SAGANO BLOG

12月10日(水)にSSH校である宮城県仙台第三高校の生徒44名が来校され、探究交流会を行いました。

仙台第三高校は修学旅行のプログラムの一環として関西地区のSSH校と交流をしているそうです。


お昼休みには昼食交流を行いました。生徒会の役員が嵯峨野の学校紹介を行った後、仙台第三高校の生徒さんが仙台に関するクイズ大会を用意してくれました。IMG_0055.JPG

午後からは、専修コース2年生が所属するラボごとに分かれて互いの探究内容について発表し、質疑応答を行いました。IMG_0119.JPGIMG_0093.JPG

交流の後にはラボ毎に集合写真を撮りました。

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また、放課後には法学ラボの生徒が現在の探究の成果について発表を行い、仙台第三高校の皆さんにアンケートを答えていただきました。

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仙台第三高校の皆さんありがとうございました!

 

 11月22日(土)、「令和7年度 みやびサイエンスガーデン」を京都工芸繊維大学で開催しました。このイベントは、京都府教育委員会とSSH指定校である洛北高校・嵯峨野高校・桃山高校が主催し、生徒たちが日々の探究の成果をポスターセッションの形式で発表するものです。本校からは40件のポスター発表を行い、他校の生徒や先生方、来賓の方々と活発な議論交流を行いました。

本校2年生は、これまでスーパーサイエンスラボⅡで取り組んできた探究の経過を、またサイエンス部は日々の研究の成果を報告しました。 

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準備の段階では初めてのポスター発表を不安に感じている生徒もいましたが、当日には、特に質問されたところを丁寧に説明するなど、それぞれ工夫しながら発表を終えることができました。今後は頂いた質問やコメントをもとにさらに実験を重ね、自身の研究についてより深く、探究してくれることを期待しています。

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 当日は発表生徒だけでなく1年生も見学に参加し、来年は自分たちがこの場で発表するというイメージを持つことができました。嵯峨野の探究の伝統は次世代へとつながっていきます!

 

11月26日(水)SSH公開授業研究会を開催しました。

今年度は「教科・科目での探究学習」と「探究を支援する教員の足場かけ」をテーマに実施しました。

京都府内だけでなく、他府県からも多くの教員、大学生、大学院生の方々が来校されました。


午前中は、パフォーマンス課題や文献調査など、探究的な学びを取り入れた授業を公開しました。

どの授業も生徒がいきいきと楽しそうに取り組んでいる様子が見られました。


午後は、立命館大学OIC総合研究機構 客員研究員 蒲生 諒太氏 を講師に招いて教員研修をおこないました。

研修では、探究の課題設定から考察までの論理に筋が通っているか、生徒自身が振り返って考えることができるように対話を進めていく様子を見せていただきました。

その後、「探究を支援するために必要な教員の資質・能力について」というテーマで講演していただきました。


「探究」は生徒が主体的に進めていくものですが、私たち教員の声かけや場のつくり方が、その「深さ」に影響すると考えています。

これからも研究を進め、生徒たちが学びに没頭するような深い探究の実現を目指していきます。

蒲生様をはじめ、御参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

11月3日(月)に京都国際会館で開催された日本生化学会の高校生発表に専修コース2年生7名が参加しました。

「スーパーサイエンスラボ」の生物ラボに所属し、この春から取り組んだ研究の成果を発表しました。発表タイトルは次の3件です。

「外部からの光刺激によるダンゴムシの交替性転向反応への影響」

「バラ(Rosa 'Sympathie')の色素をTLCで分離するための展開溶媒の検討」

「顔面皮膚由来の表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の単離」

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このうち、「外部からの光刺激によるダンゴムシの交替性転向反応への影響」が金賞を受賞しました。

初めてのポスター作成、初めての発表、初めての学会参加と初めてづくしでしたが、本物の研究者や大学院生の発表なども見学し、サイエンスの世界の「ほんまもん」に触れることができ、大変有意義な1日となりました。

 

 9月26日(金)、2年生を対象に表題の講義が実施しました。講師は京都大学大学院農学研究科の博士後期課程に在籍しておられる丸岡毅さんです。丸岡さんは2015年に本校を卒業された先輩です。

 丸岡さんは修士課程在籍時に、飼っていたガの幼虫に桜の葉を食べさせたところ、フンがとても良い香りをしていることに気づいたそうです。「これは・・・!」と、大胆にもお茶として飲んだところ、とても美味しいことを発見しました。その後丸岡さんは、様々な人と関わりながら「株式会社 虫秘茶」を立ち上げたところ、ミシュラン三つ星レストランにも認められ、NHKの番組にも取り上げられるなど、一躍話題の人となりました。現在はビジネスを拡げながら、耕作放棄地の利活用など地方活性化にも取り組んでおられます。

