部活動

 5月14日(日)、上世屋にてフィールド探究部の1年生10人で畑仕事と挿し木をするための木を採取しました。

1.棚田について
 初めに私たちは棚田を管理している小川雅道さんから話を聞きました。小川さんが管理されているのは一番上の段の小さな田んぼ。ここから下の段の田んぼに水がいきわたり棚田が維持できていることを教えてもらいました。

2.フィールド探究部の畑へ
 小雨の降る中、以前から借りている畑に行き、野菜を植えました。ここで登場したのがこの日初めて使う耕運機。扱いは難しかったけれど、とても早く土を耕すことができました。その後、「宮津エコツアー」の安田潤さんに畝を整えてもらい、様々な野菜の苗を植えました。
 苗を植えた後、あたりに生えている草を抜いて、植えた野菜の周りに敷き詰めました。これは安田さんに教えて頂いた方法で、この作業を行うことで土が乾かない、日光を遮るので雑草が生えない、雨から植えた野菜を守ってくれる、分解されたら肥料になるなどの効果があるそうです。
 作業を終えた私たちは、畑の近くの矢野武さんの小屋に入らせてもらいました。そこは矢野さんと吉岡徳雄さんが周りの山林で伐採した木を薪や炭に加工する場所で、丹後一、パワーのある薪割り機や炭窯を見せてもらいました。
 
3.挿し木のために木を採取
 次に私たちは挿し木用に様々な種類の木を採取しました。まずはサルスベリ。この特徴的な名前は猿も滑り落ちるほどの滑らかさを持つ樹皮に由来しているそうです。お次はクロモジ。この植物の枝は和菓子をたべるときの楊枝や箸に使われてきました。近年は抗ウイルス作用があることでも知られています。
 この他にも15種類の木の枝を採取しました。採取した木は挿し木として育て、どの木が挿し木に適しているのかを調べる予定です。

〈全体を通して〉
 今回は畑作業と挿し木をするための木を採取しました。これからも定期的に管理をしていき、先輩方が取り組んできたことを受け継ぎつつ、新たな取組にもチャレンジしていきたいです。

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 4月30日(日)に「京都府立丹後海と星の見える丘公園」にて実施された「アースデイ丹後2023」に参加しました。このイベントは、地球に感謝し、美しい地球を守る意識を共有し、地球のために行動する日です。そのようなアースデイの様子を、今回は少し趣向を凝らし、劇になぞらえて紹介します。

1.劇場準備
 最初にすべきことは劇場準備である。「備えあれば憂いなし」という諺にもあるように、準備をしっかり行えば大抵のことには対応できる。公演本番となる子どもたちとの触れ合いを楽しみにしながら、その舞台となる川の様子を確認した。
午前中は劇場スタッフとして総合受付の役割を担い、劇場に訪れた方の対応を行った。また、店番などをして出店者をサポートし、来場者に多くの体験を楽しんでもらいながら、私たち自身も多くの体験をさせていただいた。

2.本番
 私たちにスポットライトが当たるときである。演者全員、衣装や表情から「本気」を滲ませながら、演目の舞台である川へと向かった。前日の雨に伴って川の水は濁り、少し増水していたため、見守り隊を増員して観覧者である子どもたちが安全に演目を楽しめるようにした。そして本番、子どもたちは楽しそうに川の魚たちに向き合っていた。失敗を積み重ねながらも試行錯誤を繰り返し、見事魚をゲットしたときには皆、達成感に溢れた弾ける笑顔を私たちに見せてくれた。この演劇の本当の主役は私たちではなく、子どもたちであったのだと気付いた瞬間であった。川でのシーンがクライマックスを迎えた後はバックヤードであるセミナーハウスに戻り、捕まえた魚の正体を図鑑で確認しながら、その魚たちと戯れた。この演目は控えめに言っても「最高」と言えるものであった。

3.後片付け
 舞台終了後は、後片付けを行った。1つ1つの作業に名残惜しさと心地よい疲労を感じながら、最後にひと踏ん張りして舞台上を元通りに整えた。このようにして、今回のアースデイはその幕を下ろした。私たちは最初、ほんの小さな気持ちでこの演目に参加することを決めた。しかし、今回の体験を通して、小さな気持ちの集まりは大きな力を生み出すことを知った。私たち部員は、これからも個々の力を合わせ、丹後から世界につながるような壮大な脚本づくりに取りかかるのだ。

