もともとその生徒には、たくさんの好きなことがありました。
歌を歌うこと、絵を描くこと、音楽を聴くこと...。
だけど探究学習で、どんなことを深めていくかについてはかなり悩んでいました。
好きなことや関心のあることは思い浮かぶけれど、1年という時間をかけて何をテーマに取り組むべきか。
そこで、まずは彼女の関心の原点がどこにあるのか探ってみることに。
掘り下げていくと彼女の興味の根っこは、ある動画に結びつくことが分かりました。
その動画は気持ちが落ち込んで前向きになれなかった時期に自分を励ましてくれた、というのです。
視聴後も暫くリフレインする特徴的な音とリズム、視覚に訴えてくる言葉の羅列。
強いメッセージがずんずんと胸の扉をたたいてくる。
そう、ミュージックビデオです。
それを見て衝撃を受けた彼女は、いつか自分でこんなミュージックビデオを作って、
私が元気をもらったように誰かの励みになるような作品を作りたい、という想いを抱くようになりました。
もう、それなら自分で作ってしまおう!!
ということで、「伝わるMV制作プロジェクト」が始動しました。
驚いたのは、彼女が趣味で作ったという過去の作品を見せてもらったとき。
機材など揃える余裕はないので、全てアプリを使って書いたというイラストたち。
どれもこれもクオリティが高く、色使いにおいてもセンス抜群。
しかも、それら全部を何と指で書いたというのです!! 恐るべき才能......!!!
ですが今回作るのは静止画ではなく、動画。しかもどうせ作るのであれば、質の高いものを生み出したい。
そんな彼女の想いに応えてくださったのが東京にメインオフィスを構える映像制作会社
「ビジュアルアンドエコージャパン」の藤原徹也さん。
藤原さんは元々網野町出身で、京丹後にUターンし、現在30番街2階のオフィスでお仕事をされています。
早速、藤原さんのオフィスへ伺いました。

「誰かの心を動かすような映像を作るためにどんな工夫をされていますか?」
「映像制作において、大切なことって何でしょう?」
「心に刺さる見せ方、アニメーション効果の使い方を知りたいです」
質問の一つ一つに丁寧に答えてくださる藤原さん。
プロからお話を聞いたことで、ますます彼女の中の「良いものを作りたい!!」という
熱量が高まったようです。これからがとっても楽しみですね。
果たして救世主藤原さんとの出会いは、今後彼女の人生にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
彼女の成長の過程を乞うご期待!!
~続編に続く~