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学校生活

 

 『万葉集』の時代、「コトバ」は「言羽」と表記されることもありました。「コトバ」が鳥のように相手の心に飛んでいくというイメージでしょうか。それが、平安時代になると「言葉」という表記が一般的になっていったそうです。つまり、一つ一つの「コトバ」が木の葉のイメージとして紡ぎ出されていきます。すると、この西城陽高校の図書館は、何億いや何兆もの「言の葉」が鬱蒼と茂った、深い森。そしてその一枚一枚の「言の葉」は、やがて腐葉土となって文化を育んでいきます。私たちはそのイメージから、この企画を「Book Forest Festival」と命名しました。

 さて、今年のBook Forest Festivalです。茶道部・美術部・文芸部・写真部・吹奏楽部のパネル展示、図書委員・文芸部による読書案内、吹奏楽部・合唱部のミニコンサートなど、一週間にわたってさまざまな催しを実施しました。そんな中で、とても印象に残るシーンが一つありました。吹奏楽部と合唱部のコンサートの模様を、コンピューター研究部が廊下のスクリーンに中継しているその姿を、写真部が写真撮影していました。クラブ活動とは得てして自分たちだけの閉じられた世界で完結してしまいがちです。しかし、こうして自分たちの得意分野を追求していきながら、同時に他のクラブとコラボして一つの新しい世界を作り上げていく。そこにたくさんの「言の葉」に包まれた「本の森」の中から、西城陽高校の新しい文化が芽生えていく予感がしました。