1学期の中間考査期間が始まる前にまいたトウモロコシの種が発芽し、少しずつ大きくなっています。ところが、畝によって成長に違いが見られるのです。
肥料は均等にまいたはずですし、水も同じようにあげています。何が原因で成長スピードに差ができているのか、注意深く見守ってきたいところです。
学校林でもっとも見られる動物といえば、誰に聞いても「シカ」と答えるでしょう。実際、撮影された動物のうち50%以上(場所によっては70%以上)はニホンジカです。近年、日本全国の森林でシカが増加していることが問題になっていますが、それは莵道高校の学校林においても同様なのです。
夜間、学校に人がいなくなると、シカはグラウンドやテニスコート、中庭などの校舎側にやってきます。そして翌朝、足跡や糞といった形で、その存在をアピールするのです。遅くまで残って仕事していた先生が、駐車場でシカと遭遇したという話もよく聞きます。莵道高校はシカと共生する学校なのです。
そんな風にシカばかり撮影されるので、たまに別の動物が撮影されると嬉しくなります。今回もタヌキやハクビシン、アライグマなどが撮影されましたよ。
これまでに採集した、ハゼ類とドジョウの測定と同定を行っています。
一匹一匹、計測するとともに、同定基準に従い、胸鰭や背鰭の条数を数えています。
現在のところ、京都府南部のドジョウは、中国産ばかりです。
さらに、標本の一部を使い、透明標本を作ってみたいと思います。
アリザニンレッドにより骨格を染色し、アルカリや酵素などを使って透明化を試みます。
ジャガイモを収穫して空いた畑で、新しくトウモロコシを育てることにしました。実は昨年もトウモロコシは植えていたのですが、シカやカラスの食害に遭い、残念ながら収穫までいかなかったのです。今年こそはそのリベンジとして、立派なトウモロコシができて欲しいですね。とりあえず畝をつくってマルチを貼り、種をまきました。さあ、上手く育ってくれるでしょうか。
4月下旬に植えたサツマイモは、しっかり畑に定着し、つるをどんどん伸ばしています。このままたくさんの葉をつけて、大きな芋を作ってもらいたいです。
ヨウ素溶液を使ってビタミンCの寮を調べます。
ヨウ素溶液はうがい薬で代用し、身近なものを定量(滴定)します。
ビタミンCは、柑橘系の果汁のほか、酸化防止剤としていろいろな食品に含まれています。
手始めに、いろいろな種類のレモン果汁や柑橘類を定量し、違いを調べてみたいと思います。
学校林に設置しているセンサーカメラは、赤外線センサーを利用しているため、体温に反応してシャッターが切れるようになっています。よって、哺乳類だけでなく、鳥類や、夏場に体温が上昇した昆虫なども撮影されます。
中でも特に鳥類はよく撮影されます。昼間に撮影された写真があったら大体キジバトが写っているというくらい、カメラの設置場所によっては鳥ばっかり撮影されることもあります。学校林で見られる鳥類についてはあまり調査できていないのですが、キジバト以外にもハシブトガラス、トラツグミ、シロハラなど、里山で見られる鳥が撮影されています。過去にはフクロウなど珍しい鳥が撮影されることもあったので、どんな鳥が撮影されるかも、少し楽しみな要素だったりします。
6月になり、十分に大きくなったジャガイモを収穫するときがやってきました。今年は金属柵によりシカの食害にも合わず、豊作が期待されます。マルチ(黒いシート)をはずして、茎の根元を見てみると、ありました、たくさんの芋が見えています。
ところで、ジャガイモの芋は地中にありますが、実はあれは根ではありません。「塊茎」と呼ばれる、茎が変化したものです。サツマイモの芋は根が変化したものなので、同じように地中にある芋に見えても、まったく別物なんですよね。
大きいものから小さいものまで、たくさん収穫できたジャガイモは、しばらく室内で乾燥させて、それから利用していく予定です。どんな風に利用していくのか、今から楽しみですね。
現在、入部した1年生が主にやっているのが、センサーカメラで撮影された写真の記録です。写真を見て、撮影日や時間、動物の種類などを記録していくのですが、そのためには動物を見分ける技術が必要です。最初はリスとテンの違いも分かっていませんでしたが、2年生の先輩に教えてもらいながら、少しずつ見分けられるようになってきています。
たくさんの写真を見ていると、シルエットだけで何の動物か分かったりするものですが、やはり最初はできなくて当然です。というより、野生動物なんてシカやタヌキは知っていっても、テンやアナグマなんて存在自体知らなかったりするものです。やはり、動物の知名度には差がありますよね。
莵道高校は京都府でも珍しい敷地内に学校林(裏山)がある高校です。この学校林は「莵道の森」と呼ばれ、授業の探究活動等でたまに利用されていました。この学校林に目をつけた科学部は、林内に赤外線センサーカメラ(自動撮影装置)を設置し、どんな動物が利用しているのかを調査することにしました。