 丸岡さんが持参された様々な[幼虫]×[葉っぱ]の組み合わせによるフンのサンプルの「香り」を楽しみながら講義を聴きました。いろいろな幼虫を試されたそうですが、ガの幼虫が一番良いそうです。

 丸岡さんからは「Open-mindedであってください」「バカであってください」「好きなものを(意識的に)集めてください」とのエールをいただきました。ご講演後は生徒からの質問が続き、終了後も残って話を伺う生徒もいました。

 

 

 なお、翌日(9月27日)には大阪万博で「地球の未来と生物多様性」をテーマとしたパネルディスカッションに参加されていました。今後のご活躍にますます目が離せません!

 

 9月18日(木)、京都こすもす科専修コースの3年生を対象に、表題のサイエンスレクチャーを実施しました。講師は京都大学名誉教授の柴田一成先生に来ていただきました。柴田先生は京都大学大学院附属花山天文台において太陽、宇宙について幅広く研究に取り組んでこられ、数々の研究成果をあげてこられました。また、天文学の普及活動を積極的に推し進めておられ、近年は花山宇宙文化財団理事長として御活躍されています。

 今回の御講演では、太陽で起きている激しい活動と、その活動が地球におよぼす影響を、貴重な観測映像を用いながらわかりやすく御講義していただきました。また、「宇宙人は存在するか?」という、誰もが抱く命題について、人類とコンタクト可能な文明の数の推定なども交えながら、興味関心を大きくかき立てられる内容でした。

 御講演後の先生のまわりには、新たに生まれた疑問について先生に教えを請うべく、多くの生徒が先生のまわりに集まり、気がつけば昼休みが終わろうとしていたほどでした。

 柴田先生、ありがとうございました。

 

 嵯峨野高校の課題研究活動の1つであるジャパンフィールドリサーチ(JFR) in 熊本を9月13日~15日にかけて実施しました。熊本県玉名郡和水町の「ゆるっと!ひふみ亭」を拠点とし、周辺の森林・竹林や土壌などのフィールド調査研究を行う取組で、今年で3年目となりました。スーパーサイエンスラボの「校有林調査ラボ」およびサイエンス部の生徒10名が3日間にわたって活動しました。

 久留米駅までは新幹線で、そこからはバスで移動です。車中では地理教諭による即席「久留米レクチャー」を聴きながら、昼食をとりました。

 

「ゆるっと!ひふみ亭」に到着後、前 和水町教育長の岡本貞三 先生の御案内で、周辺の森林を見聞し、活動を行うポイントの選択・確認を行いました。その後、残り時間で可能な範囲で予備活動を実施しました。

2日目は熊本県立第二高等学校、熊本県立鹿本高校の生徒と先生、さらに東海大学農学部の井上弦教授と学生の方が加わりました。前 和水町教育長の岡本貞三先生から「和水町の自然について」の御講義を受けた後、それぞれが調査・作業に取りかかりました。ひふみ亭でおいしい昼食もごちそうになりました。

 出発前の予報では天候が危ぶまれ、屋外活動が殆ど行えない可能性もありましたが、いざ始まってみると、活動を妨げるほどの雨は殆どなく、ほぼ計画通りの調査活動を3日目の午前中まで行うことが出来ました。熊本の高校生とも交流ができ、充実の3日間となりました。

 今回の調査結果および得られたサンプルについて今後検討を行い、まずは11月22日の「みやびサイエンスガーデン」で研究成果を発表する予定です。

追記

 嵯峨野高校公式Instagramには、さらに写真や動画を載せています。よろしければご覧ください;

https://www.instagram.com/saganohs1950/


 

9月16日(火)2年7・8組の生徒がSE(サイエンスイングリッシュ)の授業内で、1学期に続いて考古学者のDr. Noxonを招き3Dモデルについての特別講義を受けました。該当クラスの国際交流委員がその様子をまとめてくれました。
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『私たちはiPadを使って、身近なオブジェを写真で撮影し、3Dモデルを作成する活動を行いました。撮影の角度が重なるとうまく形が出なかったり、思いがけず変な形になったりすることもありましたが、無料のアプリでここまでリアルな立体像が作れることに驚きました。現実の物体がデジタル上で立体的に再現されるのを見たときは感動しました。』

