学校生活School Life
もともとその生徒には、たくさんの好きなことがありました。
歌を歌うこと、絵を描くこと、音楽を聴くこと...。
だけど探究学習で、どんなことを深めていくかについてはかなり悩んでいました。
好きなことや関心のあることは思い浮かぶけれど、1年という時間をかけて何をテーマに取り組むべきか。
そこで、まずは彼女の関心の原点がどこにあるのか探ってみることに。
掘り下げていくと彼女の興味の根っこは、ある動画に結びつくことが分かりました。
その動画は気持ちが落ち込んで前向きになれなかった時期に自分を励ましてくれた、というのです。
視聴後も暫くリフレインする特徴的な音とリズム、視覚に訴えてくる言葉の羅列。
強いメッセージがずんずんと胸の扉をたたいてくる。
そう、ミュージックビデオです。
それを見て衝撃を受けた彼女は、いつか自分でこんなミュージックビデオを作って、
私が元気をもらったように誰かの励みになるような作品を作りたい、という想いを抱くようになりました。
もう、それなら自分で作ってしまおう!!
ということで、「伝わるMV制作プロジェクト」が始動しました。
驚いたのは、彼女が趣味で作ったという過去の作品を見せてもらったとき。
機材など揃える余裕はないので、全てアプリを使って書いたというイラストたち。
どれもこれもクオリティが高く、色使いにおいてもセンス抜群。
しかも、それら全部を何と指で書いたというのです!! 恐るべき才能......!!!
ですが今回作るのは静止画ではなく、動画。しかもどうせ作るのであれば、質の高いものを生み出したい。
そんな彼女の想いに応えてくださったのが東京にメインオフィスを構える映像制作会社
「ビジュアルアンドエコージャパン」の藤原徹也さん。
藤原さんは元々網野町出身で、京丹後にUターンし、現在30番街2階のオフィスでお仕事をされています。
早速、藤原さんのオフィスへ伺いました。
「誰かの心を動かすような映像を作るためにどんな工夫をされていますか?」
「映像制作において、大切なことって何でしょう?」
「心に刺さる見せ方、アニメーション効果の使い方を知りたいです」
質問の一つ一つに丁寧に答えてくださる藤原さん。
プロからお話を聞いたことで、ますます彼女の中の「良いものを作りたい!!」という
熱量が高まったようです。これからがとっても楽しみですね。
果たして救世主藤原さんとの出会いは、今後彼女の人生にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
彼女の成長の過程を乞うご期待!!
~続編に続く~
幼少期から、英語に触れていると後の英語習得率が格段にアップするという事例から
いかに自然な形で英語に触れあう環境を作るかどうかを探究していた「幼児と英語教育」チーム。
※前記事参照
地域の方々にもご協力いただき、インタビューやイベントへの参加などの活動を経て
いよいよ自分たちの考えをアウトプットする時期へと入りました。
そこで彼女たちがアウトプットとして選択したツールは、オンラインでのイベント企画!!
この企画を彼女たち自らやりたいと話に来てくれたことが、心から嬉しいと感じました。
そしてとても感心しました。学んできたことを自分たちなりに咀嚼し、そのままにせず
お世話になった地域の方々へと還元したいという、その想いが素晴らしいと思ったのです。
ですが、イベント企画というものは当日にいきなり行って、上手くいくというものではありません。
世の中の様々なイベント企画は、それが出来上がるまでに相当な時間をかけて
綿密な準備が成された上で公開されているのです。
現在、世の中は驚くスピードで変化しており、
イベントの形も従来のものからこの1年ほどの短い期間の間に劇的に変わっています。
このオンラインでの配信イベントというのは、彼女たちにとってさらに成長できる大きな機会となり、
大変有意義な学びの時間になると判断しました。
そこでまず、彼女たちに向けてイベントの企画をするときの流れを説明し、
「項目ごとに自分たちで考えられる部分を埋めていってごらん」と促しました。
例えば、①企画名(シンプルで分かりやすく、且つインパクトがあるもの)
②日時の設定 ③主旨説明・・・といったように10項目くらいの手順を踏んで考えていきます。
またオンラインで配信するときの方法として、特に定員など制限をかけずに予めURLを公開して
オープンな状態で実施するのか、あるいは事前申し込み制にしてある程度参加者を絞った状態で
実施するといった主に2つのやり方がありますが、それぞれのメリット・デメリット(リスク)についても
みんなと確認する作業を行いました。
その上で今回は、より多くの方に知っていただきたいという彼女たちの想いを汲んで
公開イベント(オープンな状態)として実施することに決めました。
イベントの主旨と具体的な内容が決まったところで、
次はそれを知っていただくために告知・集客をしなければいけません。
ただ、今回に限り時間があまりないことから周りの大人たちでサポートしました!!
