学校生活

 

みなさん、こんにちは、部長です。

  科学部では今年の新入部員を絶賛募集中です。理科が好きな人もそうでない人も、畑を耕したり、さまざまな動物の骨格標本を作ったり、学校の裏山に暮らす動物や鳥を調べたり、魚釣りや合宿に出かけたりして、一味違う高校生活を過ごしてみませんか?

 他の部活との兼部もOK、女子部員も文系科目が好きな人も大歓迎です。少しでも興味があればぜひ、莵道高校のホームページから科学部のページをのぞいてみてください。



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 3学期も終わり、季節は春を迎えようとしています。学校林で撮影される動物も、少しずつ春らしさを感じる写真が増えてきたように思います。特にニホンジカの雄にとっては角が生えかわる時期であり、今までの角が抜け落ちて新しい角が生えてきます。2本の角が落ちるタイミングはバラバラなので、今回も片方の角だけが落ちた雄ジカが撮影されました。他にも、冬の間は巣ごもりをしていたアナグマが動き出していました。温暖化の影響なのか、近年は年末まで活動しているアナグマですが、1・2月はしっかり冬ごもりをして、3月になってまた姿を現しました。これら動物の生態を見てると、春になるんだなと感じますね。

 莵道高校の学校林にセンサーカメラを設置して動物の調査を始めてから8年が経ちました。この間、哺乳類だけでも15種、鳥類を含めるともっと多くの動物が撮影され、学校の裏山でこれだけの動物が見られるのかと驚いています。継続して調査していると、特定の種類が増えていったり、減っていったり、今までいなかった動物が来るようになったり、さまざまな変化を見ることができて楽しいです。

 生徒の皆さんが通っている校舎のすぐ横に、たくさんの動物が現れる森があり、その動物が夜な夜な校舎の方までやってくることもある。莵道高校って、すごく面白い学校だと思います。

 

 学校内では、校舎の建物にぶつかって死んでいる鳥がたまに見つかります。今回、そうやって事故死したキジバトとヒヨドリを使って、剥製作りに挑戦してみました。

 剥製は骨格標本とは違い、作成にあたって非常に繊細な作業が必要です。羽毛を汚さないように内臓を取り出し、筋肉を除去し、防腐剤を塗ったりと、知識や技術がなければ形すらまともに保てません。そんな剥製作りを、わずかな資料とインターネットだけを頼りに、とりあえずやってみました。当然、途中は「これどうなってるの?」「一体ここは何なの?」といった状況の連続で、よく分からないまま進めたところも多々あります。

 結果だけ見ると、およそ自信満々に見せられるようなものを作ることはできませんでした。しかし、何とか形だけはバラバラにならず、完成させることができたと思います。見る角度によっては、それなりに見えるような気もします。初めて作った剥製としては、決して悪いものではないかも知れません。今回の経験を、次の剥製作りに生かしていきたいですね。

 

 皆さん、こんにちは、部長です。

 莵道高校の周辺にはたくさんのニホンジカが生息し、学校敷地内でも時々見られることがあります。科学部で二ホンジカの頭の骨格標本づくりに取り組みました。まずは水で煮込んでいきました。煮込む際に炭酸ナトリウムを入れると、肉が柔らかくなり、骨から剥がれやすくなります。普段の授業では絶対に体験できない活動ですので、部員たちは皆興味津々の様子でした。

 

 種子の散布型というのがあります。これは生物基礎の授業でも登場するのですが、植物が種子を散布するときに、どのように行うかのタイプになります。例えば、風散布型は、タンポポの綿毛のように、種子を風にのせて遠くまで飛ばすタイプです。動物散布型は、動物に食べられてお腹の中に入り、別の場所で糞と一緒に出てくるなど、動物によって遠くへ運んでもらうタイプです。中でも風散布型は、風にのってしまえば信じられないくらい遠くまで運ばれることが特徴で、海を渡って別の島まで散布されたり、移動距離が世界レベルになったりします。そんな風散布型の種子について、学校内にどのような種子が飛んでくるのか、調べてみることにしました。