これが6年前の話です。その後の継続した調査により、莵道高校の学校林では実に10種以上の哺乳類が確認されています。ニホンジカやイノシシ、タヌキといった里山の動物だけでなく、ニホンリスやムササビなど、そんなのがいるのかと驚くような動物も撮影されています。
今回紹介しているのは3月に撮影された写真です。まだ角が落ちる前の雄ジカや、学校林では主に冬場にしかやってこないキツネなどが撮影されています。それでいて、冬ごもりから目覚めたアナグマも撮影されていますし、季節の変わり目といった感じですね。
今年度も引き続き、学校林の動物をセンサーカメラで狙っていく予定です。新入部員の1年生にも早くやり方を覚えてもらい、莵道高校に出現する動物について詳しくなって欲しいですね。
4月も終わりに近づき、暖かい日が続くようになってきました。中庭にある畑では現在、ジャガイモがすくすくと育っています。畑の周囲を金属柵で囲ったことでシカによる食害を完全に防いでいるからか、昨年の同じ時期に比べても、大きな成長を見せてくれています。そんなジャガイモですが、栄養を集中するための間引きを行いました。これで収穫時期の6月頃には、より立派なイモができるのではないでしょうか。
また、畑の空いているスペースに、サツマイモのつるを植え付けました。毎年育てているサツマイモですが、昨年はシカの食害により少ししか収穫することができませんでした。今年は金属柵のおかげで豊作が予想されます。しかし、手入れをちゃんとしてやらないと立派なイモができないのはサツマイモも同じなので、成長の様子を気にかけていきたいですね。
<部員数>
25人(3年生:6人、2年生:14人、1年生:5人) ※2023年5月現在
<活動日>
水曜日、金曜日が中心
<活動場所>
生物実験室、学校林「莵道の森」、中庭(畑)、学校外の河川・湖沼 など
<活動内容>
学校林の哺乳類調査、畑作り(サツマイモなど)、魚類調査、キッチンサイエンス(身近な科学実験)、昆虫採集、生物標本作成、物理実験、化学実験、水質調査、生物を題材にしたゲーム作り、莵道祭の展示、大会での研究発表 など
莵道高校だからこそできる活動をしています。生徒の皆さん、学校林で動物を追いかけたり、中庭に畑をつくって作物を育てたり、魚類の調査をしたり、なかなか経験できないことを一緒にやりませんか?別のクラブと兼部しても大丈夫です。
1学期が始まって2週間が経過し、少しずつ新しい学年に慣れてきたころかと思います。莵道高校では4月12日の新入生歓迎会を皮切りに、新入生の部活動勧誘が始まりました。
科学部でも部活体験を実施し、スライム作り、学校林ツアー、センサーカメラのデータ確認、畑作業の手伝いなど、科学部っぽいイベントを体験してもらいました。
現在のところ、5人の1年生が入部を希望してくれています。先輩達と一緒に、科学部の活動を楽しんで欲しいと思います。
3月26日にオンラインで開催された日本森林学会大会で実施された「第10回 高校生ポスター発表」に参加し、研究発表をしてきました。
研究タイトルは「動物は学校林のどの場所が好きなのか?」で、学校林内に設置した3つのセンサーカメラの撮影結果から、同じ学校林でも場所(周りの環境)が変わると、出現する動物にどのような変化があるのかをまとめました。
当日はオンライン開催ということで、莵道高校に集まってタブレットから参加しました。他校が発表しているポスターも見ることができ、それに対して質問コメントでやりとりができるなど、部員達にとって貴重な体験ができたと思います。
※リンクから発表したポスター(PDFファイル)を見ることができます。
3月に入って急に暖かくなり、2月までの寒さが嘘のような日が続いております。冬から春になっていく、この季節の変わり目ですが、学校林にはいつものように動物がやってきています。学年末考査期間中に撮影されたデータを回収すると、ニホンジカ、イノシシ、タヌキ、キツネ、テン、ニホンリス、アライグマなど、いつものメンバーが姿を見せてくれました。キツネについては、今年度は例年よりたくさん撮影されています。
リスやテンのような動物を撮影するときのコツとして、倒木があるところにカメラを設置するという方法があります。というのも、小型の動物などは特に、こういう倒木の上を歩いて移動することが多いからです。動物は地面を歩くとき、私たちが思っている以上に神経質になって地面を踏んでいます。何があるか分からないからです。しかし、倒木の上ならどうでしょう。小型の動物なら、一直線に伸びた、それこそ整備された道のように見えるわけです。だから安心して移動できるんでしょうね。
というわけで、リス、テン、ハクビシン、たまにはアライグマなど、倒木の上を歩く動物は多いんですよという話でした。