そして1月15日。いよいよオンラインイベントの当日を迎えます。
配信の準備をしながら、参加してくださる人はいるかな...。
と少し不安そうにしていたメンバーでしたが、開始予定時刻になると画面上に続々と地域の方たちのお姿が!
お二人の小さなお子様と一緒にご参加してくださったお母さん、地域での英語教育に力を入れている
ビジネスマンの方、高校生の探究学習をいつも応援してくださるIターン(移住者)の方、
英語教育にご関心のある大学生の方がイベントを覗きに来てくださいました。
彼女たちのこれまでの経験や学びを踏まえた上で、「これは使える英語教材!」として
手軽に楽しみながら英語を学べる教材の紹介を中心に会は進行していきます。
そこに地域の方から、更なる有益情報を加えていただくといった素敵なやりとりも生まれ、
企画者である生徒たちと参加者のみなさんが対話をしながら交流を育めるといった、
非常に有意義な時間を過ごすことができました。
この体験を通して、彼女たちは大きな一歩を踏み出せたのではないでしょうか。
調べ学習から始まり、社会人の方からお話を聞くことでさらに知見を広げ、今度は実際に現場へ
自分たちの足で出向き、当事者の想いや現状を把握した上で、イベント企画にまで
繋ぎました。彼女たちにとって初めての経験も多く、きっと苦労した部分もあると思います。
しかし、それも含めて「やってよかった」とイベント後、晴れやかな笑顔を向けてくれた時、
「あぁ、これからは自分たちで何でもできるだろうな」と確信しました。
来月には、最終報告会もひかえています。
最後にどんな発表が聞けるのか、楽しみです。
小さい時から「英語」がもっと身近な存在であったなら、今よりもずっと英語(他言語)に対して、親しみを持てていたかな...?
どうすれば、日常の中に楽しく英語に触れられる環境を作れるのだろう?
教室に通うとなると大変だけれど、
お家で気軽にできる英語教育法ってないのかな。
こんな問いから、英語好きの3人の生徒たちがプロジェクトを立ち上げました。
「子どもに対する英語教育の現状とあり方」
まずは最新の英語教育についてアップデートするため、
英語教育に力を入れて活動されている一般社団法人Tsuchica代表 岡村芳広さんにお話を聞きました。
海外生活のご経験もある岡村さんのお話は、まさに「目からウロコ」状態!!
世界に通用するプログラマーを養成するため、プログラミング教室を全て英語で実施するといった活動や、
「新時代のサービス」として海外の方々とチームを組んで
今までにないビジネスを立ち上げるといった、非常にアクティブで面白い取り組みをしていらっしゃるのだとか。
驚くべきは、これらの活動を全て丹後地域で行っているということ。
最先端技術を使った新しい取り組みは、「都会でなければできない」という固定概念を
見事に打ち破ってくれました!
