校長挨拶

 田原小学校は、京都府南部、「山城国一揆」で歴史的にも有名な山城地方東部に位置する緑豊かな山々と丘陵地を中心に美しい茶園が広がる宇治田原町にあります。宇治田原町は、江戸時代に永谷宗圓翁が「青製煎茶製法」を発明された緑茶発祥の地として有名で、その製法は大切に受け継がれ、現在も、「茶」が町の主産業となっています。本校区には、織田信長が明智光秀に討たれた「本能寺の変」発生時に堺にいた徳川家康が、宇治田原を通り領国三河へ逃れた際に立ち寄ったとされる「山口城」跡があります。また、春は満開の桜で彩られ、夏にはホタルの光が見る人の心を和ませ、秋は川辺の紅葉が美しい田原川と犬打川が流れます。初冬には、町のあちらこちらに「古(こ)老(ろ)柿(がき)」作りの「柿(かき)屋(や)」が建ち並び、冬の風物詩となります。そして、冬、雪化粧をした町は、どこを見ても水墨画であるかのような人々の心に染み入る美しい風景となります。
 こうした歴史と伝統があり、自然豊かな環境に包み込まれた本校は、創立150年を迎えた伝統校です。明治5年の学制発布に伴い創建された「維孝館荒木小学校の門」{伝、御比丘尼御所(京都市中京区東洞院三条上ル)曇華院の門を移設}を移築した「維孝館門」は、百五十年来、今も変わらず、朝夕、成長する子どもたちの登下校を温かく見守ってくれています。

 宇治田原町では、町立3小中学校が一丸となって、愛称「維孝館学園」の名の下に小中一貫教育を強力に推進しています。本町では、9年間の教育を通して「育てたい子ども像」として、

  「夢に向かって自ら学ぶ子」
  「人とのつながり(絆)を大切にする子」
  「誇りを持ってふるさとを語れる子」

を掲げ、児童、生徒をはぐくんでいます。本校の教育実践では、基礎的な学力の確実な定着と学習意欲の向上により学力向上を図るとともに、生きる力や豊かな心の育成、道徳心や規範意識の醸成、基本的な生活習慣の確立をもとにした健康な体のはぐくみ、体力、運動能力の向上を目指しています。特に、「いじめ問題」については、その根絶のため一人一人の児童を認め伸ばすこと、人権を大切にすることを本校の文化とするよう努めています。また、社会に開かれた教育課程を推進し、保護者や地域のみなさまの支援や協力を受け、宇治田原小学校とも協働して本町ならではの教育を実践しています。
 また、文部科学省より平成29年度・平成30年度の2ヶ年間の研究指定を受け、平成30年度には、「これからの時代に求められる資質・能力を育むためのカリキュラム・マネジメントの在り方に関する調査研究発表会」を開催し、より教育効果の高いカリキュラムの研究として、国語科における漢字学習等の「モジュール授業」による時程の研究を発表しました。今年度も引き続き、本研究をさらに深め、より教育効果の高いものにしていきたいと考えています。
 宇治田原町で学んだ子どもたち一人一人が自らに自信を持ち、高い理想や夢を持って自己研鑽に励み、本町、本府にとどまることなく、これからの日本や世界で活躍する人材に育ってくれることを願っています。

宇治田原町立田原小学校
   校長  大西 裕哉

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