学年末考査が終わり、現在はテスト返却期間となっています。そんな放課後に、中庭の畑を整備し、ジャガイモを植える作業をしました。
ジャガイモは種イモを埋めることによって、新たなイモを育てることができます。畝をつくってマルチをはり、計14個の種イモを埋めました。これが大きくなり、大量のジャガイモが収穫できることを期待しています。
それと同時に、動物による食害対策として、新たに金属の防獣柵を設置しました。今年度は中庭に入り込んだニホンジカに畑のネットを突破され、サツマイモが食害されてしまいました。その結果、サツマイモは十分に育たず、がっかりな収穫となってしまいました。同じことを繰り返してはならないと、金属製の強固な柵を導入し、畑の守りを完璧なものにすることを目指しました。
柵の設置は非常に大変でしたが、1年生を中心にみんなで協力して設置しました。これでもう、科学部の畑がシカにやられることはないでしょう。来年度の収穫が楽しみです。
2月に入り、厳しい寒さが続いています。学校林では相変わらずニホンジカがたくさん撮影されるわけですが、今回はシカだけじゃなく、タヌキの撮影数もいつもより多かったです。
学校林でセンサーカメラ調査を始めた頃、タヌキはニホンジカ、イノシシと並んで「学校林御三家」と呼ばれるほどに撮影数が多い動物でした。その後、一時期まったく撮影されなくなり、そして最近はまた少しずつ姿を見せるようになってきています。
タヌキは同じイヌ科の動物であるキツネと比べると雑食傾向が強く、何でも食べる動物です。だから活動範囲も広く、餌を求めて色々な場所に出現します。近年は市街地に出てきて、生ゴミを荒らすタヌキが問題になったりもしてますね。学校林もタヌキにとっては広い活動範囲の一部に過ぎないわけで、それで一時期たまたまやって来なかったのかなと考えたりしてます。
いずれにせよ、学校林ではとにかくニホンジカばかりが撮影されるので、他の動物が写っていると嬉しくなりますよという話でした。
甘いパン作りをしてみました。パンを作るときに砂糖を入れますが、砂糖をたくさん入れると、発酵しすぎます。人工甘味料は発酵しにくいため、パンを作ることができません。そこで、発酵しやすい砂糖と発酵しにくい甘味料を組み合わせて、パンを作ってみました。
砂糖と人工甘味料の率は、キューネの発酵管の実験からわかった結果を基に算出しました。
みごと、甘いパンを作ることができました。
2022年の秋から、水路でドジョウを採集しています。
どうやら宇治にいるドジョウは中国産が多いようです。
釣り餌に使ったドジョウが逃がされたのかもしれません。
冬に入り、採集活動は一休みです。
その間に詳細に同定を行っています。
1月24日、西日本にやってきた大きな低気圧の影響により、近年稀に見る大雪が宇治市を襲いました。積雪により翌日25日は登校もままならない状況だったわけですが、このタイミングでも学校林ではセンサーカメラが稼働しており、雪に見舞われた林内を撮影していました。
あの大雪の中では動物もじっとしているだろうと思うところです。しかし、さすが全身を毛皮で包んだ大型哺乳類なだけあって、ニホンジカはいつも通りに学校林へと来ていました。雪など気にせずマイペースに餌を探している姿や、積もった雪を引っかき回しているような姿など、普段は見られないニホンジカの姿が撮影できたのではないかと思います。
学校林に設置しているセンサーカメラは、24時間ずっと動物の写真を狙っています。そうやって撮影された写真を確認するとき、注目するポイントの一つが撮影時間です。写真の撮影時間はそのまま動物が活動している時間になるわけで、動物の種類によって様々な時間に撮影されます。
野生動物の活動時間というと、多くの方は「夜」だと考えているのではないでしょうか。たしかに、実際に動物が撮影されるのは夜間が多いです。ですが、明るい時間帯に撮影されることだって普通にあります。特に、昼行性であるニホンリスや鳥類は、基本的に明るい時間にしか撮影されません。逆に、テン、ハクビシン、アライグマ、ネズミ類あたりは夜間に撮影されることがほとんどですね。ニホンジカ、アナグマ、イノシシ、タヌキなんかは昼でも夜でも撮影されます。
昼行性とか夜行性とよく言いますが、哺乳類に限って話をするなら、たしかにムササビやコウモリ類など、夜にしか活動しない種類はいます。同様に、ニホンリスなど主に明るい時間に活動する種類もいます。しかし、ニホンジカをはじめとする多くの種類は、実は昼行性でも夜行性でもなく、自分達が活動しやすい時間に活動しているのです。学校林のように人里近い場所では、明るい時間は人間が活動しているので、動物達は主に夜に活動しているというだけなのです。そんな動物の活動時間に注目するのも、なかなか面白いですよ。
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