SAGANO BLOG

12月16日(土)、狂言部の定期公演「嵯峨野高校狂言の会」を開催しました。狂言の取組を始めてから15年目、冬青庵能舞台(京都市中京区)で会場をお世話いただくようになってから10回目の節目になります。

現在、1・2年生の部員が3人しかいないのですが、3人で演じる曲目を2つ上演すると決めて、文化祭が終わってから3か月で仕上げるというハイペースで頑張りました。これも、茂山千五郎先生はじめ茂山狂言会の先生方が懇切に御指導くださった賜物です。あらためて心から感謝を申し上げます。

(1)「蟹山伏(かにやまぶし)」

山伏と強力の主従が、近江蟹ヶ沢で異形の者に出会います。さては蟹の精と察して、今晩のおかずにしてやろうと打ちかかるのですが......。

蟹の精は、賢徳(けんとく)の面(おもて)をつけていて視野が非常に狭いのですが、舞台を軽やかに動き回り、山伏や強力の動きともぴたりと合って、蟹の精が2人を翻弄する面白さをみごとに表現していました。

(2)「附子(ぶす)」

主人の留守中、太郎冠者と次郎冠者は、猛毒だという附子が実は砂糖だと気がついて、2人で全部たいらげてしまいます......。

1曲目を終えたら、先生方が手際よく装束を着替えさせてくださり、すぐに2曲目です。 せりふのニュアンスや動きの緩急が本番ではいっそう濃厚になり、夢中になって砂糖を食べつくす様子や、猛毒だと嘘をついた主人が仕返しにあう可笑しさに、客席が大いに沸きました。練習で苦心した舞も、きれいに決まりました。


休憩をはさんで、茂山千五郎先生と網谷正美先生に「伯母ヶ酒(おばがさけ)」を演じていただきました。酔っ払って、だんだんろれつが回らなくなっていったり、ふらふらの千鳥足で伯母から逃げていく様子を千五郎先生がみごとに演じられ、伝統の芸の素晴らしさを堪能させていただきました。


翌17日(日)には、京都コンサートホールで開催された「令和5年度全国高校生伝統文化フェスティバル」のオープニングに出演させていただき、「蟹山伏」を演じました。大きなホールいっぱいに元気な声を響かせ、盛んな拍手をいただきました。

冬青庵能舞台には狂言部の卒業生が何人も来てくれて、受付の仕事などを手伝ってくれました。こうした良い伝統が続いていくよう、これからも励みたいと思います。



 
 
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