学校生活School Life
今回の記事は、人々(消費者)の購買意欲に関する
メカニズムに関して関心のある
高校生たちの探究の物語。
彼女達の探究活動については、
今年度の2年生の探究プロジェクトについて
紹介させていただいたダイジェスト版の記事で
少し話題に出しているので、おさらいがてら、
ぜひこちらの記事もお読みください♪
***
彼女たちはパッケージ及び、
商品におけるプロモーションの方法を考え、
実際に商品として販売することで、
売れ行きとそこに係る人の心理を
検証するといった取り組みをすることを決意。
前回の記事で、彼女達の取り組みに協力しようと
手を挙げてくださった網野町の
「にく屋さん 優」さんとの出会いを
紹介させていただきましたが、
その後、どんなことが
起こっていったのかについての
エピソードを今回の記事では紹介しましょう。
「にく屋さん 優」さんとのコラボが決まり、
まずは優さんとの顔合わせを、
ということで実際に店舗へお邪魔しました。
初めに店長の清水さんからお店作りや
商品の拘りに関してお話しを伺います。
「最近は物価が上がってきているでしょう。
国産は外国産より高いっていう
イメージがあると思うけど、実は最近
そんなに大差がなくなってきているのよねぇ......。」
困ったものよ、というようにため息をつく清水さん。
店舗の壁にずらっと並ぶ商品の値段表を見て、
確かに、と思う。
清水さんの拘りは、兎に角少しでも質の高いものを仕入れる、
ということ。
週4日は、上質なものを仕入れるのに
時間を費やしているといいます。
驚くのは、それだけではありません。
様々な種類のお肉は大きな塊で仕入れていて、
お客様の要望に合わせたカットをしてくださいます。
スーパーなどでは基本、均等な大きさに
切られたものがパック詰めされて売っていますが、
優さんのところでは調理法に合わせて、
どんな注文にも応えてくださるというのです。
極薄のスライスから、贅沢に分厚いカットまで何でもあり。
勿論、カットの腕前も一流。
どの部位をどう扱えばより美味しく
いただけるのかを熟知しているのは、
流石の地元が誇るお肉屋さん!!
丁寧に要望を聞き入れ、それに合わせた
量り売りをしてくれる
お店の存在はとても大きい。
さらにすごいのは、
お肉以外のお惣菜の数が
本当に豊富だということ。
お肉を加工したお惣菜はもちろん、
和え物や丹後ならではの納豆みそ、
ドーナツなどのスイーツ類まで揃っている。
そのどれもが、クオリティが高い。
コロッケに至っては、
毎月中身の具を変えるという拘りよう。
清水さんの仕事との向き合い方には脱帽する。
「販売するからには、本気でやるよ!
高校生のみんな、
気合い入れなさいよ!」
と熱意を見せてくれるこの人と
コラボ出来るなんて、高校生たちは幸せものだ。
そんなこんなで、ここからは商品化に向けた
本格的な打ち合わせがスタート。
最初にどこで売るのか、についてを決めていく。
少なくとも1回だけの出店では足りない。
1回目の検証結果を振り返り、
改善を取り入れたバージョンで
再度販売するという検証をすれば、
有力な情報が集まるはず。
清水さんは、これからたんちょす
への出店を決めているという。
よし、1つはそこに高校生たちとの
コラボ商品を出せるようにしよう。
そしてもう一つ。
出店するにはちょうど良い機会がありました。
そう、10月末に開催される丹後万博。
この2つのイベントでの出店を目指すことが決まったので、
ここからは、何を販売するのか、の話を詰めていきます。
これまでの清水さんのお話から、
毎月具材を変えている拘りの、
そしてお店の中でも人気を誇っている商品の1つ、
コロッケをオリジナルで販売するのはどうか、
という意見でみんなの想いが一致!
高校生とお肉屋さんとのコラボ企画、
コロッケを売ろう!作戦が
ここから始まりました。
役割としては、どんなコロッケが良さそうかの
アイディアを出すのが高校生、
そのアイディアを形にし、
実際に商品化するのがお肉屋さん。
高校生たちは、その商品の
パッケージデザインも担当します。
どんなコロッケが人気がありそうか、
今世間で流行っているのは
どんな食べ物があるのか、
またみんながテンションの上がる料理の中で
コロッケの具に出来そうなものはないか......
といったところから、
アイディアを出していきます。
複数出てきたアイディアの中から、
いくつか清水さんがピックアップして、
次回の打ち合わせまでに
試作をしてきてくださることに。
それまでの間に高校生側は、
パッケージのデサイン案、商品名、
イベントまでの間に商品を
どう周知させるか(プロモーション)などについて
検討することに。
清水さんの話しに寄れば、
商品のPOP(商品を簡単に紹介するもの)は
PCを使用して作成したものよりも、
手書きで作ったものの方が
圧倒的にお客様の反応が良いという。
デザインとしては、
綺麗に整って見えるものよりも
多少手作り感のあるものの方が
注目をしてもらいやすいのかもしれない、
という説もここで浮上してきた。
果たしてその根拠は何なのか。
本当に手作り感が感じられるデザインの方が
手に取ってもらいやすいのか、
それを今回のコラボで検証してみるのも
面白いかもしれない、と盛り上がる。
既にワクワクが感じられる
充実した時間となりました。
これからどんな商品が出来上がっていくのか、
すごく楽しみだなぁ♪
こうして、第1回目の打ち合わせは幕を閉じます。
***
こんな風にして、この後から
高校生たちとお肉屋さんとの打ち合わせは、
幾度にも渡って繰り返されていきました。
ああでもない、こうでもない、
それ、いい!
これをもっとこうしたらさらに良くなるのでは?
やるからには、お互い本気で挑みます。
だからこそ、少しも妥協を許しません。
彼女達の要望に合わせて、
清水さんもとことん納得がいくまで
何度も何度も試作を繰り返してくださる。
試作品をみんなでいただいて、検討している図。
清水さんが、本気で向き合ってくださるからこそ、
高校生たちも中途半端は許されない。
そんなお互いを高め合う関係性が頼もしく、
プロジェクト自体の質も上がり
毎回の打ち合わせの時間が
とても楽しかったです。
商品は3種類。
みんな大好き、クリームコロッケと
少し大人な味の牛タン塩コロッケ、
そして旬のさつまいもを使ったチーズボール。
付け合わせのソースにもとことん拘りました\(^o^)/
商品が決まれば、
覚えてもらいやすい名前やロゴ、
商品をイメージした
キャラクターなどのデザインを考えます。
ロゴに使用した色は、
「にく屋さん 優」さんのショップカードに
使われてる色で、コラボをすることから
優さんらしい色をチョイス。
手がきの方がなぜか売れ行きも良い、
という最初の話しを元に
手がき感のある親しみやすいキャラクターを。
コロッケファミリー。
可愛いですね♪
そして丹後万博まで
残り一週間ほどになったタイミングで、
ラジオでPRすることに。
FMたんごのパーソナリティ
「キャッチー船戸」さんにご協力いただき、
番組のゲストとして出演させて頂きます。
「キャッチー船戸」さんと高校生たちの掛け合いが
また素晴らしく、とっても良い収録ができました!!
イベントで、沢山売れたらいいなぁ。
今回の記事では、商品販売までの過程について
紹介させていただきましたが、あくまでこれはごく一部。
本当に多くの時間と労力をかけて作りあげてきました。
こうして挑めるのは、地域の方々の
ご厚意と協力体制があるから。
いつも高校生たちの学びを共に支えてくださり、
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
この後、丹後万博での様子をまた別の記事で
綴っていきたいと思います!