今やネットさえあれば、どこにいても世界と繋がることが可能です。
英語を自由に操ることができたなら、ますます自分の世界や可能性が広がることを知りました。
さらに彼女たちは、昨年12月に「roots京丹後市未来チャレンジ交流センター」で開催した
「保護者の方と未就学のお子様、そして高校生がゆるりと交流できる」企画イベントの
サポートスタッフとしても参加してくれました。
そこで出会ったお母さんたちとたくさんお話をする中で、
保護者の皆さんの英語教育に対する想いや現状を知りました。
彼女たちがお母さんたちにおすすめの英語教材を教えている姿がとても印象的でした。
多くの人たちとの出会いを通して、学び成長してきた彼女たち。
いよいよプロジェクトは、終盤にさしかかります。
集大成として彼女たちは、ある決断をしました。
果たして、どんな決断を下したのでしょうか。
彼女たちの挑戦を最後まで一緒に見届けてください。次回の記事をお楽しみに!!
《つづく》
「丹後の鬼伝説について調べたい」
このプロジェクトのもともとの始まりは、神話や神秘的なものが好きなある生徒からの提案でした。
「丹後にはたくさんの伝承が残っているけど、どういったいきさつでこのような物語が生まれたのか、歴史を紐解いていくと面白そうだ」
というのが根底にあったようでした。彼はもう一人を誘って「丹後にゆかりのある伝承を掘り下げ、その魅力に迫る」プロジェクトを立ち上げました。
そこで初めに、丹後の人なら一度は耳にしたことであろう「七姫伝説」について取り上げることに決めました。
彼らが調査に選んだ方法はフィールドワーク。
実際に七姫にゆかりのある場所を訪ね歩いて、順番に廻ろうとしました。
しかし、序盤でつまずくことに...。
実は七姫伝説にゆかりのある場所は想像以上にたくさんあり、それら全てを巡ろうとするととてつもない時間がかかるということが分かりました。これではフィールドワークの後の考察の時間が十分にとれない、ということで再度テーマ設定の見直しを。
「何かもう少し範囲が絞れて、面白そうな丹後の伝説はないだろうか」
そこで目につけたのが「鬼伝説」でした。
2人はまず手始めとして、ネットや書籍から自分たちで調べられるだけ鬼について調べ上げます。調べてみて分かったのは、「鬼」というのは何かの比喩に例えられている説が濃厚であるということ。
2人は「丹後の鬼伝説」の「鬼とは何か」という問いに対して、
「鬼とは邪悪な怨霊であり、姿が見えず、この世ならざるもの」という仮説を立てました。
その上で、次のステップとして伝承に詳しい地域の方からお話しを聞くことに決めました。
そんな流れの中で、2人が出会ったのは飲食店を営んでいる田茂井義信さん。
実は田茂井さん、丹後の伝承に詳しくなったのはここ2・3年の間なのだそう。
飲食店を経営される中で、出会ったお客様が「究極の歴史マニア」だったことから知らず知らずのうちにその魅力にどっぷり浸かっていたそうです。
生徒2人は、事前の調べ学習で「鬼と鉄」が深い関係にあるということを知り、それがなぜなのかについてさらに深いお話しを聞きたいと考えていました。
「鬼と鉄」
実際にお話しを聞いてみると、それは遥か昔の丹後地域と海外との交流がルーツであることが分かりました。私たちが日本史で一般的に習うのは、渡来人たちは大陸を渡って朝鮮半島から海を出発し、対馬半島を経て九州に上陸し、そこから北上したというルートでしたよね。だから北九州を中心にたくさんの遺跡が発掘されています。
ですが、驚くべきことにその北九州に匹敵する数の遺跡が丹後地域のあらゆる場所で発掘されているというのです。つまりここから分かることとして、北九州を目指して朝鮮半島を出発した渡来人たちの一部は、天候などの影響で「正規ルート」から外れて海を漂流し、丹後にたどり着いたということ。丹後が海外から渡ってくる人々の窓口だったというわけです。
