今の時期、通学路に「凍結防止剤」がまかれています。登校中にその粒が気になった2年生の子が、粒の写真を映しながら朝のお話し会で話をしました。道路が凍結しないようにまかれているというのは分かっています。「何で凍結しないのかな?」「成分が関係あるんじゃない?」と、成分を調べてみると、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムという名前が出てきました。


次の日、この名前が自分のもっている「子ども元素図鑑」に載っていることが分かると、みんなに伝えます。「ナトリウムは…」でも、その内容からは、「氷が溶ける事と関係がなさそうだな。」、「(ケーキや豆腐などの)食べ物に金属が入っているの?」とモヤモヤしました。「何で『えんか』がついているのかな?」「かごうぶつって何だろう?」と素朴に気付く子もいます。こうしてお話し会の中で子どもの世界が広がっていきます。


さらに次の日、この話題は続きます。今度は、凍結防止剤と融雪剤を調べてきた子が、みんなにわかりやすく伝えるために、解説動画を見つけてきて話をしました。それぞれの薬の役割や実験の様子を全員が食い入るように見ています。物が錆びること、農作物への影響(塩害)やコストについても解説されていて、2年生なりにメリットやデメリットについて考えていました。…まだまだ続きが気になるところです…。


朝のお話し会は、何でも話ができる時間です。テーマも程度も自分で決めます。話の内容が「やり方」で調整されることは無く、アクセルやブレーキは子どもたちの間で自然に調整されます。追究したいことがあれば、とことんやることもあれば、すぐにブームが去ってしまうこともあります。このような時間があるからこそ、子どもたちは自分なりの考えに価値を感じ、伝えることで何か面白い(深まる)ことにつながると実感できるようになります。
それは学習の場面でも同じです。子どもたちは、自分なりのものの見方や考え方に価値を感じ、それを学級のみんなに伝えることで学びが深まることを知っています。 吉津っ子の本気で学びに向かう姿はここから来ています。