網野学舎

最高の演技、最高の時間、最高の仲間


 9月13日(日)、本校小体育館において「男子新体操オンライン選手権2020」があり、東京の本部と中継をつないで実施されました。体操部男子3年生にとっては最後の大会で、堂々の全国14位の成績を収めました。出場した3年生の3名にインタビューをしました。

今井慶士郎さん(3年2組・弥栄中)
 「今回の演技構成を考え始めたのは2月からで、順調なら6月に完成する予定でした。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月から臨時休業期間となり、学校で集まることができなくなりました。それでも、各自家庭で練習をしてようやく完成させました。困難の中作り上げた演技構成だっただけに、私自身思い入れが深かったです。
 キャプテンとしてはインターハイ出場が目標でした。このような代替大会を設けていただいたことと、このチームで戦うのが最後だったため、私は感謝の思いを胸に、勝利を目指して全力で演技に臨みました。最終順位は14位でしたが、あとから動画で確認すると、予選よりもいい出来映えだったので悔いはありません。
 私は高校入学時、体操初心者でした。上手な先輩方に憧れを抱いた一方、初めは側転さえ危うく、とにかく必死でついていくだけでした。それでも先輩方は初心者の私達にも体操を一から教えてくれました。自分も後輩ができたら同じ様に優しく接していこうと、先輩方の後ろ姿を見て学びました。仲間や後輩に恵まれ、私にとってこの3年間の部活動は最高に楽しい時間でした。高校で培った体操の技術や精神を、将来大学でさらに磨いていきたいです。」

田辺潤平さん(3年4組・弥栄中)
 「私は今夏に予定されていたインターハイが中止になったことを、臨時休業期間に家で報道を見て知りました。3年間ここを目指して頑張ってきたのに、突然目標を失ってしまいとてもショックでした。しかし、オンライン選手権が実施されると聞き、早速仲間とSNSを使って練習や連携を取り合いました。
 8月に提出した動画予選は無事に13位で通過し、オンライン選手権決勝への出場が決まりました。観客はおらず、撮影隊のみの本番という異例の状況での演技でしたが、3年間慣れ親しんだマットの臭いと感触が、私の心を落ち着かせてくれました。高校生活最後の3分間の演技は、個人としてもチームとしても、これまでで最高の出来映えだったと思います。
 私も高校から体操を始めたのですが、お手本となる先輩がたくさんいましたし、辛いときも苦しいときも支えてくれる仲間がいつも傍にいたので、この3年間は最高に幸せな体操人生でした。現在大学に進学するために勉強を頑張っています。将来どんな形でも新体操に携わっていけたらいいなと思っています。」

真杉拓人さん(3年1組・網野中)
 「決勝は網野高校小体育館と東京を中継でつないで行われました。予選では何度も撮影をし直し、一番いい映像を提出すれば良かったのですが、決勝は一発勝負でしたし、カメラの向こうでたくさんの人が観ていると思うと、いくらホームグランドでできたとはいえ、いつもの競技会では味わったことのない緊張感が体を走りました。その緊張感からか、小さなミスをしてしまいました。それでも、3年生は最後の集大成として最高の演技を見せることができたと思います。終わった瞬間は『新体操をやってて良かった!』と心から思いました。
 私は二人と同じく、高校から体操を始めた初心者でした。1年生の頃はメンタル面が弱く、技を失敗するとすぐに練習をやめたくなるほど落ち込むこともありました。しかし、仲間と励まし合い、切磋琢磨するなかで必死に練習を重ね、A団体の椅子を勝ち取ることができました。同期のメンバーは1年生からずっと一緒なので、友達というよりもファミリーだと思っています。時にはケンカや言い合いになったこともありましたが、次の日には仲直り。またすぐにみんなで1つの同じ目標に向かって練習し合った最高の仲間でした。
 私は高校卒業後、作業療法士になりたいと考えています。医療や介護の現場は想像以上に大変だと聞いていますが、持ち前の負けん気と培った精神力で困難を乗り越え、たくさんの人に感謝されるような人へと成長していきたいです。」


...新体操を通じて、彼らは本当にたくさんの「最高」に出会うことができました。

 
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