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『3Dスキャンを成功させるためには、250枚近くの写真を撮る必要があることを知って驚きました。細かな模様や質感まで忠実に再現できることに技術の進歩を実感しました。今回の体験を通じて、3D技術が私たちの創造や学びを大きく広げてくれるものだと感じました。』

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7月30日・31日に実施したサマーセミナー「東京・つくばサイエンスツアー」について報告します。

今年度も2年生10名が参加しました。

1日目は国立科学博物館の見学、東京大学先端科学技術研究センター極小デバイス理工学分野の岩本 敏 教授による特別講義および研究室見学、卒業生2名からの講話を実施しました

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2日目はつくば市に移動して、地質標本館、JAXA筑波宇宙センター、国土地理院 地図と測量の科学館を見学しました。

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生徒たちは2日間で科学の面白さをたっぷり味わうことができました。

 

 7月29日(火)生徒23名が京都大学吉田キャンパスを訪問し、化学を軸としたフィールドワークを行いました。

 松原誠二郎先生(京都大学 国際高等教育院吉田カレッジ 特定教授)の御講義では、自分のベースとなる学問領域を極めることの大切さや、AIが発達しても人間にしか出来ないことがあり、そこを切り開いていくことが重要であることを御講義いただきました。

 竹邊日和先生(京都大学 学術情報メディアセンター 助教)からは、失敗した実験データをAIに記憶させ、それを活用して研究をアシストするシステムの構築について御講義いただきました。論文で発表されるのは主に成功した実験ですが、うまくいかなかった例も重要であるというお話は、なるほどと納得させられました。

 藤田健一先生(京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授)の研究室では、環境調和型物質変換反応の開発に取り組んでおられ、研究室の見学をさせていただきました。「科学のこれからを担うのは君たちだ」と励ましのお言葉もいただきました。

 充実した半日を過ごさせていただき、生徒もさらにがんばってくれるでしょう。ありがとうございました。

 

 7月31日(木)に、大阪大学の吹田キャンパスを訪問し、午前中は理学研究科の先生から御講義、午後は工学研究科の2つの研究室を訪問・見学しました。

 午前の講義会場は「大阪大学感染症総合教育研究拠点」(CiDER)の、出来たばかりの新棟「大阪大学・日本財団 感染症センター」の講義室を借りていただきました。世界的な建築家 安藤忠雄氏の監修によるものだそうです。

 この講義室で、大阪大学大学院 理学研究科 物理学専攻の川畑貴裕教授から「原子核と元素合成の秘密~フェムトワールドの探検」というタイトルで御講義いただきました。金やプラチナなどのような、金やプラチナなどのような、鉄よりも重い元素が如何にして生まれたのか?この謎を、宇宙の始まりや星の一生と結びつけて解明を試みるお話は、難しい内容にも関わらず、「2時間も経ったように感じなかった(生徒談)」ほど惹きつけられるものでした。質疑応答終了後にも、個別に質問をする生徒もいました。また、御講義後は建物内も見学させていただきました。

 学生食堂で昼食後、生徒は20名ずつの2班に分かれて工学研究科の研究室を訪問・見学しました。

 1つの班は工学研究科応用化学専攻を訪問しました。有機金属化学領域の星本陽一先生は一酸化炭素や二酸化炭素など不純物を多く含む「粗水素」から、エネルギー消費の大きい不純物除去プロセスを経ることなく直接水素を分離・貯蔵可能な触媒を開発されています。この技術を用いれば、天然ガスやバイオマスからの水素製造が格段に効率化されると期待されています。まさに「化学が世界を変えていく」ということが実感できるお話でした。また、有機工業化学領域の仲本正彦先生は「高分子化学で生命をコントロールする!」というタイトルでお話をいただきました。仲本先生は、生体から着想を得た高分子機能の開拓に取り組んでおられ、生物・化学そして医療への応用まで、領域にとらわれない研究について話していただきました。

 御講義後、いくつかの小グループに分かれて有機金属化学領域と有機工業化学領域の実験室を見学させていただき、グローブボックスでの作業体験や液体窒素を用いたデモンストレーションなどを交えて、研究室の雰囲気を感じ取ることが出来ました。嵯峨野の卒業生も修士課程の学生として在籍しており、研究の世界をより身近に感じることが出来ました。

 もう1つの班は、工学研究科 物理学系専攻 応用物理学コースの坂本研究室を訪問しました。坂本研究室では固体表面上に形成した低次元構造体(数原子程度の厚さや太さのナノ物質)の電子構造について研究しています。また、本校卒業生の寺川成海先生が助教として研究に取り組んでおられます。坂本一之教授の御講義の後、寺川先生について研究室を見学させていただきました。また、学生の皆さんに教えていただき、シリコンウェハーを割る体験もさせていただきました。