 適当な大きさのボックスに買ってきた園芸用の土を入れ、学校内のあちらこちらに設置しました。そのまま置いておけば、飛んできた種子が発芽し、伸びてくるはずです。場所によって飛んでくる種子に違いがあるのか、そもそも本当に植物が生えてくるのか......。やってみないと分からないことも多いのですが、しばらく様子を見ていきたいと思っています。

 

 科学部が学校林内に設置している赤外線センサーカメラは、赤外線により動物の体温を感知して自動撮影するカメラです。体温を感知しているので、哺乳類だけでなく、恒温動物である鳥類もよく撮影されます。むしろ、昼間は哺乳類よりも鳥類の方が活動しているので、明るい時間に撮影された写真はほとんど鳥類だったりします。実際、撮影された写真データを集計すると、20%くらいは鳥類です。

 現在、科学部では学校林における鳥類の調査を進めています。センサーカメラで撮影されるのは一部の種類だけだと思われるので、録音装置(ICレコーダー)によって鳴き声を記録し、そこからどのような鳥類が学校林にいるのかという調査を始めています。哺乳類だけでなく、鳥類や昆虫類など、さまざまな分類の生物相が分かってくれば、学校林がますます面白くなってきそうですよね。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 皆さん、こんにちは、部長です。暖かい日が増え、春がすぐそこまでやってきたのを確かに感じられる日が続いていますね。

 学年末テストが終わって最初の部活動では、畑にコマツナとチンゲンサイを植えました。チンゲンサイは、畑にそのまま種を蒔きますが、コマツナは、畑に種を蒔くだけでなく、ポットで育てた芽を畑に移し植えることを考えています。収穫まではまだまだ時間がかかりそうですが、美味しい野菜を収穫できるように努力していこうと思います。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 皆さん、こんにちは、部長です。寒くなったり、暖かくなったりと体調を崩しやすい日が続いていますね。

 科学部では、「風散布種子」に関する調査を新たに始めました。プラスチックボックスの中に土を入れて、学校敷地内の様々な場所に置き、どのような植物が生えてくるのかを調べていきます。今回は使用するプラスチックボックスの底にドリルで穴をあけ、土を入れるための準備を行いました。新たに始める調査ですのでどうなっていくか分かりませんが、面白い発見を得ることができたら嬉しいですね。

 

 2月になって、急に寒い日が増えてきていますが、それに伴って、宇治市でも雪が降るようになってきました。日本の哺乳類の多くは冬でも活動しているので、今回回収されたデータの中には、雪の中で撮影された写真もありました。

 科学部が学校林に設置しているセンサーカメラは赤外線(体温)に反応するので、哺乳類だけでなく鳥類もよく撮影されます。その多くはキジバトやハシブトガラスなのですが、今の時期は冬鳥であるシロハラやトラツグミも撮影されます。シロハラは森林で見られる冬鳥としてこの調査を始めた初年度から撮影されていましたが、トラツグミが撮影されるようになったのはここ3~4年です。鳥類の生息分布も、年ごとに微妙に変わってきているのかも知れませんね。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 皆さん、こんにちは、部長です。2月もあっという間に過ぎ去ろうとしていますね。

 来年度の新入生に向けた科学部の紹介ポスターが完成しました。ポスターは2枚作成し、1枚目は学校の裏山のマスコット的存在であるアライグマを大々的にポスターの主役に抜擢したものです。2枚目は中学のとき美術部だった1年生が可愛らしい絵を描いてくれたのですが、莵道高校のマスコットキャラクターに関わる挑戦的な作品となっております。作成したポスターは4月から校内に掲示する予定です。少しでもポスターを見て、科学部に興味を持ってくれる人がいれば嬉しいですね。

 この度「科学部部長のひとりごと」は第20回を迎えることができました。こうやって科学部の活動内容を書き出していると、やはり科学部はなかなか面白い部活だと感じます。読んでくださっている皆様に心から感謝します。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 みなさん、こんにちは、部長です。相変わらず寒い日が続いておりますが、少しずつ暖かい日が増えてきたり、梅が咲いたり、鳥の鳴き声や花粉などで春が確かにやってきていることを実感させられますね。