 未来の世界と人間そのものの発展を心から願い ここに記事を残す
フィールド探究部 1年生男子

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4月23日(日)、フィールド探究部の活動をして1年生にとって初めてのフィールドワークに出かけました。

1.上世屋の風景
 初めて上世屋地区に行き、自然の美しさを学びました。
「宮津エコツアー」の安田潤さんから話を聞き、ただ保護するだけでは生物多様性は守れない、ということを教えていただきました。

2.矢野農園へ
 農園で作業されている矢野武さんと吉岡徳雄さんから話を聞き、畑を復活させた話を聞きました。その後、近くにある森へと入り、シイタケを採りました。

3.山に入って川の源流へ
 自然の雄大さ、美しさ、不思議さを肌で実感しました。これまで自然に囲まれた地域で生活してきたのにも関わらず、まだまだ知らないことが沢山あるのだと痛感しました。

4.波見川で生態調査
 1年生は初めての調査で、みんな網に苦戦するもだんだんと慣れていき、いろいろな生物を確認することができました。

5.柴漬け作り
 川の整備をするときに出た草で、生物のすみかになりそうな場所(「柴漬け」と言います)を作りました。

<全体を通して>
 このフィールドワークでは、高校入学前までの生活では味わえないような体験をいくつもすることができました。今回感じたこの感覚は、今後新しい場所でフィールドワークをするたびに何度も感じることになると思います。こういう新鮮な感動を忘れないようにしたいです。

1年生男子

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 令和4年3月26日(土)、27日(日)、「マイプロジェクトアワード2021」全国Summitが開催され、藤本 和奏さん(橋立中・2年)、石野 優衣さん(伊根中・1年)、 八木 美咲さん(伊根中・1年)が、フィールド探究部の活動「丹POPO女子が見つけたこと」について発表しました。
 1日目となる26日(土)には、地域SummitおよびオンラインSummitから招待された48プロジェクトの1つとして発表を行い、その結果、2日目となる27日(日)、ベスト6のプロジェクトに選出され、文部科学大臣賞に次ぐ「ベストマイプロジェクト賞」を受賞することができました。
 全国およそ6000本のプロジェクトからのベスト6選出、そして「ベストマイプロジェクト賞」受賞おめでとう!タンポポのシーズンとなりますね。どんどん研究を進めてください!

 

 令和4年3月13日(日)、日本自然保護大賞2022授賞式(主催:公益財団法人 日本自然保護協会)が行われ、フィールド探究部「丹後を駆けるF探のチカラー地域の宝を探し、伝え、作り出す」が、子ども・学生部門において大賞を受賞しました。
 フィールド探究部では、丹後地域全域で巨樹や在来のタンポポ、人と自然の関わりを伝える財産を探し出す活動を行い、その価値を発信してきました。この活動について大きな評価をいただき、今回の受賞となりました。
(詳細→ https://www.nacsj.or.jp/award/result_2022.php#anchor_cat03
 授賞式にはオンラインで参加し、先日卒業したばかりの3年生も含めて、多くの部員が出席して賞状・盾・記念品を受け取りました。授賞記念シンポジウムの中では、フィールド探究部の活動発表の後に、選考委員のイルカ様より、世代や地域を越えて地球全体としての自然保全につなげてほしいとの評価をいただきました。
 今回の受賞に際し、地域の方々を含めて大きな反響をいただきました。多くの方々の御協力により、これまでの探究活動を推進することができました。この場をお借りしてお礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 令和4年3月4日(金)、マイプロジェクト事務局から「マイプロジェクトアワード2021」について発表があり、フィールド探究部の活動「丹POPO女子が見つけたこと」が全国Summitに出場することが決定しました。(https://myprojects.jp/news/16164/
 3月26日(土)、27日(日)に全国Summitが開催され、ベスト6のプロジェクトに選ばれると、27日(日)に発表の様子がオンラインで生配信されます(上記リンク先)。
 また、フィールド探究部の活動「探GO!スタディーツアー」についても、地域Summit(京都Summit)の地域特別賞に選ばれました。

 

令和4年1月17日(月)、公益財団法人 日本自然保護協会から日本自然保護大賞2022について発表があり、フィールド探究部が「日本自然保護大賞2022【大賞】子ども・学生部門」を受賞することが決定しました。
 「丹後を駆けるF探のチカラ ー 地域の宝を探し、伝え、作り出す」をテーマとして、これまでの巨樹調査や、在来タンポポの分布調査、大手川と人・地域をつなぐ活動についてまとめてきました。昨年までは入選でしたが、今回、大賞をいただくこととなりました。
 今後も地元地域と連携しながら探究活動を進めていきます。