 この日も非常に暑い一日でしたが、大阪大学の皆様のおかげで、大変充実した有意義な1日を過ごすことが出来ました。 

 

 7月29日(火)の午後、京都大学桂キャンパスを訪問し、電子工学・電気工学に関する講義の聴講と研究室見学をしました。

 まず、集積機能工学研究室(米澤研究室)を訪問しました。米澤研究室では超伝導・真空電子デバイスに関する研究に取り組まれています。米澤進吾先生からは、物質の磁性・相転移・磁区に関する講義をしていただきました。時折演示なども交えた、高校1・2年生にもわかりやすい御講義でした。超伝導については、液体窒素を用いて超伝導材料を冷却し、超伝導状態になったときに生じるマイスナー効果による磁気浮上など、好奇心をかき立てられる演示でした。

 さらに、修士課程1年の学生さんと博士課程3年の学生さんが、なぜ米澤研究室に入ったか、研究室での生活はどのようなもので、研究が如何に面白いかをお話しくださいました。研究を楽しんで取り組んでいることが伝わってくるお話でした。

 最後に研究室を見学させていただきました。米澤研究室の他、電気工学専攻の薄研究室と、電子工学専攻の木本研究室も見学させていただきました。薄研究室は先端数理情報学とそのエネルギー・モビリティ・ロボットへの応用、木本研究室は半導体パワーデバイスの性能向上についてそれぞれ研究されており、基礎知識や概念について説明いただきました。生徒達は、所狭しとならぶ高度で高価な装置群と、学生の方々の活気から大いに刺激を受けました。

 

 7月29日にサマーセミナーとして京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源センターを訪問しました。

 ショウジョウバエ遺伝資源センターは常時3万系統のショウジョウバエの変異体を維持・継代している施設であり、世界の研究者へ向けて研究に使うショウジョウバエを送っています。日本では国立遺伝学研究所と並び有数のショウジョウバエ資源センターとなっています。

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 生徒達は研究室を見学し、実際に野生型、White(白眼の変異体)、Curly(翅が曲がる変異体)、Antennapedia(触覚が脚に変わる変異体)など教科書に載っている有名な変異体を直に観察し、熱心に説明を聞いていました。

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 その後、センター長の高野先生からショウジョウバエが希少疾患の治療の研究に使われているという講義をしていただきました。遺伝学研究では必須のモデル生物であるショウジョウバエですが、生徒達はハエをより身近に感じて研究の面白さを体感できました。

 京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源センターの皆さんありがとうございました。

 

 7月30日にサマーセミナーとして武田薬品京都薬用植物園を訪問しました。

 京都薬用植物園は、武田薬品工業株式会社が絶滅危惧種を含む重要な薬用・有用植物資源の収集・保全を行い、環境教育の支援活動のために開放されている施設です。園内では、3班に分かれて見学を行いました。

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園内には身近なハーブや野菜として普通に食べているゴボウやシソも栽培されており、薬用植物であると知って驚きでした。

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また、生薬や漢方薬として栽培されている植物種の中には、味や匂いを体験できるものもあります。案内してくださった社員の皆様のアドバイスを聞きながら、実際にその植物の味見にチャレンジしました。

最初はおそるおそるだった生徒達も、五感で感じられる植物の魅力に惹かれ、次第に積極的に触れようとしていました。また、質疑応答の時間には歴史と植物のかかわりなどの幅広い質問が出ました。

武田薬品工業株式会社の皆様、ありがとうございました。

 
いよいよ最終日。2年生は昨日立てた計画や分担を、その意図も含めて1年生に伝えていきます。

準備も念入りに行い、最終日の調査に向かいました。2日間で準備をした土壌断面調査では、教員の一言一言を聞き漏らすまいと集中する生徒の姿がありました。化学分析を行う班は土壌の様子も確かめながらサンプリングを行い、土壌貫入強度班は、慣れた手つきの2年生の横で1年生が手際よく記録を取っていきます。

無線でお互いに連絡を取りながら、何とか時間内に調査を終えた生徒達。最後の記念写真では、やり切った表情を見せてくれました。

学校に帰ってきてからも、参加した生徒達は採集したサンプルの分析や調査をさっそく始めています。

また、9月13日~15日には熊本県玉名郡にて、熊本県立第二高等学校、鹿本高等学校とともに調査(JFR in 熊本)を行います。今回の経験を活かして、さらに研究を深めていくことを期待しています。

 

