

「あえて」です。完成までの道のりを自分たちで考えさせます。
2年生の子どもたちは、「みんなで1つの大きな家を力を合わせて仲良くつくろう」というめあてを考え、家造りに挑みました。
新聞紙でつくった細長い筒を思い思いにつなげていきます。次々と筒がつながり、だんだん骨組みができてきますが、自立せず、手を離すと倒れてしまいます。先生は、いい方法を知っていますが、「あえて」教えないで、考えさせます。「どうしたらいいでしょう。」と。
考え始めた子ども達の目が輝きます。みんな真剣です。一人の子が、「畑にあるビニールハウスみたいにしたら立つのではないか・・・。」と話し始めるとみんなが注目し聞き入ります。「いいねぇ。」といった反応が他の子どもから出ると、少し道が開け、学習の流れが出てきます。
試行錯誤の中で、自ら道を切り開こうとして、子ども達同士が話し、主体的な学習の流れができるのだと思います。自分達の力でたどり着いた達成感・充実感は、きっと学ぶことの価値を高め、学びに向かう力の醸成につながるものだと思います。
完成までの道のりを、先生が詳しく丁寧に示し、美しくできても、それは「指示に従ってやっただけ」の活動です。子どもが失敗しないように、ゴールに早くたどり着くことができるように最短のルートで組み立てられた授業・・・子どもたちは、そこにどれだけの価値を感じるのか?もちろん、「指示」にも幅がありますし、常に「教えない」というわけではありませんが・・・。
子どもたちが試行錯誤の経験を生かし、学ぶことに価値を感じることができれば、きっとこれから出会うであろう多くの問題を自分たちで解決しようとできると思います。
(令和4年10月18日 「令和3年度の実践より」)