そんな渡来人たちが伝えたものの一つに「鉄の技術」があったのです。
鉄の技術が入っていて、飛躍的に国が豊かになりました。
しかし、この後問題が起こってきます。豊かな国の周りの未発達な国の人々は、技術を奪おうと侵略をしてきます。 それに対して豊かな国(丹後もその一つ)は、武力をもって立ち向かうのです。
そう、「鬼伝説」の元々の始まりというのは豊かな国側から見た「侵略してくる国々に立ち向かったという武勇伝」と「相手国を侵攻したことに対する正当化」として語られる物語として生まれたのです。要するに鬼は「人間」の例えであったのです。
この話を聞いて、2人は衝撃を受けました。鬼が「人ならざるもの」以外のこと、人そのものを鬼と例えることがあるという事実に驚かされたのです。
もちろん、2人が考えていたように鬼が「怨霊や姿の見えないもの、人ならざるもの、魔よけの役割」として語られることもありました。
時代によって、鬼の意味するものは変わります。
例えば、丹後地域には複数の神社で鬼が祭られていたり、鬼の紋章が彫られていたりします。
それは当時、祟りや怨霊を信じていた人々が封印や供養の意味で鬼を用いたのです。
最後に鬼に出会える神社の場所を聞いて、対談は終了。
生徒たちは今回、聞かせていただいたお話しをもとに再度フィールドワークをしてロードマップのようなものを作りたい、と意気込んでいました。
その後、2人にプロジェクトの進捗状況を伺うと
「人から話を聞くことで、自分たちが調べていたことの外側にも面白い物語が広がっていることが分かり、さらに神話や伝承といったものの魅力を知ることが出来ました!」
「丹後で生まれ育ったけれど、今回初めて自分のルーツについてじっくり考えることが出来ました。これから違う地域に出たとしても、自己紹介ネタとして語れることができたので良かったです!」
との返事が返ってきました。調べれば調べるほど、伝承の深みにはまっていき、今は時間が足りないと感じるくらい、面白いそうです。
2年生のいさなご探究の授業でのこと。
これから約1年間かけて、何について調べるのかそのテーマを設定する時間に
ある生徒はこう考えました。
「コロナ感染がどんどん拡大する昨今、どうして効果のあるとされる薬が出てこないのだろう? "ドラック・ラグ"の問題を解決する方法はないのだろうか」
そもそもみなさんはご存じでしたか?
「ドラック・ラグ」という言葉を。
恥ずかしながら私は、つい最近まで知りませんでした。それこそ、生徒が探究テーマとしてこの問題を取り上げたことが知るきっかけとなりました。
「ドラッグ・ラグ」とは、新たな薬物が開発されてから、治療薬として実際に患者の治療に使用できるようになるまでの時間差や遅延のことを意味します。
日本においては、日本国外では既にその使用が承認されている薬剤が、国内では使用が認められていないことや、承認の遅れを意味して使われます。
感心したのは、その生徒がまず自分が調べられる範囲においては徹底的に「ドラッグ・ラグ」について学習していたこと。その上で、その情報が正しいのか、実際の医療現場は現在どのような動きがあるのか、また彼女なりに「ドラッグ・ラグ」をなくすための解決策をいくつか考えた上で、医療について詳しい方にお話を聞きたいと相談をしに来てくれました。
そのような流れの中で、今回彼女が出会ったのは広田幸子さんという方。
元看護師として長く医療現場で勤めていて、今は東邦大学の教育・研究支援センターに勤務されてるそう。海外経験もあるとのことで、豊富なお話を聞くことができそうです。
さっそくzoomで繋いで、インタビューを開始!!
