館長ごあいさつ

 和銅6年(713年)に丹波国から分かれて丹後国ができたことが、丹後の地名の始まりです。
 丹後地域は、古来から日本海を通じた交易が盛んであり、ガラス釧や玉製品など豪華な副葬品を持つ弥生王墓や、日本海側有数の前方後円墳が複数残されるなど、大きな勢力を持った人々の活発な活動を知ることができます。
 古代には、天橋立を横一文字に臨む場所に、丹後国分寺が建てられました。日本三景の一つである天橋立は、古くから歌枕として知られるとともに、足利義満や雪舟をはじめ多くの人々が訪れました。細川氏や京極氏の時代を経て、江戸時代には、3藩1代官所(宮津藩・田辺藩・峰山藩・久美浜代官所)による支配が行われ、近代には舞鶴に鎮守府が置かれました。
 一方、国の重要有形民俗文化財に指定された丹後の藤織りなどの紡織資料や、伊根浦の捕鯨に見られるような漁撈資料をはじめ、丹後には、独特の文化を彩る民俗資料も多く残されています。
 名勝・天橋立が一望できる京都府立丹後郷土資料館では、このような独特の文化を持つ丹後地域の考古・歴史・民俗に関する資料について調査・研究を行い、その成果を展示や講座などで発信するとともに、後世へ守り伝える活動を行っています。
 丹後の奥深い歴史や文化を訪ねに、どうぞお越しください。皆様のご来館を、心よりお待ちしています。

京都府立丹後郷土資料館長

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