9月11日(水) 2,3,4時限 2年生自然科学科の生徒を対象に「エネルギーと発電技術」というタイトルで東京理科大学の川村 康文教授に実験実習を行っていただきました。川村教授は桃山高校のSSH運営指導委員を務められています。理科教育にも大変熱心であり、テレビでは全国高等学校クイズ選手権の出題解説もされておられます。
風力発電の実習ではサボニウス風車風力発電について説明をしていただき、小型のサボニウス風車を作成し、LEDライトを点灯させました。また、色素増感太陽電池の実習では伝導性ガラスに酸化チタンを加熱処理したものに、ハイビスカスの色素をしみこませて電極間にヨウ素液を加えることにより、太陽電池を作成しました。これをいくつか組み合わせることにより、模型の自動車を動かすことができました。生徒たちはどちらの実験も楽しく、興味深そうに取り組んでいました。
風力発電も太陽光発電も既に実用化されていますが、再生可能エネルギーとして課題も多く、生徒たちにとって未来のエネルギーを考える良い機会となりました。
8月7日(水)~8日(木)の2日間にわたり、神戸国際展示場において「令和元年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」が開かれました。1日目は全国SSH指定校等全218校によるポスター発表会が行われ、桃山高校は自然科学科3年生の佐野玉緒、中川栞、中野恵大による「根粒菌による窒素固定のはたらきを理解するための実験」についての研究発表を行いました。本研究は自然科学科2年生で取り組んだ課題研究の成果です。生徒はとても熱心に発表し、発表ブースに来られた多くの方に興味深く発表を聞いていただきました。質疑応答もとても楽しそうに受け答えしていました。その結果、生物(植物・農学系)部門で最優秀であったとして、2日目に口頭発表を行う代表6校に選出されました。2日目はとても大きな会場で代表6校が約2000人の日本と海外の生徒、関係者に向けて口頭発表を行いました。桃山高校の発表はとても素晴らしく、見事「審査委員長賞」を受賞しました。この賞は、本大会の銅メダルに相当するものであり、出場全校から代表校が選出される現行の制度となって以来、京都府初の受賞となります。
生徒3人の地道な研究活動はもとより、多くの支援や助言、温かい応援を下さった皆様のおかげでこの度の受賞となりました。ありがとうございました!
7月27日(土)から8月3日(土)の8日間、本校生徒2名が、京都府立高校9校のサイエンスネットワーク校からそれぞれ参加した20名の生徒とともに、シンガポールでの研修に参加しました。
現地では、主に5つの研修に参加しました。
①現地校の生徒との交流(ナンチアウ・ハイスクール/イーシュンタウン・セカンダリースクール)
自己紹介、南陽高校の生徒と合同の京都南部の文化、自然についてのプレゼンテーション、物理の実験などを行いました。(写真①②③④)
②シンガポール水資源確保関連施設の訪問(マリーナバラージ/Sengkang貯水池/NEWater Visitor Center)
シンガポールは、マレーシアからの輸入の他、海水の淡水化、汚水の浄水、雨などの貯水の3つの方法を使い、水資源の確保に国家的に取り組んでいます。浄水装置には日系企業の技術が使われていることなども含め、各施設を訪問し、学習しました。(写真⑤⑥⑦)
③大学訪問(シンガポール国立大学(NUS)/Singapore Univiersity of Technology and Design)
シンガポールの伝統校NUSと、創立10年の新しいSUTDの2校を訪問しました。日本の大学で重視される基礎研究に対し、技術の応用、さらにデザインも含めた社会への転用を学生中心に考えさせるシンガポールの大学の様子を見学させていただきました。(写真⑧⑨⑩)