【日本自然保護大賞HP】 https://www.nacsj.or.jp/award/index.php

 

 令和4年1月9日(日)、1・2年生5人が宮津市上世屋地域で雪山スノーシューウォーク体験を行いました。山中では昨年末の大雪が1m程度残っていましたが、普段は笹で歩きにくい山中をスノーシューを履くことで自由に進むことができました。白銀の世界では動物の足跡や樹木の芽吹きなど、様々な生物痕を観察しました。
 冬場は天候不良でフィールドワークに取り組みにくい日々が続きますが、様々な発表会へ向けたまとめを行いながら、天候が良いときには外部での活動に取り組んでいます。


 
 フィールド探究部の大手川探検隊です。大手川を宮津の人に好きになってもらうことを目標に、日々親水公園を作ったり、川で魚を獲ったりしています。私たちの研究について紹介します。

 私たちが生まれた平成16年。台風23号が宮津を襲いました。宮津を走る大手川の氾濫が大きな水害をもたらしたとされています。覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。その後行政による護岸工事で安全にはなりました。しかし、高い堤防に囲まれた川に地域住民の意識は離れていったのではないか、と私たちは考えています。現に、物心ついてから川で遊んだことはありません。自然と触れ合う場所というより用水路としての印象が強く、管理するのは行政や大人だと思っていました。
 しかしそれでいいのでしょうか。川の自然を知らないのはもったいないし、危険性を知っておかないといざという時に逃げられません。普段、見向きもせずにいた川を調べてみたら知らない魅力に気づくかもしれない。そんな思いから活動を始めました。

大きな柱は3つ。
1.行政が作りかけていた親水公園を再生させること。
(生き物の多様性と住民の安全を両立できる川にする)
2.生息する生き物を調べてお魚図鑑などを作り宮津の人にPRすること。
3.住民アンケートを実施、過去の人と川の関係を調べること。


1.行政が作りかけていた親水公園を再生させる
 現在の福田橋付近には丹後土木事務所と住民が一緒に考えて作った親水公園があります。
  子供副読本「大手川改修」(HTML版)/京都府HP(pref.kyoto.jp)より
 しかし、長年管理されていなかったことによって、背丈を越えるような草が生え、ごみが流れ着き、子供が遊べる場所どころか入りづらい場所になってしまいました。
 そこで、私たちはこの場所を再生させ、色々な世代の人が川の自然と触れ合えるような公園を企画しました(下図)。デザイン案には住民の方のアイデアを取り入れました。


 実際に令和3年8月11日に親水公園近くにお住いの14名の方と草刈りをして親水公園の対岸をきれいにしました。刈払機を使って1日だけで草を刈り取っていただきました。鎌を使って手動で地道に草を刈っていた私たちにとって本当にありがたかったです。この場をお借りして感謝申し上げます。

 また、興味を持って話しかけて下さったり、時には、ジュースをいただいたりしたこともありました。私たちのような人が増え、地域住民の川へ関心が呼び戻されるよう活動していきたいです。

 コロナ禍のため、地域の方と協力して活動できたのは、8月11日の一度きりでしたが、これからも協力していただけるように私たち高校生も考えていきたいです。
 大学の先生や学生の方に7月31日から8月1日にかけて、池づくりの活動に参加していただきました。
 池づくりの方法ですが、まず上流側から下流側まで溝を掘ります。次に土のうに掘った土を入れ、主流の流れをせき止めます。すると溝の上流側と下流側で水位差ができ、水の浸食作用により削られた土砂が運ばれ、自分たちで掘らなくても溝が広く深くなっていきます。堰き止めて水位が上がった川の上にずっと浮かんでいたのはいい思い出です。
 さらに、土のうや小石には環境を変える力があります。専門用語ではバーブ工といいますが川の流れに逆らうように並べると、付け根付近では渦を巻いた流れができ砂がつもります。先端部分の流れは速くなり、砂が削れていきます。設置場所の少し下流では速い流れとゆっくりした流れが混在し、複雑な環境が生まれました。後にも書きますが大手川は護岸工事後、瀬がなくなったと考えられます。この方法で瀬を作り、減少した生き物を呼び戻すことができるかもしれません。もともと川の中にあったものを使っていますし、流水量が上がれば、埋もれたり流れたりするので、環境にやさしく安全です。
 大学の先生にこれらの知恵をいただいたとき、私たちは半信半疑でした。しかし、実際は自分の想像と異なりいとも簡単に変化をつけることができました。驚きと同時に、考え方次第で効率よく仕事ができることに面白さを感じました。



