本校は、明治11(1878)年に京都盲唖院として設立され、今年で147年目を迎える日本最初の盲学校です。校内の資料室には、「京都盲唖院」開校以来の簿冊や教科書、教具、生徒作品、写真など約1万点(国の重要文化財を含む)を保存しています。こうした膨大な資料群を散逸させることなく発展させ、後世に伝えてきた先人たちの発想と地道な努力に深く感銘を受けるとともに、工夫を凝らした教材教具からは、視覚に障害のある子どもたちの教育に対する情熱を感じ取ることができます。
今の時代を生きる私たちの使命は、視覚に障害のある子どもたちが次の時代を幸せに生きることができるように、必要な力を積み上げていくことであると考えています。創意・工夫のある教育活動をとおして、一人ひとりの子どもの育ちを丁寧に把握し、今付けたい力を見極め、着実に成長につなげてまいります。
さて、本校には、幼稚部、小学部、中学部及び高等部があり、それぞれの学部で、卒業後を見据えた体験的な活動や校外での実習を多く取り入れ、進路実現を目指しています。
また、高等部には、主として大学進学を目指す普通科京都フロンティアコース、専攻科普通科を設置し、希望進路の実現に向けた進学指導の充実を図っています。保健理療科、専攻科保健理療科・理療科では、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の資格取得を目指すことができます。
さらに、京都府視覚支援センター(本校)と、京都府南部視覚・聴覚支援センター(府立南山城支援学校内)の2つの支援拠点を置き、地域の保育所・幼稚園、小・中学校、高等学校等で学んでいる視覚に障害のある子どもやその保護者、学校等への相談支援を行っています。視覚障害教育におけるインクルーシブ教育システムを一層推進するため、本校を中核とする「連続した学びの場(幼・小・中・高・特支)」相互の交流及び共同学習の推進、就学前相談・入学相談・進路相談等、相談支援の強化、府下に点在する視覚に障害のある幼児児童生徒をつなぐ取組等を展開してまいります。
本校創立150周年(令和10年度)を控え、教職員一同、開校以来の伝統を引き継ぎながらも、京都府唯一の視覚障害教育に特化した特別支援学校として、時代の変化に応じて、様々な取組にチャレンジし、努力を重ねていく所存です。
本ホームページでは、日々の教育活動を積極的に発信するとともに、より詳しい説明を行っております。本校の視覚障害教育の取組に関する御意見や御感想をお聞かせいただきますとともに、気軽にお問い合わせくだされば幸いです。
令和7年4月1日
京都府立盲学校長 田渕 茂彦