SAGANO BLOG

12月20日(日)、狂言部の定期公演「嵯峨野高校狂言の会」を開催しました。2009年に狂言の取組を始め、3年目から発表会を開いていますので、今年が15回目になります。冬青庵能舞台では12回目。舞台と客席が近く、お客様の暖かい反応が伝わってくる、高校生にはありがたい会場です。

(1)「蟹山伏(かにやまぶし)」 山伏と強力が異形の者に出会います。蟹の精と察して「今晩のおかずにしてやろう」と打ちかかるのですが......。 蟹山伏.jpg (2)「呼声(よびごえ)」 無断欠勤している太郎冠者を、主人と次郎冠者が呼び出しますが、太郎冠者は居留守をつかいます。主人たちは謡で呼び出そうとして......。 呼声.jpg 部員は3人とも今年度から加入したので、狂言装束を着け、能舞台に立つのは初めてです。これまでの着物・袴や校内のホールでの上演に比べ、声の張りや動きのキレが「1.5倍増し」くらいになりました。蟹の精が山伏と強力を翻弄したり、主従3人で謡ったり踊ったりする面白さを、生き生きと演じることができました。

 どちらの曲でも、客席から賑やかな笑い声が上がり、狂言の楽しさ面白さを伝えることができました。これも、茂山千五郎先生はじめ茂山狂言会の先生方が懇切に御指導くださった賜物です。あらためて心から感謝を申し上げます。

 休憩をはさんで、茂山千五郎先生と茂山茂先生が「仏師(ぶっし)」を演じてくださいました。動きの安定感やチラッとした表情の動きひとつで笑いを誘う演技は高校生と比べものにならず、仏師が次々に繰り出す印相(仏像の手や指の形)の大胆な変化に客席が大いに沸き、伝統の芸の素晴らしさを堪能させていただきました。

 狂言部の卒業生が何人も来てくれて、大学で勉学のかたわら、狂言を続けたり、興味を能に広げて稽古を始めたりしている様子を教えてくれました。こうした良い伝統が続いていくよう、これからも励みたいと思います。

 
 
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