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7月12日(月)に、劇団 芸優座の『ベニスの商人』を鑑賞しました! Part2

 

公演終了後には、舞台装置の「バラシ」という作業を見学し、劇団員の人たちに講習会をしていただきました。演劇をするクラスや映像制作をするクラス、また演劇に興味がある生徒18名が参加し、とても有意義な会となりました。

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講習会は生徒の質問にシャイロック役の平塚様と演出家の川口様にお答えしていただきました。開始早々に驚いたのが、平塚様がなんと89歳と聞いた時です。シャイロックの喜びや苛立ち、失意の感情を歩き方やしぐさで表現している姿や笑い方や抑揚のつけ方などはとても印象的で、長年の役者人生の鍛錬の賜物なのだと感じました。

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講習会で生徒たちは大きく分類すると2つのことを学んでいました。

①声の出し方やジェスチャーなどの動作、台本を自分のものにするなどの演技について。

②舞台装置や音響照明、カメラワークなどの演出について。


他にも、役者さんはあがり症の人が多いと聞いてびっくりしたのですが、舞台上であがらない秘訣も教わりました。

その秘訣は、まず台本を覚えて自分のものにし、そして実際の演技では「一つのことに集中する」のだそうです。例えば、相手の言動に集中すると、自分の台詞を話す時は相手の言動に合わせて自然とことばが出る。そうなると「あがったらどうしよう」「次のセリフはなんだっけ」と他のことは考えられなくなる。これを身につけるには相当な練習が必要だと思いました。


また、午前と午後の公演の難しさは、演じる時の「慣れ」だそうです。『ベニスの商人』の冒頭、シャイロックがバサーニオーとアントーニオーに出会う場面は、「自分の悪口を言っている憎い相手に出会った」という新鮮さを2回目でもいかに出せるか。ここでも「一つのことに集中する=自分の悪口を言っている人と偶然出会った」ことと「前の演技を忘れる」ことが大切なようです。


生徒たちが質疑応答で何を感じ取ったのでしょうか?

以下、アンケートより一部抜粋したものです。

「実際に劇団員のひとに話しを聞いて、私は今回演技をする役ではありませんが、とても有用な意見が聞けてよかったです」

「演劇をするときの心構えを学べました。セリフは相手の言葉を聞いて発する、ということを聞いて本当にその通りだと思ったし、それをするのが難しいからたくさん練習を重ねなければいけないなと思いました」

「質問したことに対し、気さくに簡単に細かく教えてくださいました。自分はセリフの覚え方を質問したのですが、それに対して、『セリフはまず覚えるんだけれども、舞台上ではそのセリフを忘れてしまう』と言ったことにあまり理解が出来なかったのですが、その意味は、相手とそして自分と自然に会話できるまでに完成度を高めるということでした。そして、舞台上では自分のセリフを(こうしなきゃこうしなきゃ)ではなく、相手の言ってることに集中して、自分の中から自然に次のセリフを出すと教えてもらいました。参考にしたいと思います」

「見て感じた事だけではなく、実際に言葉を交わすことで、より演劇の難しさや奥深さを身に染みて感じることができました。特に、台詞を覚えるという概念をなくし、自分の心からその言葉が出てくるようなイメージでその役に入り込む、という事がとても心に残りました」

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夏休みの準備期間中に、講習会で学んだことをクラスで共有し、よりよい出し物にしていってもらいたいと思います。

 
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