7月15日、30日の2日間、嵯峨美術大学の仲政明教授に御協力いただき、「保存修復師と巡る文化財鑑賞ツアー」を実施しました。
今回、鑑賞させていただいたのは、仲先生が以前修復を手掛けられた文化財が多数ある西本願寺です。
15日は事前学習として、本校で事前講義を実施しました。西本願寺を訪れるうえで、知っておきたい親鸞聖人の教えや、仲先生が文化財保存、修復に携わられた中で経験されたことを中心にお話しいただきました。中でも印象的だったのは御影堂の修復のお話です。一口に修復と言っても、復元、補彩、現状保存などさまざまな方法があります。文化財の状態や置かれた環境、歴史的背景などを踏まえながら、所有者、保存修復師、自治体、国など多くの関係者の考えを尊重し、最適な方法を選択していく必要があります。
また、西本願寺は貴重な文化財であると同時に、多くの門信徒や参拝者にとって大切な信仰の場でもあります。そのため、修復においては文化財としての価値だけでなく、人々の信仰心にも十分に配慮することが求められます。
「誰のために、何のために、修復するのか」このことを心に置きながら、修復にあたっておられた経験談は、生徒の心にも深く響いたようです。
30日の鑑賞ツアーでは、西本願寺の職員の方にもご同行いただき、一つ一つ丁寧な説明を受けながら、様々な場所や障壁画を見させていただきました。
事前学習では、十分に理解しきれなかったところも、文化財を前にすると、点と点が線で繋がる感覚で、理解が深まりました。
今回の企画には、「自分とは何者か 文化財を通して考える」という裏テーマがありました。日本美術の素晴らしさや人々が繋いできた価値観に思いを巡らせることで、自分自身の在り方についても自然と考える機会ができていたのではないかと思います。