§13 立体化学-分子の幾何学
 有機化学では、たくさんの種類の分子が出てくるので、それらの名前や反応性を覚えることに関心が向かいますが、今回は、分子の形を対称性といった幾何学的な面から扱ってみました。

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 展示の様子


基本レベル



対称性(symmetry)

 分子の形を対称性で分類すると、左の分子のように左右対称(面対称)なものや、右の分子のように点対称なものがあります。



エナンチオマー(enantiomer)

 このような対称性の一つとして鏡像があります。分子には自らとその鏡像が同じであるアキラル(achiral)なものと、異なるキラルなものがあり、キラルな分子とその鏡像異性体との関係をエナンチオマー(enantiomer)といいます。
 左の画像では、中央に鏡があるとすれば、2つの分子は互いに鏡像の関係になっています。しかし、この2つの分子は似ていますが、異なるのでキラルな関係にあり、互いにエナンチオマーとなっています。



不整炭素原子(asymmetric carbon atom)とR型・S型

 分子がキラルになる原因の一つとして、1つの炭素原子に異なる4つのものが結合した不斉炭素原子があります。
 不斉炭素原子は、結合している原子について、その原子番号の大小で順位を付け、R型(右:rectus)とS型(左:sinister)に分けられます。つまり、黄を塩素17Cl、赤を酸素8O、青を窒素7N、水色を水素1Hとすると、原子番号の大きいものから黄、赤、青と右回り(時計回り)ならR型、反転した形の左回り(反時計周り)ならS型となります。
 画像では、左の分子はS型、右の分子はR型です。

標準レベル



ジアステレオマー(diastereoisomer)

 不斉炭素原子のような不斉中心が2個以上存在する分子では、鏡像異性体を得るには全ての不斉中心が反転する必要があります。
 左の画像では、左の分子では上の不整炭素原子はS型で、下の不整炭素原子はR型。右の分子では、逆に上の不整炭素原子はR型で、下の不整炭素原子はS型と両方が反転しているので、この2つの分子はエナンチオマーの関係になっています。


 左の画像でも、左の分子では上の不整炭素原子も下の不整炭素原子はR型。右の分子では、上の不整炭素原子も下の不整炭素原子はS型となり、両方が反転しているので、この2つの分子はエナンチオマーの関係になっています。
 しかし、上の分子に対しては、不整炭素原子の一部をそのままにして他を反転したことになり、両者は鏡像異性体にはならず、異なった構造の異性体となっています。このような関係の異性体をジアステレオマーといいます。


メソ体(meso-form)

 同じ構造の不斉中心を2個以上含む分子で、分子に対称面がある場合は、鏡像が元の分子と同じもの(アキラル)になります。このような分子はメソ体(メソ形異性体)と呼ばれます。
 左の画像では、分子の中央に対称面があるので、鏡像と180°回転させたものが同じになっています。

発展レベル



 キラルな分子は、不斉炭素原子を持つことが多いのですが、不斉炭素原子がなくてもキラルな分子は存在します。
 左の画像は、二重結合が2つ連続したものです。



 こちらの画像は、8の字の様に2つの環が連続したものです。

 他にどのようなものがあるか、探してみましょう。

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