2.生息する生き物を調べてお魚図鑑などを作り宮津の人にPRする
 活動を始めるにあたり宮津の人に川をPRするにはまず自分たちが川について詳しくないといけないと感じました。また、護岸工事によって大手川の生態系が変化したという私たちの仮説の検証も兼ねて生物調査を行いました。調査は上流から下流にかけて実施し、上流や中流ではタモや投網、下流では刺し網やもんどりなどを使いました。
 私たちの調査と行政が行ったものを比較すると、今まで確認されていたフナが捕獲できなかったことやハゼの割合が増えていること、カワムツの割合が減っていることなどが挙げられました。この変化は、護岸工事後川底に砂地が増えたことや川の中に瀬がなくなっているためだと考えられます。

 夏調査、秋調査を終え、現在は冬調査を残すのみとなりました。12月下旬に冬調査を終えた後、大手川のお魚図鑑作りを始めます。計画としては私たちが捕獲した魚の生態を載せた図鑑を手作りで制作したいと思っています。完成した図鑑を地域の保育所などに配り、川に興味を持ってもらうことが目的です。


3.住民アンケートを実施、過去の人と川の関係を調べる
 私たち高校生は川で遊んだことがなく、川に遊び場を作ろうにも、どんな魚がいてどのように遊ぶのかがわかりません。そこで私たちは住民アンケートで実際に遊んだことのある方の声を聞こうと考えました。まず上で紹介した親水公園の近くの住民の方にアンケートを実施し、約60世帯中41世帯の方々に返答をいただきました。捕まえた魚の名前や捕まえ方など多くの情報をいただきました。
 特にアンケートの最後の『子供たちに伝えたいこと、行政に伝えたいこと』という質問では多くの思いや考えを知ることができました。そこでは行政がもっと仕事をすべきだという旨の意見が多く、地域住民の川に対する意識は決して低くはないことがわかりました。関心は低いだろうと考えていた私たちにとって意外な結果でした。同時に川の管理は行政がするものだという意識が強いことも感じられました。


 行政の考えを知りたかった私たちは、川の管理を行っている丹後土木事務所の方にお話を伺いました。分かったことは治水管理をするお金があまりないことでした。住民の理想をすべてかなえられるほど、余裕はなかったのです。人口の減りが著しい宮津市ではそのお金もどんどん少なくなっていくでしょう。また、護岸工事をしても川は溢れてしまうということもわかりました。気候変動の起こる現在、これまで以上の水害が起こることは避けられません。地域住民の声と行政の抱える実情とのずれは、いただいたアンケートの回答に表れていると感じました。


最後に
 私たちは行政に頼りきるのではなく、自分たちにできることから川を管理し、安全を保ちながら豊かな自然を守っていきたいと考えています。草刈りや池づくりはおばあちゃんより高校生の方が早くできますが、高校生に昔の大手川の記憶はありません。地域に住む人がそれぞれの得意分野で川と付き合っていけば、行政の負担は減らせると考えます。実際に住民の方に昔の大手川について聞くと、皆さん喜んでお話していただきました。バーブ工を教えていただいた大学の先生には今後もサポートしていただけます。丹後土木事務所の方のお話はとても熱心で、専門的なことまで事細かに教えていただきました。一緒に活動をしている同級生は嬉々として川に飛び込み、魚を捕まえています。はじめは無関心だった自分たちのように川に興味がない人も多くいると思います。そんな人たちを振り向かせられるまで、私たちの冒険は続きます。

 

 令和3年7月24日(土)、1~3年生が上宮津地区(杉山)でフィールドワークを行いました。山中で杉を中心とした樹木の測定を行い、通算で3000本を超える巨樹(胸高幹周3m以上のもの)を発見しました。
 みんなで3000本を記念する人文字を作り、巨樹をバックにして写真撮影しました。今後も1・2年生を中心に、4000本を目指して丹後での巨樹探しを続けていきます。

 
 

 
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