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学校紹介

 

令和2年9月30日

 生徒の皆さんへ

京都府立城陽高等学校 

校 長  畑中 正文 

開校記念日について


 10月1日は本校の開校記念日です。
 本校は昭和47年4月1日に開校し、今年で49年目を迎えました。卒業生は1万5千名を超え、各方面でエネルギッシュに活躍されています。
 昭和40年代後半は京都府南部の人口増加が著しく、高校の新設が待望されていました。本校は府民の要請を受け第31番目の公立高校として設置すべく、昭和46年10月1日に京都府庁内に開設準備室が設けられ、この日が本校の開校記念日と定められました。同年12月には府条例で「京都府立城陽高等学校」と命名され、開校に至りました。初代校長の村高懐(ゆかし)先生は、「城陽は京都と奈良の中間点でもある。平城京と平安京という日本の二つの古い文化圏を結ぶ大和街道は、学校のすぐ西を通っていたとも想像されるし、古い文化圏を背負いながら新しい文化を創造することを学校の基本的な性格にできないだろうかと思われた」と述べておられました。その先生の強い気持ちが校歌の二番の歌詞から読み取れます。
 さて、いよいよ来年には創立50周年の節目を迎えることとなります。
生徒諸君一人ひとりが、開校記念日を機に気持ちを新たにし、今後とも

(1)知性を磨き
(2)自らを律し
(3)たくましく行動すること

に一層邁進し、城陽高校生としての誇りを抱きつつ、学業や部活動等を通して充実した高校生活を送ってくれるよう期待しています。

 
 
 

 みなさん、おはようございます。

 あっという間に夏休みが終わり、今日から二学期がスタートします。皆さんにとって、どんな夏休みだったでしょうか。

 7月下旬から8月上旬にかけて、さまざまな種目でコロナによって中止されたインターハイ予選や甲子園大会の代わりの公式戦が開催されました。私もいくつかの部活動の応援に行ってきましたが、どこの会場でもひたむきに頑張る城陽高校生の姿が見られ、久しぶりに心が洗われるような気持ちになりました。それと同時に、入念なコロナ対策を行い、選手が安心して競技に専念できる環境を整えてくださった、大会役員の先生方の熱い思いを強く感じることができました。代替大会が最後となった3年生にとっては、本来とは違う形での引退となり、満足のいくものではなかったかもしれません。しかし、今まで頑張ってきた皆さんのために、大人達が一生懸命考えて知恵を絞り、公式戦を開催してくださったということについて、感謝の気持ちを忘れないで欲しいと思います。

 8月に入ってからは、全国各地でコロナの感染者が増加し、いつ自分自身が感染するか分からないという状況になっています。そんな中で、今日から始まる2学期をどのように過ごすべきでしょうか?

 感染防止対策の具体的な行動等については、先生方から説明をしていただきますので、私の方からは「Withコロナにおける心の持ち方」についてアドバイスをしておきたいと思います。

 まず一つ目は、

  「起きてしまったことを嘆くのではなく、現状を受け入れ、自分のできることに取り組んで、前に進もう。」

という心の持ち方です。皆さんは、昨年までのような「普通の高校生活」を送ることが出来ません。さまざまな行事などがコロナによって中止されたり、内容が変更されたりしています。ただ、それを嘆いていても何も変わりません。起きてしまったことは、自分の力ではどうすることもできないのです。そんなことで悩んでいる時間があるなら、少しでも早く気持ちを切り替えて、自分ができることに取り組んだ方が賢いということは理屈としては誰にでも分かるでしょう。とはいえ、人間はショックなことがあると、なかなか気持ちを切り替えることはできないものです。そこで、皆さんに気持ちを切り替える秘訣を教えます。それは、「受け入れる」ことと「割り切る」ことです。起きてしまった事実を受け入れて「仕方が無い」と割り切ることができれば、次に向かって進んでいくことができるはずです。

 もう一つは、

 「互いに支え合い、助け合えば、必ずコロナに打ち勝つことができる」

という心の持ち方です。まず、高校生の皆さんを支えてくれる人はたくさんいるということを知っておいてください。家族はもちろん、友人、我々城陽高校の教職員、地域の人々など、皆さんの周りには、頑張る高校生を支えてくれる人々がいます。しんどい時や困ったときには、そんな支えになってくれる人をどんどん頼ってもらえればと思います。さらに、皆さん自身にも人を支える力は十分に備わっているということも知っておいてください。助けを必要としている人に手を差し伸べてあげようという気持ちを常に持っていることが大切だと思います。このように人々がお互いに支え合って一つになることによって、この未曽有のコロナ禍を乗り越えていくことができると私は信じています。

