久美浜学舎
梅雨明けしたかのように天候がようやく晴れて、久美浜学舎のカヌー実習が7月14日に開催されました。
開始の際に、久美浜学舎のカヌー部の6人の生徒がオーラ全開でプロのパフォーマンスを披露し、一気に雰囲気を盛り上げてくれました。まさに、後生畏るべし、生徒たちは様々な可能性に満ちていると私は心の底から感動しました。
実習は主に2コースに分かれ、競技用の一人用のカヌーとドラゴンボートを体験しました。私は泳げませんが、勢いで生徒8人とドラゴンボートを漕ぎました。太鼓のリズムに乗って、同じ船に乗った仲間が思いを一つに、終点まで全力で漕ぎました。
ドラゴンボートは中国で「龙舟」(繫体字は「龍舟」)と言います。伝説によると戦国時代に秦国の侵略から楚国を守ろうとした政治家、詩人の屈原(くつげん)が失意し、5月5日に身を汨羅江に投げました。その後、悲しみに暮れる民衆は屈原の身を魚に食べられないように、ドラゴンボートを漕いで魚を駆除し、また、餌として川の中に「粽(ちまき)」を投げるなどの民俗風習が形成されました。毎年端午節に向けて、太鼓と選手たちの情熱のある叫び声が町中に漂っていました。東アジアではドラゴンボートに纏わる物語、風習は国によってそれぞれですが、変わらないのは先人の習慣を後世にも伝えようとする精神ですね。
今では、ドラゴンボートは伝統的な民俗風習の継続以外にも、身体能力を鍛えたり、精神力を磨いたりする意味合いも含まれています。カヌー実習は久美浜学舎の生徒たちによって安全意識の訓練だけでなく、精神力を鍛えるものでもあります。スポーツ教育学の研究では、「スポーツ場面においてよく利用される目標設定やコミュニケーションなどのスキルは、日常生活場面でも必要とされるライフスキルとして般化可能な心理的スキルであるとされています。つまり、スポーツで体力を磨いて、身に付けた不屈な意志と精神や集団で活動するとき意思疎通するために覚えるコミュニケーションスキルはすべて、日常生活の場面にも活用できると言えます。子供の時からスポーツで身に付けた素質によって、現在の生活及び将来遭遇する困難な状況にもうまく対処できるのではないでしょうか。