 来年度の新入生に向けた部活動紹介ビデオの作成を、科学部でも行いました。ネタバレになってしまうので詳しくは話せませんが、20年以上前にアメリカで公開されたホラー映画の予告映像のパロディとなっています。科学部らしい面白さと意味不明さを備えた、想像以上の傑作ができたと思っております。作成したビデオは4月に昇降口前のモニターで流す予定だそうです。少しでも多くの新入生にこのビデオを見てもらい、科学部に興味を持っていただけたら嬉しいですね。

 ちなみに、科学部では現在も新入部員を募集しています。1年、2年のみなさん、今からでも科学部に入りませんか?理科が好きな人もそうでない人も、畑を耕したり、さまざまな動物の骨格標本を作ったり、学校の裏山の動物を調べたり、魚釣りや合宿に出かけたりして、一味違う高校生活を過ごしましょう。他の部活との兼部もOKだし、女子生徒も文系科目が好きな人も大歓迎です。少しでも興味があればぜひ、ホームページの部活動紹介から科学部のページを覗いてみてください。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 みなさん、こんにちは、部長です。

 みなさんはこの寒い時期に種を蒔いて育つ野菜があることを知っていますか?科学部では、この2月に種を蒔いて3~4月の収穫を目指す野菜として、小松菜とチンゲンサイを栽培予定です。今回は畑に直接種を蒔くのではなく、腐葉土を入れたポッドに小松菜の種を蒔いて、芽が出てから畑に移して植えることにしました。早く芽が出てきて、やがて収穫できることが待ち遠しいですね。

 

 先日、乳脂肪分の高い乳製品(生クリームが適している)を遠心分離して、乳脂肪を取り出す実験を行いました。適当な遠心分離機がなかったので、今回は人力で分離していきます。乳製品を容器に入れ、ひたすら振り続けました。やがて乳脂肪分どうしがくっついて水分と分離していき、乳脂肪の塊となっていきました。この塊は一般的にバターとも呼ばれています。

 動物性の油脂は常温では固体ですが、少しの加熱で融解し、液体になっていきます。今回分離した乳脂肪にも同様の性質があることを確かめるため、加熱実験をしてみました。加熱するのに適当なものを探したところ、科学部の畑より収穫したジャガイモがあったので、ジャガイモを茹でて加熱し、そこに分離した乳脂肪の塊を置くことで、どのような変化が見られるかを確認してみました。その結果、茹でたジャガイモの熱によって乳脂肪の塊が融解し、北海道などの地域で「じゃがバター」と呼ばれる状態になりました。有意義な実験結果が出たことで、部員達はみんな喜んでいました。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 みなさん、こんにちは、部長です。

 みなさんは鳥の標本を見たことがありますか?科学部では現在、鳥好きの部員がヒヨドリとキジバトの剥製作りを行っています。冷凍していた鳥(学校内で事故死していたもの)を解剖して臓器などを取り出して乾燥させた後、空っぽになった鳥の中身にタコ糸を巻きつけた金属の棒を入れて、鳥の体にまるで生きているような立体感を与えていきます。鳥の剥製作りは慎重かつ注意深く行わないとたちまち失敗してしまう、なかなかに難しい作業です。完成まで気が抜けませんね。

 

 哺乳類は恒温動物なので、クマ類やコウモリ類など冬眠(冬ごもり)をする一部の種類を除いて、冬場でも普通に活動しています。よって、センサーカメラでしっかり撮影されるわけですが、寒さにより活性が低下しているのか、撮影数は少なくなる傾向にあります。

 そんな中でも多いのはやはりニホンジカで、今回回収したデータでも、ニホンジカがたくさん撮影されていました。今回は雌ジカばかりが写っていたのですが、グループになって行動している様子が確認できるものが多かったです。ニホンジカの行動は雌雄で異なり、繁殖期ではないときは、雄ジカは単独生活していることが多いです。それに対して、雌ジカはグループになって行動しています。学校林にもそんな雌ジカのグループがよくやってきます。

