貸してくださる卒業生のおかげで、在校生もさらに頑張れる、嵯峨野高校にはそんな環境があります。
今回参加した生徒は「ほんまもんの研究に触れられた」「これを糧に大学での研究に繋げたい」と今後の研究に向けた感想を抱いてくれました。
この経験を、SSLⅢで実施される口頭発表や今後の研究に生かし、後輩に繋いでいってほしいと思います。
3月12日(木)に同志社大学で開催されたジュニア農芸化学会2026の高校生発表に参加しました。
専修コース2年生7名は「スーパーサイエンスラボ」の生物ラボに所属し、この春から取り組んだ研究の成果を発表しました。発表タイトルは次の3件です。
「バラ花弁色素の化学成分同定とアレロパシー活性ー園芸品種Rosa 'Sympathie'と祖先原種Rosa rugosaの比較ー」
「顔面皮膚由来の表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の増殖力とリパーゼ活性能」
「外部からの光刺激がダンゴムシの交替性転向反応に与える影響」
![]()
![]()
当日は128件の発表が有り、熱気に包まれた会場の中、活発な議論が交わされました。特に「ほんまもん」の研究者の先生方からいただいた専門的な目線の質問は大変貴重でした。
たくさんの学びがあり、他校の高校生が研究を楽しそうに話している姿を見て、研究活動がとても楽しいと感じる1日となりました。
1月31日(金)に、本校で探究成果発表会を実施しました。
この探究成果発表会は、普通科、共修コースのアカデミックラボ58班、専修コースのスーパーサイエンスラボ37班、サイエンス部、探究委員の発表を含めると、およそ100件の発表が行われる嵯峨野高校の一大イベントです。
1年生全員に加え、保護者の方や、京都府立大学の学生の皆さん、探究に御協力いただいた方々、その他教育関係者にも御来校頂き、生徒の発表を見学していただきました。
各班の発表はもちろんのこと、そのあとの質疑応答では、見学者との活発な対話があり、会場全体が熱気に溢れました。
発表会後の振り返りでは、「広い視野を持てるようになった。」「根拠をもとに、論理的に推測・考察するようになった。」「他人との協力や、意見の出し合いの大切さをより実感することができた。」等、自分自身の成長を実感する言葉が多く出ました。