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2025/04/02

(1)研究開発課題名

 個人と社会のウェルビーイングを実現するグローバルサイエンス人材の育成

 

(2)研究開発の目的・目標

<目的>

 第Ⅳ期では、「2つの探究」を柱とする探究型融合教科「グローバルサイエンス」、深い科学的思考力と国際的な協働性を身に付けるAdvancedカリキュラム、授業の枠組みを超えた学年横断型の発展的な学びの場を開発する。これらの取組を通して生徒の資質・能力「5C」および姿勢・意識「桃山エージェンシー」を育み、個人と社会のウェルビーイングを実現するグローバルサイエンス人材の育成を目的とする。

 

 第Ⅲ期では、国際的に活躍し得る科学技術系人材であるグローバルサイエンス人材を育成するために、これからの時代に求められる資質・能力を「5C」と定義し、SSH事業を含む学校活動全体で資質・能力「5C」の育成を目指してきた。

 一方で、現代社会ではGDPに代表される経済的な豊かさのみならず、精神的な豊かさや健康までを含めて幸福や生きがいを捉える考え方(ウェルビーイング)が重視されてきている。このようなウェルビーイングを実現するためには、資質・能力「5C」だけでなく、自らの資質・能力を用いて社会に貢献しようとする姿勢・意識が重要だと考えられる。

 第Ⅳ期では、資質・能力「5C」に加え、自らの資質・能力を用いて社会に貢献しようとする姿勢・意識を「世界的・将来的な視野を持つ姿勢」「己を知り、他者を知り、自己の在り方・生き方を考えようとする意識」と定義し、新たに「桃山エージェンシー」として育成の対象とする。桃山エージェンシーを備えた生徒一人一人が自身の資質・能力を生かして様々な分野においてイノベーションを創出することが社会全体のウェルビーイングの実現に繋がると同時に、自身の「生きがい」を見出す、すなわち個人のウェルビーイングを実現することができる。

 

資質・能力「5C」

Critical thinking and problem solving(批判的思考力と問題解決力)

 ② Creativity and innovation(創造力と革新力)

 ③ Collaboration(協働力)

 ④ Communication(コミュニケーション力)

Challenge(挑戦力)

 

姿勢・意識「桃山エージェンシー」

① 世界的・将来的な視野を持つ姿勢

② 己を知り、他者を知り、自己の在り方・生き方を考えようとする意識

 

<目標>

 目的の達成に向けて以下の目標【1】【2】【3】を設定する。なお、各目標は独立したものではなく相互に関連しながら相乗効果を発揮するものと考える。

 

【1】「2つの探究」を柱とする探究型融合教科「グローバルサイエンス」の開発

 第Ⅰ~Ⅲ期では、探究力を育成するための探究型融合教科「グローバルサイエンス」(以下GS)を開発し、その内容を充実させてきた。特に第Ⅲ期では、課題研究を中心に現行の学習指導要領が目指す全教科での探究活動に取り組んできた。

 第Ⅳ期では、課題解決型探究と、自身と社会の将来について考えを深めるキャリア探究の「2つの探究」を柱とした探究型融合教科「グローバルサイエンス」のカリキュラムを開発する。さらに、全GS科目でGS探究と連動した高大産連携講座とパフォーマンス評価を実施する。

 これらの取組を、自然科学科と普通科の全生徒を対象に実施し、課題解決型探究とキャリア探究、高大産連携講座とパフォーマンス評価を関連付けて実施することで、自ら課題を見出し主体的に解決することができるレベルの資質・能力「5C」と姿勢・意識「桃山エージェンシー」を育成する。

 

【2】深い科学的思考力と国際的な協働性を身に付けるAdvancedカリキュラムの開発

 国際的に活躍し得るグローバルサイエンス人材には、グローバルな課題を解決するための深い科学的思考力と国際的な協働性が必要である。

 第Ⅳ期では、STEAM教材を用いた高度な探究活動と、日本語と英語で他者の意見を聞き、自身の考えを論理的に話す取組を行うAdvancedカリキュラムを開発する。

 これらの取組を、自然科学科の全生徒を対象に実施し、深い科学的思考力と国際的な協働性を身に付けることで、グローバルな課題を科学的かつ協働的に解決することができる高いレベルの資質・能力「5C」と姿勢・意識「桃山エージェンシー」を育成する。

 

【3】授業の枠組みを超えた学年横断型の発展的な学びの場の開発

 個人と社会のウェルビーイング実現のためのイノベーション創出を担うグローバルサイエンス人材の育成には、授業や学年の枠組みを超えて意欲を持った生徒が集まり、発展的な課題について主体的に学びを深める場が重要となる。第Ⅰ~Ⅲ期では、主に研究分野に関してグローバルサイエンス部(科学部、以下GS部)がその役割を担ってきた。

 第Ⅳ期では、GS部に加えて科学分野や国際的分野における発展的な取組を希望する生徒が自由に選択できる課外の取組を新たに開発する。具体的には、科学オリンピックや科学の甲子園への出場、活躍を目指す取組として「GS-AdvanceS】」を、海外の連携校と年間を通して定期的に交流、共同研究を行う取組として「GS-AdvanceG】」を開発する。

 これらの取組を、全校生徒からの希望者を対象に実施し、国際的に活躍し得るトップレベルの資質・能力「5C」および姿勢・意識「桃山エージェンシー」を育成する。

 
 
 

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