 今回はそれだけでなく、カメラの前で長時間くつろいでいるグループも撮影されました。カメラが作動するときはLEDライトが発光するので、カメラの前にいたらずっとライトで照らされているはずなのですが、ふてぶてしくも休息モードに入っているようでした。ライトに対するシカの反応性はかなり個体差があるように思います。多くは照らされたらすぐに逃げるのですが、中にはまったく気にしていない個体もいて、実に面白いものです。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 皆さん、こんにちは、部長です。

 冬野菜がますます美味しい季節になってきましたね。科学部は学校の中庭の一角に畑を作ってサツマイモやジャガイモ、トウモロコシなどの様々な作物を作っています。先日の部活では秋に植えたジャガイモの収穫をしました。これは、去年サツマイモを収穫した後の畑を耕して、3年生の先輩が実験に使って残っていたジャガイモを植えたものです。

 冬はなかなか畑仕事ができませんが、こういう機会で作業ができるのは畑好きとしては嬉しい限りでございました。

 

 10月の終わりにサツマイモを収穫した後、畑の一部にジャガイモを植えました。植える時期が少し遅かったこともあって、上手く育つか不安だったのですが、元気な葉をつけて、立派に成長してくれました。

 最近の寒波で葉も枯れてきたし、とりあえず収穫してみることにしました。土を掘ってみると、小ぶりですがちゃんとイモができていました。一畝しか植えなかったので収穫量は少ないのですが、このジャガイモをどう利用していくか、今から楽しみです。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 みなさん、こんにちは、部長です。

 みなさんは動物の骨がどのようになっているかすぐに想像できますか?科学部ではとある部員が、ウシガエルの骨格標本の製作を行なっています。4年前に捕獲され、冷凍されていたウシガエルを鍋で煮て、骨を取り出し、現在骨の仕分けをおこなっています。ピンセットを使い、細かな骨も見逃さずに仕分けていく作業はなかなかに骨が折れる作業ですが、完成が楽しみですね。

 「科学部部長のひとりごと」はこのたび第15回を迎えることができました。始めてからまだ半年も過ぎていないのに、自分でもここまで多くの記事が書けると思っていませんでした。読んでくださっている皆様に、この場を借りて厚く御礼感謝申し上げます。そしてこれからも「科学部部長のひとりごと」をどうぞよろしくお願いします。

 

※この記事は科学部の部長による活動報告です。

 みなさん、こんにちは、部長です。

 みなさんは米は年に一度しか取れないと思っていませんか?実は2回とれるんです。科学部では秋に稲を刈り取った後、刈り取った後に残った茎をそのままにしておき、もう一度稲を育て、このほど収穫しました。二度目の収穫となった稲は緑色で、中身に実が入っていなかったり、水が入っていたりと結果的には失敗に終わってしまいました。しかし、「これってこうしてみたらどうなんだろう?」と考えて、実行したことはなかなかに興味深く、また面白いことでした。

 

 年が明けて2025年になり、3学期が始まりました。学校林では冬休み期間もセンサーカメラが動物を狙っていました。データを回収したところ、やはり冬になって寒いのか、撮影数は秋より確実に少なくなっていました。

 そんな中、今回はテンの写真がいつもより多めに撮影されました。テンはあまり有名な動物ではありませんが、里山ならどこにでもいるようなイタチの仲間です。ふつうのイタチ(ニホンイタチ、チョウセンイタチ)が河川の近くなどの水場でよく見られるのに比べ、テンは森林でよく見られます。よって、学校林ではイタチよりもテンの方が多く撮影されますね。

 テンの体色は季節による変化や個体差が大きく、黄色っぽいもの、茶色っぽいもの、顔も黒くなったり、白くなったり、実に多様です。ふさふさの毛皮は高級品であり、さわり心地が最高で、首巻きに使われたりするみたいです。

 日本にいるイタチの仲間にはアナグマもいます。アナグマは学校林でもよく見られますが、冬ごもりをするのため、春から秋にしか撮影されません。ところが、最近は12月になっても撮影されており、今回はついに年末に撮影されました。アナグマは冬ごもり中でも、暖かい日には外に出て水を飲んだりします。このまま温暖化が進むと、冬でも見られる動物になっていくかも知れませんね。