2日目も天気に恵まれた中での実施でした。

引き続き調査地点の選定を行う班もあれば、測量班は本調査地点の測量を引き続き行いました。1年生も、2年生サイエンス部や校有林調査ラボの先輩とともに行動し、研究の基礎を身につけていきます。


「せーの!」

つる性植物班は、現地に生えていた大型のつる性植物を発見。が、掛け声とともに数人がかりで引っ張っても、まだまだつるは抜けません。

綱引きの要領で何度も声を掛けながら引っ張り、ようやく取れたつるは、なんと全長18m! つるどうしで絡み合っている部分なども観察できました。


2日目の調査を終え、振り返りも行いほっと一息......かと思いきや、2年生はそのまま、明日の作戦会議に入りました。限られた時間内に調査を終えるため、あとどの調査が残っているのか、どれくらいの時間と人数が必要なのか、昨年度のJFRを経験したメンバーだけでなく、全員での議論が進みます。

準備期間そして調査の3日間の中で、教員が指示をしなくても、自分達で計画を立てて動けるようになっていく背中が、頼もしくなってきました。

 

7月19〜21日にかけて、SSH事業の一環としてジャパンフィールドリサーチ(JFR) in 丹後を、京都府立丹後海と星の見える丘公園で実施しました。 本取組の一部は、公益財団法人 中谷財団の科学教育振興助成を受け実施しました。研究タイトルは「京都府丹後半島の森林小流域における土壌生成に関する研究」です。 今年度の参加者は、校有林調査ラボとサイエンス部の生徒合計25名という大人数。また、昨年度嵯峨野高校を卒業した先輩がTAとして参加してくれました。

1日目は現地に到着後、公園内を歩き調査地点をどこにするかの選定を行いました。本校地理教諭の案内で山を登りながら、道端に落ちている石や地形1つ1つの解説を受けることで、生徒の興味も広がっていきます。

「木に実がなってる!」と生徒が見上げるのは、宿舎の部屋名の1つにもなっているヤマモモの木。施設職員の方に許可をもらい、ちぎって食べてみました。 「すっぱい!」「この実はおいしかった」「どのくらいの色の実が熟しているんだろう」気付きを口に出すことで、さらに興味が広がります。

事前に計画を立てていた中で、調査地点が決まった班はさっそくセッティングへ。動物班は、獣道とみられる箇所を見つけ、角度を調整しながら赤外線カメラを設置しました。ここから、2日。果たして生き物の姿は捉えられるでしょうか?!

夜には満天の星空が広がり、さそり座を中心に夏の星座を観察することができました。京都市内では見られない光景に、生徒達の視線も釘付けでした。

 

今日の午前中に発表を行った3年生と、同じラボに所属し、今年の4月から探究活動を本格化させた2年生が座談会形式で意見交換を行いました。

同じラボに所属する先輩と後輩なので、和気藹々とした雰囲気で、笑い声が絶えませんでしたが、実験や調査の方法について3年生がアドバイスする場面では、2年生は真剣に聞き入っていました。

 

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午後の部で3年生は、Research Reflectionを行いました。


①午前中の研究発表はどうだったか

②探究活動を通じてどのような力が身についたか

③その力は将来の自分たちにどう役立つのか


この3点について英語で意見交換しました。

TA達からも具体的なアドバイスをもらいながら、長期間取り組んだ探究活動について振り返ることができました。

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6月13日 2年生 講演会

本校と高大連携協定を結んでいる京都府立大学の学長である塚本先生にご講演いただきました。

塚本先生はダチョウの研究の第一人者であり、ダチョウの生態やダチョウの卵を使った抗体の研究など、これまでの研究についてお話していただきました。大変興味深い話が多く生徒たちも興味津々でした。

<生徒の感想紹介>

・身近な動物などもしっかり調べてみると無限の可能性を秘めていたりするから探究はおもしろいと感じた。

・先生は様々な研究を成功させて実用化されていましたが、人が一生にこれほどの成果をあげられるものかと驚きました。最初に先生がおっしゃっていたように、研究は成功もあれば失敗も多いからです。私たちも探究において失敗を恐れず興味関心に従って積極的に行動を起こしていきたいと思いました。

・ダチョウがさまざまな分野で役に立っていて興味深かった。自分も先生のように夢中になれることを見つけてらぼなどで研究していきたい。

・何か夢中になることの大切さ。その夢中になることが、一生関わり続けるものになるというのはとても良いことで自分の幅を広げていくものだということがわかった。

・僕も獣医学にすごく興味があったけれど、こんなにも世界に貢献していてすごいと感じて、自分も将来同じような研究をしてみたいと思った。

 
 
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