3月1日金曜日、第75回卒業証書授与式をおこないました。

  3年間、学習に、部活動に、学校行事に全力で取り組み、大きく成長した皆さんを心から祝福します。
  以下に答辞を全文掲載いたします。


答辞

 肌寒い風が吹きつつも、暖かい日差しが私たちを照らす、今日この日、私たち卒業生のためにこのような素晴らしい卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。卒業生一同、感謝の気持ちでいっぱいです。

 今、桂高校で過ごした3年間を振り返ると、私の心のノートにはいろいろな思い出が刻まれていることに気がつきます。しばらくの間、思い出のページを紐解いてみようと思います。

 1ページ目は入学式。
3年前の4月にこの場所で、これからの高校生活へのたくさんの期待と不安を感じながら、お互いマスクの下の素顔を知らないままのスタートでした。
そんな中、慣れないクラスメイトと初めて一丸となって取り組んだのが、文化祭準備でした。
しかし、夏休み明けに告げられたのは「中止」の一言。私たちはとても落胆しました。
ですが、その後学年でダンスパフォーマンス大会が開催されることになり、「この状況も楽しんでいこう」とクラスメイトと声をかけ合いました。

 「これ食べてみて、すっごい甘いよ」
初めて収穫したというトマトを、専門学科の友達はキラキラした笑顔で食べさせてくれました。今このトマトを、もっと甘く、美味しくする研究をしているのだという話に耳を傾けながら、トマトを口に運ぶと甘い爽やかな味が口いっぱいに広がりました。専門学科の活動に刺激を受け、よし、私も頑張ろう、と発奮したのは友達には内緒です。

 その後も、制限の多い中、それぞれ工夫をしながら困難を乗り越えていきました。

 そうして迎えた2年生の冬、待ちに待った研修旅行の日。
北海道といういつもと違う場所で見つけた友だちの新たな一面。お笑いや歌やダンスに興じた学年レク。
ゴンドラから見た視界いっぱいに広がる銀世界。雄大な自然を前に、私たちは思わず息を飲みました。
スキーのインストラクターさんが完璧な降り方と絶賛していた雪は、4日目には飛行機が運行できるかも怪しい大雪となり、その影響で、札幌での活動は中止、変更に。がっかりしました。
でも、「札幌のラーメン、美味しかった。」「まつげ凍った。」「スマホが動かない。」
こんなハプニングも「よい思い出だね」と、皆で写真を沢山撮りました。

 いよいよ最高学年となり、マスクの制限がなくなり、最後の年にして、やっとみんなの顔をちゃんと見ることができました。
少し恥ずかしく思いながらも、やっと「普通」の生活を取り戻せて嬉しかったです。

 高校最後の文化祭で取り組んだ演劇。
上演まで何度も壁にぶつかることはありましたが、役を見事に演じきって見たカーテンコールでの客席は忘れられません。

 行事が一通りおわり、それぞれが真剣に進路について考えなければいけない時期となりました。
待ち受けるたくさんの壁に心が折れそうになる私たちは、先生方の「強い気持ちで頑張れ」という言葉で何度も励まされました。
また、たくさんの先生方に相談にのって頂き、面接や小論文などたくさんの練習の場を設けて頂きました。試練の場は成長の場でもありました。

 綴られた思い出を振り返り、最後に思い浮かんでくるのは感謝の言葉です。
憧れだった先輩方。先輩方は私たちに先輩としての在り方を教えてくれました。
至らないことがあったと思うけれど、いつもついてきてくれた後輩達。
私たちの事を思い、優しく、時に厳しくご指導頂いた先生方。
何度も反抗し、ひどい言葉を投げかけてしまったこともある家族。
それでもなお、いつも味方でいてくれて、朝早くからお弁当をつくり、テストの結果を自分以上に喜び、試合の結果を自分のことのように悔しがってくれました。
どんなに言葉を尽くしても、その温もりにかなうとは思わないけれど、それでも一言言わせてください。本当に、ありがとうございました。
 
 そして、この3年間共に学び、共に成長してきた同級生のみんな。
制限の多い中、さまざまな困難を乗り越えてこられたのは、かけがえのない仲間がそばにいてくれたからです。長い人生のうちのたった3年間、この桂高校で出会い、日々を過ごし、友達になれたことを、本当に嬉しく思います。いつの日か再会して思い出を語り合う時が楽しみです。
 
 これから、私たち卒業生は桂高校で身につけた知識や精神を糧に、桂プライドを胸に、そして、それぞれの成長の証を記した心のノートを携え、なりたい自分への一歩を踏み出していきます。
 
 最後になりましたが、3年間、関わってくださった全ての皆様へ、そして本日御臨席くださった全ての皆様へ、心からの感謝を込めて、卒業生の答辞とさせていただきます。

 令和6年3月1日
 卒業生代表
 加藤 玲子

 
COPYRIGHT (C) 京都府立桂高等学校