第6学年「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」

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 昨年度に引き続き、今年度も、京都府教育委員会の施策「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」に申し込み、京都大学名誉教授 大野 照文 様 をお招きして、以下の概要で体験学習を行いました。
【概要】
  大昔に絶滅した三葉虫がどんな生き物で、どんなふうに暮らしていたかを三葉虫の化
 石の観察・スケッチをもとに推理し、子どもたち同士で対話しながら解明していく。      
 新学習指導要領の目標である「主体的な学び、対話的な学び、深い学び」の楽しさを90分の授業で体感する。
 いよいよ、学習の始まり。
 大野名誉教授は、子どもたちを一瞬のうちに大野ワールドに引き込まれ、楽しくそして子どもたちが「思考」を働かせる授業を進められました。
 授業のはじめは、「三葉虫」の化石の観察・スケッチです。できる限り、三葉虫の化石を目で見て気付いたこと、不思議に思ったことを書き出す学習です。そして、大野名誉教授は、子どもたちのつぶやきを鋭く取り上げ、みんなの前で説明させられます。恥ずかしがっている子どもも大野先生の楽しい雰囲気と巧みな言葉によりしっかりと気付いたことや疑問に思ったことを発表していきました。

「三葉虫」の化石を手にしっかりと観察・スケッチする6年生 
「三葉虫」を観察・スケッチする6年生に見る視点を与えられる大野名誉教授




気付いたことを発表する6年生

また、大野先生はグループでの話し合いに加わり良い気付きにもう一歩思考が深まる問いを加えられ、その後の発表に繋げられていました。どの子でも、どのグループでも、発表が終わると、必ず、みんなで拍手を送り頑張りを讃えられます。発表した子どもたちも笑顔がこぼれ満足げな様子でした。
 次に、大野先生は「三葉虫」の仲間の生き物は何かを、観察・スケッチで気付いたことを生かして予想させられました。子どもたちは、「ダンゴムシ」「ゴキブリ」「ダイオウグソクムシ」「カニ」「カメムシ」「カブトガニ」「カブトムシ」「クワガタ」「エビ」「サソリ」・・・等たくさんの生き物を書き出しました。その後、各グループ毎に発表させられた後に、写真のように「三葉虫」の仲間の生き物をスクリーンに投影されると、子どもたちが考えた生き物が概ね正解でした。子どもたちが知識として持っている生き物の特徴と、じっくり観察して気付いた「三葉虫」の特徴がピタリと合っていたのです。子どもたちは、自分が考えが合っていることに驚きと喜びを感じ取り考える楽しさを実感していました。

「三葉虫」がどんな生き物の仲間なのか話し合いワークシートに書き出していく6年生
「三葉虫」がどんな生き物の仲間なのか話し合って出た意見を発表する6年生
「三葉虫」の仲間の生き物を紹介される大野名誉教授

次に、大野先生は、「三葉虫」が海の中に生息していた生き物であることがどうして分かるのかを考えさせられました。好奇心旺盛な子どもたちが、「『エラ』があるのではないか。」と解答すると、「鋭いね」と褒められた後、「三葉虫」レントゲン写真を投影され「エラ」の存在を説明されました。

「三葉虫」にエラがあるのではないかと発表する6年生                         
「三葉虫」のレントゲン写真でエラがあることを説明される大野名誉教授 

次に、「三葉虫」の「眼」に視点を当て、化石のどの部分が「眼」なのかを問われました。子どもたちは、化石の上部にある二つの膨らみに目をつけて正解を発表。その眼が、どのような眼であるかを考えさせられました。そこで、子どもたちは予想して出した「三葉虫」の仲間の生き物から「トンボ」に着目し、絵に表すとともに「複眼」という答えが出てきました。その後、「三葉虫」の眼が確認できる「化石」をグループに配られ、子どもたちは「複眼」を確認しました。

トンボのような眼になっているのではと予想・発表する6年生    
「三葉虫」の眼が「複眼」になっていることを説明される大野名誉教授

最後に、「三葉虫」が天敵からどのように身を守っていたのかを問われました。子どもたちは、「ダンゴムシのように身を丸めた。」「砂の中に潜った。」などの解答をしましたが子どもたちが予想したとおりでした。その証拠として身を丸めた「三葉虫」の化石を見せてくださったり、砂に潜った「三葉虫」が眼だけ上に伸ばして状況を把握していたことをスライドで説明してくださったりしました。

身体を丸めている「三葉虫」の化石を手にする6年生
身体を丸めた「三葉虫」の化石

今回の学習で、大野ワールドに引き込まれた子どもたちは、「三葉虫」を手がかりに、知的好奇心をかきたてられ、思考を働かせ、さまざまな学びから深い学びへと導かれていきました。
 大野名誉教授は、学習を終えた子どもたちの意欲的な学習を褒め称えられ、全員で全員に拍手を送り「子どもたちの知的好奇心をくすぐる体験学習」は、「もっと学習したいな」という余韻とともに終了しました。
 大変貴重な「主体的・対話的で向かい学び」、探究学習に子どもたちは導いてくだった大野名誉教授、本当にありがとうございました。

砂に潜って身を守る「三葉虫」が眼を砂の上出す所を身体で表現する6年生
身を守るために砂に潜り眼を伸ばしている「三葉虫」の化石

今回の学習で、大野ワールドに引き込まれた子どもたちは、「三葉虫」を手がかりに、知的好奇心をかきたてられ、思考を働かせ、さまざまな学びから深い学びへと導かれていきました。
 大野名誉教授は、学習を終えた子どもたちの意欲的な学習を褒め称えられ、全員で全員に拍手を送り「子どもたちの知的好奇心をくすぐる体験学習」は、「もっと学習したいな」という余韻とともに終了しました。
 大変貴重な「主体的・対話的で向かい学び」、探究学習に子どもたちは導いてくだった大野名誉教授、本当にありがとうございました。

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