「そもそもどうしてドラッグ・ラグといった問題が起こっているのでしょうか?」
その質問に対して
「例えば海外である薬の効果が認められて使用されていたとしても、もしかすると日本人の体質には合わないかもしれない。それをきちんと確かめるために治験をしないといけない。それに要する時間が、つまり"ラグ"として生まれているの」
ですが、この問題は裏を返せば「薬の安全性」はしっかりと担保されているということ。
つまりマイナスの面とプラスの面は、いつも表裏一体なのです。
また日本と海外では「倫理感」が異なるが故にラグが発生しているというケースがあることも分かりました。
他の質問に関しても、これと同じように「ある1点から見ると悪いように見えるけれど、異なる視点から捉え直してみるとまた違ったように見えてくる」ということが起こってきました。
さらには製薬会社と研究機関が連携して薬を開発する際に起こる利害関係などの問題や、薬の承認をする機関が抱えるジレンマのお話など現場のことをご存じだからこそ聞けるようなお話をたくさんしていただきました。
生徒は身を乗り出して聞きいっており、話の中で出てきた新たな疑問や自分が考えた解決策が何かで役に立ちそうかどうかなど、真剣に込み入った話をしている姿を見ることができました。
広田さんが彼女に教えてくれたのは、「自分一人だけではどうしても太刀打ちができない問題に向き合ったときに、どうすればその問題について一緒に考えてくれる仲間を集められるか」が重要だ、ということ。
それを聞いた彼女は、まずは自分が調べたことや学んだことを身近な人から伝えていく、どんどん発信をしていくことから始めたいと話していました。
インタビュー終了後には、「知りたかったことを全て聞くことができました!大満足です!!」とスッキリした表情を見せてくれたことが印象的でした。とても有意義な時間を過ごすことができたようです。
この会を経て分かったのは、調べ学習だけではある一つの視点に偏ってしまうケースが起こり得るということです。自分が仮定した説の信憑性を調べるときに、どうしてもその解釈に都合の良いものばかり選び取ってしまう、ということがあるかと思います。しかし、異なる視点から捉え直したとき、その仮説を改めて見直さなければならないことが出てくる。
でも客観的な立場に立って、そのことを「それ、もしかしたらそうじゃない可能性もあるのでは?」と指摘してくれる人がいないと、自分だけでは中々気づきにくい。
だからこそ、人からお話を聞く機会というのはすごく大切なことなのだと改めて実感しました。これから他の生徒たちもぜひ積極的に他者の話を聞くことを行っていってほしいと思います。
「マイプロジェクト」というものをご存じでしょうか?
これは、身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶ、実践型探究学習のプログラムのことで、運営しているのは認定NPO法人カタリバさん。
そしてこのプロジェクトを一定期間行ってきた全国の高校生たちが一堂に会し、発表をする、日本最大級の「学びの祭典」として"マイプロジェクトアワード"というものがあります。
通常ですと、"マイプロジェクトアワード(全国大会)"の前に、全国大会出場チームを選抜するためのサミット(予選)が地域ごとに開催されます。「関西サミット」「関東サミット」のような形です。
ですが、今回初めて特別バージョンとして京都限定の大会「京の高校生まなびフェス」というものが昨年12月13日(土)に開催されました。
この大会の目的の一つには、京都全体でマイプロの活動を盛り上げようということ。
また、今まで京都の南北での交流がほとんどなかったため、京都府内の高校生同士の繋がりを作りたいということ、そして新型コロナウイルスの拡大により、同じ会場に大勢が集まることができなくなってしまった現状の中でも、どうにか発表の機会を与えてあげたい、という大人たちの想いがオンラインでのイベントとして実現することとなりました。
そこでさっそく、いさなご探究の授業の際に「こんな大会があるよ」と声かけしてみたところ、「スウェーデンの教育」について調べているグループの生徒たちから手が挙がりました!!