④企業訪問(日東電工シンガポール(日系企業)/P&G(多国籍企業))
シンガポールで企業活動を展開する2つの企業を訪問しました。日東電工はNEWaterで使われる浄水装置の逆浸透膜の提供企業の1つでもあります。日東電工では田崎社長からプレゼンテーションをしていただいたり、P&Gでは撮影禁止の研究室の中にたくさん入らせていただいたり、本当に貴重な体験をさせていただきました。(写真⑪)
⑤都市開発・計画研修(チャイナタウン・マリーナベイエリア散策/都市開発局訪問(URA))
シンガポールは、淡路島と同じ面積の国土に600万人が生活し、多くの企業活動が行われる現代都市ですが、わずか200年前は、100名程度が生活する漁村でした。どのような国家を目指し、埋め立ても含めて都市計画・開発を行ってきたのかを学習しました。(写真⑫⑬⑭)
現地では全日晴天に恵まれ、無事に研修を行うことができました。現地でお世話になった交流校、企業、施設の全てのみなさまに感謝し、11月の京都サイエンスフェスタでの報告につなげていきたいと思います。
生徒の感想
1年自然科学科 田中道生くん
「自分から動かないと意味がない」
2年普通科 東山隼人くん
8月1日(木)に近隣の小学生を対象にした「第22回おもしろ理科実験教室」を開催しました。今年もたくさんの参加者があり、とても盛況に行われました。「おもしろ理科実験教室」の講師は学校教員が務めますが、小学生のサポートはグローバルサイエンス部の部員が務めます。部員は一生懸命に小学生をサポートし、小学生にとってとても頼もしいお兄さんお姉さんであったと思います。
今年も実験講座は2つ実施しました。「ペットボトルで虫かごを作ろう」では2リットルのペットボトルや網戸用のネットを使って虫かごをつくりました。その後、教員や地元の有志の方がこの日のために採取してきたカブトムシやクワガタムシを全員にプレゼントしました。今回は世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシを展示し、子供たちはその大きさに驚いていました。「色が変わる人工イクラ」では指示薬を入れたアルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液に垂らしてイクラ状の粒を作成しました。できた粒を酢や石灰水に入れると鮮やかな青や赤などに色が変わり、子供たちから大きな歓声があがりました。
また、今年の「おもしろ理科実験教室」は京都新聞社に取材して頂き、当日の様子を紙面に掲載して頂きました。
理科実験の不思議さと楽しさを体験した子供たちが、少しでも理科好きになってくれることを願っています。
7月10日~12日に、サイエンス・イングリッシュ・キャンプを実施しました。対象は自然科学科1年生80名です。サイエンス・イングリッシュ・キャンプは理科の実験内容を英語で口頭発表することで、理科・英語・情報を融合して学ぶ取組です。7月10日は桃山高校で基本的な理科の実験を行い、口頭発表用のスライドを作成しました。7月11~12日はホテル ルビノ京都堀川で1泊2日の英語プレゼンテーション研修を行いました。英会話スクールのベルリッツ・ジャパンからネイティブの講師に来ていただき、英語プレゼンテーションの指導を受けました。12日には大勢の保護者の方を迎え、プレゼンテーションコンテストを実施しました。生徒は一生懸命に英語口頭発表を行い、講師からの英語による質問に対しても立派に回答することができました。生徒にとって達成感と充実感を感じられるとても素晴らしい発表会になったと思います。自分たちで考えた内容を英語で発表するという体験を通じて、これからもグローバルに活躍するための資質・能力を高めてもらいたいと思います。
英語プレゼンテーションコンテスト結果
第1位 Photosynthesis A(中学生対象の第1回学校説明会で披露します!)