 しかし、実際には、コロナに感染した人々への心ない誹謗中傷や差別によって、人が人を傷つけるという悲しい事象が起こっています。我々がやるべきことは、決して傷つけ合うことではありません。例え、身近な誰かがコロナに感染したとしても、SNSにつまらない書き込みをするのではなく、その人を支え守ってあげること、それが、我々が本当にやるべきことではないでしょうか。

 いよいよ「Withコロナとしての二学期」が始まります。

 まず、3年生にとっては、高校生活の集大成の学期となります。さまざまな困難が立ちはだかるかもしれませんが、くじけることなく一つずつクリアして、それぞれの進路希望を実現してもらいたいと思っています。健闘を祈っています。

 また、1、2年生にとっても、将来の夢の実現に向けて、自分を成長させる大切な学期となります。一日一日を大切にして充実した学期にしてください。

まだまだ猛暑が続きますので、くれぐれも体調管理に留意して、日々の授業や行事、部活動にベストを尽くしていきましょう。

以上、始業式の式辞とします。

 
 

 最初に、この度の「令和2年7月豪雨」でお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々の一刻も早い復興を心からお祈り申し上げます。

 さて、1学期の終業式を迎えることとなりました。

 今学期は、コロナウイルス感染拡大により、例年にない異例の学期となりました。皆さんにとっては、どんな一学期だったでしょうか?「休校」、「中止」、「自粛」、「ステイホーム」、「ソーシャルディスタンス」。これらの言葉に象徴されるように、皆さんにとっては、さまざまな形で我慢を強いられた一学期だったのではないかと思います。

 最近の報道ではこのコロナウイルス感染症拡大の状況を「コロナ禍」という言葉で表現することが多いようですが、「禍」という文字には、「災い」「災難」「不幸な出来事」という意味があります。幸福の「福」と正反対の意味を持つ言葉と考えればよいでしょう。故事成語に「禍福はあざなえる縄のごとし」という言葉があります。これは不幸と幸福とは、より合わせた縄のように交互にやってくるものだという意味です。この言葉に従えば、このコロナ禍もやがては収まり平和な日常が戻ってくるということになります。しかし、その平和の後には、また形を変えた新たな災いが待ち構えていると言う意味にもなるのです。そんな先行き不透明な未来を生きるために、皆さんは今、何をしておくべきでしょうか。

 結論から先に言うと、皆さんには「答えのない問い」に対応できる力をつけてもらいたいと思っています。先日、皆さんが受けた期末考査の試験問題には必ず解答があったと思います。それでは、「コロナの感染拡大を防ぎながら、景気を回復させるにはどうすればよいか」という問いには、皆さんならどう答えますか?この問いには決まった正解というものがありません。いくつも選択肢がある中から、その状況に応じた最も良い答えを見つけ出さなければならないのです。

 数学の応用問題を解くためには、まず基本的な公式などを覚えるところから始めます。つまり、「答えのない問い」に対応できる力をつけるには、まず基礎基本をしっかりと身につけることが大切だということです。人間は、経験したことがない出来事に遭遇した時には、自分の頭の中にある知識や過去の経験の引き出しから、関連のありそうなものを探し出し、それを頼りに、その事態にどう対応すべきかを考えます。つまり、引き出しが多ければ多いほど、答えを出すためのヒントをたくさん集めることができ、より良い答えが出しやすくなるのです。

 基礎基本とは、まさしく、皆さんが今現在、城陽高校で学んでいる学習内容そのものです。まず、1学期に学習した内容が、自分の基礎基本としてきちんと定着しているのか、改めて確認してください。一夜漬けなどで覚えた知識はすぐに忘れてしまうものです。もし、忘れかけているなら、この夏休みの間にもう一度しっかり復習しておきましょう。

 また、教科学習以外の学校行事や部活動、ボランティア活動等でさまざまな経験を積んでいくことも非常に大切です。自分以外の他者と協力し合って何かを成し遂げるという経験は、皆さんの視野を広げ、柔軟な思考力を養ってくれます。そんな力が備わっていけば、答えのない問いに対して、より良い答えを選択できるようになっていくはずです。

 皆さんが社会人として活躍している2045年頃には、人工知能が人間の知能を超えるという説もある程、最近のAIはめざましい発展を遂げています。ただし、AIには「答えのない問い」に答える能力はありません。皆さんが将来、AIに仕事を奪われてしまわないためにも、人間にしか与えられていない能力を、今のうちから磨いておいた方がよいのではないでしょうか。

 明日から、短い夏休みに入りますが、コロナ対策や熱中症予防などの体調管理には十分気をつけながら、学習はもちろん、部活動やボランティア活動等にも積極的に参加して、自分を鍛える夏にしてください。二学期の始業式に皆さんの成長した姿を見られることを楽しみにしています。