この大会は、その場で大学の教授や教育について関心のある大人たちが発表に対してフィードバックもしてくださるので、プロジェクトのアウトプットの場としてもそれをさらにステップアップさせるにも絶好の機会です。
出場チームは全部で12チーム。
北端の久美浜高校から、南は鳥羽高校まで画面上ではありますが、高校生たちが顔を合わせました。初めは慣れない機械操作や外部の方たち、他校の高校生たちを前にして緊張気味のメンバーでしたが、自分たちが今まで学んできたことについて真剣に耳を傾けてくれる人たちに安心し、堂々と発表していました。7分間の発表を終え、次の5分間はサポーターの方との対話の時間です。サポーターは千代その子さん。
千代さんは兵庫県・滋賀県を中心にコミュニティダンス・ファシリテーターとして活動しており、"習うダンス"ではなく、ダンスを通してからだの発見を広げることで、幅広く楽しんでもらえるようなオープンクラスを運営しているとても面白い方です。
客観的な視点からあらゆる質問が成される対話を通して、教育チームのメンバーたちは新たな気づきをたくさん得たようでした。
そして何よりも彼らを喜ばせたのは、発表を聞いてくれた高校生たちが感想やアドバイスといった熱いメッセージを送ってくれたこと。
やはり同年代の同志たちからの言葉が、これからの学びの励みになりますよね。
このわずか半日間で、生徒たちは驚くべき成長を見せてくれました。
大会を終えて、生徒たちに感想を聞いてみると
「他の学校の高校生のみんなが、自分たちには考えもつかなかったような探究テーマを設定しているのを見て、その着眼点に驚いた」
「サポーターの皆さんからのフィードバックを受けて、自分たちにはアクション(行動)が足りていないことが分かった。2月の最終報告会(峰高にて実施)に向けて、何か一つでも自分たちで行動して集めたデータを研究に盛り込みたい」
「ひとまず、峰高生と先生たちに向けてアンケート調査を行ってみようと思う。教育について一人でも多くの人が関心を持ち、一緒に考えられるような雰囲気になったらいいな」
大会に出場してくれた「教育チーム」のみなさん、お疲れ様でした!!
これからの探究活動が、さらに面白く展開していくことを楽しみにしています。
引き続き、頑張りましょう!
12月11日(金)。この日は2年生の探究活動を1年生が見学に来ました。
本格的な「プロジェクト(探究)活動」がスタートする2年生になる前の段階で、探究活動を1年に渡って実施してきた先輩たちがどのような取り組みをしていて、どんな風に情報を収集したり、調査を行っているのかについて熱心に話を聞く1年生たち。
先輩たちに話しを聞くことで、来年度自分たちがどのように活動すれば良いのか、イメージができたでしょうか。
テーマ設定の切り口は多岐に渡ります。
「興味関心」、「疑問や不満」、「その地域に住む人々が共有しているストーリーや地域にまつわる歴史」、そして「課題意識」などからといったように探究の入り口は様々。
大切なのは、自分が立てたテーマに関して常に「問い」続け、問いに対する自分なりの答えを「行動」によって導きだそうとしているかどうか。
現在の1年生が2年生になったときに果たして、どんな探究活動が行われるのでしょう。
それを楽しみにしながら、私たち教職員とコーディネーターは生徒たちにしっかり伴走しながら一緒に学び続けていく。この姿勢をこれから先もずっと大切にしていかなければならないと、改めて気づかされたのでした。
2学期に入り現在1年生の「総合的な探究の時間」、いさなご探究Ⅰの授業では
プレゼンテーションの技法について、学んでいます。
10月23日(金)に実施した授業では、地域からゲストスピーカーとして
網野町で地域おこし協力隊として活躍されている八隅孝治さんにお越しいただき、
特別講演をしていただきました。
これから、プレゼンテーションを作成していくに当たって、押さえておきたい
「他者に伝える、伝わるコツ」を教えていただきました。
公演後のグループワークの時間も盛り上がっており、各グループごとにプレゼンテーマについて様々な意見が飛び交っている様子が見受けられました。
主張を聞き手に伝えるためには、通り一遍の発表では響きません。
プレゼンを聞いた相手に「これ面白いな」「ちょっと調べてみようかな」「やってみようかな」といった感情を持ってもらうためには、「一ひねり」必要です。
発表時には、独創性のある面白いプレゼンテーションが出てきてくれることを願っています。
2020年10月30日。
2年生の「いさなご探究Ⅱ」の授業にて、中間報告会を実施しました!!