第2位 Temperature A
第3位 Temperature B
7月10、11日の2日間、ルビノ京都堀川においてGPキャンプを実施しました。
GPキャンプでは、生徒12~13名が1グループとなり、インド、エジプト、トルコなど世界の国々の観光大使団になりきって、各国の地理や歴史、文化を紹介し、旅行者を招致するプレゼンテーションコンテストを実施しています。この行事では、日米英語学院から外国人講師の方々をお招きし、発音指導やイントネーションなどスピーキングの指導の他、プレゼンテーションにおける注意点をオールイングリッシュで指導していただける点が魅力です。
本校AETのクラミラ先生からのプレゼンテーション講座や、各講師の方々との全300分の練習ののち、全生徒が各40秒程度の原稿を暗記し、GS Basicの授業で作成したスライドに合わせて発表しました。広い会場で、100人の聴衆を前に1人で英語を話すという体験は、初めての生徒が多かったと思いますが、すべてのグループが非常にレベルの高いプレゼンテーションを披露しました。また、お互いのプレゼンテーションから学ぶ姿勢も素晴らしかったです。
11月の伏見稲荷大社での外国人インタビュー、そして3学期の英語プレゼンでも、GPコース全生徒が、自分たちのために主体的に取り組み、また一歩成長する姿を期待しています。
以下、参加者の感想より
「参加する前は英語を覚えたらいい、くらいに思っていたけれど、練習したり、他のチームの発表を聞く中で、相手に伝えようとすることの大切さを感じました。それは、私に欠けていたことであり、私に必要なことでもあると気づきました。また、皆で協力して良いプレゼンテーションにしようとすることの大切さ、楽しさも知りました。これから、このGPキャンプを生かし、つなげていきたいです。」
写真:①GPコース全員集合写真 ②各グループ練習の様子 ③④⑤発表時の様子(聴く姿勢も真剣)
⑥夕食時、発表順番決定のじゃんけん ⑦夜のクラスレクリエーション ⑧優勝チーム表彰
7月10日、11日に、1泊2日のSSキャンプを実施しました。参加者は1年生SSコース171名です。SSコースは理系への進学を目指している生徒が多いため、科学分野への興味関心を引き出すことを目的にした研修を実施しました。現在(高校生)、5年後(大学生)、10年後(社会人)と段階を見据えて興味関心を引き出すために、科学館・大学・企業を訪問するプログラム内容としました。
初日は名古屋大学の訪問と日本製鉄(株)名古屋製鉄所の工場見学を実施しました。名古屋大学の訪問では初めて大学を訪れる生徒も多く、広大なキャンパスを隅々まで楽しそうに探索していました。日本製鉄(株)名古屋製鉄所の工場見学では、日本を代表する企業のモノづくり工場の見学と、そこで働く方に丁寧な説明をしていただきました。巨大な製造機から工学的な側面、鉄をつくる際の仕組みから化学的な側面、植樹等の環境的な側面など、生徒達にとって将来を考える刺激がたくさんありました。
二日目は名古屋市科学館を訪問しました。科学館では世界最大のプラネタリウムや各種の実験装置の展示を興味深く楽しんでいました。
SSキャンプ全体を通して、生徒達の科学に対する興味関心が高まったことは間違いなく、今後の進路実現に貢献すると考えています。
6月16日(日)に京都大学において令和元年度第1回京都サイエンスフェスタが開催されました。京都サイエンスフェスタとは、スーパーサイエンスネットワーク京都校の府立高校9校の生徒たちが、これまで取り組んできた研究の成果を披露する発表会です。桃山高校はグローバルサイエンス部が4題の研究発表を行い、2つの発表で奨励賞を受賞することができました。奨励賞の受賞は今年で6年連続であり、全体で3つの発表にしか与えられない奨励賞を2つも受賞できたことは生徒たちにとって大きな励みになりました。
また、今年も自然科学科1年生の全員がフェスタを見学しました。生徒は積極的に質疑応答を行い、発表を大いに盛り上げてくれました。研究やサイエンスに対して興味・関心が高まり、とても充実したフェスタになりました。
グローバルサイエンス部 発表タイトル
地学分野「雲の天気予報 ~暴れ巻雲とは~」 奨励賞受賞
物理分野「活断層周辺での放射線量について」 奨励賞受賞
化学分野「鉛蓄電池再考」
生物分野「プラナリアの多眼形成について」