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最終学年での探究も地域活動がやっぱりパワーアップしています!~3年生〈その1〉

 

みなさん、こんにちは!

夏休みも明け、いよいよ2学期がスタートしました\(^o^)/

夏休みはどんな思い出ができたでしょうか。

夏休み明けは文化祭。相も変わらず、また忙しい日々が始まりますが、

1つ1つ楽しみながら取り組めたら良いですね♪


さて、今回の記事はまた前回に引き続き、

各学年のハイライトをお届けします。


この記事は3年生。

峰山高校では3年生でも探究活動がありますが、こちらは

それぞれの進路に合わせてコース別になっています。


例えば、推薦入試や2年生での探究活動の内容をさらに深めたい人は、

継続して探究コースを選択します。


また2年生までの探究(プロジェクト活動)の体験を踏まえて、進路選択を

していく上で、自分がどんな分野により関心を持っているのか

見極めていくための学問コース。


さらに多様なジャンルの本を読み、それぞれの書評を書き

意見交流をしたり、自分だけのオリジナル本棚を作るといった

ユニークな書評コースがあります。


コーディネーターの私は、探究コースの担当をしているので、

探究コース選択者の活動についてピックアップさせていただきますね。


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◎これまであまり触れたことのない楽器について知りたい

~作曲に活かせるエッセンスを、和楽器との出会い~


彼女は、音楽大学の作曲コースを志望している高校生。

小さい時からエレクトーンを習っていて、ジャズが基板となって

構成されているフィージョンというジャンルの音楽を好んでいる。


これまでに作曲経験もあり、軽音楽部でもキーボードを担当。

将来の夢は、音楽の魅力を伝えることの出来る素敵な先生。


そんな普段からどっぷり音楽に浸っている彼女は、

探究コースでは今までとはちょっと違った角度から音楽について

考えてみることにチャレンジしました。


これから本格的に作曲を学ぼうとしている彼女にとって大切なのは、

できる限り多くのジャンルの音楽に触れておくこと。

そうすることで、彼女の中の引き出しがより豊かになり、

新しい音楽を作る上でのアイディアの種になるはずです。


そこで着目したのが、和楽器。

西洋で生まれた音楽や楽器には多く触れてきた彼女も、

和のものには詳しくありません。

ぜひ詳しい人から楽器についてお話しを聞きたい、

そしてできれば体験もしてみたい、ということで

お繋ぎしたのは、網野町で三味線の講師を務めている

田中匡代先生。

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三味線の構造や音の響き方について、また種類や歴史的な

ことについてレクチャーを受けたあと、実際に

弾かせていただく機会もいただきました!


先生は、簡単に弾いているように見えるけど

実際にやってみるとすごく難しいことが分かります。

正しい姿勢を保ちながら正しい位置に楽器を固定すること自体が

まずとても難しく、漸くそれができても次にバチを持って狙った音を

鳴らすのが本当に大変で。

他の弦に触れてしまったり、ちょうど良い力加減が難しかったり、

弾いている間に姿勢が崩れてしまったり......と想像以上に簡単でないことが

分かったのです。

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それでも先生のご助言のもと、何度も繰り返していると数回に1回くらいは

綺麗に響く音が出る瞬間がある。

それを体験してしまうと、やっぱり気持ちいいんですよね。


ピアノやギターなどに比べると、習っている人の割合は

決して多くはないけれど、やはり日本人にはなじみ深い音。

どこか懐かしさを覚える美しい音色に触れて、

やっぱり和のものも良いなぁ、と改めて実感する時間となりました。


普段、日常的にはあまり触れない音楽の要素も

たっぷり取り入れて、さらに音楽に関する感性を豊かに磨いてくれたら

嬉しいな、と思ったのでした。


◎丹後の様々な伝承に出てくる「鬼」とは何か

~「鬼」を巡って歴史の謎に迫る~


彼女は、2年生の探究活動を3年生でも継続するという選択をしました。

丹後町にある竹野神社で行われてる「鬼祭り」にまつわる謎を

解き明かそうと、探究活動をしていました。


「鬼」というキーワードは、歴史上残されている様々な伝承を中心に

多く登場します。この「鬼」とは何だったのか、については

色々な場所で議論され、いつの時代も人々の心を魅了しています。


彼女もまさにその1人。

歴史や神社仏閣が好きな彼女にとって、

伝承や古くからの言い伝えは魅力そのもの!!


彼女はまず、地域の伝承に詳しいお二人にお話しを聞きに行きます。


一人は、峰山高校の近くにある金刀比羅神社の宮司 脇坂さん。

そしてもう一人は、ふとんのえびす屋店主の蒲田さん。


お二人とも丹後の歴史、とくに神々の話についてお詳しく、

神社に参拝したときのルールや神社の造り、その歴史などに関して

たっぷりと興味深いお話しをお聞かせ頂きました。

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最後には、やはり実際に現場に出向いてこそ感じ取れるものがある、

ということで、急遽フィールドワークを実施。


蒲田さんが大好きだという、比沼奈為神社へいざ出発!

比沼奈為神社は、やはりひと味違うのだ、と蒲田さん。


主祭神は、五穀豊穣を願う最高神である豊受大神。

豊受大神は、現在の峰山町五箇にある磯砂山に天降り、神社由緒には、

『遠き神代の昔、此の真名井原の地にて、田畑を耕し、米・麦・豆等の五穀を作り、

また蚕を飼って衣食の糧となる技を始められた』とあり、丹後地方にはじめて

稲作の指導をした神様なのだ。


「あそこに見えているのが、〈月の輪田〉で、ここが日本農業発祥の地とも

言われている。丹後七姫の一人である、羽衣天女との関係性があるという

諸説も残っていて、この知は歴史的観点から見てもすごく面白いんだよ」


そしていよいよ、私達は神社の鳥居の前に立つ。

足を踏み入れようとした高校生にストップの声がかかる。

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「鳥居をくぐる時は、まず神様に挨拶ね。こうして一礼してから入るように。

そして、参道は神様の通り道だから、邪魔にならないように

端っこを歩くようにしてね」


そして、中に入って参道を進んでいくと、何やら気になる物体が。

石が積み上がって、小さな山のようなものが沢山目につきます。

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「あれは何ですか?」


「あれは、立砂っていってね。神様が降り立つところなんだよ。

京都市にある上賀茂神社にもあるんだよ。

こんなに立砂が存在している神社は中々珍しいね。」


そんなことを話しながら、歩みを進めていると

本殿へと続く階段が目の前に現れます。

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不思議なことに、この階段のあたりから空気がガラッと変わりました。

何か霊的なものを感じ、自然と背筋がピンっと伸びます。


「何か人ならざるものがいる」


そう感じずにはいられない空気が漂っているのです。

気配と言ってもいい。


神秘的で凜と澄んだ空気の中、階段を上っていくと

美しい本殿が姿を現しました。

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思わず足を止めて、全員で本殿を見上げる。

すると、優しい風が私達の顔をそっとなでていきました。


「神様達が、私達を歓迎してくれているみたいだね。」


本当にそんな風に感じるくらい、ここの空気は気持ちが良い。

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伝説を辿りながら、その所以となっている場を実際に歩く。


ネットや本で調べただけでは感じられないことが、

現場を歩くと体感できる。


伝説との結びつきが強い丹後の地を練り歩く面白さを

歴史好きの地域の方と神社が大好きな高校生が教えてくれたのでした。



 
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