外部から大学の先生や教育関係者の皆さん、そして地域の方々など合わせて20名以上の方に講評していただきました。
また一部ではオンラインシステムZOOMを使用し、大学と直接繋いで遠隔からコメントをいただいたり、1年生の教室に発表の様子を配信したりもしました。
※京都光華女子大学 キャリア形成学科准教授 乾 明紀先生とZOOMで
繋いで発表している様子
生徒たちはそれぞれ、自身の探究テーマについて現段階でできているところまでを披露し、それに対して多くの視点から講評をいただきました。
今の段階でよい点、改善点についてそれぞれコメントをいただけたことで客観的に観たときに自分たちの発表、また研究はどう映るのかについて振り返る機会がえられたことは生徒たちにとって大きな収穫となったことでしょう。
2月の最終発表まで更なる発展ができるよう、頂いた講評を参考に研究を改善することで中間報告会というこの機会をこれから
最大限活かしていきたいと感じたのでした。
お忙しい中、中間報告会に足をお運びいただいた大学の先生方、教育委員会の皆様、そして地域の方々、本当にありがとうございました。
引き続き、ご指導・ご支援のほどよろしくお願いいたします!!
※この記事は1学期の出来事です。
7月10日、金曜日。
今回は、1学期最後の探究の授業。
ひとまず、授業としてはテーマ決めの最後の時間となります。
テーマ設定は探究の授業の中で最も重要なのではないでしょうか。
何といってもこれから長く付き合っていかなければなりませんから。
テーマは、自分がワクワクするもの、面白がれるもの、とても気になるものなど自分が強く惹かれるものでなければ、長い期間向き合うことが苦しくなってしまうでしょう。
一人ひとりがテーマに関して、真剣に向き合ってほしいなと願うばかりです。
そして本日も地域から、生徒の相談役として参加してくださった方たちがいます。
京丹後市移住支援センター「丹後暮らし探求舎」 坂田真慶さん
web・映像制作会社VEJ(VISUAL AND ECHO JAPAN) 藤原徹也さん
地域おこし協力隊 関奈央弥さん
U設計室代表 大垣優太さん
一般社団法人Tuchica代表 岡村芳広さん
私たちの心強い味方ですね。色々とお話しを聞いてくださり、ありがとうございました。
授業としては、本日が1学期最後となりますがテーマ決定締切までにはまだ少し時間があります。じっくり向き合って考えていきましょう。
※この記事は1学期の出来事です。
あっという間に7月になりました。
2年生の探究の授業では、今まで地域の方々のお話しを聞き、視野を広げることを
主な目的として行ってきましたが、今月がいよいよ生徒自らがこれから半年ほど
向き合っていく探究テーマを考えていきます。
7月3日、金曜日。
すでにやりたいことがあり、テーマ決めのためのプリントをもくもくと埋めていく生徒も見受けられる一方で、テーマが決まらず動きが止まってしまっている生徒もちらほらと見受けられます。
そんな困っている生徒のために地域の方が相談役になってくださるという心強いお言葉をいただき、この日は生徒の話を聞いていただくことをメインに参加していただきました。
一般社団法人Tsuchica代表 岡村芳広さん
一般社団法人Tangonian代表 長瀬啓二さん
地域おこし協力隊 八隅孝治さん
andon代表/NPO法人地球デザインスクール理事 市瀬拓哉さん
地域の方へ相談に来た生徒たちは、どのようにテーマを設定すればよいのかのヒントをもらったり、悩みを聞いてもらったりすることにより最後にはスッキリとした表情で教室を出ていきました。
これから個人で深めていく探究、そしてグループで協働しながら取り組む探究、どんなテーマが出てくるのか楽しみです。
生徒たちがこれからどのようにテーマ設定をするのか、またそれとどう向き合っていくのか、ゆっくり向き合っていきたいと思います。
