ニホンイシガメの卵を譲り受けました。
ニホンイシガメは日本固有種のカメで、関東から南の池、沼、川、水田などで自然に生息しています。現在では、生育環境の悪化や、ミシシッピアカミミガメなどの外国産ヌマガメの帰化によって、日本での生息数が減っているのが現状です。環境省のレッドリストでは「準絶滅危惧種」というカテゴリーに入っています。
科学部の活動として、孵化までの卵の観察を続けていきます。いずれはニホンイシガメを通して、自然環境保全等の啓発活動にも取り組んでいきたいです。
【画像1】自然化では土の中に産卵しますが、飼育下では異なった産卵方法をすることもあります。
【画像3】正常に発生を進めるために温度が低くなりすぎたり高くなりすぎたりしないようにする必要があります。また、ニホンイシガメの性決定は温度によって左右されます。温度管理方法によって、ニホンイシガメの性別をコントロールすることもできます。
【画像4】カメの卵の上下を動かすと、中で発生している胚が黄身に押しつぶされてしまうことがあるので、常に上の位置が分かるようにマジックなどで印を付けておいたほうが安心です。また、産卵直後は少し透けて見えるような卵殻ですが、有精卵であれば時間の経過とともに受精卵の位置を中心に白濁が見られます。