ご協力いただいた地域の方には、感謝申し上げます。
ありがとうございました。
※この記事は1学期の出来事です。
6月26日。
「いさなご探究Ⅱ」の授業に地域から4名の方にゲストスピーカーとして
参加していただきました。
〇ゲストスピーカーのみなさん
老籾千央さん
市瀬拓哉さん
井上絵磨さん
小林朝子さん
この日のゲストを含めて、今まで3週の授業にわたって幅広い分野で活躍されている
地域の方々にお話しをしていただきました。
様々な視点から話を聞くことで、自分たちの住む地域に対する考え方が変わったと話す生徒が出てきたり、高校生活を大切に過ごしながら将来の目標を定めて行動したいと感じたと感想を書いてくれる生徒が見受けられたりするようになりました。
≪生徒の感想≫
「"最初は嫌いだったものが、経験を積むことで見方が変わった"という話を聞いて、何事もまずやってみることが大切だと感じました」
「森や林、丹後を発展させていく中で、どう行動するのか考えさせられた。好きなこと、興味のあることの中から自分のことについて考えることが出来た」
「自分一人で悩んで抱え込まず、周りの人に相談するのは、今の僕たちにとってもとても大切なことだと分かった。また相談することで自分の新たな道を見つけられるかもしれないので、とてもためになった」
「自分から挑戦していき、普段出会えないような人にも会うことがすごく貴重な体験だと実感しました。人との繋がり、ボランティアなど自分の知らない世界に飛び込んでみるのも面白いことだなと思いました」
いよいよ次回からは、生徒たちそれぞれが今後自分たちが向き合っていく探究テーマを考えます。地域の方のお話しを聞き、刺激を受けた生徒たちからどんなテーマが出てくるのか、楽しみです。
こんにちは! 能勢 ゆきです。
この度「高校生と地域をつなぐコーディネーター」として3月より着任しました。
ご挨拶が遅れてしまって、ごめんなさい。
緊急事態宣言が出されたことで、学校が始まったと思ったら
またすぐ休校になってしまったことで皆さんと直接のやり取りが
まだほとんどできていない状態なので、少し残念ではありますが
またみなさんと会える日を楽しみに待ちたいと思います!
みなさんとは主に「いさなご探究」の授業で関わることになります。
ではここで、簡単に自己紹介をさせていただきますね。
好きなことは読書、映画鑑賞、旅行、音楽、韓国語です。
高校時代はコーラス部に所属しており、映画やミュージカルの曲を歌っていました。
本当は、京丹後やその周りの様々な地域をゆっくり巡りたいのですが、
この情勢で今は難しそうなので最近は再び韓国語に触れることがマイブームで、
よく韓国のバラエティー番組やドラマを鑑賞しています。
以前は、「体験型の書店」と呼ばれる少し変わった書店で働いていました。
本屋でイベントを企画したり、「先生」を招いて講義やワークショップなどを行い、
ある意味「大人の学校」のような、そんな本屋さんでした。
京丹後には「人」に導かれてやってきました。
まだ地域のことをほんの少しだけしか知りませんが、
ここはとても温かく、いつも優しく見守ってくれているような、
全てを受け入れてくれるような、そんな寛大さを持った場所だと思います。
そして、今この町にはより良い未来を創っていくために"ワクワク"を創造しようと健闘している人たちがたくさんいます。
ここにみなさんが加わったとき、さらに大きな化学反応が起こってくるのではないかと
今すでに楽しみな気持ちでいっぱいです!
全く別の場所で生まれて、育った私が今こうしてここにいること、
それは奇跡的な出会いだと感じています。
あなたの可能性、そして地域の可能性を引き出すお手伝いを
全力で行っていいますので、
どうぞよろしくお願いいたします!!